バレンタインデー用チョコの豪華絢爛な並べ方に比べれば、日本伝統行事の節分用豆の並べ方は派手な飾りなどはなくただ慣れた、そんな感じがする。それでも鬼の面が添えられていて春が来るという季節感は感じる。豆が当たると痛がるので豆の代わりにクッションのような柔らかい材質で小球を作り豆の代わりに投げさせるという園の気づかい。豆でケガをすることはなかろう、痛さを経験するのも大切ではなかろうか。
映像で歯幼稚園や保育園の豆まき風景が流れる。泣く子、逃げる子、泣きながらも向かっていく子、恒例のことだが童心になって観ている。園の行事に登場する鬼は赤と青がそろって暴れる、ように子らには見えるだろう。どんな思い出として残るのだろう。鬼は赤と青と思っているが、積まれた節分用豆の周辺にいる鬼は赤だけ、毎年不思議に思う。
青鬼には思い出がある。小学校4年の時、校内行事の演劇で「泣いた赤鬼」の青鬼役を指名され演じた。人間と仲良くしたい赤鬼の願いを叶えるため青鬼は人里で暴れる大芝居をうつ。赤鬼はそれを制し村人と仲良くなる。ふと、青鬼ことを思い訊ねると「赤鬼さん、いつまでも人間と仲良く」という手紙を残し青鬼は遠くに去った。友を失ったと赤鬼が涙する、そんなお話。人の世にもありそうなお話だ。
節分は年に4回ある。立春、立夏、立秋、立冬の前日の呼び方が節分。このうち立春の前日の節分は冬が終わり春の訪れを喜ぶ行事として鬼打豆という炒った大豆を撒く。子どもころにはヒイラギの枝を玄関に飾った。イワシを食べる日ともいう。節分といえば市内の北部で最近「セツブンソウ」という希少植物の自生地が見つかり話題になっている。保護の目的から自由な見学は出来ないが、花径2センチほどの白い花は春到来を告げる自然界の使者なのだろう。