世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

牡蠣(カキ)・真牡蠣

2015年12月13日 07時22分14秒 | Weblog

牡蠣(カキ)



         牡蠣の天ぷら


【語源】
カキの語源は岩から掻(か)き落として採集する事からと言う説、
殻を欠き砕いて身を取り出すことからと言う説がある。

       牡蠣フライ



【旬】
牡蠣は大別すると、夏が旬の岩牡蠣と、最も口にすることの多い
「まがき」の2種類に分けられる。
牡蠣と言えば一般に「まがき」であると言える為、今回は「まがき」を
対象とさせて頂きます。

牡蠣(まがき)の旬は、秋から冬である。




      北海道厚岸の蒸し牡蠣
【うんちく】
流通している牡蠣(まがき)は100%養殖物です。
この牡蠣(かき)の養殖の歴史は古く、紀元前1世紀のローマ時代
から・・・とも言われています。日本では、1673年広島県が最初。

「海のミルク」と言われるように我々が必要とする栄養素を極めて
多く含み、かのシーザーが兵士に牡蠣を大量に食べさせ、志気を
奮い立たせたとか・・・。また、ナポレオン3世が牡蠣の養殖を
奨励したのも、強兵が目的だったといわれています。


牡蠣はすべての部位を食す、数少ない品種です。(ホタテ、とり貝
、赤貝などは特定部分しか食べない)アサリ、しじみなども全体を
食べますが、生食でとなると、他に類を見ません。
このため、栄養素も非常に多い。また、英語で「R」のつかない月
(5~8月)は食べてはいけない・・・。と言う「いわれ」もこの事
から来ていると思われます。
ただし、食べれなくはありません。5~8月は生殖巣などが痛みやす
いので注意が必要だ。と言う警告であると言えます。


       牡蠣のバター炒め



         牡蠣のクリームパスタ





【ブランド・産地】
出荷量では広島県がダントツ。過半数に達します。ついで、宮城県
、岡山県と続きます。

ブランド化は各地で盛んに行われているようです。
昔から、築地市場での評価が高かったのは・・・・、
広島の「地御前(じごぜん)かき」。
当時、目減りが常識だったが、「地御前は絶対に規格数量より多く
入っている・・・」と言う事が評判になり、重宝されたとか。



もう一品、広島での有名ブランドは「かなわの牡蠣」。

通常、牡蠣は、川が流れ込む河口近くで養殖します。
水温も高く、ミネラルも豊富で牡蠣の育ちもよく、効率的だから
です。反面、水質の汚染などの影響を大きく受けます。

かなわは、より安全性を重視し、沖合いで養殖します。
(江田島から更に船で20分の沖)
沖合いは水温が低く、塩分濃度も高い為、成長も遅いですが、
じっくりと旨みをためこみ、身の締まった美味しい牡蠣に育つ
とか・・・。

「かなわの牡蠣」の詳しい事は こちら



     厚岸の牡蠣養殖風景


          厚岸の牡蠣ラーメン



また、北海道厚岸(あっけし)の牡蠣も有名です。
「厚岸(あっけし)」とはアイヌ語で「牡蠣のたくさん獲れる地」
という意味。
昔は天然の「まがき」がたくさん生息していたようです。

生き物は産卵によってパワーを使います。
産卵の回数を重ねれば、身自体が細り、美味しくなくなる。
これは人間も同じではないでしょうか?(たくさん出産しても
綺麗なご婦人もいらいしゃいますが・・・・・。)


       牡蠣の炙り にぎり鮨

牡蠣は水温10℃を基準に積算600℃で産卵します。
つまり、水温が20℃だと、
600℃÷(20℃-10℃)=60
60日で産卵し、年間6回産卵する計算になります。

水温が15℃だと
600℃÷(15℃-10℃)=120
120日で一回産卵し、年間3回産卵する。

北海道は水温が低い為、年一回しか産卵しません。だから、
身がぷっくり太って美味しい。 科学的。納得でしょ!

ちなみに、広島で年3~4回、三陸で2~3回産卵する様です。

この厚岸の牡蠣の中でも品種改良し、産卵しない牡蠣を
「カキエモン」と言うブランドで売り出しています。


          牡蠣飯






【産地ならではの漁師料理】
牡蠣は和洋中・・・、どんな料理をしても美味い。
かきフライ、酢牡蠣、炒め物、生牡蠣、焼き牡蠣、炊き込みご飯、
蒸し牡蠣・・・。あげればきりがありません。
しかし、やはり鍋がお勧め。

味噌仕立ての「どて鍋」は牡蠣鍋の代表選手。
最後の締めは「雑炊」で・・・・・。
そして、変わり鍋で美味しいのは、「牡蠣のキムチ鍋」。
こちらの仕上げは「ぶっかけご飯」。



         牡蠣のどて鍋





最後は「牡蠣の粕鍋」。こちらも美味い。

産地の、のん兵衛は「牡蠣の酒しゃぶ」。
土鍋に酒を煮立て、むき身をしゅぶしゃぶと洗ってポン酢で・・。
牡蠣本来の風味と旨みを、最も感じることができる鍋料理ではない
でしょうか・・・?    間違いなく日本酒です。



【栄養と効果・健康】
動物性食品としては珍しく炭水化物が多い。牡蠣の炭水化物は
そのほとんどがエネルギーに変りやすいグリコーゲン。
疲労回復に効果があり、肝臓にも良い。

ミネラル類では亜鉛と銅を非常に多く含んでいる。
亜鉛は新しい細胞を作るにあたり、欠かせないミネラル。
成長期の子供には是非、食べさせたい商材です。
その他、ナトリウム、マグネシューム、カルシュームも豊富。

ビタミン類では、脂肪の働きを助けるビタミンB2、赤血球の生成を
促進し貧血を予防するB12も多く含んでいる。
また、胎児の発育に欠かせない葉酸も多い。

スーパースターですね~!


     スモーク牡蠣





     長崎県小長井浜の牡蠣






      厚岸の牡蠣フライ丼




       厚岸の牡蠣ラーメン(味噌)












         牡蠣のおでん


















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