大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

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2021年06月18日 | 植物

<3440> 奈良県のレッドデータブックの花たち(66)  カツラギグミ(葛城茱萸)                  グミ科

                               

[学名] Elaeagnus takeshitae

[奈良県のカテゴリー]    絶滅寸前種、注目種(環境省:絶滅危惧ⅠB類)

[特徴] 山地、丘陵の二次林下や林縁に生える落葉低木で、高さは1~2メートル。ほかのグミに比べて幹も枝も細い。葉は卵状楕円形で、先が尾状に尖り、両面に星状毛がある。他種には裏面に鱗片が見られるが、カツラギグミにはほとんど見られない。花期は4~5月で、互生する葉の腋に2センチほどの花柄の先に白色の1花を下向きにつける。花には花弁がなく、筒状の萼の先が4裂して開き、花弁のように見える。花柄にも萼にも星状毛が密生。枝には鱗片状の毛が生える。偽果の実は広楕円形で、6月下旬赤熟する。熟すと甘くなり、食べられる。

[分布] 本州の近畿地方に限る日本の固有種。

[県内分布] 金剛、葛城、竜門、笠置山地の一部。

[記事] カツラギグミ(葛城茱萸)の名は大和葛城山で初めて見つかったことによる。分布が近畿地方に限られるが、奈良県が自生の主要部分を占めることから注目種、また、特定希少野生動植物にも指定されている。写真はカツラギグミの花(吉野町の竜門岳)。

   生きるということは

         現在進行形である