日々のことを徒然に

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整然と解体

2015年03月14日 | 生活・ニュース


 向かいの長く続いている自転車店が新しい住まいを建てるため住居兼店舗の解体が始まった。作業は小型重機が蟹の爪を振りながら進んでいく。これまで、通りすがりに見かける重機による家屋解体は、解体というより壊している、崩していると思っていた。目の前で進む作業を眺めていて、これまでの思い違いに気づいた。

 自在に回転するクラッシャー、蟹の爪が解体部分をしっかり掴むとオペレーターはそれをゆっくり引き寄せる。と、掴んだ部分だけが取り外され、その周囲が大きく崩れることはない。柱を取り除いても様子は同じ。どの箇所も同じ状態で解体される。そこには計算しつくされた解体手順がオペレーターの頭にあるようだ。見ていて大きく崩れ落ちることがなく、もうもうと立ち込める土煙を期待したが裏切られた。

 解体した残骸をクラッシャーが木材、金属、土壁とその中に埋没している残骸などそれぞれに分別する。見ていると人手と同じように動き確実に分別している。仕分けた残骸は待機した運搬車へ積み込む。そのスピードも処理する量も人手ではとてもかなわない。トラックに満載の柱などが廃材処理工場へ運ばれていく。燃料用ペレットになり再び利用される。

 小型重機ながらその強力な粉砕力を発揮かと思えばと細かな仕事もやりつくしている。オペレーターの「この重機は手足のように動いてくれる」という話に、操作術を超えた一体感を感じる。自転車の数々がところ狭しと並んでいた店舗、今は広々とした空間がその時を待っている。
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