暴太郎戦隊ドンブラザーズ 第50話(最終回)「えんができたな」
ソノヤの笑顔がさすがの一言に尽きる。
さて、最終回を迎えたドンブラザーズ。前回から記憶が怪しかったタロウですが、それは役目を終えたために記憶をリセットされつつあったためだと発覚。戦いが終われば、記憶を一新して戦いとは無縁の人生を送る……この時、ドンモモタロウの体が赤から白黒へと変化していました。もしかしてマスター=介人=ゼンカイザーブラックも、「ゼンカイジャー」としての役目を終えて休んでいた、ということだったんですかね?
結局最後まで「トゥルーヒーロー」であること以外は謎に包まれた介人でしたが、もしかすると彼も戦いとは無縁の人生を送ろうとしていたものの、何らかの理由で飛び散ったアバタロウギアを集めるべく、ドンブラザーズのサポーターとして最低限の役割を与えられた、ということでしょうか?ここら辺、ゼンカイVSドンブラで明らかになるのかな?
あれだけ「縁」を大事にし、「ドンブラザーズ」としてお供たちと紡いだ縁の良し悪しを気にしていたタロウが、彼が望まぬ形で縁を断ち切られていくというのはあまりにも酷。
しかし縁は一度切れたら終わりではなく、切れる縁もあれば、繋がる縁もある。切って繋いで、結び目はどんどん固く強くなっていく。最後に見せた名乗りはこれまで繋いできた縁の集大成といった感じで、過去一の名乗りでしたね!まぁ、名乗ったこと自体が少ないうえに、ちゃんと揃っていたことなんて殆ど無いのですが(汗。それもまた一期一会なのかもしれません。
ラストはまさしく「めでたし、めでたし」。敵だった脳人とも打ち解けた鬼頭はるか先生が笑う、ドーン!なハッピーエンドを迎えることとなりました……
「あれやこれやと次々詰め込まれてお祭り騒ぎのような30分でした。ただ、楽しめたかというと……正直困惑しっぱなしで、あんまり楽しめませんでした(苦笑。お祭りを一緒に楽しんでいるのではなく、いきなりお祭り騒ぎに巻き込まれた感じが強いです。はるかの境遇を味わっている感じ。」
振り返ること一年。第1話で私はこんなことを書いていました。ゼンカイジャーも大概ぶっ飛んでいたのに、それを上回る破天荒な物語。互いの素性を知らない、名乗らない、ロボに乗らない、ヒトツ鬼になった人間を見殺しにする、すぐ闇落ちする、映画の勢いが尋常ではない、三回もヒトツ鬼になる……挙げればキリがないほどにハチャメチャな物語が展開されていました。
私が見てきたどのスーパー戦隊とも違い、スーパー戦隊らしくない物語もありました。しかしEDの歌詞にあるように「チガイはマチガイじゃない」。「他のスーパー戦隊と違う」と感じられた部分は、ドンブラザーズにとっての長所であり、ドンブラザーズがオンリーワンになれた証だと思います。こんなに破天荒で、常識破りで、謎めいて、笑って泣けるドンブラザーズを一年見続けられて、本当に楽しかったです。
同じヒトツ鬼と戦いながらも、スタンスが異なる脳人三人衆。初期のミステリアスな雰囲気はどこへやら、すっかり感情豊かになりました。
ソノイは最終回でも振り返った「月」の話が印象的でしたね。最終回では記憶が薄れるタロウをサポートしていたものの、遂には自分のことすらも忘れてしまったタロウの前でグッと涙をこらえ、偶然を装っておでんを楽しもうとする様が涙を誘いました。
愛を知りたがっていたソノニは、翼と逃避行を続けている模様。ソノニは……まぁ警察を襲ってしまってますし、翼も知らぬこととはいえ狭山刑事(の獣人)を倒してしまっていますから、追われる理由が無いことも無く。ですが、本当に良い笑顔をしていましたね。白い衣装に黒い帽子が良く似合っています。
いつの間にやらすっかり編集長が板についていたソノザ。当初はつよしとの交流が多くなると思っていたので、はるかとの絡みは予想外でした。漫画を通じて学んだ「笑顔」を、より多くの人に届けられるように努力している様は好感がもてます。
ムラサメも数奇な運命をたどることとなりましたが、いつの間にやら落ち着く場所を見つけたようで何よりです。束縛から逃げ続けた翼の手に落ち着く、という点では似た者同士だったんだなと。
「処刑」「闇落ち」と登場直後は不穏な雰囲気を醸し出していたジロウ。ですが、何だかんだで気づけばドンブラザーズの末っ子のようなポジションに収まり、仲間からの信頼も得ていました。まさしく「みがわりジロウ」であったとは、登場当初は予想もつかない展開が彼を待ち受けていました。精神的に成長した後の姿は頼もしく、最終回でドンブラザーズのセンターで変身する様にも全く違和感がありませんでした。タロウが不在でも、ジロウがいるなら大丈夫だと思えたのでしょう。
