shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

California Dreamin' / River City People

2008-11-30 | Cover Songs
 私は81年から91年までの約10年間、毎週全米トップ40と全英トップ20を聴いていた。後追いなら見逃してしまうようなマイナーな盤まで自分の耳でしっかりカバーできるのがリアルタイムで聴くメリットだ。ある時、いつものように全英チャートを聴いていると、突然「カリフォルニア・ドリーミン」の耳慣れたメロディーが流れてきた。えも言えぬ雰囲気を持った女性ヴォーカル、ビーチ・ボーイズみたいなコーラス・ハーモニー、絶妙なテンポで刻まれるビート... わずか2分余りの曲だったが私は完全にノックアウトされてしまった。リヴァー・シティ・ピープル? 全然知らないグループだ。当時はネットもなく、情報はラジオと雑誌のみ。このようなマイナー盤は一旦逃すとほぼ入手不可能になることを身をもって知っていた私はとにかく音源だけは確保しようと早速大阪のタワーレコードまで出かけていって幸運にもCDシングルを入手することが出来た。う~ん、実に素晴らしい。あの番組を聞いてなかったら多分一生知らないままだったろうと思うと余計に嬉しい。「カリフォルニア・ドリーミン」といえばオリジナルはもちろんあのママス&パパスだが、テンポもやや緩めだし、サウンド的にも今の耳で聞くと古臭さは否めない。その後、「ジョージィ・ガール」で有名なシーカーズやテケテケの王者ベンチャーズ、№1ジャズ・ギタリストのウェス・モンゴメリーなんかもこの曲をカヴァーしているが、個人的に一番気に入っていたのは、86年にビーチ・ボーイズがカヴァーしたヴァージョンだった。アメリカではシングル・チャートで57位までしか上がらなかったのであまり知られていないが、ビーチ・ボーイズの絶妙なコーラス・ワークがこの曲の持つ哀愁を見事なまでに引き出しており、もうこれ以上のカヴァーはあり得ないと思っていた。で、その4年後にこのリヴァー・シティ・ピープルである。何という瑞々しい歌声だろう!「オーザリーヴズァブラァン~♪」でいきなり水滴が飛び散り、寄り添うようにブリリアントなバック・コーラスが続く。これ以上の名演があったら教えてほしいぐらいの究極の「カリフォルニア」である。残念なことにアメリカでも母国イギリスでもヒットらしいヒットに恵まれず、2年ぐらいで解散してしまったらしいが、私の中では「素晴らしき一発屋」として忘れることのできないグループだ。

River City People - California Dreamin'



Jambalaya - Bossa Americana - / 小野リサ

2008-11-29 | World Music
 日本でボサノヴァといえば小野リサである。彼女の歌はとってもナチュラルでリラクセイションに溢れており、まったりしたサウンドをバックにした彼女のウィスパー・ヴォイスは何を歌っても「小野リサ・ワールド」に染め上げてしまう不思議な魅力がある。この盤のタイトルは「ジャンバラヤ - ボッサ・アメリカーナ」で、ぶっちゃけて言えば「ボサノヴァ・ミーツ・アメリカン・トラディショナル」である。カントリー色のせいか普通のボサノヴァよりも明るいノリで、アメリカン・フォークあり、カントリーあり、民謡ありというバラエティーに富んだ内容になっている。①「ジャンバラヤ」は私の場合中学の時にカーペンターズのヴァージョンで刷り込みが完了しており、大人数で明るく楽しい野外パーティーといった感じのカーペンターズに比べると、小野リサ・ヴァージョンは親しい者が少人数で集まっての優雅な食事、といった趣きである。ボサノヴァの特徴はその抑えた歌い方にあり、メロディーがあまり動かずハーモニーが絶えず変化して動いていくのでかえって心にスーッと入ってくるのだろう。②「カントリー・ロード」は私の世代なら絶対オリビア・ニュートン・ジョンなのだが、小野リサのヴォーカルはあくまで自然体で、そのささやくような歌声で歌われると耳ダコのはずのあのメロディーが実に新鮮に響く。バックのソプラノ・サックスもでしゃばらずにエエ仕事してますな。③「ステイ・オール・ナイト」はギターとクラリネットが活躍する古き良きスイング・スタイルで演奏されており、ボサノヴァとの相性もバッチリだ。ロリンズも演っていた⑤「俺は老カウボーイ」は心地良いフルートがとっても印象的なナンバー。これめっちゃエエなぁ…(≧▽≦) ビートルズ・ナンバーの中でも5指に入る名曲⑧「夢の人」は流れるようなリズムに乗って必殺のウィスパー・ヴォイスが炸裂するキラー・チューン。CD後半は、優しく爪弾かれるギターと爽やかなヴォーカル・コーラスが快感を呼ぶ⑨「オールド・ファッションド・ラヴ~ユー・アー・マイ・サンシャイン」、軽快なリズムでウキウキするような⑩「リトル・キャビン・ホーム・オン・ザ・ヒル」、彼女の声で歌われて名曲度が更にアップした感じの⑪「黄色いリボン」と、ハッピー・ソング3連発に続く⑫「ダニー・ボーイ」が心に染み入ってくるニクイ演出。ナラ・レオンのコピーだという奴もいるが、それがどーしたの完成度がここにあるのだ。

