shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

スター・ウォーズの私的神曲特集

2023-05-04 | Star Wars
 私は大のスター・ウォーズ・ファンで、当然ながらサントラ盤はエピソード1から6まで全て持っているが、さすがにCD1枚丸ごと聴き通すなんてことは滅多にやらない。どの盤もオーケストラによる演奏が大半を占めているので、所々に例のテーマ・メロディーの断片が現れては消え、消えては現れるとはいえ、クラシック調のサウンドにすぐに飽きてしまうからだ。だから各アルバムからお気に入りのアップ・テンポなナンバーをピックアップし、曲間には映画の名シーンの音源を挿入した「自家製スター・ウォーズ」CD-Rを作って楽しんでいる。今日5月4日は “スター・ウォーズの日” ということで、数あるスター・ウォーズの名曲の中でも私が “神曲” と考える3曲について書こうと思う。

①Duel of the Fates (from Episode 1 "The Phantom Menace")
 まずはエピソード1「ファントム・メナス」の中で最大の見どころと言えるクワイガン&オビワン vs ダース・モールのライトセイバー・デュエルのバックに流れた「Duel of the Fates」である。時系列で言うと先に公開されたエピソード4~6のライトセイバー戦(ベイダー vs 老オビワン、そしてルーク vs ベイダー)はこのようなスピーディーな展開のデュエルではなかったので、エピソード1でこの2対1の戦いを初めて見た時は大コーフンしたものだ。とにかくこの曲、単純なメロディーの繰り返しに絶妙な強弱をつけながら聴く者の魂を奮い立たせるようなオーケストレイションが怖いぐらいに映像とバッチリ合っている。血湧き肉躍るという表現がピッタリな1曲だ。
Star Wars: The Phantom Menace (Episode I) - Obi-Wan & Qui-Gon vs Darth Maul 4K


②Battle of the Heroes (from Episode 3 "Revenge Of The Sith")
 私が「スター・ウォーズ」の大ファンだと言うと必ず訊かれるのが “どのエピソードが一番好き?” という質問である。ディズニーに買収されて以降は論外として、エピソード1から6まではみんな大好きなので私にとっては答えに窮する質問なのだが、やっぱりエピソード3の「シスの復讐」が一番好きな気がする。極論すれば、私にとってのスター・ウォーズとはすなわちアナキン・スカイウォーカーであり、ダース・ベイダーであるので、アナキンの闇墜ちをこれ以上ないくらいリアルに描いた「シスの復讐」が最高なのだ。そしてそのクライマックスといえるアナキン vs オビワンのムスタファ―の戦いのバックに流れるのがこの「Battle of the Heroes」。いやぁ、ホンマにカッコエエ曲やなぁと感心するしかない名曲名演である(≧▽≦)  尚、CDにはボーナス・トラックとしてこの曲の “セリフ入りヴァージョン” が入っており、それがまた絶妙な編集でセリフと曲とが融合しているので、ファンの人は是非一度聴いてみて下さいな。
Star Wars: Revenge of the Sith - Obi Wan vs Anakin Fight Part 1 4k

Star Wars: Revenge of the Sith - Obi Wan vs Anakin Fight Part 2 4k


③The Imperial March (from Episode 5 "The Empire Strikes Back")
 何やかんやでスター・ウォーズのサントラ盤は1,3,5という奇数エピソードの盤の出来が良い。楽曲のクオリティーが偶数エピソード盤よりも高いのだ。そしてそんな中でも断トツの名曲名演が「The Imperial March」、すなわち言わずと知れた“ダース・ベイダーのテーマ” である。根っからのロック/ポップス・ファンである私はクラシックの楽器というのはどうも苦手なのだが、この曲に関してはもう参りましたという他ないカッコ良さで、全ての楽器が “これしかない!” という完璧なアレンジを施されてこの稀代の名曲を演奏している。特にイントロの弦楽器の力強い響きは私の中ではビートルズの「Eleanor Rigby」と双璧と言ってもいいくらいだ。とにかく重厚なアンサンブルが生み出す凄味は圧巻の一言で、ズシリ、ズシリとまさに帝国軍の行進のようにズンズン響いてくる。これはもうスター・ウォーズ史上、いや映画サントラ史上最高の1曲ではないか。これ以上の名曲名演があったら教えを乞いたいものだ。
The Imperial March played by the Vienna Philharmonic Orchestra


【おまけ】デュッセルドルフ国際空港にダース・ベイダーが降臨し空港内を闊歩するというこの動画、随所にちりばめられたユーモアのセンスにニヤリとさせられること間違いなし。ライトセイバーをテーブルの上に置き、脚を組んで新聞を読むベイダー卿がめっちゃシュールだ。
"Darth Vader" am Flughafen Düsseldorf

ダース・シディアスのライトセイバーをゲット\(^o^)/

2022-08-05 | Star Wars
 夏のボーナスが出た勢いに乗ってついに念願のダース・シディアス・モデルのライトセイバーを買ってしまった。これまでのセイバーはすべて1本2万円以下で手に入れることが出来てラッキーしてきたのだが、さすがに皇帝モデルのセイバーともなると出回っている数が少ないせいなのか、どこのフリマ・サイトを見ても中々3万円を切らなかったので(→定価は約4万円!)、私は安くて状態の良いブツが出品されるのをひたすら辛抱強く待っていた。
 そしてついに待ちに待った皇帝のセイバーがメルカリに出品された。売り値は何と25,000円で、しかも新品未開封というからこれはえらいこっちゃである。箱がへこんでいるのでちょっと安くしましたとのことだが(←ガチのコレクターは箱の状態にまで拘るらしい...)、ハッキリ言って箱なんかどうでもいい。これは大好きなシディアスのセイバーを手に入れる千載一遇のチャンスなのだ。しかもダメ元で1,000円値引きをお願いしてみたらあっさりOKが出て大喜び。メルカリは送料込みなので、実質約22,000円で皇帝のセイバーを手に入れることが出来て万々歳だ。
 到着日は朝から仕事が手につかず、頭の中はすっかり暗黒面に染まっている。ブツが届くと一目散で自室に持って入り即開封。めちゃくちゃデカい箱(←描かれているシディアスの面構えがこれまた “悪” そのもの...)からまずヒルト(柄)を取り出すと、手に持った感触がズッシリ重くてさすがは値が張るだけのことはあるなぁと実感。続いて慎重にブレードを取り出してヒルトに指し込み、電池を入れて準備OK。緑のボタンを押すと、例の“ピシュウ!” という効果音と共に赤い光が先端までシューッと伸びていく。おぉ、これこれ。やっぱりライトセイバーはこの起動時の光の伸びが一番のポイントやね(^.^)
 前にも書いたがハズブロ社製の弱点は光の伸縮がカクつくことで、先に買ったドゥークー・モデルなんかもカクカクしていて不自然な感じは拭えなかったのだが、このモデルはFXシリーズの中でも「エリート」の名を冠するだけあって、非常に滑らかな伸縮を実現している。マスターレプリカ社製との違いはスイッチをOFFにした時の光の収まるスピードが若干スローに感じられることぐらいで(←むしろこちらの方が映画に近いかも...)、音量が小さいという弱点を除けば細部まで精巧に作り込まれた非常にクオリティーの高い製品だと思う。うん、これは買って大正解だった。やっぱりシディアスはエエなぁ... (≧▽≦)と、気分はすっかりシスの暗黒卿だ。

【おまけ】私のお気に入りYouTubeチャンネルの一つがこのSchool of Saberfighting。スター・ウォーズ愛に溢れた殺陣が最高だ。ネズミーが作る “スターウォーズもどき映画” なんかよりもこっちの方が数倍面白いわ。
Anakin & Obi-Wan: Saberfighting Unleashed

