「STAND BY ME ドラえもん」(日曜洋画劇場放送版)を見ました。
「しずちゃんさようなら」や「雪山のロマンス」、「のび太の結婚前夜」といったのび太としずかちゃんのエピソードを中心にまとめられ、最終的には「さようならドラえもん」「帰ってきたドラえもん」へと繋がっていきました。
基本的には原作に沿った流れですが、大きな違いとしては鼻に仕込まれた「成し遂げプログラム」にあります。この作品におけるドラえもんは、何をやってもダメなのび太の世話を嫌がっており、未来に帰ろうとします。そこでセワシが最終手段として「成し遂げプログラム」を実行。それによりドラえもんは「のび太を幸せにするまで未来に帰られない。『未来に帰る』ことに関する言動や行動をすると電気が流れる。幸せにした場合は強制的に送還される」ことになります。
「ドラえもんに言うことをきかせるとはいえ、これはあんまりじゃないか?」と思ったのですが、そもそも「さようならドラえもん」において、ドラえもんが未来に帰らなければならない具体的な理由は明かされていなかったと思います。となれば、どうしても未来に帰る理由が必要となり、そのために已む無く設定された機能なのでしょう。とはいえ、ドラえもんが「友達」ではなく「ロボット」として言いように扱われているように見えるし、痛めつけて無理やりドラえもんを従わせるような機能は嫌いです。
まぁその設定をのぞけば、思ったよりも良かったです。最初はとっととのび太を幸せにして未来に帰ろうとするドラえもんは、いつも以上にあれやこれやと道具を出してくれました。しかし「刷り込み卵」の件もあり、自分自身が成長しなければならないとのび太は気づき、そんなのび太をドラえもんも応援するようになっていきました。
「雪山のロマンス」においては未来を変えることがいつも良い結果になるとは限らない、ということが描かれていました。ドラえもんに連絡もつかず、しずかちゃんは命の危機に。そこで「今の場所と時間を覚えて、未来の自分に託す」という発想で乗り切ることに。テストの点数は悪いものの、いざという時の発想力が凄まじいのがのび太の凄いところです。「宇宙漂流記」の巨大ヒラリマントの件、大好きです。
記憶を託されてやってきた未来ののび太。彼はドラえもんを「子供のころの友達」と言って、会おうとはしませんでした。それでも彼が乗ってきたマシンのナンバーがドラえもんの誕生日なあたり、グッとくるものがあります。
その後は「のび太の結婚前夜」・・・あの、とても15年そこそこの未来とは思えないくらい発達しているのですが(汗。どうにも映画「のび太の結婚前夜」のイメージが強いのでそう感じるのかもしれません。でも「未来」ってこんな風にイメージしてもいいものだとも感じます。あまりに未来に現実を見てしまっても、面白くありませんしね。
そんな中で、酔った出来杉の「ボクが幸せにしてあげたかった」と本音をこぼすシーンや、しずかちゃんが出来杉と結婚しなかった理由が「何でも1人で出来るから」というのも面白いところ。
で、恒例のしずかちゃんのお父さんの名台詞のターン!他の家族に比べると出番は少ないですが、少ない出番の中で素晴らしい言葉を残してくれました。でも「目立った取り柄があるわけじゃない」には疑問。あの青年、あやとり・射撃・昼寝なら世界チャンピオンになれるレベルですよ!?目立つかどうかはともかく!娘の前で結婚相手を褒めはしても、けなすような人にはとても思えないのですが・・・
そしてのび太の幸せを受信したことで、ドラえもんは帰ることに。その後は「さようならドラえもん」「帰ってきたドラえもん」の物語が繰り広げられます。「まぁあの映画は超えられないだろう」と思っていたら、ボロボロ泣いてました(涙。映画や演出が変わっても、あののび太の奮闘は変わらず心に来るものがあることを知りました。ドラえもんが泣きながらのび太を見つめるシーンがいいんだよなぁ・・・
で、ウソ800を飲んで「ドラえもんが帰ってこない」という言葉を発したことがきっかけで、のび太の部屋に帰ってきたドラえもん・・・そこでまた泣いたところで映画が終わりました。
結果としてはドラえもんの良さを再認識できる作品でした。ちらほら出てくる星野スミレや、ライオン仮面や少年ヨンデー、コロコロコミックといった漫画雑誌も懐かしく感じます。何年経っても面白くて、笑えて、泣ける。そんなドラえもんの魅力が詰まっていたと感じる映画でした。
ただ、やはり「成し遂げプログラム」や、しずかちゃんのお父さんの「目立った取り柄があるわけじゃない」発言は疑問が残ります。前者はドラえもんの帰る理由として必要だったとしても、後者はいらない台詞に思えます。わざわざ一度落としてから上げなくても・・・と思いました。
かつての映画「帰ってきたドラえもん」「のび太の結婚前夜」はその話だけに絞ることができたので、様々なオリジナル要素やら台詞、シーンの追加もなされていました。それらと、色んな作品の一部としてそれらを描いた「STAND BY ME」とを比べるのは酷かもしれません。でも、どうしても「帰ってきたドラえもん」には桜とハンバーグのシーンが、「のび太の結婚前夜」にはネコを送り届けるシーンと先生との会話が必要だと思ってしまうあたり、つくづく昔のドラえもんの思い出が強いなぁと感じてしまいます(苦笑。時折あれらがオリジナルだということを忘れてしまいます。
泣ける映画ではありましたが、これもドラえもんのほんの一部に過ぎません。「ドラえもんに休日を!」など面白い作品もまだまだ沢山あるので、ぜひ一度は原作を読んで、そして今のアニメを、時には昔のアニメも楽しんでもらいたいと思います。
