お母さん


FUJIFILM X100V

大きな画像

以前より仕事上の付き合いのあった中東の人からメールが来た。
母国からものを取り寄せて日本で販売している人だ。
展示会で隣になったりして、親しくしていたのだ。
こちらに住んで長いので、すでに帰化しているのかもしれない。
奥様は日本の方である。

特注品を作って欲しいという。
メールと電話でやり取りして、商品の仕様を決めた。
見積を出したところ、送料が予想以上に高かったらしく、自分で引き取りに行くという。
くれぐれも製品を乗せることの出来る大きさの車で取りに来て欲しいと伝えた。
あちらも大きい製品を扱うプロなので、その辺は心得ているようであった。

製品が出来上がったので連絡したところ、たまたま僕が不在の日に取りに来ることになった。
まあそれでもかまわない。
誰かにちゃんと対応するよう話しておくから、会社が開いている時間内に引き取りに来て欲しいとだけ伝えた。

メールで打ち合わせた通り、僕が不在の日の夕方に取りにきた。
ちゃんと製品の寸法を考えて、それが入る大きいワゴン車で引き取りにきたという。
Mrs.COLKIDに対応を頼んでおいたので、事務所で少し話したらしい。

開口一番、相手がこう言ったという。
「はじめまして。○○さん(僕のこと)のお母さんですか?」
Mrs.COLKIDはむっとなって、
「妻です」
と答えた。
相手は狼狽して、失礼しましたと謝ったという。

後になってよく考えたら、その人は東京の下町のマンションに住んでいる。
「お母さん」というのは「奥さん」という意味だったのではないか。
しかしMrs.COLKIDが怖い顔をしたので、慌てたらしい。
中東の大男を脅すなんて・・・
地元のお土産の美味しいお菓子まで持ってきてくれたのに・・・

あとからお礼のメールが届いた。
そのメールには、僕と会えずに残念だったが
「奥様とお会いできて光栄です」
と書かれていた。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )