今日、暦の上では二十四節気の5番目「清明」。もののふによると「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)という言葉の略という。「空気は澄んで、陽の光は明るく万物を照らして、全てがはっきりと鮮やかに見える頃です」と紹介されている。タケノコ、ワラビも野をにぎわし、背は低いが紫色のカタクリの花が咲く。海では初鰹の季節になる、春が本格的にやって来る。
メモしている「日本の情緒あふれる雨の呼び名」によると、清明の頃に降る雨を「発火雨(はっかう)」という。やわらかく静かに降る雨。「桃花(とうか)の雨」「杏花雨(きょうかう)」とも呼ばれる。桃の花に降る雨が、遠目では火を発しているように見えることが語源になっている。のぞいたばかりの若葉が濡れているのは清らかそうに見える。
そんな発火雨、朝5時半に新聞を取りに出た時は小雨の小雨くらいの降りだった。でも、新聞は雨よけのポリフィルムに包まれていなかった。我が家の新聞は濡れなかったが配達途中の新聞もあったかもしれない。いい雨とはいえ濡れては困る。
誘われてカタクリの花を撮りに島根県にいった時のだからこの頃の季節だと思う。田植えの準備で代搔きされている農家の人から、「かんう」がやって来ると田の準備を始める、と教わった。かんう、を調べてみると「甘雨」と表し、「草木を潤す雨、農作業をはじめる時期にちょうどよく降り、作物を育ててくれる雨」とある。メモにはほかに「翠雨(すいう)青葉に降り注ぐ雨。情景も、漢字もきれいな雨の名前」と残している。いろいろな雨の呼び名、日本ならではの情景だろうか。
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