古い時代劇映画を再放送で見るとスタジオ制作でなく野外ロケと思われるシーンがふんだんに見られた。電柱もなく車が通ってできた道の凹もない。そこを馬や籠が行きかう、飛脚が走る、草鞋姿の旅人がのんびりと行く。こうした野外には時代考証をあまり必要としない日本の風景が残っていた。
最近は開拓や開発で道路は舗装され、電柱はそれに沿って伸び、スマホや携帯、BS用などの鉄塔が山の峰に並ぶ。これでは時代劇のロケは難しくなる。それ補うのが映像技術の進歩、街道を歩いているようでも実はスタジオという。だから、晴れた日の場面で道を歩いているのに影が映らないという不思議にも出くわすとか。制作者には気の毒なことだ。
それでも、番組の舞台となるご当地は上や下への大騒ぎになる。中には制作協力金を舞台の地元にお願いした作品もあったとかなかったとか。来年の大河ドラマ は「花燃ゆ」。 明治維新のまっただ中を生きぬいた女性、それは 幕末の思想家・吉田松陰の妹・文の物語という。地元では早くも観光客誘致に知恵を絞り始めているとか。
時代劇で神社と茶店は欠かせない。その二つ揃っているの場所、茶店の向こうに鳥居が立ち、その奥に神殿が見える。こんな贅沢な場所を散歩している。セットでは表しきれない自然光があり風もある。水戸のご老公さま一行が腰かけていないかと、カメラだけは持ち歩くがまだ撮れていない。観光宣伝の一端として「時代劇映画ロケ地探索方」に紹介してみてはどうだろう。