<3435> 奈良県のレッドデータブックの花たち(63) カザグルマ(風車) キンポウゲ科
[学名] Clematis patens
[奈良県のカテゴリー] 絶滅寸前種(環境省:準絶滅危惧)
[特徴] 山野の林縁などに生える落葉つる性の多年草で、ツルの茎は褐色で、基部が木質化するため低木と見なす見解もある。葉は奇数羽状複葉で、小葉は長さが3~10センチの狹卵形。先が尖り、3~5個ついて対生する。葉には長い葉柄があり、他物に絡み伸びる。花期は5~6月で、茎の先に直径10センチ前後の花を上向きに開く。花は淡紫色及び白色の花弁状の萼片が普通8個あり、花弁はない。中国原産のテッセン(鉄線花)に似るが、テッセンは花が一回り小さく、萼片も6個と少ない。
[分布] 本州、四国、九州(北部)。国外では東アジア一帯。日本では全国的に自生地が少なく、絶滅の危惧が懸念されている。
[県内分布] 宇陀市、奈良市東部の大和高原の一部。
[記事] センニンソウ属の園芸植物を一般にクレマチスと称し、交雑によっていろんな品種が作り出されている。カザグルマやテッセンはその代表的な原種である。なお、カザグルマ(風車)の名は花の形による。テッセン(鉄線花)の名は細くて強靭なつるの茎に因む。
なお、宇陀市大宇陀小附の民有地に自生する個体は1948年国の天然記念物に指定された。ほかにも2、3知られるが、自生か植栽起源かはっきりしないようである。 写真はカザグルマ(大宇陀小附の自生地の所有者宅の庭で撮らせてもらったもので、自生地のものと同じである旨の説明を受けた)。
未来は予測の領域
想像でしか触れ得ない
期待と不安の領域
そして ときには
想定外のことを
隠し有している領域