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小松崎 茂は私の生れる前から挿絵画家として知られていた。第二次世界大戦ごろには国民向け雑誌に戦記小説の挿絵や軍艦、戦車、飛行機などの戦争イラストを数多く発表したが、1945年の東京大空襲で生家は全焼し、それまでの資料やスケッチも灰になったそうだ。
その小松崎の絵に興味を持ったのは小学校低学年のころ、少年雑誌に描かれた空想科学イラストをクラス中の男が興奮しながら眺めたころだった。そこに描かれていた宇宙基地の構図が、いま地球上空数百キロを周回するそれと同じことに驚く。
高1のとき受講した市民大学講座で「宇宙と仏教」という広大教授の講義があった。このとき宇宙という無限の世界に興味を覚えた。やがて地球周回のロケットが月面から帰還するまでに進歩したときは驚いたが、遠い昔になった。最近は小惑星探索機「はやぶさ」の快挙に拍手した。
庭に咲いた「トレニア」の花、繁茂の凄さに嫌気がしていた。だからよく見ることもなかった。それが離れたところへ1株だけ生え、それに咲いている1輪を見たとき「宇宙からやってきた顔のようだ」と感じた。それとにらめっこしながら宇宙へ興味を持ち始めたころを思い出した。
その1輪に、宇宙のかなたトレニア星からやってきた「トレニア人」と名づけた。この花の和名はハナウリクサ(花瓜草)、またスミレに似た草姿からナツスミレともいうそうだ。来年からは少し違った目で観察し、遠い彼方への話し相手にしてみよう。
(写真:いくら眺めても宇宙人に見えるトレニアの1輪)