
本棚を整理していた、初めてではないのに思わぬ小さな冊子が見つかった。これまで、何度か整理していたのに目につかなかったということは、どの本かに挟まっていたのかもしれない。その冊子は在職中にある活動事務局を担当したとき、参考資料として月刊誌を社費で購入していがその付録らしい。
思い出せばその活動の始まりは1970年代に2度発生したオイルショックで、中東からの原油の輸入量が逼迫し、原油が高騰、それは世界経済を混乱に陥れた。その影響をもろに受けた業種の一つである石油化学会社に私は勤務していた。第1次(第四次中東戦争)は1973(昭和48)年、第2次(イラン革命)は1979(昭和54)年だった。
会社の業績は悪化、生産縮小や停止に追い込まれた。対策として余剰人員の活用やコストダウンなどできることは何でも取り組んだ。それは全職場で、少人数のグルーで、課単位で知恵を出し合った。パソコンなど今思えば夢の時代の活動だった。私は余剰人員の活用とQC活動の事務局を担当した。QC活動では実用新案を申請する成果も得られた。
小さな冊子をめくりながら、模造紙や小さな紙片に原因や解決策、提案などを書き合理化や改善策を論じ合った、ときには「口角泡を飛ばす」こともあったなど、40年余り前のことを懐かしく思い出す。リモートワークの内容がさらに進化する時代に、なつかしいQCや小集団活動などが今も残っているのだろうか。そういえば「KJ法」という問題解決方式もお世話になった。こうした積み重ねが現在の技術の基礎を作り上げた一つだと信じている。