値上げ


SIGMA DP1Merrill

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資材メーカーからの来客が相次ぐと思ったら、どれも用事は値上げの申請だ。
1ドル100円前後でほぼ落ち着いてきたので、ここでいよいよ値上げに踏み切ろうということだ。
120円くらいまでいく・・という予想もあったため、今まで様子を見ていたのだ。
しかしいつまでも我慢できるものでもない。
当然市場での製品価格もどんどん上がるだろう。
モデルチェンジして実質的な値上げをしたり、設計変更してコストダウンを図ったり、各社大変だと思う。



今日の時計ベルト。
ユリス・ナルダンのサンマルコに、ジャン・ルソーのシャークのブラックをつけた。

ジャン・ルソーはアリゲーターを中心に商品を展開しており、それ以外のレザーに関しては種類が少なめである。
顧客の多くがアリゲーターに集中する為、それ以外の革は、一般に高級とされるものでも、ラインナップの中では中途半端な存在になってしまうようだ。
カーフ、オーストリッチ、リザード、ガルーシャ、ラバーなどがあるが、中でシャークに関しては、アトリエでも時折見かけるので、比較的人気の高い革ではないかと思う。

サンマルコ用のベルトの決定版として、そのシャークを素材に作ってみた。
表面はシャークのブラック、ステッチは手縫いで色はダークグレイ、キーパー(定革)は2連の固定式とした。
裏材もアンチスエットレザーのブラックにして、全体を黒で統一し、シャークの精悍さを強調した。

長さは両開きバックルの使用を前提に決め、ベルト先端部を尖らせてもらった。
その場合、先細りの形状になるため、キーパーから飛び出す部分の外観上のバランスを考慮して、6時側を5mmほど長く作る。
穴は自分の腕に位置を合わせて3個のみとした。



シャークのベルトは、既製品としてもいろいろ出ているが、さすがオーダー品は一味違う。
けっこうな高級感があり、この鮮やかな文字盤と、品質面でのマッチングがうまく取れている。
ナルダンのグレードを主張するに、ふさわしいベルトといえる。

ブルーのサンマルコと組み合わせるベルトとして、つい同じブルー系を考えがちであるが、いろいろ組み合わせてみて、むしろ黒のほうが、この鮮やかな文字盤の色を際立たせることが出来るとわかってきた。
しかしこれだけ特殊な文字盤となると、ベルトもそれなりに主張しないとバランスが取れない。

その点シャークはドンピシャリの素材と言っていいだろう。
この素材特有の「凄み」が、時計全体の雰囲気を引き締め、なかなかの演出をしてくれる。
経験からサメの革は硬い・・というイメージがあったが、素材としてはそんなことはないそうで、実際ほどほどにしなやかな仕上がりになっている。

やはりこの時計に関しては、チョイ悪系のイメージでまとめたくなる(笑)
この組合せであれば、例えば身に着ける革製のアイテムをブラック中心にまとめ上げ、ワンポイントとして、腕に鮮やかなブルーの文字盤を持ってくる・・という、カッコいい使い方が出来る。
初めに時計ありき・・で、時計を中心に他の部分を考えたくなる組合せである。
サンマルコのベルトとしては、なかなかの成功例と言えるのではないか。


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