真一は他のメンバーに比べるとやや影が薄いようにも思えますが、彼もドンブラザーズには欠かせない人物。序盤でちょくちょく見せていた、人助けのためにサルブラザーに変身する様が結構好きでした。そして、その精神こそがドンブラザーズには欠かせないものであることを知った時には驚かされましたね。
「面白い」で済ませるタロウ、ソノザに肩入れするはるか、みほのこととなると収拾がつかなくなるつよし、そもそも所在不明だったため頼れない翼……そんな中で比較的常識人で俯瞰的に物事を見れていた真一の立場は重要でしたし、「9人のドンブラ」誕生の、最後のピースをはめ込んだ瞬間は最高にカッコよかったですね。
タロウから「名前のように強く生きろ」と言われたつよし。本作のオンリーワン性を語るうえで欠かせない人物が彼だと思います。
少々頼りない人物かと思いきや、みほちゃんが絡むとヒトツ鬼を脳人に倒させるわ、自らヒトツ鬼になるわと、「ヒーロー」としてあるまじき行為を見せ続けたつよし。そんなつよしの性格は、最終回で彼が語った「これからも人々を守るために生きようって。それが自分を救うことになるような気がして。構いませんよね?自分のために戦っても」。言葉に集約されていました。
愛する人を傷つけた奴が許せない。大切な人を守りたい。人間として当たり前の感情と欲望をもっていたつよし。一般人がヒーローになったというよりは、一般人がヒーローの「力」を手に入れたらどうなるか?を体現していた人物だったかと。
それでいて、ドンブラザーズの選ばれただけのことはあり、人々を守りたいという意思があることは、避難を誘導していたことからも理解出来ます。ある意味で最も視聴者に近い存在だったのではないでしょうか。
みほという夢を見続けていた彼に待っていたのは……良かったねぇ……本当に良かった。
一方、翼はといえば……こちらもまた、ドンブラザーズに選ばれたのが納得のメンバーでしたね。夏美とみほの問題でつよしと衝突し、彼から裏切られ、攻撃を受けることもあったものの、それでも彼の善性を信じ続けた人格者でした。その優しさ故に求め続けた女も手放してしまうこととなりましたが、夏美が去った後に叫び声を発した時点で踏ん切りをつけていそうな印象を受けました。
「俺は戦う。誰かを愛しているもののために、誰かに愛されているもののために…」そう語る彼に「などと申しており…」と言ってくれるものは側におらず、枕にするのは自分の両手。けれども満足そうなその顔が、彼の全てを物語っているように感じました。
長い間、本当に長い間、イヌブラザーであることを知られていませんでしたが、知れ渡った途端に話がスイスイ進んでいくのは面白かったですね。
「トウサク」という不名誉なあだなを「可愛い」と言える鋼メンタルの持ち主・はるか。思えば本作は彼女がドンブラザーズの一人、オニシスターに変身したところから始まったんだなぁ……と。当初は視聴者と同じ立場で、訳の分からない状況に混乱しつつも「戦士だし!」という、ただそれだけの理由で戦える様は紛れもなくドンブラザーズの資格者でした。
彼女の行動はどれを取っても可愛く、面白く、そして面白い。いつしか立派なドンブラザーズになっていく過程も楽しませてもらいました。最後に見せた感慨深げな表情が、彼女にとってドンブラザーズが、桃井タロウがどんな存在だったか全てを語っていましたね。
そしてタロウは……最早語るまでも無い、個性の塊にしてオンリーワンの存在。一年間見続けた「縁」は切りたくても切れるものではありません。最後に見せた笑顔と声は、まるで1話のように明るく爽やかな感じだったのがまた良いなぁ……
といった感じで、ドンブラザーズは最終回を迎えてしまいました……終わったのに終わった感じがしないのは、彼らとの縁は「最終回」ごときでは切れないと、どこかで感じているからかもしれません。ありがとうドンブラザーズ。本当に、楽しかったよドンブラザーズ。これからもよろしくドンブラザーズ……
ソノヤの笑顔がさすがの一言に尽きる。
さて、最終回を迎えたドンブラザーズ。前回から記憶が怪しかったタロウですが、それは役目を終えたために記憶をリセットされつつあったためだと発覚。戦いが終われば、記憶を一新して戦いとは無縁の人生を送る……この時、ドンモモタロウの体が赤から白黒へと変化していました。もしかしてマスター=介人=ゼンカイザーブラックも、「ゼンカイジャー」としての役目を終えて休んでいた、ということだったんですかね?
