ある句集
2018-07-18 | 文化
先日25年ぶりに会った東京の友人・西脇さんより、彼女のお姑さんが、14年前に91歳で発刊された句集が送られてきました。70代で俳句を始められたとは思えない内容。友人は選句と挿絵部門を担当。これを作って貰われたお姑さんの喜びはいかばかりであったでしょうか。挿絵もなかなか味わいのあるもの。俳句の指導者もよかったのだと思います。淡々として詠まれています。著者は大垣高等女学校を出て、先生と結婚。戦前は神戸市、小野市にも住まわれていましたが、戦後、ご主人が公職追放解除となり、郷里の岐阜の高校教師に復職。ご主人を見送られ、一人で農業をされていた時の作品です。今は亡くなられています。好きな句を挙げてみました。( )は私が追記したもの。
生前にお目にかかれていたら、私も長く関西にいて、神戸市や小野市のことを知っているので、お話も聞きたかったです。最下段の写真は、昨日の朝のNHKBS「心旅」で、火野正平さんが全国を自転車旅する中で、岐阜県大垣市で撮影された場面。
無花果を背伸びして取る老の腰
風さやか後継のなき独居かな
山寺の御堂の風や半夏生
伊吹空輪中に青田赤に染め (輪中は岐阜独特のもので木曽三川水害に備えたもの)
落し蓋静かになりて鮒匂ふ
新茶入れる夫の遺愛の急須かな (表紙絵はおそらくこの句)
花散りて淋しさ増しぬ一夜城 (秀吉が築城した安八一夜城)
表紙
NHKBS心旅 大垣水門川で
お姑様のお歌も素敵ですが、お嫁さんの挿絵がお歌をよりいっそう輝かせていると思います。
PCの不具合の上に遺族会のお線香配布などに追われ拝見しましたままに失礼いたしました。
彼女は謙遜家ですので、挿絵のことを話されて
いなくて、句集を見て驚きました。
PCはいつ故障がおきるか予想がつきませんものね。