小野リサ Take Me Home Country Roads

The Best Of Herman's Hermits

2008-11-28 | Oldies (50's & 60's)
 ハーマンズ・ハーミッツは60年代半ばに絶大な人気を誇ったマンチェスター出身のポップ・グループである。ヴォーカルのピーター・ヌーン中心のアイドル・グループで、親しみやすいポップな曲に恵まれたこともあって65年にはアメリカでビートルズに次ぐ人気を誇るまでになった。ハーミッツにはアニマルズやヤードバーズといった様々なバンドをプロデュースし数々のヒット曲を世に送り出してきたミッキー・モストという敏腕プロデューサーがついていたせいか、特に初期の楽曲レベルの高さはハンパではない。デビュー曲の①「朝からゴキゲン」はキャロル・キングとジェリー・ゴフィンが共作したバブルガム・ポップ・ナンバーで、これぞ3分間ポップスの極みといえるようなウキウキする曲。②「ハートがドキドキ」も①の三軒隣りに住んでいるような軽快なポップ曲で、お約束のハンド・クラッピングやタンバリン、エヴァリー・ブラザーズ風コーラスもバッチリだ。④「ミセス・ブラウンのお嬢さん」は彼ら初の全米№1ヒット。そんなにスゴイ曲とは思わないが、イギリス伝統のミュージック・ホール的な曲調がアメリカでは未知のサウンドとして新鮮に響いたのではないか。因みに吉田拓郎の「となりの町のお嬢さん」はタイトルから曲調、音作りに至るまでこの曲ソックリに作られた拓郎会心のパロディーだ。ヘンリー君が結婚した相手の女性が実は離婚歴7回の「ヘンリー好き」で僕は8人目のヘンリーなんだと歌うコミカルなミュージック・ホール・ソング⑥「ヘンリー8世君」は「ミセスブラウン」の二匹目のドジョウを狙ったもので、その戦略が見事にハマり彼ら2曲目の全米№1に。ホンマにアメリカ人は単純だ(笑) 思わず一緒に口ずさみたくなるようなキャッチーなメロディー展開の⑧「あの娘に御用心」は絶妙なコーラス・ワークが聴き物のブリット・ポップ。「ウィンチェスターの鐘」の作者が書いた⑮「見つめあう恋」はカーペンターズのカヴァー・ヴァージョンでも有名な、まさに絵に描いたような大名曲。⑯「ノー・ミルク・トゥディ」はホリーズの「バス・ストップ」とタイマンを張れるくらいの隠れた傑作で、ビートルズっぽいサウンドがたまらない(≧▽≦) これだけポップなヒット曲が満載のハーミッツのベスト盤、オールディーズ・ポップス・ファンは必携の1枚だ。

Herman's Hermits - No milk today



「コーヒー・ルンバ」特集

2008-11-27 | Cover Songs
 元祖「クール・ビューティー」こと、西田佐知子のコーヒールンバを初めて聴いたのは G3 の時だった。バックのギターのたどたどしいオブリガートが妙に耳に残り、思わず「へたくそなグラント・グリーンみたい」って言ったら901さんがバカ受けしていた。歌詞もユニークで、最初のうちは「コーヒー・モカ・マタリ」が「コーヒーも鎌足」に聞こえてしょーがなかったという、空耳アワー的な楽しみ(笑)も味わえる名曲である。
コーヒー・ルンバ / 西田佐知子



この、どこか投げやりな、気だる~いヴォーカルが良い味出してるさっちゃん盤以外でのオススメは...
①ウーゴ・ブランコ
 ベネズエラのウーゴ・ブランコがこの曲のオリジナル。原題はMoliendo Café で「コーヒー豆を挽きながら」っていう意味らしい。
HUGO BLANCO - MOLIENDO CAFE


②ミーナ
 これぞラテン!って感じで思いっ切りハジケまくって歌うミーナのエキゾチックなヴォーカルが痛快だ(^o^)丿
♫ Mina ♪ Moliendo Café (1962) ♫ Video & Audio Restaurati HD


③白木秀雄
 モダンジャズの白木秀雄クインテットがツイスト・ブームに乗って「コーヒー・ツイスト」と改題し、ファンキー・ジャズに仕上げたところがGJ!!!