結局最後まで「トゥルーヒーロー」であること以外は謎に包まれた介人でしたが、もしかすると彼も戦いとは無縁の人生を送ろうとしていたものの、何らかの理由で飛び散ったアバタロウギアを集めるべく、ドンブラザーズのサポーターとして最低限の役割を与えられた、ということでしょうか?ここら辺、ゼンカイVSドンブラで明らかになるのかな?
あれだけ「縁」を大事にし、「ドンブラザーズ」としてお供たちと紡いだ縁の良し悪しを気にしていたタロウが、彼が望まぬ形で縁を断ち切られていくというのはあまりにも酷。
しかし縁は一度切れたら終わりではなく、切れる縁もあれば、繋がる縁もある。切って繋いで、結び目はどんどん固く強くなっていく。最後に見せた名乗りはこれまで繋いできた縁の集大成といった感じで、過去一の名乗りでしたね!まぁ、名乗ったこと自体が少ないうえに、ちゃんと揃っていたことなんて殆ど無いのですが(汗。それもまた一期一会なのかもしれません。
ラストはまさしく「めでたし、めでたし」。敵だった脳人とも打ち解けた鬼頭はるか先生が笑う、ドーン!なハッピーエンドを迎えることとなりました……
「あれやこれやと次々詰め込まれてお祭り騒ぎのような30分でした。ただ、楽しめたかというと……正直困惑しっぱなしで、あんまり楽しめませんでした(苦笑。お祭りを一緒に楽しんでいるのではなく、いきなりお祭り騒ぎに巻き込まれた感じが強いです。はるかの境遇を味わっている感じ。」
振り返ること一年。第1話で私はこんなことを書いていました。ゼンカイジャーも大概ぶっ飛んでいたのに、それを上回る破天荒な物語。互いの素性を知らない、名乗らない、ロボに乗らない、ヒトツ鬼になった人間を見殺しにする、すぐ闇落ちする、映画の勢いが尋常ではない、三回もヒトツ鬼になる……挙げればキリがないほどにハチャメチャな物語が展開されていました。
私が見てきたどのスーパー戦隊とも違い、スーパー戦隊らしくない物語もありました。しかしEDの歌詞にあるように「チガイはマチガイじゃない」。「他のスーパー戦隊と違う」と感じられた部分は、ドンブラザーズにとっての長所であり、ドンブラザーズがオンリーワンになれた証だと思います。こんなに破天荒で、常識破りで、謎めいて、笑って泣けるドンブラザーズを一年見続けられて、本当に楽しかったです。
同じヒトツ鬼と戦いながらも、スタンスが異なる脳人三人衆。初期のミステリアスな雰囲気はどこへやら、すっかり感情豊かになりました。
ソノイは最終回でも振り返った「月」の話が印象的でしたね。最終回では記憶が薄れるタロウをサポートしていたものの、遂には自分のことすらも忘れてしまったタロウの前でグッと涙をこらえ、偶然を装っておでんを楽しもうとする様が涙を誘いました。
愛を知りたがっていたソノニは、翼と逃避行を続けている模様。ソノニは……まぁ警察を襲ってしまってますし、翼も知らぬこととはいえ狭山刑事(の獣人)を倒してしまっていますから、追われる理由が無いことも無く。ですが、本当に良い笑顔をしていましたね。白い衣装に黒い帽子が良く似合っています。
いつの間にやらすっかり編集長が板についていたソノザ。当初はつよしとの交流が多くなると思っていたので、はるかとの絡みは予想外でした。漫画を通じて学んだ「笑顔」を、より多くの人に届けられるように努力している様は好感がもてます。
ムラサメも数奇な運命をたどることとなりましたが、いつの間にやら落ち着く場所を見つけたようで何よりです。束縛から逃げ続けた翼の手に落ち着く、という点では似た者同士だったんだなと。
「処刑」「闇落ち」と登場直後は不穏な雰囲気を醸し出していたジロウ。ですが、何だかんだで気づけばドンブラザーズの末っ子のようなポジションに収まり、仲間からの信頼も得ていました。まさしく「みがわりジロウ」であったとは、登場当初は予想もつかない展開が彼を待ち受けていました。精神的に成長した後の姿は頼もしく、最終回でドンブラザーズのセンターで変身する様にも全く違和感がありませんでした。タロウが不在でも、ジロウがいるなら大丈夫だと思えたのでしょう。
