ランシモ

ランニングからツチノコカメラや時事まで興味あるすべて

もの食う人びと

2006-07-19 12:52:05 | 本と雑誌

もの食う人びと、辺見庸著、共同通信社: 面白さ☆☆☆☆☆

1993年3月から94年3月まで新聞連載したものをまとめたもの。

「バングラディシュで、旧ユーゴで、ソマリアで、チェリノブイリで、、、、人びとはいま、なにを食べ、考えているか。世界の飢餓線上を彷徨い、ともに食らい、語らい、鮮やかに紡いだ、世紀末の食の黙示録」

Monokuuhito

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連載もので紀行文の形をとっていて読みやすい。

残飯を食らう:バングラディシュの駅前広場の屋台で大皿を頼んで一口食べた。次に骨付き肉を食べようとしたところ、「ストップ!」という叫び。「それは、食べ残しの、残飯なんだよ」とたどたどしい英語。東京では50万人分の食事量に匹敵する残飯が捨てられているけれど、ダッカでは残飯が人の食料として流通していた。残飯も鮮度によって値段が違う。

ミンダナオ島の食人:これは現地人の話ではなく、日本の敗残兵のしわざでした。それが公にならなかったのは、理由はわかりません。村人たちは口々に「母も妹も食われました」「棒に豚のようにくくりつけられて連れていかれ、食べられてしまいました」。1949戦争犯罪裁判で証言もあり、実際に食事現場の目撃証言もあったが、日本側は一度として調査団を派遣してきたことがない。なぜだろう?事実を隠匿する力がどこかで働いているからだろうか。

ロシア太平洋艦隊の餓死:将校が物資を横流ししてお金をもうけ、軍隊のイジメがエスカレートして新兵を餓死させたそうです。

元従軍慰安婦の食間:人は食べているときは死を忘れている。

美食のための書ではない。人は不幸な境遇でも、豊かでも貧しくても、生きるために(そんなことすら考えていないかもしれないが)食べている。私だって美味いものを食べたいが、美味いものというのが、美味いと思えればいいのであって、絶対なものじゃないような気がしてきます。この書を読んでいると、何が満足で何が不満なのかこれすら絶対でなくなっていきます。

私の父は92歳になるが、つい1年ぐらい前まで現役で働いていた。アンパンか、広島の出なので、もみじ饅頭さえあれば満足で、おおよそ、美食家とはかけ離れている。粗食のきわみみたいな、ささやかな生活だ。

黙示録3174 ウォルター・ミラー 核戦争後の人類の退化と発展と業

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/e8fc99baeee0d4ddfa8f041027ff0330

荒野へ ジョンクラカワー

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/1ed709cf66d01a55e5b187730e4058b0

熱海奇跡 市来広一朗 熱海再生ができた理由

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/b2d9b34172c891afa0792934fe9809e8

架橋ビジネス 山下昌美

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/403c49ce3ce60906e84b9f36a2e236ce

ゴールデンスランバー、井坂幸太郎 国家の犯罪に市民が犯人にされる

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/bd27db62541df45c8898576a24c7643d

書店主フィークリーの物語 ガブリエル・ゼウイン 

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/67c105e77fad0dab2dfe81ea2595ca16

京都の雑学100選、清水サトシ著

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/464e6bafa3dcdc1ddf1c84fa9af0c6e1

神々の嶺、夢枕獏 ヒマラヤ登山の黎明期の出来事を、史実をもとにフィクション

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/0ecafc40c9d75b010683a613a7ed37fe

陽気なギャングは3つ数えろ 井坂幸太郎 明るく陽気なギャングシリーズ

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/390f44a4704683665229dbf0915e35fa

氷点、三浦綾子著 北海道を舞台にした私小説

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/8aadcbe1130b26dccfac02e258cfbe2f

ハリーポッター賢者の石 JKローリング著

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/86f85de96cb9d765f04d7c99f859549d

文庫X、犯人はそこにいる 清水潔箸 記者さんが追った犯罪の実録記事 迫力満点です

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/82468b4a3f86892b534aa2650f927822

夜行 森見登美彦著 不思議な短編小説です

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/b81956f461db85b1a38b291d01442d34

かなたの子 角田光世箸 おどろおどろした、女性独特なブツブツした感性です

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/3f9d0f6466a4fecfa0fa4d205964927d

ローカルバスの終点へ 宮脇俊三著 ローカルバスの100kmを越える旅です

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/ed917733ec15d51ecd5f9a52d1904a51

神秘な国ネパール Dマーフィー著、1960年代のカトマンズあたりの話

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/b275d13e8a32d2c39b5f0945880d5f8a

君たちはどう生きるか 吉野源三郎著、80年前に書かれた名著で、今でも十分に通用します

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/a9da8128f4acc043d1d53ffbe1f3dd02

紀の川、有吉佐和子 女3代にわたるお話、親子供は反発しあっても、思いが繋がっていく

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/42e8223a65d0f2a5ba642c51139f88a8

日の名残り カズオ・イシグロ  英国愛をユーモアで語る ブッカー賞受賞作!

