コロナでご苦労した丑年も残り2週間、年越しに向けて、いや、寅年に向っての方が希望があるような言い回しだが、とにかく何かにつけて気ぜわしい感じのする歳末になった。狙い撃ちではないだろうが、諸般の事情から避けられない物価の上昇に対処する皆さん、昨日今日の寒さで各地の大雪で足を止めた皆さん、オミクロン株対策に関わる皆さん、本当にご苦労様です。
ブッロク塀から道路側へ大きくはみ出した大木の庭木の家がある。冬になるとはみ出した枝から枯葉が道を覆う。そんな枯葉を年配の女性が掃き集め中だった。「綺麗になります」と声を掛けたら「落ち葉にご苦労さんと声をかけております」という。それぞれの葉が勤めを終えたことへのいたわりだろうか、信心深そうなその笑顔にそんなことを思った。落ち葉に労りをする、そんな人は多くないだろう。
知人の家で瞬間湯沸かし器の機嫌が悪くなった。年代物なので暇を出し新品と取り換えようと店に出向く。なんとその店の在庫は1台しかなく、選べる状況にはなかった。店主いわく「品薄で全く入荷が無く困っている。次の入荷は未定」というので取替を即決した。「長い間ご苦労さん。有難う」、機器の処分で初めて思ったと話す。すぐ後で湯沸かし器品不足が報道された。
「ご苦労」は「苦労を掛ける立場の人が、苦労をする相手の骨折りをねぎらう(広辞苑)」とある。落ち葉も瞬間湯沸かし器も擬人化されればご苦労の対象になる。今年の反省に活かせそうだ。先ずは毎日いやを言わなかったパソコンに労りの気持ちを伝えよう。