④荻野目洋子
 J-Popでは何と言っても荻野目チャン! ダンサブルなエレクトロ・ポップにアレンジされていて実に楽しい。途中で「レッツ・ダンス!」とマドンナごっこが始まるのにはワロタ(^_^)
21 コーヒールンバ


⑤井上陽水
 陽水のねちっこくもクールな歌い方が退廃的なムードを上手く醸し出していてとっても印象的。この人ホンマ歌上手いわ(≧▽≦)
井上陽水×タモリ ギター漫才「コーヒールンバ」


他にもザ・ピーナッツ、寺内タケシ、松宮庄一郎、工藤静香etcのカヴァーがあり、日本では懐メロとしてすっかり定着した感があるこの「コーヒー・ルンバ」だが、一番驚いたのは今年の6月に信州へ行った時、名神の多賀SAに置いてある自販機で、コーヒーのボタンを押したらこの曲が流れてきたこと。しかも「あなたのためにドリップ中」の表示まで...(笑) 誰が考えたのか知らないが、コーヒー抽出を待っている時間が妙に楽しかった。
あなたのためにドリップ中 ミル挽き珈琲 自動販売機
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Mr.Children 単曲集

2008-11-26 | J-Rock/Pop
 これは台湾の旭聲という怪しいレーベルから出ているミスチルの逆輸入ベスト盤である。正直言って私はそれほど熱心なミスチル・ファンというわけではないし、特に最近の曲はインパクトに欠けるというか、ロック色が薄れて健全な癒し系ポップス路線にシフトしつつあるようで、いまひとつ馴染めない。しかしこの CD に収録されている94年~97年頃の、アルバムでいうと「深海」~「BOLERO」あたりのミスチルは凄かった。神がかっていたと言ってもいいかもしれない。まぁ彼らの根っこにあるのはロックというよりも70年代初期の日本フォークの要素だと思うが、世間で “ミスチルの暗黒時代” と呼ばれるこの頃の、フォーク・ソングをロックのサウンドで武装したような尖った楽曲群が私は大好きなのだ。
 私が最初にミスチルにハマッたのは94年の「everybody goes ~秩序のない現代にドロップキック~」で、そのシュールな歌詞とビートルズ直系のストレートなロック・サウンドに夢中になった。更にその路線を推し進めたのが「シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~」で、慣れ親しんだ洋楽の一番美味しいエッセンスを抽出し、それを彼らの感性で現代に甦らせてノリの良いロック曲に仕上げましたという感じの、まさに日本のロックの王道を行くような1曲だ。要所要所に挿入されるハンド・クラッピングはビートルズへの愛だろう。3分15秒からの迸るようなサックス・ソロはスプリングスティーン「明日なき暴走」へのオマージュそのものだ。私にとっては一緒に口ずさめるようなポップさを失うことなく毒を撒き散らしながらカッコ良いロック曲を連発していたこの時期のミスチルこそが最高なのである。
Mr.Children 「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」 MUSIC VIDEO


 この路線はビリー・ジョエルが憑依したかのような「マシンガンをぶっ放せ」、ミスチルにしか書けない「旅人」を経てビートルズ・フォロワーの遺伝子が疼く「ニシエヒガシエ」まで続くのだが、中でも96年の「名もなき詩」が圧巻だ。この曲こそまさにミスチルが到達した最高峰、極めつけの1曲である。桜井さんの歌も屹立しているが、もう歌がどうとかサウンドがどうとか、そういう次元で語る曲ではない。黙って聴けば理屈ぬきで感動が押し寄せる、邦楽史上に残る屈指の名曲なのだ。これはミスチルにとっての「ホテル・カリフォルニア」であり、30年前のイーグルスと同様に、彼らが突然の活動休止宣言で97~98年の2年間沈黙したのも頷ける。
Mr.Chirdren 名もなき詩(歌詞付き)


 復活後のミスチルは先に述べたように路線変更してしまったが、私にはこのベストCDと「深海」「BOLERO」、それに「ニシエヒガシエ」のシングルがあればそれで十分。いつだって最高のミスチルが聴けるからだ。
Mr.Children ニシエヒガシエ Concert tour Q