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/25998571461c070cee36d328258a1c7d

鉄道エッセイコレクション 読み鉄へのご招待

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/ab719d6a265331c9c1ef97bb50b6ade3

イザベラバードの日本紀行㊤ 1880年代にイギリス人女流冒険家さんの1人旅 

http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/9c4b8150096cccbbba33fbc2711c3c2e

イザベラバードの日本紀行㊦ 1880年代に1人で北海道に渡る 

http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/119fb8e45d2c7563144f348f6c65d6bb

イザベラバードの中国奥地紀行㊤ 1880年代、ちょうど日清戦争が終わった頃です

http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/7c1d52aa204ccb6975824f020bdcc504

イザベラバードの中国奥地紀行㊦

http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/96ac13d80f8fb7067ac229984ae53ce1

イザベラバードの朝鮮紀行 日本、中国、ロシアに挟まれた朝鮮、今も昔も変わらない

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/5f2f1b42636aa986b44cb7594e14d909

水平線 桜木紫乃 6編のオムニバス 生まれ故郷の北海道を題材にしたものが多い

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/720e40077039f9abab85c15c7fa8c4ea 

ホテルローヤル 桜木紫乃 個人商店のような自分の境遇が、身につまされる

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/7336ab8978fa67681d133f096c2f2390

すばらしい新世界 バックスリー 1932年に発行された破壊的懐疑主義空想物語

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/24ecbe9335f0cce6345980ca1d2c1ad7

わたしを離さないで カズオ・イシグロ 2017年ノーベル文学賞を受賞 代表作でしょう

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/5f171addb3dc788c75939e82d34be018

夜と霧 ヴィクトールEフランクル 第二次世界大戦時のアウシュビッツでの生活

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/88d701444d03e880344237c875562569

憑神 浅田次郎 貧乏神、疫病神、死神が次々にやってくる、ファンタジー小説

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/9a8f3bea2f8fc5bcdd0be1bb111859ae

漂流教室 楳図かずお 極限状態に設定した世界での人の本性を描く

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/b9d8b6217b3a0cce2bc26ad9c2417a8d

風の影 カルロス・ルイス・サフォン 舞台は第二次世界大戦直前のスペイン、フランコ政権時

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/544e11da177f9b40b4d6598b3e0ab434

容疑者Xの献身 東野圭吾 大学時代の天才が時を経て再会、数学者の犯罪を物理学者が解く

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/775ba2cbeb9bbf089274adef1ebef503 

天使と悪魔 ダンブラウン この後書かれた、ダ・ヴィンチ・コードが世界的ベストセラーに

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/096cf2b75dac6343a24b8817b6eca9c4

イリュージョン リチャード・バック かもめのジョナサンで知られている作家

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/cb318b4e1618aff6c5ad58fa4252ae7a

注文の多い料理店 宮沢賢治 9つの短編小説 メルヘンと思いきや、結構残酷です

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/13a6cb97ac223df13f691ab46c8510b6

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https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/410303ba722ed3d9e0893b5b44f769b1

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https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/fd8be908ec8de7c2665c7d8cda3527cc

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https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/0ff2487bb230d857c526e5042d6a6c02

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https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/3a54f885c3df8e987cd8d2fdff9598c0

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https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/8bfca45696446e9489febccfe92f419b

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https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/7253a80dc53b2e074792c176512ed862

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https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/495ddcdddb9e390916a9159790fe1c9f

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https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/d49f76c0fc8bf08a643676f2ef03733a

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
出版されて間もなく読みました。ディテールはほと... (悠歩)
2006-07-19 21:03:11
出版されて間もなく読みました。ディテールはほとんど覚えていないのですが、『永遠の不服従のために』など今鋭い言葉で世の中のとくにエライ人たちを批判している辺見さんの原点だと思います。
芥川賞受賞作の『自動起床装置』はあまりおもしろくありません。小説家としてよりルポライター、ノンフィクション作家としての辺見さんがすばらしいと思います。元通信社の記者だけに。
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悠歩さん (shimo)
2006-07-19 21:44:11
悠歩さん
ブックオフで105円で買った本ですが、もー感激ですね。人はパンのみでも生きられるんですね。それを思ったら、今の私たちの食べものは神の食事のように思えます。だから贅沢は間違いなどとは言いません。美味いものを選択でき食べられることに感謝するだけです!
この方の小説はまだ読んだことがありません。ルポで十分ですね。
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この本、読んだことがあると思います。感想が脳裏... (走る9番ライト)
2006-07-20 15:33:12
この本、読んだことがあると思います。感想が脳裏に徐々に浮かび上がってきました。
日本にいるだけでは世界の現実はなかなか実感できない、そのことが「食」という、ごく日常的な行為を通じて目の前に突きつけられますね。
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走る9番ライトさん (shimo)
2006-07-20 20:03:58
走る9番ライトさん
食べるという日常行為が、こんなにも世界では違っているとは!!!
しかし、違っていても、ムシャムシャと人は食べているんですね!
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お久しぶりです。ミンダナオ島の食人の話は驚きま... (タジイ)
2006-07-21 00:50:24
お久しぶりです。ミンダナオ島の食人の話は驚きました。
過去の戦争にまつわる歴史をもっとオープンに教えても悪くない気がします。まだまだ飽食の国において本当に食べることに困ったときの人間の心理も知りたい気もいたします。それから君が代の作曲者は外国人だと今日、音楽関係者から耳にして大変、仰天しました。
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ダジイさん (shimo)
2006-07-21 07:36:26
ダジイさん
食人の話はあるだろうと思っていましたが、これが日本の敗残兵たち(30人以上)が組織的にやっていたとは、驚きです。何十人も現地の村人が、日本人に喰われたといいます。でもミンダナオはジャングルの中でも食量が豊富なのだそうです!!!
ノブタが山の中にいて喰うものに困らないのに、そこが唯一疑問なのだそうだ!
よっぽど、人の味が気に入ったのかなー。

泣かせるのがミンダナオの、仲間を喰われた人々が、日本人が来てもタンタンと話、怒りを持っていないことです。戦後、その時の日本人が慰問?個人で謝りに来て、いろんな医療物資などを届けたそうです。個人レベルではあるけど、政府レベルの謝罪はなかったそうです。食人はないことになっているんだね。
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