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ひびレビ

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機動新世紀ガンダムX 第39話(最終回)「月はいつもそこにある」

2024-08-14 19:13:52 | アニメ・ゲーム
機動新世紀ガンダムX 第39話(最終回)「月はいつもそこにある」

 遂にファースト・ニュータイプと呼ばれた存在、D.O.M.Eとの対面を果たしたガロードたち。そこでD.O.M.Eが語ったニュータイプにまつわる真実は、誰にとっても受け入れられるものではありませんでしたが、誰よりもニュータイプという言葉に縛られていた男・ジャミルにとっては納得のいく答えでした。
 それはきっと、彼の近くにガロードがいたからでしょう。「俺はただ、ティファのことを守りたいと思っただけで……特別な力なんてないし」ニュータイプと呼ばれるような特別な力がなくても、未来が見えなくても、その真っ直ぐな想い一つで自分が望む未来を作ろうと生きてきたガロードの強さはジャミルがよく知っているでしょうからね。
 
 そしてガロードが持つ「未来を変える力」は、戦争を知らない世代にとっての共通した光だとD.O.M.E。「古い時代に左右されず、新しい時代を生きる力がある」と語った際には、戦争を知る世代=ウイッツたち、戦争を知らない世代=パーラたちの順に映し出されていました。
 ここ、戦争を知らない世代だけを映しても良さそうなものですが、敢えて戦争を知る世代を映したのは、以前トニヤがパーラに戦後の地球の様子を語ったように、戦争を知る世代だからこそ出来ることがある、ってことなのかなーと。

 
 で、送信施設から発艦したザイデルは休戦状態にあったはずの戦闘が再開されているのを見て、新連邦軍が諮ったと、即座に主砲をブラッドマンが乗る旗艦に向けたわけですが……ここ、もしも休戦状態が継続されていたら、ザイデルとブラッドマンはどうしたんでしょうね?
 ザイデルからしてみれば、支えとしたニュータイプ主義が真っ向から否定されたものの、今更無かったことにされても困るわけで。なので「D.O.M.Eの発言はニュータイプ主義を否定する新連邦軍により前もって仕組まれていたもの」とか何とか言い出して、ますますニュータイプという言葉に囚われそうな気がします。
 対するブラッドマンが求めるのはニュータイプが持つ力なわけですから、「人を超えた力と、人の革新とは別のことなんだ」とD.O.M.Eが言ったところで、人を超えた力が存在することには変わりはなく。
 結局のところ、休戦状態だろうとなかろうと戦争は続いていたのかもしれません。「ニュータイプはいない」と知ってなお続くのだから、猶更性質の悪い戦争ですね……

 そんな二人が乗る旗艦をまとめてサテライトランチャーで排除したのが、自分たちの時代を作らんとするフロスト兄弟。その前に立ちはだかるのは過ちは繰り返させないと硬く決意するガロードとガンダムダブルエックス!リフレクター等を全て展開したうえで立ちはだかるの、本当にカッコいいっすよね……

 手中に収めたはずの送電システムがガロードに力を貸したことに動揺するフロスト兄弟ですが……
 シャギア「ダブルエックスを撃つ!」
 オルバ「でもチャージが!」
 シャギア「構わん!」
 これまで多少劣勢になっても余裕の態度を崩さなかった兄弟が、心の底から焦っている感じがするこのシーン、結構好きです。特にいつもならオルバを抑える側に回っていたシャギアが焦り、オルバの制止も聞かずに攻撃するというのが好き。何なら一旦退いて体制を立て直すことも出来たにも関わらずのこの行動。「最大の好機を逃したくなかった」だけではなく、シャギアがダブルエックスの、ガロードの強さを認めており、ここで排除しなければ必ず自分たちの障害になると判断したからなのかなーとも。
 この後のエピローグでも彼らと思しき二人組がいますが、あれぐらいじゃ折れないっすよね……


 そして物語はエピローグへ。戦争を止めた功労者でもあるガロードが、誰からも注目されることなくティファと一緒にのんびり電車に揺られているの、ガンダムX!って感じがして良いっすよねぇ……徹頭徹尾、大切な女の子を守りたい!って思いでここまで来たんだなと、改めて感じさせられます。「ね、ガロード」ガロードに語り掛けるティファの声が本当に明るくて可愛くて、普通の女の子って感じがするのも良いんだよなぁ……
 サラを紹介するジャミルの声色も優しく、ウイッツは照れながらもトニヤを大事に思っているのが伝わってくるし、ロアビィは相変わらずで、エニルが素直にトニヤと一緒にいたいって言うのも良いし、キッドたちも楽しそうで何よりだし……
 そんでもってテクス先生!最後の最後まで名言メーカーっぷりは変わらず。彼の最後の言葉はぜひ聞いてもらいたいですね。

