<3447> 奈良県のレッドデータブックの花たち(69) カラタチバナ(唐橘) サクラソウ科(旧ヤブコウジ科)
[別名] ヒャクリョウ(百両)
[学名] Ardisia crispa
[奈良県のカテゴリー] 希少種
[特徴] 山地の林内や林縁に生える常緑小低木で、高さは大きいもので70センチほど。あまり枝を分けず、葉は上部に集まって互生する、葉の長さは10~20センチの披針形で、先は尖り、縁には波状の鋸歯が見られる。両面無毛で、表面は鮮やかな緑色。花期は7月ごろで、葉腋に数センチの花序軸を斜上し、散形状に花序をつけ、直径1センチに満たない白い小さな花を多いもので10個前後下向きに咲かせる。花冠はマンリョウに似て、2~5裂し、完開すると裂片が反る。核果の実は直径6~7ミリの球形で、冬赤く熟し、翌年の春まで残るものが多い。園芸種には赤実のほか、白実や黄実も見られる。
[分布] 本州の茨城・新潟県以西、四国、九州、沖縄。国外では中国、台湾。
[県内分布] 北中部に散見。
[記事] 花の印象がミカン科のタチバナ(橘)に似るからともヤブコウジの古名ヤマタチバナ(山橘)に因むとも、どちらにしてもその名は花の印象による。漢名は百両金で、こちらは赤い実の印象によるもので、マンリョウ(万両)に比したものと言われる。なお、マンリョウによく似た赤い実をつける縁起植物は次の通りである。一両(アリドオシ)、十両(ヤブコウジ)、百両(カラタチバナ)、千両(センリョウ)、万両(マンリョウ)、億両(ツルシキミ・ミヤマシキミ)。写真はカラタチバナの蕾(左)と実(右)。
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