Live Alive / Stevie Ray Vaughan & Double Trouble

2008-11-25 | Rock & Pops (80's)
 先週の土曜日にG3の定例会をやった。テーマは「コテコテの黒いジャズ」だったが、901さんが持参されたのはジャズではなく何とブルースのレコードで、その中でも特にバディ・ガイが強烈だった。その真っ黒光りのするような粘っこいフレーズの波状攻撃は凄まじく、あれを聴けばジャズにおけるブルース・フィーリングというのがブラック・ミュージック全体の中で見れば相対的にはそんなに黒くないということがよく分かる。自分の感じたことをストレートにギターや歌に込めるバディ・ガイの演奏スタイルは、私に一人のギタリストを思い起こさせた。18年前に飛行機事故でこの世を去ったスティーヴィー・レイ・ヴォーンである。
 私が初めて彼の音楽に出会ったのは彼が「ベスト・ヒット・USA」に出演した時で、ストラトキャスターのカッティングがめちゃくちゃカッコ良く、それまでハード・ロック・ギターしか知らなかった私に強烈なインパクトを与えた。それ以降彼のアルバムを聴き漁り、すっかり大ファンになってしまった。だから彼の悲報を聞いた時はショックでしばらく何も手につかなかったくらいだ。私が他人の死で活動停止状態に陥ったのは後にも先にもジョン・レノン、アイルトン・セナ、そしてスティーヴィー・レイの3人だけだったと言えばその衝撃の大きさを分かってもらえるだろう。
 この「ライヴ・アライヴ」は86年にリリースされた2枚組ライヴ・アルバムで、一番脂の乗り切った時期のスティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブルの演奏が収められている。このアルバムを手に入れたのは10年程前に東京へレコード買い付けに出かけた時で、下北沢のレコファンで700円で見つけた時は手が震えた。ピカピカのオリジナル盤である。もう嬉しくてたまらなかった。
 彼の一番の魅力は何と言ってもその熱いプレイにあるのだが、特に絶妙の間を活かしたリズム・カッティングや、ねっとりしたフレーズでも都会的なカラッとした音色で弾くところなんか他のギタリストには絶対に真似の出来ない芸当だ。彼の骨太でワイルドな、時には唸るようなヴォーカルも実にエエ味を出している。収録曲を見ても、ワン・コード・ブルース、シャッフル・ビート、スロー・ブルース、ノリノリのロックンロールとバラエティーに富んでいて、A面のアタマからD面ラストまでまったくダレることなく一気呵成に聴けてしまう密度の濃いアルバムである。私がジャンルを越えて最も敬愛するギタリスト、スティーヴィー・レイ・ヴォーン... 一度でいいから生で聴いてみたかった。

Stevie Ray Vaughan - Superstition

恋の気分で / 平山みき

2008-11-24 | 昭和歌謡
 今日もミキティーである。この「恋の気分で」のキャッチコピーは “自身のオリジナル曲を含むヒット曲をジャズにアレンジしたジャズ・テイスト・アルバム” とのこと。彼女のジャズ・アルバムは87年の「キャバレー・ガール」以来なので大いに楽しみだ。①「イエスタデイ」、いきなりシンセサイザーが支配するバックのサウンドがうっとーしい。「ジャズ・テイスト・アルバム」を謳うならシンセなんか使うなよ...(>_<) これは④「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」にも⑧「オーバー・ザ・レインボウ」にもいえることだが、雰囲気は完全に悪しき80年代和製フュージョンだ。アホか!プロデューサーの音楽的センスの無さには呆れるしかない。彼女の持ち歌②「マンダリンパレス」では一転、ミディアム・テンポでスイングするピアノ、瀟洒なブラッシュ、軽妙なギター・ソロ、と文句なしのバッキングを得て、平凡なJ-Popsがバリバリのジャズ・ヴォーカル・ナンバーに昇華する快感を味わえる。ナット・キング・コールで有名な③「プリテンド」、彼女のヴォーカルは雰囲気抜群で、ピアノ・トリオの伴奏もいうことなし。上手いなぁ...やっぱりジャズ・ヴォーカルはこうでなくっちゃ。そういえばこのジャケット、キング・コールの「ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス」にソックリだと友人の plinco さんが喝破された。さすがだ(≧▽≦) 彼女最大のヒット曲⑤「真夏の出来事」、まるで鼻歌でも歌うように軽快にスイングする彼女の歌声がめっちゃエエ感じ。バックの演奏形態が変わっても曲の「髄」をしっかり引き出す彼女のワザはさすがと言う他ない。⑥「恋の気分で」、ピアノをバックにストレートに歌い上げるのはヴォーカリストとしての自信の表れか。この盤で一番気に入っているのが⑦「ユー・アー・ザ・サンシャイン・オブ・マイ・ライフ」で、スティービー・ワンダーの名曲が見事にジャズ化されている。彼女のヴォーカルはバックのピアノトリオと渾然一体となってめちゃくちゃスイングしており、「平山みきのジャズを聴いている」感がマグマのように押し寄せる。庄野真代の大ヒット⑨「飛んでイスタンブール」は、その独特の歌い方で完全に「みき・ワールド」に引き込んで見事に料理している。ラストはクニ河内の⑩「そっとおやすみ」、クロージングにピッタリのナンバーで、しみじみ感溢れるアコーディオンがめっちゃエエ味を出している、。①④⑧を除けば、昭和歌謡とジャズが見事に融合した聴きごたえのあるアルバムだ。

