【メルマガ情話】

【メルマガ情話】

インターネット上でデータをダウンロードする際、メールアドレスの入力を求められ「最新情報をお伝えするメールマガジンをお送りしてもよろしいですか?」などと聞かれ、有償にせよ無償にせよダウンロードによる恩恵を受けたと感じると、「いいえ」とは答えにくく「はい」を押してしまう癖が、僕にはある。

その結果、毎日膨大な数のダイレクトメールやメールマガジンが届き、有用なものは振り分け、無用なものは削除しているのだけれど、忙しいと着信は確認してもそれを読む時間がないことが増えてきた。
 
外出時の空き時間の読み物にすればよいと気づき、引き出しに放り込んだままになっていた Sharp の Linux Zaurus 、愛称「捨て子ザウルス」君を引っ張り出し、PHS 通信カードを装着し、仕事以外の Mailbox に届いたメールを 128MB の SD メモリに受信できるようにセットアップしてみた。

あとはダイレクトメールやメールマガジンの、不要なものは購読解除し、有用なものはアドレス変更手続きをすればよい。最近は文末に解除・変更の URL が書き添えられているので手続きは至極簡単。各社、手続き方法は様々で、有用な情報を送ってくる大きなシステムほどよくできている。片や、パーソナルな配信システムで運用されているものは、購読を打ち切る理由を尋ねるアンケートなどがあって面白い。「つまらないから」などとは答えにくく、「その他」を押してしまう癖もまた僕にはある。

「購読解除」ボタンを押すと、「長らくのご愛読ありがとうございました」などという文章が表示され、「いままで愛してくれてありがとう」と言われたようで胸に迫るものがあり、「やっぱり購読する!」という取り消しボタンが有れば、衝動に身を任せて押してしまうであろう癖も、またまた僕にはあるのだ。

夕暮れの銀座通りに立ち、信号待ちを利用して受信ボタンを押すと、「愛読」を決めたメールマガジンが茜雲の彼方から手のひらの Linux Zaurus に舞い降りる。

(閉鎖した電脳六義園通信所 2003 年 1 月 28 日、19 年前の今日の日記に加筆のうえ再掲載。)

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