【夜明けの読書メモ―「ユリイカ」】

【夜明けの読書メモ―「ユリイカ」】

ことばの読みを別の種類のことばで書き写すとき、その表記に微妙な違いが生まれる。ギリシャ語の Eureka にはユリイカという音写がなじみ深いのだけれど、ユーレカ、ユレカ、ユーリカ、ユリカ、ユリーカなどと揺れがある。

わからなかったことがわかった瞬間は飛び上がりたいほど嬉しい。アルキメデスは「ユリイカ(見つけたぞ)!」と叫んで裸で街に走り出たという。

西田幾多郎について書かれた本を次々に読んでいる。それぞれの著者にある解釈の揺れを重ね合わせると、次第に不動の芯になるものが見えてきて「あ、そうか!」と叫びたくなる。


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そういう瞬間を「目が覚めたよう」とたとえるけれど、夜中なので目がさえて眠れなくなる。椅子に座って読んでいるときなら、走り出したい気分を抑えて部屋の中をぐるぐる歩き回るだろう。揺れながらユリイカ、走り出したいアルキメデス。矛盾律がまるごと円にとじる。

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