サンシャイン

This is Miki Hirayama / 平山みき

2008-11-23 | 昭和歌謡
 最近平山みきにハマッている。たまたまネットでこの盤を見つけて試聴したのをきっかけに彼女の素晴らしさを再認識し、毎日聴きまくっているのだ。彼女の一番の魅力はその「声」である。決して美声とはいえない。良く言えば「小悪魔ヴォイス」だが、「ニューハーフみたいな声」ともいえる。歌い方もどこか投げやりで感情を込めないスタイルだ。しかし、昭和歌謡、ジャズ、ロック、ディスコと、どんなタイプの曲であっても彼女の一声で一気に「平山みきワールド」に染め上げてしまう。これは凄いことである。ジャンルも性別も違うが、例えるならボブ・ディランのような、圧倒的な存在感を持った個性的なシンガーなのだ。2年前に出たこのCDは、コロムビア、ソニー時代の彼女の代表曲をニュー・アレンジでセルフ・カヴァーしたもので、昔に比べて声が少し低くなったものの逆に歌は巧くなった感じ、まさに円熟のヴォーカルを聴かせてくれる。弘田三枝子に感じが少し似ているといえるかもしれない。このCDの1曲目を飾る彼女の代表曲①「真夏の出来事」、私が持っているだけでも6ヴァージョン(!)存在するのだが、この盤のテイクがダントツに素晴らしい。何と山下達郎みたいなアカペラ・コーラスのみをバックに無伴奏で歌っているのだ!その見事な歌いっぷりとテンポのいいコーラス・アレンジに思わず聴き惚れてしまう。これが「音楽のちから」というものだろう。彼女のデビュー曲③「ビューティフル・ヨコハマ」では、まるでスティングの「ブルー・タートルの夢」を思わせるようなジャジーな演奏をバックにスイングするミキティーがカッコ良すぎ!!! 彼女の歌の上手さが際立つヴァージョンに仕上がっている。④「マンダリンパレス」もジャジーな歌と演奏で、中森明菜みたいな打ち込みサウンドだったオリジナル・ヴァージョンよりも断然こっちの方が好きだ。そして①と並ぶ私的ベスト・トラックが⑥「恋のダウンタウン」。まるでボニー・タイラーの「ヒーロー」が憑依したかのような疾走感がたまらないバリバリのガールズ・ロックだ。一転、肩の力の抜けた歌い方とリラクセイション溢れる軽快な演奏が極上の雰囲気を醸し出す⑦「黄昏のビギン」もたまらない。とにかく歌、演奏、バックコーラスと、どれをとっても文句のつけようのないくらいカッコ良いこのアルバム、ミキティー入門に最適の1枚だ。

真夏の出来事

American Dreams

2008-11-22 | Cover Songs
 昔、ディック・クラークが司会を務める「アメリカン・バンドスタンド」というTVショーがあった。50年代後半、ロックンロールを全米に広めるきっかけとなった人気番組で、スタジオをダンス・ホールにしてしまうという当時としては斬新な発想でその後の「レディー・ステディー・ゴー」や「ソウル・トレイン」といった様々な音楽番組の原型となった伝説の音楽番組だ。それから約半世紀がたち、今アメリカで「アメリカン・ドリームズ」というドラマが人気を集めている。60年代を舞台にフィラデルフィアに住むある家族の日常を描いたドラマで、主人公の2人のティーンエイジャーが「アメリカン・バンドスタンド」に合わせて毎回ダンスするシーンがあったり、色んな場面のバックでモータウンの曲が流れたりと、オールディーズ好きにはこたえられないドラマなのだ。さらに凄いのは、今活躍しているスター歌手たちを使って「アメリカン・バンドスタンド」を再現していること。あのヒラリー・ダフがシャングリラスに扮して「リーダー・オブ・ザ・パック」を歌ったり、ステーシー・オリコがエンジェルズも顔負けの「マイ・ボーイフレンズ・バック」を歌い踊ったりと、ポップス・ファン垂涎モノのシーンが満載なのだ。このCDはそのサントラ盤で、60'sのオリジナル・アーティストの音源と現役アーティストによる新録カヴァー音源が入っている。ビーチ・ボーイズ、ゾンビーズ、キンクス、マーサ&ヴァンデラス、サイモン&ガーファンクルといった60'sアーティスト音源の中ではエヴァリー・ブラザーズの「ゴーン・ゴーン・ゴーン」がめっちゃ嬉しい。去年ロバート・プラントがアリソン・クラウスと共演した新作の中でカヴァーしていた隠れ名曲だ。コンテンポラリー・アーティストの新録音源の中ではやはりステーシー・オリコがブリタニー・スノウとヴェネッサ・レンジースをバックに歌う「マイ・ボーイフレンズ・バック」がダントツに素晴らしい。ガール・グループ・クラシックの大名曲を、ハンド・クラッピングからバック・コーラスに至るまでアメリカン・オールディーズの楽しさ一杯にリメイクしてあって、まさにアメリカ版キャンディーズといったところか。ヴァネッサ・カールトンの「ウィッシン・アンド・ホーピン」(ダスティ・スプリングフィールド)やダンカン・シークの「ビヨンド・ザ・シー」(ボビー・ダーリン)なんかも聴きどころ。とにかくオールディーズ・ファン必見のこのドラマ、スカパーでやってくれへんかなぁ...(≧▽≦)

