ひびレビ

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「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル」を見て

2019-04-13 08:28:45 | テレビ・映画・ドラマ
2000年の映画「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル」を見ました。

 アクション仮面の新作映画の船上試写会に参加したかすかべ防衛隊家族一行。南の海と映画を満喫するはずが、映画が今まさにクライマックスを迎えようとしていた時、突如船内に多くの猿が出現した。猿たちはアクション仮面を演じる郷剛太郎ら大人たちをさらい、残された子供たちはパニックに陥る。
 翌朝、しんのすけたちかすかべ防衛隊は、大人たちを救うべく近くの島に上陸。力を合わせてジャングルを進んで行くも、行く手にはあの猿たち、そして猿たちを統率する人間のリーダー・パラダイスキングが待ち構えており・・・


 「嵐を呼ぶ」シリーズの始まりでもある今作。舞台は南海のジャングル。敵は猿とパラダイスキングという、温泉でも多少はあったファンタジー要素がほぼ見られなくなった作品ですね。強いて挙げるとすれば、アクション仮面のスーツを着て戦うところぐらいでしょうか。まぁ5歳児5人と、赤ちゃん1人&犬一匹がそれぞれジャングルを進む、というだけでもファンタジーっちゃファンタジーな気がしないでもないですが(笑。

 そんなわけで今作はかすかべ防衛隊大活躍。ブタのヒヅメで映画デビューを果たし、1作空けての今作では協力してジャングルを進んでいく様が面白おかしく描かれています。残念ながら中盤以降はしんのすけ以外捕まってしまうため、みさえ&ひろし、アクション仮面に活躍をバトンタッチしていくことになりますが、それでも憧れのあいちゃんのことを思い出して超人的な能力と度胸を発揮するマサオくんや、リーダーっぽく振舞いつつもしんのすけのノリに載せられやすい風間くんなどなど、個々の活躍も描かれています。ネネちゃんとボーちゃんの活躍は、次回作であるオトナ帝国の方が印象的ですね。

 最初にしんのすけたち5人が出発し、後から待ちくたびれて上陸したひまわり、そしてシロが合流することになります。しっかりと栄養補給の哺乳瓶を持参のうえ、上陸するひまわりを見ていると、とても0歳児とは思えませんが、そんな彼女も島でしんのすけたちと合流した時には号泣。島をたった1人と1匹でハイハイで進んできた疲れと、家族が周りにいないという不安、ようやく兄に出会えた喜びなどが相まって一気に爆発したかのように感じます。そんな妹をちゃんとなだめるしんのすけがお兄ちゃんをしているのと合わせて、この再会シーンはとても印象に残っています。


 今作のボスはアフロ頭のパラダイスキング。偶然島に上陸して猿たちを力で従えるだけでは飽き足らず、人間の奴隷を使って自分の功績を形に残そうと計画。登場時のインパクトや、アクション仮面も苦戦する強さ、しぶとさも相まって印象的なボスキャラクターです。
 アクション仮面である剛太郎との戦いを望むのは、彼を倒すことで子供たちを従わせやすくするため。「ピンチになったらアクション仮面が助けに来てくれる」という心をへし折ると・・・アクション仮面見たさに船上試写会に参加した子供たちですから、尚更ダメージは大きいでしょうね。しかし、改めて考えるとアニメ映画を船上試写会、しかも南の海10日間の旅って凄いコースっすね・・・

 子供たちを人質にとられたため、已む無くアクション仮面はパラダイスキングとの戦いに応じることに。今回のアクション仮面は、ハイグレ魔王の時のように「パラレルワールドにおける本物のヒーロー」設定なんですかね?その設定が引き継がれているとすれば、アクションビームを使わないのは相手が生身の人間であることと、真剣勝負であるが故と納得がいきます。

 しかし、引き継がれていなかったとしても、ボロボロになりながらも人々の声援で奮起し、戦う様は紛れも無くヒーローでした。応援を受けて吠えるシーン、良いよね・・・劣勢でありながらもアクション仮面を信じて、パラダイスキングの言葉にも涙を浮かべつつも決して屈しないしんのすけもまたカッコよかったです。
 その後、応援していた人々もアクション仮面に加勢してパラダイスキングに立ち向かおうとする、というのもまた良いんですよね。守られてばかりではなく、自分たちも勇気を奮い立たせて立ち向かう様がとても良い。

 ・・・まぁ、猿たちを追い払うためにケツだけ歩きをするんですけどね!(アクション仮面含む)
 温泉でもチラッと出てきたケツだけ歩きが、まさかこんな活躍をするとは思いもしないじゃないですか(笑。牢屋から脱出した人々が「手と足を縛られながらも歩ける方法」ということで、しんのすけから教わったケツだけ歩きが、猿たちには効果抜群。そりゃ自分たちと同じく足がある人間たちが、いきなり尻を使って歩いてきたら怖いってレベルじゃないですよね。しかもあの人数が大真面目にケツだけで歩いてくるのだから、そりゃ怖い。

 ここで怯えた猿たちに対するひまわりの反応、後にパラダイスキングを倒した際のしんのすけの対応は、兄妹揃ってヒーロー・ヒロインそのものでした。ハイグレ魔王の時、敵でありながらも正々堂々とした勝負を望んだアクション仮面の精神は、間違いなくしんのすけに息づいており、その思いはひまわりにも受け継がれているんだなと、そう感じたシーンでした。

 ラストのパラダイスキングとの空中戦はちょっと長めに感じましたが、ここでもまたヒーローの(我慢)強さが見られたので良し!


 そんなこんなで冒険あり、友情あり、ヒーローあり、笑いありと至るところに見所が盛り沢山の「嵐を呼ぶジャングル」でした。次回はいよいよオトナ帝国!2001年とかマジかー・・・ 
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