SWドラマ「オビ=ワン・ケノービ」最終回の衝撃

2022-06-28 | Star Wars
 大のスター・ウォーズ・ファンである私は先月から配信がスタートした新作ドラマ「オビ=ワン・ケノービ」をめっちゃ楽しみにしていた。オビワンと言えば SW の中でも私が特に好きなプリクエル(ep1~3)の中心人物であり、敵側にダース・ベイダーやパルパティーンといったこれ以上ないくらい濃いメンツが揃っていることもあって、あのSF史に残る傑作「マンダロリアン」を超える神作品になる可能性すら持っていると思っていた。しかし実際に始まってみると、“え? 何これ?” という肩透かし・期待ハズレ感がハンパなく、“せっかくのオビワンのドラマやのにあんまりおもろないなぁ... ネズミーが作ったスター・ウォーズって「マンダロリアン」と「ローグ・ワン」を除けばホンマにロクなモンがないやんけ...” と最初のうちはテンションだだ下がりで観ていた。
 私がこのドラマに期待したのは主人公オビワンと宿敵ベイダーの絡みを中心に緊張感溢れる物語が展開することだったが(→たぶん多くのスター・ウォーズ・ファンもそうだったと思う)、いざフタを開けてみると第1話~第3話あたりまでストーリー展開のテンポが非常に悪くてダラダラと緊張感の無いシーンが続いたし、ネズミーによるポリコレゴリ押しっぽい新キャラのリーヴァの立ち位置も中途半端で、その存在がストーリー展開の邪魔になっていた。配信ドラマということで予算が少なかったのはわかるが、オビワンとベイダーというSW史上屈指の人気キャラのドラマを作る以上はもうちょっとマシな脚本家を雇って実力派監督に撮らせるべきだったのではないか。なぜ「マンダロリアン」で大成功を収めたジョン・ファブロー&デイヴ・フィローニを採用しなかったのか不思議でならない。
 しかしこの「オビ=ワン・ケノービ」にはそういった諸々の欠点を補って軽くお釣りがくるほど魅力的な要素がある。そう、オビワン役でユアン・マクレガーが、ベイダー役でヘイデン・クリステンセンが出ているのだ。プリクエル大好き人間の私にとってはこの2人の共演が見れるだけでも涙ちょちょぎれるのだが、彼らがその圧倒的な存在感と迫真の演技で上記の不満を忘れさせてくれたのだ。まずは第5話、ベイダーが回想する場面でオビワンとアナキンが闘っているシーンが出てくるが、ep2 を想わせる短髪アナキンとオビワンの絡みを見れただけでファンとしては胸熱なんである。
Full EDITED Obi-Wan Kenobi VS Padawan Anakin Skywalker Training Duel


 そして最終回でいよいよ待ちに待ったオビワンvsベイダーの闘いが始まる。SW 史上最高のデュエルとの誉れも高いあのムスタファーの闘い以来の(←第3話でベイダーが一方的にボコってオビワンに焼き土下座させたのは “闘い” とは言わんでしょ?)因縁対決だ。カメラワークが下手くそで、手ブレがひどくて見にくいのが残念だが、これこそまさにファンが見たかったライトセイバー・デュエルである。この血湧き肉躍る殺陣をどれほど待ち望んだことか... ムスタファ―の時と一言一句同じ “I will do what I must 私は義務を果たす。" と言って “ソレス” の構えをするオビワンに対し、ベイダーがあの時の “You will try. 果たせるかな?” ではなく “Then you will die. では死ぬしかない。” と「反乱者たち」でアソーカに言ったのと同じセリフで返すところなんかもうゾクゾクした。
 闘いの前半こそ “地の利” 返し→生き埋めと、ベイダーのパワー殺法に押され気味だったオビワンだが、岩の下敷きから復活した後半では別人のようにアグレッシヴに攻めまくる。それまで見せたことがなかった超攻撃型の “ドジェムソ” (←アナキンの得意ムーヴだ!)でベイダーを圧倒し、更にダース・シディアスを彷彿とさせる “ジュヨ―” の刺突まで繰り出して一気に形勢逆転! ベイダーの胸の生命維持装置をセイバーの柄でガンガン突きまくるわ、背中をバッサリ切りつけるわ、とにかくあのベイダーをボッコボコにしたのにはビックリ...(゜o゜) ベイダーの苦しそうなキュルル...キュルル... という呼吸音を聞くのは ep6 以来か。このオビワン怒涛の猛ラッシュには思わず身を乗り出して声を上げてしまうほどコーフンした...(≧▽≦)
 ただ、一つだけ残念だったのは、ep8 のレイみたいに大量の岩を浮かせてベイダーに向けて飛ばしまくるシーンで(←“地の利ポーズ” はギャグか何かのつもりなんか?)、それまでワクワクしながら観ていた私はここで一気にテンションが急降下(>_<) これではまるで羅将ハン vs ケンシロウではないか! ネズミーになってからのスター・ウォーズでフォースがただの “異次元魔法” になってしまっているのが残念でならない。それにしても監督選びの失敗にポリコレゴリ押しキャラのねじ込み、そして魔法みたいなフォースと、ep8と全く同じミスを繰り返しているところがアホすぎる。ネズミーってホンマにクソやわ。
 まぁそれはそれとして、オビワンの猛攻撃で顔面左半分がパックリ割れたベイダーのマスクの下から覗くアナキンのギラついた目がむき出しになるシーンでは思わず「反乱者たち」のベイダーvsアソーカを思い出したが、実写ヘイデンの怪演が凄すぎて、背筋が凍りつくような強烈なインパクトがあった。
 そしてそこからの2人の対話のシーンこそがこのドラマ最大のハイライト。 “I'm not your failure. You didn't kill Anakin Skywalker.... I did. 私はオマエの失敗作ではない。ヤツを殺したのはオマエではない... この私が殺したのだ。” と言うベイダーの言葉は、アナキンの人格部分が遠回しに “僕がこんな風に闇落ちしてしまったのはアナタのせいじゃないからもうこれ以上苦しむ必要はないんですよ、マスター...” とオビワンを自責の念から解放してあげようとして言っているように思えた。
 それを聞いて “Then my friend is truly dead. 我が友は完全に死んだようだ。”(←ep6 でルークが言った Then my father is truly dead. を巧く使ってる...)と、ついにアナキンへの想いを断ち切り、トドメも刺さずに “Goodbye, Darth. さらばだ、シスの暗黒卿よ。" と言ってその場を立ち去るオビワン。“アナキン” でも “ベイダー” でもなく、ただの “ダース”(暗黒卿)と呼んでいるところにオビワンの吹っ切れた心情が読み取れた。そう言えば ep4 でもオビワンはベイダーに “ダース!” と言ってたなぁ...
 とまぁこのようにセリフの一つ一つに深い意味が込められていて非常に感慨深いものがあったが、それに加えて、アナキンの肉声と変成器を通したベイダーの声とを切り替えながら、顔に当たるセイバーの光の色によってその内に潜むベイダーとアナキンという2つの人格の間を行き来する微妙な揺らぎを見事に表現した演出には唸ってしまった。決闘シーンを撮らせたら素人以下のデボラ・チョウ監督だが、こういうきめ細かい心情描写は抜群に上手いなぁと感心した。
Darth Vader vs Obi-Wan Kenobi | Full Final Fight | HD


 ユアン・マクレガーとヘイデン・クリステンセン以外ではクワイガン役のリーアム・ニーソンが見れたのに大感激(←どんだけプリクエル好きやねん...)。安っぽいコスプレみたいな尋問官を出す暇があったらもっとクワイガンをフィーチャーして欲しかったというのが正直なところ。それと、レイア役のヴィヴィアンちゃんの演技も特筆モノの素晴らしさだった。オーウェンの “You want to meet him? 話していくか?” も良かったし、オビワンからルークへの “Hello there.” はやっぱりきたか...(笑)という感じでニヤリとさせてもらった。
 このようにシリーズ前半はイマイチながら、最終2話はファンサ要素満載で一気に盛り返した感のあるこの「オビワン・ケノービ」、ラスト2話をファブロー&フィローニで映画化すればベストだったと思うが、少なくともシークエル三部作の中ではまだマシな方だった ep7 や ep9 よりは遥かに楽しめた。

