秋は文化勲章を初めとして各種の叙勲が行われる。叙勲とは、勲等に叙して勲記・勲章を授けること。勲記は、叙勲者に勲章と共に与えられる証書。勲章とは、国家または君主に尽くした功労を表彰して国家が授与する賞牌、と説明されている。それを父は授与された。
公務員の父は、1966年9月に56歳で他界した。葬儀の整理を終え落着いたころ父の上司だった方が勲記と賞牌を持参された。突然のことで遺族としては何も理解できなかった。上司の説明はおおよそ次のようだった。
これまでの功績に対し叙勲を上申中だった。存命なら秋に授与される予定であったが死亡のため、亡くなった日付で授与された。
勲記は、大日本国璽の印(那須にておいて璽を捺させる)と内閣総理大臣佐藤栄作の署名がある。
40年前のことで詳細は記憶に無いが、重いものを頂いたと感じた。硝子2枚を使用する特製の額縁を注文した。勲記と賞牌を2層にして収納する額縁を考えた。指物大工さんも初めて作る、と丁寧なつくりで完成した。
今は両親の遺影と向き合う位置に掛けている。叙勲の対象になっていたことを父は知っていたのだろうか。
(写真は勲記と勲章)