先日の東京の降雪は都内と周辺に大きな影響、特に交通網の大混乱で、人の移動や物流関係には大きな検討課題を残した、地方から伺えばそんな感じがする。仙台から東京に来て雪の混乱にまきこまれた若いカップルが「仙台では考えられない」と苦笑する映像は、首都の機能を失いかねない雪対策のお粗末さを感じさせた。
なぜ東京にこれほど降ったのか、TV各局は工夫して解説していたが、間隔の狭い縦方向の等圧線、雲、風の強さとその方向、南岸低気圧などでそこに大差はなかった。気象予報士は雪による災害対策についても防災士を思わせるような細かな注意を発している。雪上の歩き方を実演で教えていたが、救急搬送された人も多かった。
そんな中、ある気象予報の番組で、東京に雪をもたらした風の流れを3D化した動画で見せた。私は初めて目にした。それによると、東京へ向かって吹く南からの風が陸上近くなると急上昇に転じ上空へ流れていく。平面に矢印で示す風の方向図では素人には思いもつかない、自然現象が発生していることを知り驚いた。
気象予報は各種の莫大な測定値をもとにして作られる。こうした測定値をもとにして、それらが3D化される研究が進んでいるという。例えば、雨雲の発達の様子や雨足の強さ、雨雲内部の様子を3Dでリアルにわかりやすく描画できる。今までにない「次世代型天気予報」の時代がやがて普通になるのではなかろうか。
(今日の575) 3Dの風の流れに息をのむ