【おまけ】ファンが求めていた物が何なのかが一目でわかる動画がこれ↓。かったるい追いかけっこや隠れんぼなんて見たくないんだよ。
EMOTIONAL FINALE OF "OBI-WAN KENOBI EPISODE 6" REACTION VIDEO

懲りない(?)ライトセイバー蒐集

2022-06-04 | Star Wars
 この4月にダース・ベイダ―・モデルを衝動買いして以来、アナキン、ルークと、タガが外れたようにライトセイバーを買いまくり、残すは皇帝ダース・シディアス・モデルのみ... と心に決めていたのだが、先日、楽天のフリマにドゥークー伯爵モデルのセイバーが出品されているのを偶然見つけて理性が吹き飛んでしまった(笑)。
 エピソード2「クローンの攻撃」でオビワンとアナキンの2人を相手に圧倒し、ヨーダとも互角の闘いを繰り広げたドゥークー伯爵は大好きなキャラの一人。「007 黄金銃を持つ男」でボンドの敵役スカラマンガを演じたイギリスの名優、クリストファー・リーの演技が超渋いし、吹替えを担当した羽佐間道夫氏(→私的にはスタートレックのQ役の吹替えが最高だが、世間一般には “ロッキー・バルボアの声の人” で通じるはず...)の声も伯爵のイメージにピッタリだ。それより何より、ドゥークー・モデルは他のセイバーと違ってヒルト(柄)の部分がエレガントにカーヴしているのがめちゃくちゃカッコいい。
 本来ならばとっくに買っていて然るべき逸品なのだが、映画そっくりの光と音を再現するFXライトセイバーのパイオニアであるマスターレプリカ社がドゥークー・モデルを出しておらず、技術的に少し劣るハズブロ社製しか存在しないのと、製作本数の少なさからプレミアが付いていてたまに見かけても大体3~4万円くらいするせいもあって買うのをためらっていたのだ。
 しかし私が見つけたセイバーは新品同様にピカピカで、アップされた写真を見ると惚れ惚れするような造形の美しさである。“う~ん、これって飾っとくだけでもめっちゃインパクトあるよなぁ...” と思いながら値段を見ると、“大幅値下げしました” とのことで、何と2万円という持ってけドロボー価格。写真で見る限り大きな欠陥は見当たらないので、今後この値段でこれほどの美品を手に入れるチャンスは多分巡ってこないだろう。まさに It's now or never. である。私はこの誘惑に勝てず(←いつものパターン...)購入ボタンをクリックしていた。
 届いたセイバーはヒルト部分のカーヴ具合いが絶妙で、写真で見るよりも遥かにカッコ良い。手に持った感触も文句ナシで、思わず伯爵の華麗な剣さばきを真似てニンマリ(←単純やね...)。しかしスイッチを入れて発光させてみると、どうしてもハズブロ社製の弱点であるカクつきが気になってしまうし、効果音に関しても手持ちのマスターレプリカ社製のセイバーに比べると音量がショボくて音質もチープだ。まぁ見た目重視ということで良しとしておこう。
‪ ドゥークー・モデルを手に入れて大コーフンしたその3日後に、調子に乗って更にもう1本、今度は緑のライトセイバーを買ってしまった。緑のセイバーといえば何はさておきルークだが、私が見つけたのはめっちゃレアなマスターレプリカのヨーダ・モデル。このセイバーは身体の小さいヨーダに合わせて他のセイバー(110cm)よりも一回り小さく(85cm)作ってあり、私の狭い部屋で振り回すにはちょうど良い長さなのだ。LEDの発光ムラもグリップのベタつきも無さそうやし、これは買わんと後で後悔するやろな... と思った私は迷うことなく購入ボタンをクリックした。
 2日後に届いたヨーダ・モデルのセイバーは私が予想していた以上の扱いやすさで、障害物を気にせずにブンブン振り回せるのが嬉しい(^o^)丿 発色もめっちゃキレイで(←手持ちの赤青緑の中でも断トツ!!!)、これほどの逸品が10,800円で買えて大満足だ。上記のドゥークー・モデルと併せて、“一人エピソード2再現” でもやろうかな...
【STAR WARS】ヨーダ vs ドゥークー伯爵

またまたライトセイバー買ってしまった(^o^)丿

2022-05-13 | Star Wars
 先月ダース・ベイダー・モデルの赤いライトセイバーを買った話をこのブログに書いたばかりだが、そのあまりのカッコ良さに理性が吹き飛んでしまい、このGWに更に2本買ってしまった。そんなにライトセイバーを何本も揃えて一体何に使うねん!と笑われそうだが、毎晩部屋の明かりを消してセイバーを取っ替え引っ替え “ピシュウ!” “シュッ!” とスイッチON/OFFを繰り返して悦に入ったり、懐中電灯代わりに使ったりして遊んでいる。この楽しさはスター・ウォーズ・ファンにしかわからないだろうが、傍から見ればアホの極致みたいなこの行為、レコード・コレクターで言えば、真夜中に垂涎盤を取り出してジャケットを眺めながらひとりでニヤついているのと似たような感覚だ。
 そもそも事の発端は仲良しの仕事仲間Nさんに “赤のセイバー買ってん!” と報告した時に “じゃあ次は青のライトセイバーやね...(^.^)” と煽られたことで、その時は “アホなこと言わんといて!” と即座に否定したのだが、その舌の根も乾かぬうちに青のアナキン・スカイウォーカー・モデルをネットで探し始めた自分が情けない(>_<) 結局メルカリで見つけた11,800円の超美品を更に1,000円値引きで購入。中古品とは思えないくらい金属部分もピッカピカだし、青のLEDもムラなく発光してくれてめっちゃ嬉しい(^.^)  これはエエ買い物だった。
アナキン、ダースベーダーマスターレプリカライトセーバー


 アナキン・モデルを手に入れた後、“こんなことしとったらセイバー破産してまうわ...”と自責の念に駆られながらも “赤・青と手に入れたらやっぱり緑も欲しゅうなるなぁ...” などとついつい余計なことを考えてしまう。緑のセイバーと言われて真っ先に思い浮かぶのはもちろんルーク・スカイウォーカーだ。ルークに関してはエピソード5の青セイバー(←ベイダーに右手ごと切り落とされて原子炉シャフトの奥底へ落ちて行ったヤツ)とエピソード6の緑セイバー(←新たにオビワンのを模して作ったヤツ)の2種類が出ているが、例のマンダロリアン・シーズン2最終話の無双シーンのインパクトが強烈だったせいもあって、ルークといえばやはり緑セイバーのイメージが強い。
 試しにメルカリで検索してみると、ハズブロ製のルーク・モデルは頻繁に見かけるのだが、マスター・レプリカ製のは滅多に市場に出てこない。ディズニー云々を抜きにしてもハズブロ製はアイドリング時のジーという効果音に “ちょっと違う感” が拭えないし、光刃の伸縮が滑らかなMR製に比べるとカクついて見えるので、みなさん中々MR製を手放そうとしない。つまり一般ピープルからしたら同じに見えるMRとハズブロのセイバーも、マニアにとっては天と地ほどの差があるということだ。ビートルズのレコードに例えるなら、MRがUKオリジナル盤でハズブロがUS盤といったところか。MRのこのモデルは電力消費が激しいのか単3電池が6個必要なのだが、それ以外はすべての点でハズブロ製に勝っていると思う。
 そんな中、フォースの導きなのか、MR製のルーク・モデルの新品デッドストックが14,000円で出品されたのを発見! これはめちゃくちゃラッキーだ。しかもダメ元で値引き交渉してみるとすんなりOKが出て、結局送料込み12,000円で新品が買えて大喜びだ(^o^)丿 2日後に届いたセイバーは新品ということもあるが、私が予想した以上に緑の発光がキレイで、毎晩夜中になると手持ちのセイバーを取っ替え引っ替えON/OFFしながらシスやジェダイの気分を味わっている。このように日常の中に非日常を入れる楽しさは priceless だ。
 結局4月の半ばから1週間に1本のペースで買いまくり、これで赤青緑と一通り揃ったワケだが、出来ることならあと1本、シスの親玉であるダース・シディアス・モデルが欲しい。残念なことにマスター・レプリカ製が存在しないので、これだけはハズブロ製で我慢するしかないのだが、大好きなシディアスのモデルだけは何としても手に入れなければ...(>_<)  こいつ、まだ買うんかい... と思ったあなた、ライトセイバーって、1本手に入れるともう1本欲しくなってしまう不思議なアイテムなんですよ。てゆーか、これってもう既に暗黒面に墜ちてるってことなんかな???
            

