日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

農獣のため

2015年08月28日 | 地域


 「元気にしとる」と後ろから声を掛けられた。80歳を超えた旧知の人。昔風に言えば大百姓であちこちに広い田畑がある。「お元気ですか」と問い返したら「毎日こればかり」と担いでいる草刈り機を軽トラに積みながら、雑草の繁殖力を誉める。声をかけてもらったことに礼を言いながら、何年振りかの立ち話はお互いの健康から始まった。

 周りの畑を見ながら話は農作業に変わりイノシシにサルとの戦いになった。トタン板で畑を囲んだがイノシシはぶち壊す。電気柵で10万円超の経費。柿泥棒監視のため防犯カメラ設置で30万円、儲けにならん出費がかさむと昨今の世情に苦労するという。カボチャをサルの攻撃から守るためネットを張ったが、ネットを食いちぎって20個以上もやられたと苦笑される。

 秋に向かって柿の実が大きくなり始めた。その柿の木に小動物が登り実をつついている。幹に引っ掻いた爪の跡が残っていた。また、新しく植えた10本余りの柿の木の枝を棒切れで叩き折られた、これは人間の仕業。柿泥棒も枝を折ったのも人間だが、その行為は農獣と同じ、日焼けした顔に残念そうな疲れを感じる。

 いつだったか我が家の炬燵での話。全国でイチゴが大不作の年、その方のハウスではイチゴが大豊作。クリスマスケーキ用のイチゴにどのケーキ店も困っていた。そんなとき、どこで聞いたのか神戸の有名店から鞄に詰めた万円札を見せこれで譲れるだけ売ってくれと一見の客。地元優先でお断りしたが、あの札の山には驚いたといいながら笑ったその顔に、地元農家の姿をみたことを思い出した。
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