黙示録3174年
著者:ウォルター・ミラー
出版:創元推理文庫
図書館で借りてきました。
人がお勧めしていたので、何も考えずに借りてきたが、壮大な時間と空間、歴史を語っていた。
1971年の本なのでページが外れたり黄ばんでいたりしました。
あらすじはWikipediaが一番わかりやすい。長文にならざるを得ないぐらい壮大です。
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舞台設定
20世紀、全面核戦争『火焔異変 )』が勃発した。さらに、それに続いて核兵器、ひいては科学技術全般を憎む生存者たちによる暴動『単純化運動 (原理運動)』が勃発、知識人、科学者は殺され文明は破壊された。ついには読み書きができる者さえ殺され、あらゆる書物が焼かれるまでになった。(私感:中国の文化大革命のようだなー)
アイザック・エドワード・リーボウィッツは、『単純化運動』から逃れてカトリック教会へ逃げ込み、改宗して聖職に就き、砂漠にリーボウィッツ修道院 を創始し、人類の知識「大記録」を単純化運動から隠して密かに保存するプロジェクトを開始した。
第一部「人あれ」
26世紀。リーボウィッツが残した『大記録』は、宝物のように扱われていたものの、もはや誰にも意味がわからないまま中世の写本のように書き写されるだけとなっていた。(私感:文明が文字のない世界まで徹底的に退化した)
第二部「光あれ」
3174年。暗黒時代は終わり、科学文明の兆しが現れていた。
専制軍事国家テクサーカナ の王族で稀代の天才科学者タデオ・ファーデントロット博士は、リーボウィッツ修道院の『大記録』の噂を聞き、半信半疑ながらも調査に訪れた。
『大記録』を解読し古代の知識に触れた彼は感動する。しかし同時に、自分のこれまでの研究が単なる再発見に過ぎないことに気づき落胆し、『大記録』を秘密にしていたことで修道院長を責めた。
テクサカーナは大陸統一のための大戦争を始め、リーボウィッツ修道院とも対立する。修道院長と博士は、つまり宗教と科学は、言葉では共通の敵権力に対する協力を謳いつつ、理解し合えないまま別れていった。
(私感:文字ができ読み書きができるようになったが、今のような科学までは至らない時代)
第三部「汝が意志のまま」
3781年。人類の文明はかつての水準以上にまで回復し、ついに恒星間移民までが達成された。『火焔異変』の教訓から戦争は国際法により厳しく管理されていたが、ついに大西洋同盟(かつてのテクサーカナ)とアジア連邦の間で戦争が勃発し、ルシファー(核兵器)が使われた。
ニュー・バチカンは、『群ノオモムクトコロ 』計画を実行に移した。ケンタウロス座アルファの植民地に『大記録』のコピーと聖職者の一団を載せた星船を送り、地球が滅んだ時には彼らが教会を継ぐことになる。
リーボウィッツ修道院長ジョン・ジェスラー・ザーチは、修道院で難民者の支援に努めるが、助かる見込みのない被爆者に対する安楽死の是非をめぐって、苦痛が唯一の悪であるとする医師と対立する。
ついに核戦争が勃発、修道院も被災した。ザーチ院長は修道院の倒壊に巻き込まれ、重傷を負って苦痛に耐えながら死んでいったが、死ぬ直前に奇跡を、復活の前兆を目にしたと信じる。
そして星船に乗った聖職者たちは、立ちのぼるルシファーのキノコ雲を見て、「カクテコノ世ハ変ワリユク」と言い残し、星の世界へ、第二の出エジプト行へと旅立っていった。(私感;人の業なのか、、、)
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人類の文明開化とその後に起きる核戦争で人類の大多数が滅びるが、生き延びた者たちは文明や化学を嫌い、書物さえも敵視してそれまで価値があった全ての物を捨て去った。イスラムの原理主義、毛沢東やポルポトなどが陥った科学者虐待、、、。なぜか人類は通常社会と科学などを否定する社会が、相反して出てくるものですね。
その後数千年がたち、遺跡から発掘されるかっての文明の証、記録は意味不明の文書だったが、ようやく天才科学者が出て解読された。天才科学者は今まで私たちが発見してきたものは過去にあったものの再発見に過ぎなかったと驚いた。
その後、数世紀が過ぎ人類が星間移動をするようになり、遠くの星に移民地を作るまでになっていた。その時、また人類の間で核戦争がおき地球の滅亡が始まった。人が死していくときに宗教者と科学者である医師に大きな見解の相違があった。それは生命の自我に対する見解の相違だろう。
壮大なストーリーですが、人が考えられることは、、、必ず現実になる、と言うことを考えれば、このストーリーはこれからの黙示録ではあるが予知であるのだろう。
輪廻なんでしょう。手塚治も同じような漫画「火の鳥」を描いています。手塚治は核戦争で人類が完全に滅びて、人類がいなくなった荒涼とした地球に小さな虫が発生して、それが何千年をへて虫から大きな生き物になり、「人とは言えない」高等動物になり、現在の人と同じようなような文明を築き、そして人類と同じように生き物同士の戦いで、それらが滅びてしまう。ただ荒れた地球のみが残る。そして、また地球に下等生命が起きて、数万年を経てだんだん高等生命物になっていく。壮大な輪廻の世界を描いていた。ただ手塚治の「火の鳥」では文明の輪廻ですが、次に繁栄する生きものが人類とは限らないのが、手塚治のすごいところ。おそらく違った生物が反映する可能性のほうが高いんじゃないか?人類だといずれ互いを殺し合って滅亡する可能性が高い。違った生きものだったら違った結末になるだろう。
