
本棚の整理をしていたら16年前発行された1冊が出てきた。購入したことすら記憶にない本。めくっているとある頁の見出しを丸で囲んだ項目があった。
1つめは「軽い返事に重い尻」次は「蚊を殺すにはその馬を撃たず」最後は「眼裏に塵あって三界窄し(すぼし)」の3箇所をチェックしている。
1つ目は「よい返事はするが、なかなか腰を上げない。簡単に引き受けてくれるが実行に手間取ること」と説いてある。これでは組織は動かない。
2つ目は「馬にとまった蚊を殺すのだといって、馬ごと撃ち殺すばかはいない。目的は馬が蚊に刺されないことで、馬が死ぬほどの殺虫剤を使ったのでは意味がないこと」と説いてある。目的にあった方法や手段を用いることの大切さを言っている。
最後は「ごく小さなごみでも、目に入るとものが見づらい。同様に、少しでも心に迷いがあれば、物事を正しく見ることが出来ない」と説いている。広い視野を養うことは重要だ。
50歳のころ、3,900円出してこの本を何故買い求めたのか記憶にない。定年までもう一分張りと自己見直しの参考にした、いや悩みがあって静かに読んだのだろうか。読み終え助かったことを忘却しているのかも知れない。そんな年齢に近くなってはいるが。
仕事の苦しさや辛さは人様に負けないほど経験したと思っている。幸いに助力支援もあってのことだが、やり終えたときの感激も数多くあった。でも年金生活になりあの頃の力強さ馬力を知ることはなくなった。
それぞれの場でまた時によりひと言の格言が多くの人を救ってきたのだろう。先人のひと言として何か残したい。凡人はそんな大それた思いを持たないで、他人様に迷惑をかけないように生きていこう。
(写真は葉に隠れる様に咲いたツツジ。どんな思いで助け合っているのか)