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姪の来春から通園する男の子。生き物が大好き。お菓子、着る物、絵本、お絵描きとあらゆる場面に生きもがのかたちが有れば喜ぶという。ムカデ以外は恐れずに手づかみする、でも捕らえてしばらくしたら離すという。が、親は目が離せないと困っている。
先日の我家。おばちゃん上げる、と差し出した手の平には、庭で集めた「まる虫」が数匹乗っていたという。めだかの鉢の側へしゃがみ、ジィーと見つめていることはしばしば目にしている。
いつから生き物が好きになったのか、親たちは思い当たらないばかりか、虫が嫌いなものばかりだ。大きくなったら、大学の獣医学科で勉強し、動物のお医者さんになれ、と話した。分かったカのように「うん」と返事した。動物のお医者、これが分かったのかも知れない。
数センチほどのカミキリムシを捕まえ、20㌢四角の虫かごへ入れた。
虫好きな子に「取りに来る」か問い合わせたら「いく」元気な声で返ってきた。胡瓜を入れておいて、と付け加えた。
かみきりは、髪きりとかくそうだ。世界に2万種、最大なものは10㌢もあるという。口の左右に鋭い大顎があり、竹木類を咬む。長い触角は持つのが特徴だ、これはにわか仕込み髪きり虫講座だ。
虫かごの中を忙しそうに動く、いや自由になりたいと、その途を探し回っているようにも見える。眺めていると、60年近く前、野山を駆け回ったころを思い出した。
ありがとうもどこへやら、食い入るように見つめる子供の目、いい目をしている。
(写真は虫かごの中を自由になりたいと動く髪きり虫)
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