My Boyfriend's Back



Sgt. Hetfield's Motorbreath Pub Band / Beatallica

2008-11-21 | Beatles Tribute
 とんでもないバンドが現れた。メタリカそっくりのサウンドでビートルズ・ナンバーをことごとくヘビメタ・カヴァーしていく、その名も「ビータリカ」である。ビートルズ・ナンバーをカヴァーするハード・ロック/ヘヴィー・メタル・バンドはこれまでにも数多く存在したが、ビータリカの場合は単なるカヴァーとは次元が違う。サウンド的にはヴォーカルの声質と独特な歌い方、たたみかけるようなギター・リフ、重戦車のようなドラム、と何処を取っても完璧なまでにメタリカだ。しかも曲のタイトルから歌詞、そしてアレンジの細部に至るまで徹底的にビートルズとメタリカをパロッている。そう、これは完全なるパロディー、それも音楽的に非常に高度なパロディーなのだ。
 アルバム・タイトルはビートルズの「サージェント・ペパーズ」にメタリカのヴォーカリストの名前をもじって「サージェント・ヘットフィールズ・モーターブレス・パブ・バンド」(ヘットフィールド軍曹のビール大好き酒飲みバンド)、曲名もメタリカとビートルズの曲名やアルバム名を上手く組み合わせたものが多く、両方のバンドを知っている人なら面白すぎて大笑いするだろう。仮にメタリカを知らない人が聴いても、③「ブラッケンド・ザ・USSR」、⑥「ア・ガレージ・デイズ・ナイト」、⑧「レパー・マドンナ」、⑩「フォー・ホースメン」、⑬「アンド・ジャスティス・フォー・オール・マイ・ラヴィング」etc は単純に「ハードロック・トリビュート・トゥ・ザ・ビートルズ」としても楽しめる懐の深さを兼ね備えている。
 それと、このCDには入ってないのだが、彼らの最高傑作といえる曲を YouTube で見つけた。タイトルを「アイ・ウォント・トゥ・チョーク・ユア・バンド(首しめたい)」といって、「アイ・ウォント・トゥ・ホールド・ユア・ハンド(抱きしめたい)」のパロディーだ。ルックス先行型のポップ・メタル・バンドであるホワイト・ライオン、ウォレント、そしてCC(ポイズンのギタリスト)を槍玉に上げ、「お前のバンドを絞め殺したい」(笑)という内容の歌詞で、いきなり「オゥー、イェー、アー」からメタリカ節が全開だ。もうアホらしすぎて笑いが止まらない!あのウィアード・アル・ヤンコヴィックの「今夜もイート・イット」に比肩する、アメリカ音楽史上最強のパロディー盤だ。とにかくその高い音楽性と抜群のセンスで聴く者を飽きさせない、笑撃のケッサクである。

Beatallicanimation


Garage Dayz Nite - Beatallica

Beach Boys Medley

2008-11-20 | Oldies (50's & 60's)
 音楽仲間内で「苦手な名盤」というのが話題に上ったことがある。世間の評価はめっぽう高いのに自分にはどうしてもその良さが分からない、いや、一体コレのどこがそんなにエエねん!と誰彼かまわず問い詰めたくなるような盤のことである。ジャズの世界では特に60~70年代のレコードに「マイナーな世界で自己満足に浸ってそんなに嬉しいか!」と言いたくなる様な “ワケの分からん名盤” がたくさんあって正直とても付き合いきれないのだが、ロック/ポップスの世界でも時々そういった迷盤に遭遇することがある。特にそれがビッグ・ネームの場合はやっかいだ。実は “ビーチ・ボーイズのサージェント・ペパー” の異名をとるほど世評の高い「ペット・サウンズ」こそが、ロックにおける私の “苦手な名盤” の最右翼なんである。
 このレコード、評論家もミュージシャンも一般のファンもほとんどの人が大絶賛しいるのだが、私の耳には「何コレ?」って感じでまったく楽しめない。私の唯一の味方(?)はブライアン・ウィルソン以外のビーチ・ボーイズ・メンバーたちで、彼らも私と同じように「ペット・サウンズ」をこき下ろしてるのだ。ブライアンが殆ど一人で仕上げたラフ・ミックスを初めて聴かされたメンバーのマイク・ラブが怒りをあらわに「誰がこんなの聴くんだ、犬か?!」(←そこまで言うか...笑)と言ったことから「ペット・サウンズ」というタイトルがつけられた、というエピソードは有名だ。
 じゃあお前の好きなビーチ・ボーイズは何やねん?と問われれば、初期のシングルは全部好き!と言いたい。「サーフィン・USA」はもちろんのこと、「ファン・ファン・ファン」「アイ・ゲット・アラウンド」「ヘルプ・ミー・ロンダ」「リトル・ホンダ」「夢のハワイ」「ダンス・ダンス・ダンス」「サーフィン・サファリ」「バーバラ・アン」「グッド・ヴァイブレーション」... 理屈ぬきで楽しい気分にさせてくれるこれらの名曲たちこそが私にとってのビーチ・ボーイズなのだ。この「ビーチ・ボーイズ・メドレー」は81年に例のスターズ・オン45が火をつけたメドレー・ブームに乗ってブライアン自らがテープにハサミを入れて上記のヒット曲群を繋ぎ合わせたもので、その鋭いセンスと見事な仕上がりに彼の天才を見る思いがする。楽しくなくて何のビーチ・ボーイズか!このレコードを聴くにつれ、その思いを強くするのである。