「しずちゃんさようなら」や「雪山のロマンス」、「のび太の結婚前夜」といったのび太としずかちゃんのエピソードを中心にまとめられ、最終的には「さようならドラえもん」「帰ってきたドラえもん」へと繋がっていきました。
基本的には原作に沿った流れですが、大きな違いとしては鼻に仕込まれた「成し遂げプログラム」にあります。この作品におけるドラえもんは、何をやってもダメなのび太の世話を嫌がっており、未来に帰ろうとします。そこでセワシが最終手段として「成し遂げプログラム」を実行。それによりドラえもんは「のび太を幸せにするまで未来に帰られない。『未来に帰る』ことに関する言動や行動をすると電気が流れる。幸せにした場合は強制的に送還される」ことになります。
「ドラえもんに言うことをきかせるとはいえ、これはあんまりじゃないか?」と思ったのですが、そもそも「さようならドラえもん」において、ドラえもんが未来に帰らなければならない具体的な理由は明かされていなかったと思います。となれば、どうしても未来に帰る理由が必要となり、そのために已む無く設定された機能なのでしょう。とはいえ、ドラえもんが「友達」ではなく「ロボット」として言いように扱われているように見えるし、痛めつけて無理やりドラえもんを従わせるような機能は嫌いです。
まぁその設定をのぞけば、思ったよりも良かったです。最初はとっととのび太を幸せにして未来に帰ろうとするドラえもんは、いつも以上にあれやこれやと道具を出してくれました。しかし「刷り込み卵」の件もあり、自分自身が成長しなければならないとのび太は気づき、そんなのび太をドラえもんも応援するようになっていきました。
「雪山のロマンス」においては未来を変えることがいつも良い結果になるとは限らない、ということが描かれていました。ドラえもんに連絡もつかず、しずかちゃんは命の危機に。そこで「今の場所と時間を覚えて、未来の自分に託す」という発想で乗り切ることに。テストの点数は悪いものの、いざという時の発想力が凄まじいのがのび太の凄いところです。「宇宙漂流記」の巨大ヒラリマントの件、大好きです。
記憶を託されてやってきた未来ののび太。彼はドラえもんを「子供のころの友達」と言って、会おうとはしませんでした。それでも彼が乗ってきたマシンのナンバーがドラえもんの誕生日なあたり、グッとくるものがあります。
その後は「のび太の結婚前夜」・・・あの、とても15年そこそこの未来とは思えないくらい発達しているのですが(汗。どうにも映画「のび太の結婚前夜」のイメージが強いのでそう感じるのかもしれません。でも「未来」ってこんな風にイメージしてもいいものだとも感じます。あまりに未来に現実を見てしまっても、面白くありませんしね。
そんな中で、酔った出来杉の「ボクが幸せにしてあげたかった」と本音をこぼすシーンや、しずかちゃんが出来杉と結婚しなかった理由が「何でも1人で出来るから」というのも面白いところ。
で、恒例のしずかちゃんのお父さんの名台詞のターン!他の家族に比べると出番は少ないですが、少ない出番の中で素晴らしい言葉を残してくれました。でも「目立った取り柄があるわけじゃない」には疑問。あの青年、あやとり・射撃・昼寝なら世界チャンピオンになれるレベルですよ!?目立つかどうかはともかく!娘の前で結婚相手を褒めはしても、けなすような人にはとても思えないのですが・・・
そしてのび太の幸せを受信したことで、ドラえもんは帰ることに。その後は「さようならドラえもん」「帰ってきたドラえもん」の物語が繰り広げられます。「まぁあの映画は超えられないだろう」と思っていたら、ボロボロ泣いてました(涙。映画や演出が変わっても、あののび太の奮闘は変わらず心に来るものがあることを知りました。ドラえもんが泣きながらのび太を見つめるシーンがいいんだよなぁ・・・
で、ウソ800を飲んで「ドラえもんが帰ってこない」という言葉を発したことがきっかけで、のび太の部屋に帰ってきたドラえもん・・・そこでまた泣いたところで映画が終わりました。
結果としてはドラえもんの良さを再認識できる作品でした。ちらほら出てくる星野スミレや、ライオン仮面や少年ヨンデー、コロコロコミックといった漫画雑誌も懐かしく感じます。何年経っても面白くて、笑えて、泣ける。そんなドラえもんの魅力が詰まっていたと感じる映画でした。
ただ、やはり「成し遂げプログラム」や、しずかちゃんのお父さんの「目立った取り柄があるわけじゃない」発言は疑問が残ります。前者はドラえもんの帰る理由として必要だったとしても、後者はいらない台詞に思えます。わざわざ一度落としてから上げなくても・・・と思いました。
かつての映画「帰ってきたドラえもん」「のび太の結婚前夜」はその話だけに絞ることができたので、様々なオリジナル要素やら台詞、シーンの追加もなされていました。それらと、色んな作品の一部としてそれらを描いた「STAND BY ME」とを比べるのは酷かもしれません。でも、どうしても「帰ってきたドラえもん」には桜とハンバーグのシーンが、「のび太の結婚前夜」にはネコを送り届けるシーンと先生との会話が必要だと思ってしまうあたり、つくづく昔のドラえもんの思い出が強いなぁと感じてしまいます(苦笑。時折あれらがオリジナルだということを忘れてしまいます。
泣ける映画ではありましたが、これもドラえもんのほんの一部に過ぎません。「ドラえもんに休日を!」など面白い作品もまだまだ沢山あるので、ぜひ一度は原作を読んで、そして今のアニメを、時には昔のアニメも楽しんでもらいたいと思います。