国の名勝・錦帯橋が架かる錦川は清流として知られ、訪れる人も多い。今はアユ釣りの最盛期、釣果は聞いていないが、釣り糸を上流から流れにしたがって下流へ釣り糸を一杯に伸ばす。釣れないと同じことを何度も繰り返す、早く釣って見せてよと言いたいが釣り人には届かない。友釣りの鮎が疲れないのか。
日ごろは清流と思い込んでいる水面に油膜が広がっている。橋上から見える油膜は自然のものではない人工物に違いない。降雨による増水でどこかに滞っていた汚れが流れ出たのだろう。中州には流れ着いたプラスチック製品や小さな工作物、時にはベビーカーなども見かける。これらは増水とともに流れ、中州に取り残される。こうした廃棄物は河川だけではない。
地球規模で廃プラスチック類の不法投棄が問題視されている。これは今に始まった問題ではないが、その深刻さが日々増しているということだろう。特に海洋へ流失し微粉砕となったマイクロプラスチックは生態系への心配が大きくなっている。魚に鳥類などの死の原因にもなり、その進行はとどまる兆しはないという。心したい。
橋上から見える油膜は、本流をそれあまり流れのよくない箇所で止まっている。流量のある時には油膜の一部は海にたどり着いただろう。眼下の油膜は次の増水までここに居続けるだろう。ちょっとした気遣いで防げるはずだ。