the beach boys medley



Hot Club de Norvege MORENO

2008-11-19 | Gypsy Swing
 モレノはマヌーシュ・スウィング界のナイジェル・マンセルである。天才肌のビレリ・ラグレーンやストーケロ・ローゼンバーグとは違い、実力はピカイチながら今ひとつメジャーになりきれないところや、時々豪快なミスもする(笑)がノッてくると誰も手がつけられないほどの超速弾きを炸裂させるところなんかがそう感じさせる所以である。いわゆる「記録よりも記憶に残る」タイプ...まさにマンセルではないか!そういうドライバー、じゃなかったアーティストほど熱狂的なファンが多いものだが、私もそんな一人でモレノの大ファンなのだ。もちろんラグレーンもローゼンバーグも大好きなのだが、CDトレイに収まる回数はひょっとするとモレノの方が多いかもしれない。そんな彼の超速弾き爆裂フレーズを聴くたびに、車を左右に揺すりながら豪快にアウトからかぶせて抜き去っていく荒法師マンセルをイメージしてしまう。こんなギタリストは他にはいない。
 彼はこれまでリーダー作を8枚出しており、中でも速弾きのライバル的存在であるアンジェロ・ドゥバールと競演した、ノルウェーのホット・クラブ・レーベルから出ているこのCDが一番凄い。マヌーシュ界では競演というと普通和やかな雰囲気でソロ回しをやったりするのが普通なのだが、この盤ではバチバチ火花が散っていて実に緊張感溢れるスリリングなソロの応酬が展開される。まるで92年モナコGPのセナ vs マンセルだ!①の「デヴィッド」や③の「メトロ・スウィング」を聴けばわかるように、同じ速弾きでも2人の弾き方はかなり違っており、そんな2本のギターがくんずほぐれつ絡み合いながら他ではちょっと聞けないような強烈なスイング感を生み出しているのがこの盤の凄いところ。⑤の「ノト・スウィング」では1st & 3rd ソロをアンジェロが、2nd & 4th ソロをモレノが弾いており、「負けるもんか!」とばかりに超速弾きを超正確にバリバリ弾きたおす2人のプレイはとても人間ワザとは思えない!史上最強のギター・バトルといってもいいかもしれない、本盤最高の聴き所である。⑫の「オール・オブ・ミー」でアンジェロを押しのけるかのように(笑)自分のソロを弾ききってしまうところなんかも思いっ切りマンセルしている。私のように豪快なマヌーシュ・ギターが好きな人間にとってはこたえられない1枚だ。

F1 1992年モナコGP セナvsマンセル



B'z New DVD & NHK特番情報

2008-11-18 | B'z
 B'z の周辺が凄いことになっている。12月に B'z LIVE-GYM Hidden Pleasure DVD がリリースされるのだが、先週のMステで先行紹介されたライブ映像のインパクトは強烈だった。B'z は基本的にステージ・バンドなのでライブにこそ真骨頂があるのだが、それにしてもステージ上でのモトクロス・ジャンプといい、「ジュース」の高速回転ステージといい、巨大なナイアガラ花火といい、まさに必殺スペクタクルの波状攻撃!早速アマゾンで予約(定価の24%オフ、ってめっちゃラッキーや!)してしまった。12/10の発売日が待ちきれない(≧▽≦)
 それと、先月のNHK特番の番外編が何と元旦にBS2で放送されることになったらしい。それも未公開映像満載で1時間半ってか!!! 何ちゅー太っ腹(>_<) NHK、一体どないしたん?紅白内定なんかなぁ...? 小学生の時以来紅白なんて見る気全然せぇへんかったけど、B'zが出るんやったらそこだけ録画しといて後から見よっと(^_^) とにかく正月はB'z三昧になりそうで今から楽しみだ。
 最後に、最近ニコニコでめっちゃオモロイB'z吹き替え動画を見つけた。こういう吹き替えのことをMAD っていうらしいけど、このホットペッパーの合成CM、音声と映像が合いすぎててもう笑いが止まりまへん(^o^)丿