 最後を飾るのは大破したガンダムダブルエックスと、大きな月。戦闘から半年経っても回収されていないということは、即ちそれを必要とする勢力がいないということでもあると思います。平和な時代が、新しい未来が訪れつつある証拠のようにも見え、あれだけボロボロなのに、妙な安心感を覚えてしまう不思議な魅力が溢れています。誰にも触れられることなく、過去の遺物として朽ちて、忘れ去られていく方が幸せなのかもしれませんね。

 そして、月。月に始まり、月に終わったガンダムX。月は人によって見え方が様々。時に形を変え、時に見えなくなることがあったとしても、月そのものはいつも変わらずそこにある……ガンダムXにおいて月とは、未来そのものだったのかもしれないと、改めて本作を視聴して感じました。


 というわけで、改めて「機動新世紀ガンダムX」、全39話を視聴しました!いやー長いことかかりましたが、久々に見直せて楽しかったです。
 全体の感想は11年前……11年前?(汗。ともあれ、11年前に書いているので省略しますが、やっぱり好きな作品だなと再認識できました。元々ビルドファイターズがきっかけで本作をおススメされたのも懐かしい……久々ながら、ガンダムX、堪能させていただきました。ありがとうございました!

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2 コメント

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Unknown (サード)
2024-08-18 19:24:54
戦争中の最先端の意味であったニュータイプが今では過去の言葉になるという。
ナレーションや予告の声が実はって展開、最近の作品でもありましたがやっぱりいいですね。
シャギアの焦りはガロードの力に加えて、世界が彼に力を貸しているように感じての苛立ちもあるのかな。
テクス先生の名言、もっと中盤くらいのイメージで覚えてたけどこんな最後で言ってたのか。

Gガンダムで戦争の否定、ガンダムWで生身の兵士の否定、そしてこの作品でニュータイプの否定と「ガンダム新作作ります」って言ってガンダムの要素を毎年丁寧に否定してきた公式。
ターンエーでは黒歴史という言葉もできて、今では一般的の言葉として使われてますね。
否定するために要素と向かい合うことで、より深くその要素を知れた作品だったと思います。
エックスは特にガロードが親しみやすい主人公だったので見やすかったです。
ボーイミーツガールの名作でした。

話数があるのでオススメしにくいですが、何かガンダムを見た後にターンエーを見ると色々と感じることがあるのでいつか見てもらいたいですね。
戦争の立ち退きでお婆さん説得する回とか、ガンダム使って洗濯するシーンなど独特な回もあり、ジブリアニメっぽさもあります。
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サードさんへ (アル)
2024-08-19 08:01:10
おはようございます。

〉ナレーションや予告の声が実はって展開、最近の作品でもありましたがやっぱりいいですね。
個人的にはデジモンアドベンチャー02を思い出します。あの締めくくり方も個人的には好きでした。

〉Gガンダムで戦争の否定、ガンダムWで生身の兵士の否定、そしてこの作品でニュータイプの否定と「ガンダム新作作ります」って言ってガンダムの要素を毎年丁寧に否定してきた公式。
既成概念を取っ払うための挑戦が必要とはいえ、どこまで否定してよいのか匙加減は非常に難しいでしょう。ガンダムXにしても、着地の仕方を間違えれば非難の的になっていたかもしれません。このような優しい否定にたどり着くまでの試行錯誤は如何ほどだったか……

〉ターンエーでは黒歴史という言葉もできて、今では一般的の言葉として使われてますね。
言ってしまえば一アニメ作品の劇中用語に過ぎない言葉が、これほどまでに広まるということに、改めてガンダムという作品の影響力の強さを感じさせられます。

〉話数があるのでオススメしにくいですが、何かガンダムを見た後にターンエーを見ると色々と感じることがあるのでいつか見てもらいたいですね。
ちょうど今ガンダムチャンネルで配信が始まったばかりですね。最初の3話は見ていませんが、途中からでも見てみようと思います。
併せて再放送されている「水星の魔女」と「Gガンダム」も視聴中です。Gガンダムは割と先の方まで見ていますが、テレビで追っていこうかと。
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