大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2021年06月05日 | 植物

<3427> 奈良県のレッドデータブックの花たち(60)  ガガブタ(鏡蓋)      ミツガシワ科 (旧リンドウ科)

         

[学名] Nymphoides indica

[奈良県のカテゴリー]  絶滅寸前種(環境省:準絶滅危惧)

[特徴] アサザと同じように池沼に生える多年生の水草で、水底の根から水中に細長い茎を伸ばし、その先に葉柄を出し、葉柄は水面に至って、長さが4~20センチの心円形乃至は卵円形の葉を浮葉する。ときに抽水葉も見られる。花期は7~9月で、水中の葉腋から花柄を伸ばし、その先に1花をつけ、水面に花柄を立て開花する。数個集まって花柄を立てる場合もある。花は直径1.5センチほどで、花冠が5深裂し、披針形の裂片は縁が糸状に細かく裂ける。花冠は純白で、蕊のある中心部が目印のように鮮やかな黄色で、よく目につく。

[分布] 本州、四国、九州。世界にも広く見られる。

[県内分布] 奈良市、香芝市、王寺町。

[記事] ガガブタ(鏡蓋)の名は水面を被う葉によるか。定かではない。全国的に減少の傾向にあり、奈良盆地の大和地方でも、且つては普通に見られたようであるが、現在は池沼の開発、水質汚濁、植生の遷移、人為的除去など減少要因が重なり、自生地のピンチが指摘されている。なお、大和郡山市の県立大和民俗公園では山野草の保護育成に当たっている園地で見られる。 写真はガガブタ。

   生には未来があり

   未来には

   希望と気がかりとが

   常ながらあり

         両天秤のごとく

   日々刻々の

         そこここの

         仕儀において

         うかがわれ

         そして 思われる