スター・ウォーズ 「反乱者たち」

2022-05-04 | Star Wars
 今日5月4日(May the 4th)は「スター・ウォーズの日」である。毎年この日を迎えると、世界中のスター・ウォーズ・ファンはアナキンやルーク、オビワンに思いを馳せながらお気に入りの作品を観てフォースのバランスを整えるのだ。私に関して言うと、今年はディズニー・プラスの「マンダロリアン」や「クローン・ウォーズ」といったスピンオフ・シリーズのお蔭でこれまで以上に充実したゴールデンウィークを過ごせているのだが、その2作品に加えてもう一つ気に入っているのが「スター・ウォーズ・反乱者たち」というアニメ・シリーズだ。
 この「反乱者たち」という作品はちょうど「エピソード4・新たな希望」の数年前という設定で、時系列的には「クローン・ウォーズ」の続編になっているのがオールド・ファンとしては嬉しいところ。確かにアナキンやオビワンが主役を張っていた「クローン・ウォーズ」に比べると登場人物がみんな小粒で、特に主人公のエズラに魅力が乏しくいまいち感情移入できないという欠点はあるが、それを補って余りある魅力に溢れているのだ。
 まずは何と言ってもダース・ベイダーの登場、これに尽きる。何だかんだ言っても結局は “スター・ウォーズ=ダース・ベイダー” であり、しかも「クローン・ウォーズ」でパダワン(弟子)として育て上げたアソーカ・タノとのライトセイバー師弟対決が見られるのだからコーフンするなというほうが無理。ベイダーは全74話中たったの数回しか登場しないが、だからこそこの濃密なバトルが貴重なのだ。私はこのバトル・シーンだけのためにシーズン2のブルーレイを買ったと言っても過言ではない。
Darth Vader Vs Ahsoka - Full Duel (Twilight Of The Apprentice + A World Between Worlds)


 ベイダーに次いで私が好きなキャラがダース・モールだ。「クローン・ウォーズ」でもモール絡みのエピソードが断トツで面白かったが、まさかこの作品のシーズン3で因縁のオビワンとの最後の対決が観れるとは夢にも思わなんだ。お互いに色んな思いが詰まったこの立ち合いにおいて、オビワンが敢えてクワイガン(オビワンのマスターで、映画「エピソード1・ファントム・メナス」でモールに殺された...)のフォームでモールを仕留め、最後はモールが生涯の好敵手オビワンの腕の中で息を引き取るという展開はシーズン3屈指の名シーンだ。尚、私は英語と日本語の両方で観たが、モールの日本語吹替えを担当している声優さんの表現力に唸ってしまった。
Darth Maul vs Obi-Wan | Star Wars Rebels | Disney XD


 私は基本的にはシスの考え方に近い人間なので、どうしても赤いライトセイバーを使うヴィラン(悪役)の方に魅かれてしまう傾向がある。このシリーズには “ベイダー直属でジェダイの残党狩りを行う精鋭部隊” 的な設定の尋問官(Inquisitor)というキャラが登場するのだが、赤いダブルブレード回転式ライトセイバーを使う彼らはライトセイバー・バトル好きの私にとってはもうそれだけで魅力的な存在だ。図体がデカいだけのフィフス・ブラザーは絵に描いたようなでくの坊で期待ハズレだったが、狡猾で冷徹なセブンス・シスターはかなりの使い手で、アソーカ・タノとの女同士の対決はめちゃくちゃカッコ良かった。
Ahsoka owning the New Inquisitors


 私はこのようにライトセイバー・バトル中心にこの作品を楽しんでいるのだが、主人公である反乱者側のゴースト・チームではチョッパーというドロイドがめちゃくちゃ面白くて大のお気に入り。ドロイドのくせに喜怒哀楽(?)が激しく、その言動は人間以上に人間臭くて、コテコテの関西人のノリでやらかしてしまうことが多く、何度も大笑いさせられた。特にドロイド仲間のAP-5との掛け合い漫才みたいなやり取りが笑える「ドロイドと友情」(シーズン2-18)は超傑作エピソードだ。もちろんドロイドとしても有能そのもので、何度も機転を利かせてゴースト・チームのピンチを救っており、反乱者側で一番活躍したのはエズラでもケイナンでもなく、このチョッパーではないかと思っている。
Best of Chopper (Seasons 1-3) - Star Wars Rebels


 不覚にも(?)結構ハマってしまった「反乱者たち」だが、4巻出ているブルーレイの中で身銭を切って買ったのはベイダーや尋問官が出ているシーズン2とモールが出ているシーズン3だけだ(←新品は「Get Back」同様ディズニー・ボッタクリ価格の1万6千円なのでメルカリと駿河屋でどちらも半額以下の安値で買った...)。ほとんど登場人物のキャラ設定だけで終わってしまう眠たい展開のシーズン1と、ロスウルフやパーギルといった謎の生物に助けてもらって何とか勝利するという奇天烈な展開が興醒めなシーズン4(→ジブリの影響が強すぎてスター・ウォーズ感が希薄...)は一度観ればもう十分という感じ。やっぱりスター・ウォーズはフォースとライトセイバーでブイブイいわしてほしいものだ。