真一は他のメンバーに比べるとやや影が薄いようにも思えますが、彼もドンブラザーズには欠かせない人物。序盤でちょくちょく見せていた、人助けのためにサルブラザーに変身する様が結構好きでした。そして、その精神こそがドンブラザーズには欠かせないものであることを知った時には驚かされましたね。
「面白い」で済ませるタロウ、ソノザに肩入れするはるか、みほのこととなると収拾がつかなくなるつよし、そもそも所在不明だったため頼れない翼……そんな中で比較的常識人で俯瞰的に物事を見れていた真一の立場は重要でしたし、「9人のドンブラ」誕生の、最後のピースをはめ込んだ瞬間は最高にカッコよかったですね。
タロウから「名前のように強く生きろ」と言われたつよし。本作のオンリーワン性を語るうえで欠かせない人物が彼だと思います。
少々頼りない人物かと思いきや、みほちゃんが絡むとヒトツ鬼を脳人に倒させるわ、自らヒトツ鬼になるわと、「ヒーロー」としてあるまじき行為を見せ続けたつよし。そんなつよしの性格は、最終回で彼が語った「これからも人々を守るために生きようって。それが自分を救うことになるような気がして。構いませんよね?自分のために戦っても」。言葉に集約されていました。
愛する人を傷つけた奴が許せない。大切な人を守りたい。人間として当たり前の感情と欲望をもっていたつよし。一般人がヒーローになったというよりは、一般人がヒーローの「力」を手に入れたらどうなるか?を体現していた人物だったかと。
それでいて、ドンブラザーズの選ばれただけのことはあり、人々を守りたいという意思があることは、避難を誘導していたことからも理解出来ます。ある意味で最も視聴者に近い存在だったのではないでしょうか。
みほという夢を見続けていた彼に待っていたのは……良かったねぇ……本当に良かった。
一方、翼はといえば……こちらもまた、ドンブラザーズに選ばれたのが納得のメンバーでしたね。夏美とみほの問題でつよしと衝突し、彼から裏切られ、攻撃を受けることもあったものの、それでも彼の善性を信じ続けた人格者でした。その優しさ故に求め続けた女も手放してしまうこととなりましたが、夏美が去った後に叫び声を発した時点で踏ん切りをつけていそうな印象を受けました。
「俺は戦う。誰かを愛しているもののために、誰かに愛されているもののために…」そう語る彼に「などと申しており…」と言ってくれるものは側におらず、枕にするのは自分の両手。けれども満足そうなその顔が、彼の全てを物語っているように感じました。
長い間、本当に長い間、イヌブラザーであることを知られていませんでしたが、知れ渡った途端に話がスイスイ進んでいくのは面白かったですね。
「トウサク」という不名誉なあだなを「可愛い」と言える鋼メンタルの持ち主・はるか。思えば本作は彼女がドンブラザーズの一人、オニシスターに変身したところから始まったんだなぁ……と。当初は視聴者と同じ立場で、訳の分からない状況に混乱しつつも「戦士だし!」という、ただそれだけの理由で戦える様は紛れもなくドンブラザーズの資格者でした。
彼女の行動はどれを取っても可愛く、面白く、そして面白い。いつしか立派なドンブラザーズになっていく過程も楽しませてもらいました。最後に見せた感慨深げな表情が、彼女にとってドンブラザーズが、桃井タロウがどんな存在だったか全てを語っていましたね。
そしてタロウは……最早語るまでも無い、個性の塊にしてオンリーワンの存在。一年間見続けた「縁」は切りたくても切れるものではありません。最後に見せた笑顔と声は、まるで1話のように明るく爽やかな感じだったのがまた良いなぁ……
といった感じで、ドンブラザーズは最終回を迎えてしまいました……終わったのに終わった感じがしないのは、彼らとの縁は「最終回」ごときでは切れないと、どこかで感じているからかもしれません。ありがとうドンブラザーズ。本当に、楽しかったよドンブラザーズ。これからもよろしくドンブラザーズ……