酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

日本ダービーの思い出

2023-05-28 10:13:32 | 競馬
 コロナ禍以降、海外ロケはなくなったが、再放送を含め「岩合光昭の世界ネコ歩き」(NHK・BSプレミアム)を楽しんでいる。同番組で知ったことのひとつは猫の親和力で、牧場では癒やしをもたらす仕事人として重宝されている。最近ではYoutubeなどでサラブレッドと猫との好相性を示す様子が頻繁にアップされている。

 投稿者は牧場、厩舎、引退馬協会の関係者で、猫が馬の背中でくつろいでいたり、追いかけっこをしたり、体重差が100倍ほどの両者が鼻面を寄せ合ったりと心和む映像が多い。草食系の馬は集団に馴染み、肉食系の猫は孤独を好むといわれる。接点が少ないように思えるが、繊細かつ臆病で、音に敏感という共通点がある。ちなみに、生産界と猫との結びつきは強い。ストームキャット(嵐の猫?)はアメリカの大種牡馬で、その血脈は日本でも多くのG1馬を生んでいる。

 テーマがないので、今回はダービーについて。予想というより思い出を軸に綴りたい。初めてダービーの馬券を買ったのは1982年だった。前日、一緒に野球観戦に行った大学時代の先輩が横でダービーを予想していた。俺が1点で買ったバンブーアトラスとワカテンザンで決まり、枠連が28倍ついた。全くのビギナーズラックで、フリーターだった俺には旱天の慈雨だった。

 2年後にスポーツ紙の校閲を担当するようになってからは、毎年のように買うようになる。93年は肩入れしていたガレオンがウイニングチケット、ビワハヤヒデ、ナリタタイシンの3強に次ぎ4着に入った。その後のダービーで記憶に残るのはPOG指名馬が出走したレースばかりで、勤め人時代のサニーブライアンは皐月賞、ダービーを人気薄で制し、馬券的にも実入りは大きかった。

 最も印象的なダービーを挙げれば2012年だ。POG指名馬のディープブリランテとフェノーメノが①②着し歓喜に浸ったのも束の間、膠原病と闘いつつ日常に復帰していた妹の急死の報が翌朝届く。義弟は職場で缶詰めになっていて、朝帰りして妹の死に気付いた。前年の東日本大震災、原発事故と併せ50代後半、生き方を変えるきっかけになった。

 勝利を確信していたのは17年の指名馬アドミラブルだった。同馬は9月の新馬戦では喘鳴症で9着に惨敗するが、3月上旬の未勝利戦で復活Vを果たすと、2400㍍のアザレア賞と青葉賞を連勝してダービーに挑む。レース前々日に開催されたPOGのイベントには多くのクラブ法人やメディア関係者、競馬評論家が詰め掛けていたが、<今年はアドミラブルで決まり>の空気が充満していた。結果は1番人気も3着で、同馬には最後のレースになった。3カ月で4戦、しかもそのうち3戦が2400㍍という過酷なスケジュールに心身とも蝕まれていたのだろう。

 同じく指名馬ロジャーバローズは2年後、京都新聞杯2着からダービーに挑み、12番人気ながら角居師に最後のG1をプレゼントした。コロナ禍もあり、POGは翌年で終了したが、予想より愛情を上位に置いてレースに接することが出来て楽しかった。俺にとって、POG最大のヒット、いや、ホームランは牝馬アーモンドアイである。ダービー出走説もあったが、結果は神のみぞ知るだ。

 最後に、5時間後に出走するダービーの予想を。桜花賞馬リバティアイランドのオークス圧勝を考えれば、皐月賞馬のソールオリエンスが最有力だ。同じくキタサンブラック産駒スキルヴィングの取捨がポイントも、青葉賞馬はローテが厳しくアドミラブルでも勝てなかった。皐月賞2~6着のタスティエーラ、ファントムシーフ、メタルスピート、ショウナンバシット、シャザーンは買う気にならない。

 注目しているのは京都新聞杯馬のサトノグランツ、青葉賞2着のハーツコンチェルトだ。上記したバンブーアトラス、ストームキャットの血をそれぞれ受け継ぐトップナイフ、ベラジオオペラを買い目に加える。ともに皐月賞では展開が合わず7、10着に敗れているが、挽回も可能だ。◎⑤ソールオリエンス、○⑱サトノグランツ、▲⑪ハーツコンチェルト、注④トップナイフ、△①ベラジオオペラが結論だ。

 目が覚めたら、妙に⑰ドゥラエレーデが気になってきた。父と母父はともにダービー馬である。⑤を軸に相手①④⑪⑰⑱の3連複でも買おうかな。自信はゼロだが、楽しめればいい。
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