Isabelle Aubret

2008-11-17 | World Music
 大阪難波に EAST というレコード屋さんがある。ご主人の佐藤さんはとても温厚な方で足繁く通ううちに仲良くなり、「こんなん入ったけど気に入るんとちゃう?」と私の嗜好に合うレコードを色々と教えて下さるようになった。そんな1枚がこの盤で、Isabelle Aubret と書いてイザベル・オーブレと読む。フランス人の歌手である。実は EAST はその筋では結構有名で、あの小西康陽がわざわざ東京からネタを仕入れにくるほどのお店らしい。世間ではこの手の音楽を「オルガンバー / サバービア」というらしく、この盤もフロア受けしそうなDJネタが満載だ。常日頃シャンソンもボサノヴァも、ましてやサバービアも(笑)殆ど縁が無い私ですら、これを初めて聴いた時はそのあまりのカッコ良さにぶっ飛んでしまった(>_<)
 A面はブラジリアン・ボッサ・スタンダードのフレンチ・カヴァーでB面がフレンチ・オリジナルっぽい構成になっているのだが、聞き物は何といってもA面である。エドゥ・ロボの①「カザ・フォルテ」からいきなりフレンチ・テイスト全開で、彼女のクールなスキャットがたまらない。クラブやカフェで受けるのもわかる気がする。カルロス・ジョビンの②「フェリシダージ」、イントロからしてもう名演のオーラを放っており、包み込むような彼女のしっとりしたヴォーカルが滑り込んできたところで完全にKOされる。これ以上の名演があったら教えて欲しいくらいだ(≧▽≦) ジョルジ・ベンの③「マシュ・ケ・ナダ」、何とファンキーなノリだろう!とてもフランス人とは思えない。歌に絡むピアノもめちゃくちゃカッコ良くてスリリング。ルイス・ボンファの④「黒いオルフェ」、これもイントロが流れてきただけで部屋中にえも言われぬ哀愁感が漂う。こんなに品格滴り落ちる「オルフェ」は他ではちょっと味わえない。
 フレンチ・サイドのB面では、シャンタル・ゴヤあたりが歌いそうな4曲目のParce Que が気に入っている。ブラジルのボサノヴァとフランスのシャンソンが音楽的・有機的・必然的に結びつき、それらがイザベル・オーブレのクールでありながらキュートでどこか温かみのあるヴォーカルで歌われる快感... それこそがこの盤の魅力なのだと思う。セルジュ・ゲーンズブールの黄金期を支えたジャズ・ピアニスト、アラン・ゴラゲールの洒落たアレンジが冴えわたるこのレコード、「フレンチ・ブラジリアンの金字塔」の名に恥じない大名盤だ。

フェリシダージ
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The Very Best Of The Gipsy Kings

2008-11-16 | World Music
 以前友人とメキシコ料理を食べに行った時のこと、大好物のタコスを頬張っていると店内の有線放送でルンバ・フラメンカ・スタイルの「ホテル・カリフォルニア」が流れてきた。その哀愁舞い散るギターと「魂の叫び」といってもいい情熱的な歌声がめっちゃ気に入って「ジプシー・キングスみたいなサウンドやなぁ... 誰やろ?めっちゃ気になるなぁ」と思い、帰って調べてみると、「ジプキンみたい」じゃなくて「ジプキンそのもの」だった(笑) そういえば昔、新宿の八月社というレコード店へ行った時、感じの良いピアノトリオがかかってて「このピアノ誰ですか?エヴァンス派ですよね?」と店の人に尋ねたら「エヴァンスです!」と言われて赤っ恥をかいたのを思い出す(>_<) 話をジプキンに戻して、早速アマゾンで2枚組ベストを購入。やはりディスク1の1曲目は「麒麟淡麗のテーマ」こと、「ボラーレ」だ。彼らの音楽はちょっと聴いただけでも強烈なインパクトを残すので、わずか数十秒で勝負せねばならないCM曲にはうってつけなのだろう。とにかく日本では「ジプキン=麒麟淡麗」なのである。②「バンボレオ」、これもどこかで聞いたようなメロディーだ。確か空耳アワーでやってた... 「医者も手がすいちゃたまんねぇな」だ。そう思って聞くとホンマにそう聞こえるから不思議である(^_^) そしてついに出たかの④「ベン・ベン・マリア」、栄えある第1回空耳アワード受賞曲だ。「あんたがぁたぁ...ほれ見ぃやぁ...車ないかぁ...こりゃまじぃよぉ...」もう面白すぎて腹筋が痛い(>_<) しかしジプキンは決してCM曲と空耳アワーだけのグループではない。思わず腰が揺れる⑤「バイラ・メ」や魂を揺さぶる情熱のルンバ⑨「バーモス・ア・バイラール」など、この盤には隠れ名曲が一杯詰まっているのだ。中でも⑲「マイ・ウェイ」は哀愁のジプシー魂が全開で、聴く者の心の琴線をビンビン震わしてくれる。もう参ったというしかない名演だ。ディスク2では何と言っても「鬼平犯科帳のエンディング・テーマ」である⑪「インスピレイション」と上記の⑱「ホテル・カリフォルニア」が群を抜いて素晴らしい!アンプのヴォリュームを目一杯上げて聴きたい、躍動感と哀愁溢れる1枚だ。

空耳ジャンパー作品集その6
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