日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

妻を癒やすアサガオ

2015年07月25日 | エッセイサロン
今朝の一輪


2015年07月25日 中国新聞「広場」掲載
 
 数年前の夏、体調を崩した妻が毎朝、楽しみにしたのはアサガオだった。カーテンを開け、しばらく眺めることが日課になった。花と妻が会話しているように見えた。朝顔の花が終わる頃、体調は回復した。

  「来年も咲かせたい」と妻は採種を促した。癒やしてくれた花への感謝の思いだろうと思い、よく膨らんだ種を残した。次の夏もよく咲いた。それからは毎年、採種し、翌年に種をまき、苗を育ててプランターへ移植して咲かせている。

 今年も梅雨入りの頃から咲き始めた。妻は、あの夏と同じように、カーテンを開けるのを毎朝の楽しみにしている。

 晴れた日の朝夕、水やりをするくらいで、特別な手入れなどはしていない。それでも、細いつるのどこに力があるのか、その伸び方に感心する。

 伸びれば花の数も増えてくる。そんな自然の力に癒やしの力があるのだろう。来年は花数を増やす工夫をしよう。妻の背中越しにアサガオを眺めながら思う。
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