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雨待つ紫陽花

2019年06月06日 | 自然 季節

 当地も「梅雨に入ったもよう」というという気象庁の発表が明日か明後日かに近づいたと複数の気象予報士が、TVの天気予報で解説する。気象予報については気象衛星からの映像、高・低気圧の進路予想のCG、梅雨前線の移動状況など、人の目には見えない観測結果から教えられる。その精度は日進月歩、国民から信頼を得られる世になった。

 雨は万物の命を握っており、その量は多すぎても少なすぎても生物の存亡に関わる。昨年は西日本を中心に豪雨により多くの人命と共に、これまで築き上げてきた富を失った。自然も破壊された。この反省から、防災情報が警戒レベルで発表されることになりこれまでより避難については明快になった。警戒レベル3で高齢者は避難、同4では全員避難となった。避難所までの道路状況は把握しないと安全には避難できない。

 しとしとと降り止まない雨、長引くと気が塞ぎがちになり外出も控え気味になる。そんな憂鬱な気分を紛らわせてくれる一つに紫陽花がある。七変化の名のように雨に濡れ楽しませる。花ビラの様に見える萼の色変わりも風情がある。そう、「紫陽花は雨に濡れた姿が一番美しい花」と古の人はめでたという。

 そんな紫陽花、予報に合わせるかのように姿を現して来た。人手の加わらない茂みの中から何十もの萼が一斉に梅雨入り前の陽ざしを浴び輝いている。教わることもなく営みを伝承する不思議さにいつも感心する。今日は二十四節季の「芒種」、元々は稲などの穂が出る穀物の種を蒔くという意味で農家が忙しくなる時期を指すという。稲に雨は欠かせない、しとしとと降る梅雨らしい雨を待っている。
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