<3426> 野鳥百態 (22) 野鳥の小鳥たち
恵みに与り
危うきに寄らず
足るを生き
幸せを分かち合う
この健全
この理想
この確かなる生
小鳥たちの
軽やかな五月の
枝わたりする
いつもながらの
公園樹の風景
探鳥で野鳥の小鳥たちが現れる自然公園の木々を見上げていると、賑やかな鳴き声が聞こえ始め、ちらちらと小鳥たちの姿が目線の視界に入って来る。愛鳥週間のある五月の時期、幼鳥を加えた小鳥たちが種別なくみんなで行動しているようで、一層の賑わいを見せる。移り行くコースは大体決まっているようで、来る木々の下で待ち受けていると、大方間違いなくその小鳥たちに出会える。
鳥影が動くエノキの梢などを見上げていると、メジロ、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、ときには単独行動のコゲラやコサメビタキ、キビタキなどが混じり、体長の少し大きいカワラヒワなども加わるといった具合で、とにかく、賑やかである。カラスやヒヨドリやキジバトなどのような大きい鳥も見られるが、これらは行動をともにしない。また、原っぱや水辺を好むスズメやホオジロやセキレイなどは独立して生活している。モズも単独行動を取り、鳴き声を誇るウグイスもあまり移り行かず生活している。
このように見てみると野鳥によって生活様式を異にしているのがわかる。その違いはエサの違いや身体能力などさまざまな要素によると考えられるが、一緒に行動している小鳥たちを見ていると、集団で行動する方が、安全であり、頼みになる利点があると思える。幼い小鳥には何処にエサがあるか、また、エサの捕り方など、見様見真似で勉強出来る。よく見ていると、自分の背丈に合った小さな青虫などを捕まえて食べている。そのうち実が熟すころになるとその実に向かうのに違いない。とにかく、小鳥たちは自分たちが生きてゆく上で、一緒に行動するのがよいと思っているのだろう。
ときに諍いも起きるが、尾を引かず、概ね仲がよく、元気で軽やかに木々の梢を飛び回っている。その光景を見上げていたら、ふと少年期の子供のころを思い出した。あのころは梢を飛び交う小鳥のように活発に動き回っていた。この小鳥たちの群が来ると辺りの様子が変わり、賑やかで明るくなる。人間の世界でも同じこと。子供のいる賑やかな風景が思われることではある。
写真は左からカキノキの葉の間から飛び出す若いメジロ。エノキの梢を渡る幼い姿が抜け切らないヤマガラ。幼いコゲラ、諍いを起こすカワラヒワ(いずれも馬見丘陵公園で)。