みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

一つでありたいから

2013年07月06日 | ヨシュア記
ヨシュア記22章1-20節


 それほど大きく報道されなかったのですが、国会終了間際の6月19日に「障害者差別解消法」が参議院で全会一致で採択、成立しました。日本の障害者政策において大切な法律です。普段は政党間の違いが取り沙汰されますが、この法案のためには与野党が歩み寄って衆議院でも、参議院でも全会一致で採択されました。
 2006年12月13日の国連総会で「障害者権利条約」が満場一致で採択されました。これは、障害当事者(障がいのある人々自身)が大勢参加して条約成立のために取り組んだという画期的な条約でした。しかし、日本はこの条約に署名はしましたが、批准しないままできました。条約を実効性のあるものにするための国内法が未整備だったからです。その意味で、「障害者差別解消法」の成立は大切な一歩だといえます。
(すみません。難しいことを書いてしまって…)

 Nothing about us without us! ということばがあります。訳すと、「私たちについてのことは私たち抜きで決めないで!」という意味でしょうか。これは「障害者権利条約」採択のために障害当事者が大勢参加して取り組んだということに現れています。
 私が住む市でも、このことを障害当事者たちが忍耐強く訴えてきたこともあって、市の施設改修(市役所改築、トイレ改修、歩道整備)には必ず障がいのある方の意見を聞き、現場に立ち会ってもらうようになりました。大きな変化です。

 ヨルダン川東岸に住む二部族半と西側に住むイスラエル人との間のトラブルを解決する際にも、一方的に物事を判断せずに、実際に対話をしようとする姿に教えられます。この章全体を読むと、東側の二部族半が祭壇を築いたのは自分たちもイスラエル人である、すなわち一つである、ありたいという思いからであったことがわかります。また、西側の民がいくさをしようとしたのも、東側の二部族半も私たちと同じイスラエル人、一つなのに…との思いからだったことがわかります。

 勇んでいくさに臨もうとした、しかし、まずは使者を送って話をし、話を聞こうとした…。東側の二部族半抜きに決めないようにという姿勢に教えられます。

      


2011-2024 © Hiroshi Yabuki