革製品


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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長年会社に勤めていた女性が退職することになった。
何か記念の贈り物をと思い、Mrs.COLKIDにデパートに買いに行ってもらった。
革製のパスケースがいいだろうという話になった。

いつも行くデパートは、恐らく欲しいものは無いだろうと思われた。
老舗なので高齢の顧客が多く、品揃えがどうしても保守的な方に偏るのだ。
そこで、センス面でもう少し現代風のものが揃っている別のデパートにも行ってみた。

ところが、革製品の売り場が大幅に縮小されている。
確か以前は大きな専門の売り場があったはずなのに・・・
売り場が小さくなってしまい、しかも品揃えが悪く、欲しい色がほとんどない。

ずいぶん探して、やっとひとつだけ在庫をみつけて買ってきた。
試しに高額なハイブランドの売り場も確かめてみたところ、やはり色が揃っていなかったという。
店員に聞くと、最近は革製品は全般に入ってこないのだという。
そのためタマ数が少ない状態らしい。

単純に輸入品が入ってこないのか、あるいはヴィーガンで世界的に製造数が減っているのか・・・
販売店側がそういう世情に合わせて仕入を控えている、ということもあり得る。
いずれにしても、いよいよ革製品が店頭から消えて行く時代になったのだろう。

もっともそれの代用である合成皮革は、まだ耐久性に問題があると評判が悪い。
天然皮革を一度撤廃したアディダスが、スタンスミスLUXとしてまた本革を復活させた。
やる事が迷走していると批判を浴びているが、やはり合皮の製品は耐久性に問題があるのではないかと疑ってしまう。
(実際同社のLUXの説明には「耐久性に優れたレザーアッパー」と書かれている)

一応SDGsの観点から言えば、本革は優れている・・という考え方もある。
食用として今でも牛が消費されており、一定量の皮が原料として出るのだから、しっかり無駄なく使い切ることは大切である。
また耐久性が高く長く使っていけるのだから、すぐに駄目になってしまう素材より環境に貢献している。

一方で革靴などを見ると、実際に革の質が優れていたのは1960年代前後の製品で、以降は時代と共に質がどんどん落ちてきているのが分かる。
なめし工程の環境破壊なども絡んでいるのだろうが、そう考えると、そもそも革という素材自体が、ずっと以前から大きな問題を抱えていたのだとも言える。
単純に質の向上だけを追求するわけにいかない素材なのだ。

やはり今後は革からの脱却が進んでいくのであろう。
以前も書いたが、ではすでに我々が持っている革製品への、世間の風当たりはどうなるのであろうか。
毛皮のコートなどは、着るだけで批判される時代になっているのはご存知の通りである。

僕など革フェチを自称していたので、当然身の回りには革製品がたくさんある。
時計のベルトとか、ガンベルトとか、革靴とか・・・
やっぱりもう作ってしまったものなのだから、なるべく長く大切に使っていくのがサステナブルだよね・・・
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