肢も弱々しかったり、曲がっていたのがしっかりして来る。
が、
x線撮影してみると、飛節の構成骨である足根骨が潰れてしまっていることがある。
子馬は生まれたときx線撮影をしてみると、まだ骨が十分できていなくて、骨が丸みを帯びている。
とくに未熟な子馬だとその傾向が強い。
しかし、生まれたらすぐ立ち上がり、立ち上がったら走り回るのが子馬なので・・・・
未熟な骨化していない骨が体重に耐えられず潰れてしまう。
上のx線写真でわかるように、飛節が「深折れ」というか、飛節の下(遠位)でも曲がっているように見える馬に多い。
ひどいものは、足根骨崩壊 tarsal bone collapse と呼ばれる。
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Incomplete ossification of the tarsal bones in foals: 22 cases (1988-1996)
子馬の足根骨の不完全骨化:22症例(1988-1996)
David M. Duppon, Jeffrey P. Watkins, Michael A. Walker, Clifford M. Honnas
目的-足根骨の不完全骨化の子馬予後と、初診時の臨床的異常・x線画像の異常が予後に関係するかを明らかにすること。
デザイン-回顧的調査。
動物-22頭の子馬。
方法-症状、経過、畜主の主訴、臨床所見、飛節の外反があったかどうか、x線画像上の異常などの情報を診療記録から抽出した。
x線画像上の病変は2群に分けた。タイプ1(患部の骨の30%未満の崩壊を伴う骨化不全)あるいはタイプ2(患部の骨の30%を超える崩壊や飛び出し、あるいは骨片形成を伴う骨化不全)である。
追跡情報は畜主との電話で得た。
結果-子馬は1日齢から10ヶ月齢で初診されていた。
11頭は未熟(妊娠齢320日未満)あるいは双子であった。
16頭は飛節の外反(x脚;訳者注)があった。
x線画像上の病変の重篤度は予後に関係していた。タイプ1の子馬6頭のうち4頭は本来の目的に使われた。しかし、タイプ2の子馬16頭のうち本来の目的に使われたのは3頭のみであった。
臨床的重要性-足根骨の不完全骨化がある子馬では、x線画像上の病変の重篤度が予後に関係していた。
タイプ2の骨化不全がある子馬は運動機能上は予後は良くない。
(J Am Vet Med Assoc 1998; 213:1590-1594)
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右は微妙だが、飛び出しているけどタイプ1かな。
上の文献はテキサス大学からのもので、対象馬はサラブレッドではない。
使用目的も、競走ではない。
それでもタイプ2は運動機能は果たせないことが多かった。
この結果は受け止めなければならないだろう。
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