受刑者の制作した品を展示販売する矯正展が市内にある女子刑務所で開かれた。実は、少し前の記事で、矯正品の一つに秘かな目玉品があると載っていった。それは「固形石鹸」とあるだけで製法などの詳しいことは分からないが、市販の洗剤に勝るという評価もあった。今回はそれを狙って出かけた。
事前の報道では女子刑務所を含む全国の刑務所から1万点を販売とあった。その中の紹介品目に「せっけん」とあった。爽やかな秋晴れに誘われてだろうか、会場のどのブースも混雑している。目指すものを探すのは相当に困難、と気合を入れて見落とししないように回る。液体はあったが目的の固形がないかと見回していると「お探しですか」と声が掛かった。
担当の人に話すと「記事のお陰で好調な売れです。在庫を確認します」。しばらくすると新しく積み上げられた。「これこれ」とすでに手に持っている人も買い求められた。説明を見ると、カッターの襟や運動靴など頑固な汚れに大きな効果があるとPRしてある。使うときの楽しみにしておこう。
「購入者の喜びは 受刑者の励みに」そんな記事の見出しがぴったりの会場。コロナ禍で4年ぶりの開催、待っていたフアンも多いだろう。この女子刑務所、高い壁に気づかず何も知らずに外観を見るとこじんまりした集合住宅に見える。昔を知る者からすると住宅地にあっても違和感はない。社会復帰後、習得された技術を生かして欲しい。
(今日の575) 手に取りて品定めするは久しぶり