「錦帯橋と古い周辺の町並み」を世界遺産に登録しようとする運動がある。昨年、これを支える街おこしを地元の皆さんが興され、活動が続いている。
2回目の今年も多彩な行事が2日間催された。昼間は「竹細工をしよう」「錦帯橋の模型を作ろう」「シャボン玉遊びに紙芝居」「行灯作りにくじ引き」と楽しめそうなイベントに子どもたちは喜んだ。
日暮になると錦帯橋から数百㍍の歩行者天国「大明小路」が「竹灯りの小路」に変わる。仕掛けは、長さ数十センチ、鋭角に切られた孟宗竹のその中へろーそくを灯す。
小路の両側の竹灯りを頼りに進む。家々も明かりを落とし「竹灯りの小路」の演出に協力する。足元は闇。イベント会場には数十本が灯され、赤みがかったあったかさが灯る。
いち段と目を引いたものがある。竹を使い岩国城と錦帯橋をあしらった作品。暗闇の中で城と橋が、和紙を透したろーそくの灯りで浮かび上がる。ライトアップでは真似のできない暖かさと落着きをかもし出す。写真を撮る人が多い。
ライトガーデンと銘打って、門構えの大きな屋敷の庭の奥までろーそくが灯されている。ふだん見れない門の内に興味はあるが、足を踏み入れる人はいなかった。鳴いている虫の声は門外と同じなことに親しみを感じる。
月の出には早いこの時間の足元は暗闇。「大名」小路と呼ばれ燈のなかったころの武士はこの小路をどんなにして歩んだのだろう、そう思いながらろーそくの灯りを後にした。
(写真:灯りに浮かび上がる城と橋)