いい悪いは別で、この書かれた世界感は十分に現実味のあるお話です。
いい本を読みました。南蛮連合の〇〇さんのお知り合いがチェックされていた本です。
最初は取っつきにくく、読みずらいけど第二部、第三部に入ると食い入るように読みました。昔々、コッポラ監督のベトナム戦争を題材にした映画「地獄の黙示録」があったが、映像自体はいいのだがストーリーが陳腐で物語の奥行きがなかった。コッポラ監督はゴットファーザや華麗なるギャッツビーなどそうそうたる名作を作っていたが、「黙示録」と名付けるにはストーリーが弱く、強いバックボーンが必要でしょう。このウオーター・ミラーの黙示録3174にはそれがある。
黙示録3174 ウォルター・ミラー 核戦争後の人類の退化と発展と業
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荒野へ ジョンクラカワー
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熱海奇跡 市来広一朗 熱海再生ができた理由
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架橋ビジネス 山下昌美
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ゴールデンスランバー、井坂幸太郎 国家の犯罪に市民が犯人にされる
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書店主フィークリーの物語 ガブリエル・ゼウイン
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京都の雑学100選、清水サトシ著
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神々の嶺、夢枕獏 ヒマラヤ登山の黎明期の出来事を、史実をもとにフィクション
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陽気なギャングは3つ数えろ 井坂幸太郎 明るく陽気なギャングシリーズ
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氷点、三浦綾子著 北海道を舞台にした私小説
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ハリーポッター賢者の石 JKローリング著
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文庫X、犯人はそこにいる 清水潔箸 記者さんが追った犯罪の実録記事 迫力満点です
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夜行 森見登美彦著 不思議な短編小説です
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かなたの子 角田光世箸 おどろおどろした、女性独特なブツブツした感性です
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ローカルバスの終点へ 宮脇俊三著 ローカルバスの100kmを越える旅です
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神秘な国ネパール Dマーフィー著、1960年代のカトマンズあたりの話
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君たちはどう生きるか 吉野源三郎著、80年前に書かれた名著で、今でも十分に通用します
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紀の川、有吉佐和子 女3代にわたるお話、親子供は反発しあっても、思いが繋がっていく
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日の名残り カズオ・イシグロ 英国愛をユーモアで語る ブッカー賞受賞作!
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鉄道エッセイコレクション 読み鉄へのご招待
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イザベラバードの日本紀行㊦ 1880年代に1人で北海道に渡る
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イザベラバードの中国奥地紀行㊤ 1880年代、ちょうど日清戦争が終わった頃です
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イザベラバードの中国奥地紀行㊦
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