<3425> 奈良県のレッドデータブックの花たち(59) オノエラン(尾上蘭) ラン科
[学名] Chondradenia fauriei
[奈良県のカテゴリー] 絶滅寸前種
[特徴] 寒温帯から冷温帯域の日当たりのよい岩場や草地に生える多年草で、草丈は10~15センチほど。葉は長さが5~10センチの長楕円形で、茎の基部に普通2個つき質はやや硬く、斜め上向きにつき、先は尖る。花期は6~8月で、花茎の先に短い総状花序を出し、数個の白い花をつける。花は唇弁がくさび形で、唇弁の基部にW字形(逆M字形)の黄色の斑紋がある。この斑紋がオノエランの特徴で、花を見ればわかる。
[分布] 日本の固有種。本州の東北から中部地方と紀伊山地の山岳高所。
[県内分布] 上北山村、天川村、十津川村。大台ケ原山や大峰山脈の高所(日本の南限に当たる)。
[記事] オノエランの名は山岳の尾根に生えるランの意。 写真は左から大峰山脈の尾根筋の個体(十津川村)、大台ケ原山の個体(上北山村)、W字形の黄色の斑紋が見える花のアップ。
見ても意識しないものは
見ないのと変わりない
登山道で出会う草花でも
関心がなく
心にとめなければ
見ないのに等しい