日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

しきびの花

2015年03月18日 | 生活・ニュース
 

 彼岸の入りだがあいにくの雨、まとまった雨量という。この時期の雨は植物へ春を告げる大切な自然のなせる技でいろいろな呼称があるそうだ。菜の花の時期なので菜種梅雨はよく知られている。催花雨とも呼ぶそうだが、いかにも花を呼ぶにふさわしい命名と感心する。
 
 墓には樒(しきび)を供えるのは我が家の慣わしで、少なくとも月に1度は参るので取り替える。この物価上昇のせつ、近所の種苗店で花店の半値、束の太さは花店の倍くらいで生き生きしたものが買えるので大変重宝している。どこから仕入れされるのかは知らないが、その生産者の人にも感謝したい。彼岸まえの墓掃除、買ったしきびに何輪かの淡黄色の花が咲いている。

 墓掃除をしていて背後から声をかけられた。振り向くと古くからの知り合いの人が、母親を支えるようにして立っている。会話は自然と健康に移る。「わしも80を超えて医者通いが増えた」と寂しそうな笑い。若い時は燃料店と農業をこなしスポーツ大好きな人だった。いま、農業は自家用だけという話し。最近は墓地で交わす会話も健康関わりが増えている。元気で墓参りができるのは幸せか、と思い直す。

 雑草の茂るまま放置される墓が年々増える。それでも、盆に帰省した他県ナンバーの車が並ぶとほっとする気持ちになる。同時に子どものころの賑やかだった話し声の聞こえていたことを思い出す。道沿いの地中で雑草がうごめく声が聞こえそうな暖かい日だった。
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