ライトセイバー買った\(^o^)/

2022-04-27 | Star Wars
 先々週の金曜のこと、朝出社していつものようにパソコンの電源ボタンを押したのだが全く反応が無い。何度押してもウンともスンともいわないのだ。自分のパソコンでブルー・スクリーンが出てビビったことは何度かあるが、何の前触れもなく起動すらしなくなってしまうなんて初めての経験だ。慌てて仲良しの同僚に泣きつくと “わりとよくあるんですよ、急に壊れるの。ウチの会社から支給されてるパソコンって安物ですからね。運が悪かったとしか言いようがないです...” と言って慰められた。しゃーないので早速担当部署に連絡したところ、“すぐに代替品を手配しますがデータの復旧は諦めて下さい” とのこと。ガーン...(゜o゜) これまで長~い時間をかけて作成した資料やデータがすべて消えてしまった。まさか会社のパソコンが壊れるなんて夢にも思わなかったのでバックアップを取っていなかったのだ。
 さすがの私もショックが大きすぎてせっかくの週末も凹みまくっていたのだが、いくら悩んでみても消えたデータは復活しない。済んでしまったことはしゃあない... こういう時は何かデカい買い物でもして気分をアゲるのが一番だ... と考えた私は円安で最近ご無沙汰していたeBayを久々に覗いてみたのだが(←£が151円から166円に爆下げしてて呆れた... なんやこれ...)、欲しい1Gスタンパー盤がそうそう都合よく出品されているはずもない。
 あ~、なんかムシャクシャしてきた.. こーなったらもう後には引けない。レコードがアカンのやったらそれ以外で... と考えて真っ先に思いついたのがライトセイバーである(笑) ちょうどその前日にたまたま同僚のKちゃんと “スター・ウォーズ・ファンやったら一家に一本ライトセイバー欲しいよな...” と盛り上がったばかりだったので多分そのせいだろう。良識ある一般ピープルからしたら “大の大人がアホちゃうか...” と思われそうだが、スター・ウォーズ・マニアにとって、ライトセイバー(←もちろん安物のおもちゃではなく精巧なレプリカのヤツ)は垂涎の逸品なのだ。商品化されているセイバーにはピンからキリまで色々あるが、どうせ買うなら映画そっくりに光るもの、それもパッと全体が光るのではなく根元から先端へ光がシューッと伸びていくように光る「FXライトセイバー」が欲しい。
 カスタム・メイド・モデルを除くと、現在入手可能なライトセイバーのレプリカ・モデルは、2007年までルーカス・フィルムと製造契約をしていたマスター・レプリカ社の製品と、それ以降に製造契約したハズブロ社の製品が存在するが、YouTubeにいくつも出ている比較動画を見れば、発光の仕方といい、効果音のリアリティといい、マスター・レプリカ社の製品の方が圧倒的に完成度が高いし、何よりもまず大嫌いなディズニーが関わっているという時点でハズブロ製はお断りだ。早速ネット検索してみたところ、メルカリで10,000円ポッキリのMR製ダース・ベイダー・モデル(赤)を発見。写真で見る限りLEDの発光ムラもなく非常にキレイだったので、私は即買いを決めた。
 土曜に購入したセイバーが月曜に届く手はずになっていたこともあって、週明けはめちゃくちゃハイテンションで出勤。周りから “パソコン壊れてあんだけ落ち込んでたのに一体何があったん...?” と訝しがられたのだが、一番仲の良い同僚2人に “実はライトセイバー買ってん!” と言うと腹を抱えて大笑いされた。2人とも “それだけで立ち直ってしまうところが凄いわ...” と感心し(or呆れ?)ていたが、自分としては今回の衝動買いで脳に元気を与えて短時間でショックを乗り越えれたと超ポジティヴに捉えている。正直言って消えたデータのことなどもう1ミリも気にしていない。いや、それどころか、パソコンが壊れてくれたおかげで念願のライトセイバーを買うきっかけになったとむしろ感謝したいくらいだ。
ライトセイバー を比較 ダース・ベイダー マスターレプリカ と ハズブロー


 帰宅後、時間指定通りにブツが届いた。ウキウキワクワクしながら自室に持って入り梱包を解く。おぉ、ブレード部分も金属部分もピッカピカではないか! 色々調べたところによると、このモデルは持ち手のグリップ部分が経年劣化してベタついていることが多いらしいが、私が手に入れたのは商品説明通りの美品である。早速単3電池を3つ入れてドキドキしながら発光スイッチを入れると、映画とまったく同じ “ピシュウ!” という効果音と共に赤い光が先端まで伸びていき、逆にオフにすると “シュッ!” という音を立てて光の刃がヒルト(柄)に収まるのが超カッコイイ(≧▽≦)  しかもセイバーを振ると内蔵された振動センサーが反応して “ブゥ~ン” という音まで鳴るのだ。YouTube動画で見るのと実際に自分が体験するのとはエライ違いで、おぉ、これは凄い凄い!と大コーフン(^o^)丿 気分はすっかりシスの暗黒卿だ。結局その日は真夜中の2時すぎまで部屋の電気を消してセイバーを振り回して遊んでしまった。110cmとデカすぎて置き場所に困るのが唯一の難点だが、まぁこればっかりはどうしようもないので今はレコード棚に立てかけて置いている。
 そんなこんなで仕事のデータ消失のショックは雲散霧消してお釣りがくるほどのルンルン気分なのだが、実はひとつ悩んでいることがある... そう、あんまり嬉しすぎて別モデルのセイバーも欲しくなってしまったのだ。何の実用性も無いブツに大枚を叩くなんて、いやはやまったくホンマに恥ずかしい限りだが、欲しいもんはしゃあない。ベイダーの赤いセイバーの次はオビワンの青にしようか、ルークの緑にしようか、ただ今思案中だ。
All Lightsaber Duels in Star Wars (Live Action)


【おまけ】ライトセイバー1本でいかにテンションが上がるかがわかるのがこの動画。バンクーバー交響楽団の指揮者さん、演奏の途中(1:40あたり)で何かゴソゴソしだしたと思ったらいきなり赤のライトセイバーを取り出してノリノリで指揮。すっかり暗黒面に墜ちたのか、後半は指揮そっちのけでセイバーを振り回し、最後は相手を突き刺すようなポーズでキメるという、シスの暗黒卿もビックリのパフォーマンスで大喝采を浴びているのだ。やっぱりスター・ウォーズの世界は楽しいなぁ...(^.^)
'The Imperial March' by Vancouver Symphony Orchestra

SWファン必見!「クローン・ウォーズ」

2022-02-17 | Star Wars
 去年の11月にビートルズの「ゲット・バック」見たさで加入したネズミー・プラス... 当初の予定では1ヶ月経ったら即やめるつもりだったのだが、解約直前に例の「マッカートニー 3,2,1」配信決定でもう1ヶ月延長することになり、更に正月休みの暇つぶしに観始めた「マンダロリアン」にどっぷりハマってしまったこともあって「スター・ウォーズ」(以下SWと略します)熱が再燃。同系シリーズの「ボバ・フェット」や「バッド・バッチ」などもイッキ観するなど、完全にネズミさんの術中にハマって今も契約継続中なのだが、そんなSWスピンオフ・シリーズの中でも特に面白かったのが「クローン・ウォーズ」だ。
 これまで何度も書いてきたように私はSWが大好きで、2年前の在宅ワークの時なんかこのブログもSW一色(←「スカイウォーカーの夜明け」レビューと例の「SGTペパーズ・パロディ」対訳シリーズ)になってたくらいだが、この「クローン・ウォーズ」に関してはアニメ作品ということで “どーせ子供向けのTVシリーズやろ...” と勝手に決めつけ、これまで眼中になかったのだ。
 しかし今回は “せっかく金払ってるんやからSW系で観たことのないやつ全部観たろ...” という軽い気持ちで「クローン・ウォーズ」をクリックすると、何と第7シーズンまで計133話もあるではないか! 試しに第1話を観てみたところ、これがめちゃくちゃ面白い。1話30分完結という手軽さと休み中でヒマということもあって第2話第3話と止められなくなり、気が付けば3日間で第1シーズン22話をすべて観終えていた。
 私が「クローン・ウォーズ」にハマった一番の理由は、時系列的に「エピソード2・クローンの攻撃」から「エピソード3・シスの復讐」までの時期にスポットを当てていることで、私が全エピソード中で最も好きな「シスの復讐」の映画ではカバーできなかった側面を詳細かつ見事に描き切っているところに魅かれたのだ。それにアニメと言っても高品質3D CG作品なのですぐに慣れて違和感なく楽しめる。
 「クローン・ウォーズ」はTVシリーズということでジェダイやシスだけでなく個々のクローンや賞金稼ぎといった脇役たちのキャラの掘り下げも実に上手く行われており、SWファンとしては観応え十分のハイ・クオリティーな作品に仕上がっている。最初のうちはアナキンとオビワンが当然主役だと思って観ていたが、第3シーズン途中ぐらいから “ひょっとするとアナキンのパダワン(弟子)であるアソーカ・タノという女の子が主人公ではないか...” と気が付き、ファイナル・シーズンのエンディングでダース・ベイダーがアソーカのライトセイバーを手にするシーンを見るに至ってあっそうか(笑)と腑に落ちた次第。極論すればこのシリーズはクローン戦争を通してアソーカが一人前のジェダイへと成長していく過程を描いた物語と言っていいだろう。
『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』の物語を4分で振り返る


