日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

アーク灯

2010年09月08日 | 町かど
           

郷土で誇れる人は多い。今日はそんななかのひとり「藤岡市助」。岩国駅と錦帯橋を往復するバスに「いちすけ号」がある。これは、西日本で初めて古里の岩国で電車を走らせた当時の電車を模したロマン漂う車両で、錦帯橋観光への足になっている。

藤岡市助の業績は岩国小学校運動場そばの「岩国教育資料館」へ豊富に揃っている。その資料館のそばに1本のアーク灯が立ち、「藤岡市助博士記念灯」という銘版がある。そこには次のようにその業績が記されている。

藤岡市助は、安政4年(1857)岩国で生れ、養老館、岩国英国語学所で学び、東京の工部大学(東京帝国大学工学部の前身)に入学した。在学中の明治11年3月25日、日本最初のアーク灯を点火し(後に電気記念日に制定)、卒業後同校教授となり、大学教育、発電機等の発明、学会創立など科学者として目覚しい、活躍をした。さらに続く。

29歳で東京帝国大学の職を辞して実業界に転じ、東京電灯株式会社(東京電力株式会社の前身)や東京市街鉄道株式会社(東京都交通局の前身)の技師長となり、日本の電力及び電鉄事業を開拓し、その礎を築いた。

また、数多くの電気機器を発明し、これを同郷の三吉正一が三吉電機工場で制作し、更に電球製造の白熱舎を創立した。白熱舎を東京電気株式会社(株式会社東芝の前身)に改組した藤岡市助は、技師長に同郷の新荘吉生を招いてタングステン電球等の先端技術を開発し、世界屈指のハイテク企業に発展させた。

このアーク灯は「日本の電気界の父」と仰がれ、「日本のエジソン」と親しまれた博士の偉業をたたえて設置されたものである。こう藤岡市助博士顕彰会は称えている。

毎夜灯される灯は暖かみのあるオレンジ色で育った街を見つめている。バスの「いちすけ号」もその下を通る。どんな気持ちで見下ろしているのか聞いてみたい。

(写真:教育資料館横に建つアーク灯)
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