「読めそうで読めない間違いやすい漢字」、面白そうな文庫本に出会った。サブタイトルに「誤読の定番から漢検1級クラスまで」と少々威張った感じの文字が黒地白抜きで目立つ。パラパラと繰ってみるとどの頁も漢字漢字漢字で詰まっているが、なんとなく面白そう、頭の体操や漢字の学習にもなるかもと、図書カードで支払う。
国会審議で追加予算を「おいか予算」と読んだ議員、看護師さんが伊達さんを「イタチさんと呼んだ、アナウンサーが生憎の雨を「ナマニクの雨」と読んだとか、軽い話から読ませる。そういば中学生のころ、ある試合の選手紹介で御手洗さんをじか読みで紹介したのに驚いた記憶がある。
エッセイ同好会でよく指導される一つに漢字や熟語に諺などは、思い違いのまま使うととんでもない誤解を招くというか、書き手の趣旨とは違ったとらえ方をされる。よく分からない、不確かななど惑うときは辞書などで確認することと教わる。これまでも読み返して気づいたことも多いし、例会で指摘されることもある。
第1章は誤読の定番として225の字とその意味が載っている。たどってみると幾つも誤読や誤解していることに気づく。その一つ、学芸や武芸などの究極を求める「奥義」は「おくぎ」でなく「おうぎ」が正解ある。広辞苑で「おくぎ」をしらべると「おうぎ」へ誘導される。誤読の定番中の定番は「人事不省」と「柿おとし」という。さて読みとその意味は。