 このシリーズは全133話もあるので様々な切り口で楽しめるが、私的には何と言ってもCGを駆使した激しいライトセイバー戦がそこかしこで繰り広げられるのが何よりも嬉しい。そんな中でも断トツに好きなのがダース・シディアス vs ダース・モール&サヴァージ・オプレスという超極悪同士の戦いだ。私は昔から“善vs悪”よりも“悪vs悪”の構図の方が見応えがあって好きなのだが、その極めつけと言える “シス vs 元シス” のバトルが見れるのだからこれはたまらない。ジェダイが束になってかかっても軽く跳ね返す獣性をもった2人をヘラヘラ笑いながらいたぶってボコボコにするシディアスの凄みを存分に見せつける名バトルだ。
シディアスVSモール兄弟


 この「クローン・ウォーズ」には「マンダロリアン」や「ボバ・フェット」、「バッド・バッチ」といった他のスピンオフ作品やもうすぐ配信で登場するであろう「オビワン・ケノービ」「アソーカ」といった期待作への重要な伏線が満載なので、SWファンなら絶対に観ておいて損はないと思う。ジョージ・ルーカスがSWで表現したかったすべてがここに詰まっていると言っても過言ではない傑作シリーズだ。
Top 10 Star Wars The Clone Wars Fights


 このように個人的には大満足の「クローン・ウォーズ」なのだが、敢えて残念な点を挙げるとすれば、コミックスでは描かれていた “ダース・シディアス&ドゥークー伯爵&グリーバス将軍 vs マザー・タルジン&ダース・モール” という “シス連合 vs 魔女軍団” の映像化がディズニーのルーカス・フィルム買収によってボツになってしまったこと。シーズン7(←急げブルーレイ化!)の中盤でつまらん姉妹のエピソードを入れるくらいならこの超豪華なヴィランズ祭りの方を映像化してほしかった。シディアス・ファンの私としてはこのエピソードをフル3D CG動画で観てみたいのだが、何とかならんもんかね...
Darth Maul: Son of Dathomir Full Audio Comic Movie [Star Wars Audio Comics]

SFドラマの金字塔「マンダロリアン」

2022-01-16 | Star Wars
 この前の3連休はお出かけにピッタリのポカポカ陽気だったが、私は3日間家にこもって “スター・ウォーズ三昧” を決め込んだ。ちょうど連休前に仲良しの同僚 Nちゃんとスター・ウォーズ談議で盛り上がったことで休日の開放感から “久しぶりに全部一気観したろ...” と思いつき、土曜日に1~6まで、日曜に7と9を視聴し終え、あと1日半何を観ようかと考えていた時にふと思いついたのが例のディズニー・プラスだった。
 ビートルズの「Get Back」をきっかけに契約し、ポールの「McCartney 3, 2, 1」も見れて万々歳のディズニー・プラスだが、音楽映画はあくまでも少数派であり、メインはもちろん「DISNEY」をはじめ「PIXAR」や「MARVEL」といったカテゴリー。当然「STAR WARS」も超人気の重要コンテンツだ。試しに覗いてみると本編映画シリーズはもちろんのこと、私がまだ観たこともないスピンオフ作品がいくつかあって、そんな中で “これは面白そうやな...(^.^)” と私が目を付けたのが「マンダロリアン」だ。
スター・ウォーズ実写ドラマ「マンダロリアン」予告編


 「マンダロリアン」は映画「スター・ウォーズ」シリーズ初の実写ドラマ作品で、名前だけは聞いたことがあったがストリーミング限定ということで配信嫌いの私はこれまで一度も観たことがなかった。よっしゃ、これを観よう!と決めた私はシーズン1の第1話から順番に観始めたのだが、これがもう予想の遥か上を行く面白さ。ハッキリ言って本編映画の「続三部作」(←ディズニー傘下に入ってからのエピソード7~9のこと)なんかより何十倍何百倍も面白い。
 まぁ「続三部作」に関してはシリーズの鬼っ子と言うべきゴミ作品「エピソード8・最後のジェダイ」(→ポリコレ忖度の象徴で見た目も言動もすべてムカつくローズ、闇に怯えて錯乱状態になり弟子に切りかかる老害ルーク、レジスタンスのリーダーに相応しくない紫の特攻オバサンetcは見たくないので不要なシーンをすべてカット・編集したDVDを作ったら40分になってもうたぞwww)がすべてをブチ壊してしまったので論ずるにも値しないが、とにもかくにもこの「マンダロリアン」はディズニーが関与しているとは思えないくらい「スター・ウォーズ」の世界観に則った正統派の作品であり、「スター・ウォーズ」という枠を超越してすべてのSF作品の最高のお手本となりうる秀作に仕上がっている。
 「マンダロリアン」の素晴らしい点を挙げていくとキリがないが、この作品の最大の魅力はやはり何と言ってもストーリー展開の面白さ... これに尽きる。観ているこちらが予想だにしなかった “裏切り” が随所に用意されており、それに対するマンダロリアン流の “返し”、つまり “オトシマエ” の付け方が痛快そのもの(≧▽≦) 要するにハラハラドキドキさせられた後に溜飲が下がってスッキリするという後味の良さが心地良いドラマなのだ。【以降ネタバレ注意!】
 そんな中でも断トツの神脚本はシーズン2最終話でマンダロリアンたちがダークトルーパーの大軍に追い詰められた絶体絶命のピンチに何とルーク・スカイウォーカーが駆けつけてライトセイバーで無双するシーンだろう。この展開は全く予想していなかったのでファンとしては鳥肌モノ!!! 我々はこういうルークを見たかったのだ。いやぁ、ホンマにエエもん見せてもらいましたわ... (≧▽≦)
ルーク・スカイウォーカー 登場シーン マンダロリアンシーズン2 4K画質


 「マンダロリアン」は主要な登場人物がみんなとっても魅力的で、キャラの掘り下げが実に上手い。主人公の “マンダロリアン”こと、ディン・ジャリンはクールでカッコイイし、一緒に旅をする “ザ・チャイルド”こと、ベビー・ヨーダがめちゃくちゃカワイイ(^o^)丿  これだけだとパッと見はSF版 “子連れ狼” みたいだが、素晴らしい脚本と個性的な脇役陣の頑張りによって「スター・ウォーズ」の王道を行く名作に仕上がっているのだ。
 元反乱軍ショック・トルーパー、キャラ・デューン役のジーン・カラーノは多くの戦闘シーンで “組んで良し、撃って良し” と八面六臂の大活躍だし、元帝国軍の狙撃手メイフェルド役のビル・バーも実に深みのある演技で、シーズン1のヒール役からシーズン2では見事にベビー・ターンしてマンドーと共に帝国軍と戦い、とっさの機転を利かせて彼の窮地を救うという重要な役柄を演じている。他にも「ロッキー」のアポロ役で有名なカール・ウィザースが賞金稼ぎギルドのリーダー、グリーフ・カルガ役で出ていたり、「ストリートファイター」春麗役のミンナ・ウェンが凄腕の殺し屋フェネック・シャンドを演じていたりと、それぞれの役者が個性の光る名演技でマンドーを盛り立て、知らず知らずのうちに物語に引き込まれてしまうというワケだ。
 それともう一つ、「スター・ウォーズ」といえば R2-D2 や C-3PO、BB-8 など、非常に魅力的なドロイドのキャラを生み出してきたが、この「マンダロリアン」でも IG-11という賞金稼ぎドロイドが登場。最初は第1話だけのキャラかと思っていたらベビー・ヨーダを守るナース・ドロイドに改造されて再登場し、シーズン1が佳境を迎える第7~8話で大活躍。最後は自分を犠牲にしてマンドーたちを救うという胸アツな展開を見せてくれる。「スタートレック・ネメシス」のデータ少佐と同じく、感情を持たないはずのアンドロイドが人間以上に人間的な行動をとる展開ってグッとくるものがありますな。
All Fight Scenes IG-11: The Mandalorian


 アクション・シーンの多さも特筆モノで、毎回毎回手に汗握るような戦闘が繰り広げられるところが◎。これは無意味な冒険やら何やらで中だるみ感がハンパなかった「続三部作」に一番欠けていた要素で、まるで “SF版「ジョン・ウィック」” と言ってもいいくらい(笑)銃を撃って撃って撃ちまくるところが圧倒的に、超越的に素晴らしい!!! このジョン・ファブローという監督、只者ではないなと思って調べてみたら何とあの実写版「ライオン・キング」や「ジャングル・ブック」を監督した人だった(゜o゜)  この作品は旧作へのリスペクトも随所に感じられるし、もしもこの人が「続三部作」を監督していたら「スター・ウォーズ」の “スカイウォーカー・サーガ” は映画史に残る素晴らしいものになっていただろう。
Din Djarin & Bo-Katan Board Gozanti Freighter | The Mandalorian Season 2 [4K HDR]


 それと、緊張感溢れるストーリー展開のそこかしこにさりげなく散りばめられたユーモアのセンスも抜群で、マンドーとデューンの最初の絡みでお互いに銃を向けあってフリーズした時にその傍らでベビー・ヨーダが何事もなかったようにズズーッと音を立ててスープをすするシーンとか、別の惑星でエイリアン・スープの具であるタコに吸い付かれて大騒ぎするベビー・ヨーダに向かってマンドーが「食い物で遊ぶな!」とたしなめるシーンとか、緊張感溢れるストーリー展開の中で思わずニヤリとさせられる。氷の惑星に不時着して凍えそうな時にカエル型エイリアンが温泉につかって寛いでいるシーンにもジワジワきた(^.^)
Baby Yoda Drinking SOUP Scene (Mandalorian Episode 4 Baby Yoda Cute Scene)


 ということで書き出したらキリがないくらい面白かったこの「マンダロリアン」... “スター・ウォーズは好きだけど「マンダロリアン」はまだ観ていない” などというのは、ちょうど “ビートルズは好きだけど「ゲット・バック」は観ていない” と言っているのに等しい。配信が始まったばかりの「ボバ・フェット」も面白いし、「マンダロリアン」のシーズン3も年内には配信されるとのことだし、こりゃあ当分ディズニ-・プラスを解約できそうにないな...

【おまけ】「シスの復讐」と「マンダロリアン」の両方を観た人なら抱腹絶倒間違いなしのこのファン・メイド・ビデオ、ゆりかごに乗ったままダース・シディアスと闘うベビー・ヨーダに大笑い(^o^)丿 マンドーが一撃でシスをブッ倒すラストも最高だ。
Baby Yoda VS Darth Sidious 2

もう一つのSWエピソード9「Duel Of The Fates」

2020-05-16 | Star Wars
 スター・ウォーズ・エピソード9「スカイウォーカーの夜明け」の脚本を書いたのはJJエイブラムスとクリス・テリオだが、企画の初期段階では「ジュラシック・ワールド」のコリン・トレボロウが脚本を書き監督も務めることになっていた。しかしディズニーからルーカスフィルムに社長として派遣された女プロデューサー、キャスリーン・ケネディとの意見の食い違いによって降板し、困ったディズニー側がエピソード7を監督したJJに再登板をお願いしたというのはファンの間では有名な話。前にも書いたが、スター・ウォーズのクリエイティヴな面における諸悪の根源は他でもないディズニーなのだ。
 しかし今年に入ってネット上にコリン・トレボロウが書いた「Duel Of The Fates ~運命の決闘~」のオリジナル脚本、さらにそのコンセプト・アートまでもがリークされたのだからこれはえらいこっちゃである。しかもこれが「スカイウォーカーの夜明け」とは全く違うストーリー展開で、“これも観てみたかったなぁ...” というのが正直なところ。例えるなら、もしも「Let It Be」をフィル・スペクターではなくジョージ・マーティンがプロデュースしていたら一体どうなっていただろうか... とビートルズ・ファンが無い物ねだりをするのと同じようなものだ。ということで、今日は幻の脚本となった「Duel Of The Fates」を取り上げよう。
【スターウォーズ】幻のエピソード9「スターウォーズ/Duel of the fates」のあらすじ(最初〜最後)【スカイウォーカーの夜明け】


【スターウォーズ】実現しなかった幻のエピソード9「Duel of the fates」のコンセプトアートPart2【スカイウォーカーの夜明け】


 ここからは上記のリーク情報を見た上での私の感想を思いつくままに述べてみたい。
①ダース・ベイダーvsカイロ・レンはめっちゃ観てみたい! レイも頑張ってるけどやっぱりライトセイバー・バトルといえばダース・ベイダーでしょ! こう言っちゃ身も蓋もないけれど、結局 “スター・ウォーズ = ダース・ベイダー” みたいなとこないですか?

②R2-D2の走馬灯回想シーンもぜひ観てみたい。こんなんファンやったら感動して絶対に泣いてまうわ(ただ、R2-D2の頭が破壊されて黒焦げになるシーンだけは観たくないけど...)。

③カイロ・レンと古代のエイリアン、トー・ヴァラムに関するエピソードもめっちゃ面白そうだ(^.^) ただ、パルパティーンの師匠という凄い存在のくせに、カイロ・レンに教えた “フォースを吸い取る技術” で逆にレンに殺られてしまうトー・ヴァラムってなんか情けない気もするのだが...

④レイとの闘いの後、カイロ・レンがライト・サイドに戻って死ぬのは同じだが、私としては “ハン・ソロとの感動の父子再会” という名場面がある「スカイウォーカーの夜明け」に軍配を上げたい。「運命の決闘」にはハリソン・フォードの出番はなかったんかな?

⑤「スカイウォーカーの夜明け」が前作「最後のジェダイ」をほとんど無かったこととしてストーリーを展開させているのに対し、「運命の決闘」ではルークのフォース・ゴーストがカイロ・レンに付きまとったり、ローズの出番が多かったり、ラストでフォース・センシティヴな例のホウキの少年が出てきたりと、超駄作「最後のジェダイ」の流れを出来るだけ踏襲しようとしているように思える。この点に関しては当然ながらJJの判断を100%支持したい。

⑥ダーク・サイドの血筋でありながらライト・サイドに立とうとするレイとライト・サイドの血筋ながらダーク・サイドに踏み迷うカイロ・レンの2人が最後に協力してラスボスのパルパティーンを倒してフォースにバランスをもたらすことで、“最終的に自分の運命を決めるのは血筋ではなく自分の意志なのだ” という明確なメッセージを持つ「スカイウォーカーの夜明け」に対し、この「運命の決闘」にはそういった強いメッセージ性はあまり感じられない。誤解を恐れずに言えば、感動してエンディングを迎えるのが「スカイウォーカーの夜明け」でハラハラドキドキ感がハンパないのが「運命の決闘」という感じか。

 ということでコリン・トレボロウが書いたこの「運命の決闘」は良くも悪くもめちゃくちゃ興味深い脚本であることは間違いない。ファンとしては「SW9アナザー・ストーリー編」でも「SW9パラレル・ワールド編」でもいいから是非とも作品化してほしいものだが、実際に映画にしたら3時間は軽~く超えそうやな...

Star Wars Episode 9 -The Rise Of Skywalker-

2020-05-12 | Star Wars
 私はスター・ウォーズが大好きで、最初の作品であるエピソード4から40年以上にわたってこの壮大なるサーガを楽しんできたのだが、今回のエピソード9「スカイウォーカーの夜明け」はそれがついに完結するということで公開前からめちゃくちゃ楽しみにしていた。ライアン・ジョンソンとかいう無能が監督した前回のエピソード8「最後のジェダイ」が大ハズレだったこともあって(←カイロ・レン役のアダム・ドライバーの名演技と可愛らしいポーグ以外はすべて無かったことにしてもいいくらいのゴミ映画... そもそもエピソード789をリレー小説形式で作るという発想自体が大間違い!)、エピソード7「フォースの覚醒」のJJエイブラムスが今回再び監督を務めると知った時は正直ホッとしたものだ。因みにレイ役のディジー・リドリーもどうせライアンがやるのだろうと思っていたところへJJ再登板を知らされて嬉しさのあまり泣いてしまったとインタビューで答えている。
 実際、この作品が封切られたこの冬には字幕・吹替え・IMAXと3回も映画館に足を運んでスカイウォーカー・サーガの最終章を心ゆくまで堪能したのだが、それでも飽き足らずに3月半ばにアマゾンで予約しておいたブルーレイがGW初日に届いた。おかげでこのGWは Beatles に B'z に Star Wars と実に充実したステイ・ホーム週間になり、世に言う “自粛疲れ” などとは無縁で(←元々人混み大嫌いやし...)気持ち良く過ごすことができた。折角なのでシリーズの集大成となるこの作品の感想をブログに記しておきたいと思う。
 まずはこの映画の気に入っているシーンだが、ベスト・オブ・ザ・ベストは何と言ってもハン・ソロが登場してベンと向き合う “父親と息子” の場面だ。レイとのセーバー・バトル中に母レイアの声を耳にしたカイロ・レンがみせた一瞬の隙をレイに突かれて戦いに敗れ、ダーク・サイドからライト・サイドへと戻ったベン・ソロの前に彼の記憶の中のハン・ソロが現れて “Kylo Ren is dead. My son is alive.(カイロ・レンは死んだが、俺のベンは生きてる。)” と語りかけ、ベンが “父さん、愛してる...”と言おうとするのを遮るかのように “I know.(知ってるさ)” とハン・ソロがあの名セリフを口にするシーンには思わず目頭が熱くなった。いやぁ、これはホンマにたまりませんわ...(≧▽≦)  自分にとっての続三部作は主役のレイではなく(←レイってキャラ自体に魅力がないので感情移入できない...)ベン・ソロの生きざまを見るための映画なので、父と子の絆を見事に描いたこのシーンにはホンマに感動した。
"Kylo Ren is Dead. My Son is Alive" Han Solo Saves Ben From The Dark Side | The Rise Of Skywalker HD


 皇帝パルパティーンを前にしてレイがライト・セーバーを瞬間移動させてベンに渡すシーンもめっちゃ好き。“フォース・ダイアド” と呼ばれるフォースの結びつきによって時間的・空間的に結ばれていたレイとベンは離れていてもお互いに触れることができるという設定なのだが(←カイロ・レンが離れた場所にいるレイのネックレスをひっつかむシーンがその伏線?)、それが一番効果的に使われたのがライト・セーバーの瞬間移動受け渡しのシーンなのだ。セーバーを受け取ったベンが父のハン・ソロと同じポーズをするところにもニヤリとさせられるが、このシーンに限らずこの映画にはこれまでの作品へのオマージュと思しき描写がいくつも出てきてめっちゃ嬉しかった。ファンが求めてるものって結局はエピソード1~6までの、ディズニー以前のスター・ウォーズ的な要素なんよね。
Ben's Arrival (1080p) - The Rise of Skywalker


 撮影時点で既に亡くなっていたレイア役キャリー・フィッシャーの生前に撮影した未公開映像を使って彼女を違和感なくストーリーに登場させる映像技術には感心させられたが、そんなレイアの登場シーンの中では彼女が最後の力を振り絞って息子ベンに呼びかけ、力尽きて亡くなる場面の描き方が秀逸そのもの。傍らで悲しそうな声を上げる R2-D2 が涙を誘う名シーンだ。それと、息子のベンがレイを救って命を落とし、その肉体がスーッと消えると同時にレイアの肉体も消えるというシーンがあったが、愛する息子の最後を看取ってからジェダイとして成仏(?)するという演出が実に素晴らしいと思った。
Rey Heals Ben Solo | Leia Dies | Star Wars: The Rise Of Skywalker


 それ以外にも、ランド・カルリジアンがレジスタンスの援軍に連れてきた膨大な数の戦闘機が集結する場面とか、デス・スターのあるエンドアでのレイvsカイロ・レンのド迫力セーバー・バトルといったインパクトのデカいシーンから、マズ・カナタからレイアの遺品のメダルを渡された時のチューバッカの笑顔だったり、ラストの惑星タトゥイーンのツイン・サンセットがBB8と絶妙なツー・ショットになっていたりとかいった些細な描写に至るまで、とにかく見どころが満載で、さすがはJJエイブラムス監督と唸ってしまった。
 逆に少し違和感を覚えた点もいくつかあったので、それについても書いておきたい。まずベンのフォース・ヒーリングで意識を取り戻したレイが彼にキスするシーンはハッキリ言って興醒め以外の何物でもない。まぁいかにもディズニーらしい陳腐な展開だが、最後の最後で安っぽい恋愛ストーリーへの変更をディズニーのアホバカ女プロデューサーから強要されたJJエイブラムス監督は忸怩たる思いだったに違いない。ファンとしてはディズニーこそがスター・ウォーズのダーク・サイドなのだと確信させられた。ディズニーはこの世から消えてなくなれ!
 フォースの描写が続三部作になってからオリジナルの設定とはかなり違ってきているのにも違和感を感じる。今回なんか特にレイがフォースを使ってトランスポーターを止めたりとか、カイロレンの傷を治したりとか、いくら何でもちょっとやりすぎだろう。今までヨーダもメイスもアナキンもルークもそんな能力は持ってなかったのに、何故ぽっと出の新人(?)レイにそんなことが出来るのか? これではディズニーお得意の “魔法” ではないか。これ以上スター・ウォーズの世界を壊さないでほしいものだ。ディズニーはこの世から消えてなくなれ!
 それともう一つ、パルパティーンにフォースを吸い取られて倒れたレイに話しかける歴代のジェダイたちの声が聞こえてくるシーンがあったが、誰のセリフか分かりづらくていまいちインパクトに欠けていた。あそこは実際にルークやオビワン、アナキンたちがフォース・ゴーストとして姿を現してパルパティーンと対峙すればもっと盛り上がったのではないかと思うのだが...
 とまぁこのように多少の不満はあるものの、長年のファンとしては、無駄なシーンだらけで二度と観たいとは思わない最低最悪の失敗作「最後のジェダイ」の尻拭いをしつつシリーズ最終章を何とかまとめ上げて完結させたJJエイブラムス監督(←「ミッション・インポッシブル」シリーズでもジョン・ウーが監督して大コケした「2」から見事軌道修正した「3」でシリーズ全体を救った...)には感謝しかない。もちろんオリジナル(ep4~6)やプリクエル(ep1~3)には比ぶべくもないが、やはり腐っても鯛ということで、この「スカイウォーカーの夜明け」には十分及第点をあげていいと思う。
Star Wars: The Rise of Skywalker | Final Trailer


※ブルーレイに付いていたボーナス・ディスクがコレ↓。撮影の裏側を色々と知ることができて面白かった。
The Rise of Skywalker: Behind the Scenes