shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

キャンディーズ・ライブ ~蔵前国技館 10,000人カーニバル Vol.2~

2011-04-27 | 昭和歌謡
 スーちゃんが亡くなって数日経ったが、ショックであまり仕事が手に付かない。特に一昨日の葬儀で流された彼女の肉声テープを聴いた時は心が震えた。癌が他の臓器に転移して呼吸するのすら苦しい状態で、絞り出すような声で彼女が最初に口にしたのが震災で被災した人々を気遣う言葉... スーちゃんって何て心の優しい、そして強い女性だったんだろうと改めて思う。 “本当の死というは、その人の存在が人々の記憶から消えた時” という言葉を何かで読んだことがあるが、そういう意味では彼女は私達の心に永遠に生き続け、思いを馳せるたびに微笑みをかえしてくれるだろう。

田中好子ラストメッセージ.wmv


ありがとうスーちゃん!


 ということで今日もスーちゃん追悼の想いを込めてキャンディーズにしよう。彼女達はただ可愛いだけの単なるアイドル・グループではなかった。「年下の男の子」や「春一番」、「微笑み返し」といった代表曲を書いた穂口雄右氏の言葉を借りれば、キャンディーズは他のアイドル達とは激しく一線を画す “音楽的で、上品で、よりミュージシャンに近いグループ” だったという。当時の私はそんなこと全然意識せずにレコードを聴いて喜んでいたが、今の耳で聴くと穂口氏のこの発言は大いに納得がいく。
 そのことを如実に示しているのが彼女達のライヴ・コンサートのセットリストで、そこでカヴァーしている洋楽の選曲センスが抜群なんである。ラスト・ライヴとなったファイナル・カーニバルなんかオープニングから洋楽カヴァーを11連発(←歌謡界では普通あり得へんでしょ!)、しかもスリー・ドッグ・ナイトの「ゴーイング・イン・サークルズ」なんか間奏部でキング・クリムゾンの「エピタフ」を引用するという実に硬派なアレンジだ。このように、キャンディーズのライヴは洋楽ロック・ファンの目から見ても十分傾聴に値する内容になっているのだ。
 キャンディーズは公式にライヴ・アルバムを3枚リリースしているが、その中で私が一番愛聴しているのがこの「キャンディーズ・ライブ ~蔵前国技館 10,000人カーニバル Vol.2~」で、A面はカヴァー曲中心、B面はシングル・ヒット曲とこのライヴ用の新曲という構成になっている。
 A面ではまず、CCRをカヴァーしたアイク&ティナ・ターナーの①「プラウド・メアリー」、ライヴで生まれ変わったように弾むデビュー曲②「あなたに夢中」、コントゥアーズの③「ドゥー・ユー・ラヴ・ミー」、躍動感溢れる歌声に圧倒される④「危ない土曜日」、ロボットみたいな振り付けがめちゃくちゃ可愛い⑤「恋のあやつり人形」、スーちゃんの語りで始まる⑥「朝日の当たる家」、アソシエイションの⑦「ネヴァー・マイ・ラヴ」の7曲がメドレー形式で歌われている。彼女達のオリジナル曲にはライヴを意識したロックなアレンジが施されており、それらが他の洋楽カヴァー曲と見事に溶け合って実に聴き応えのあるメドレーになっている。のっけからアクセル全開でたたみかけるようなこの展開、タマランなぁ...(≧▽≦)
 これに続くのが何と私のスーパーウルトラ愛聴曲⑧「夜空の星」だ。加山雄三が1966年にヒットさせ、ベンチャーズもカヴァーした日本テケテケ史上屈指の名曲を大好きなキャンディーズの歌声で聴ける喜びを何と表現しよう!!! 「みごろ! たべごろ! 笑いごろ!!」での共演がきっかけらしいが、加山さんの数多いヒット曲の中から彼女達がこの曲を選んでくれたことが何よりも嬉しい。バックを務めるMMP(後のスペクトラム)の演奏もノリノリで言うことナシ。これで親衛隊の “○○ちゃーん” という耳障りなコールがなければ最高なんやけど...(>_<)
 A面後半はワイルドワンズの⑨「想い出の渚」、カーペンターズの⑩「クロース・トゥ・ユー」、そしてスティーヴィー・ワンダーの⑪「サー・デューク」と洋邦織り交ぜてカヴァー曲が続くが、特に⑪はミキちゃんがスティーヴィーのアルバム「キー・オブ・ライフ」のリリース前にテープを貰ってその中から選んだというからそのセンスの良さには恐れ入る。3人のコーラス・ハーモニーは絶品だし、 “Here are SOME of~♪” のラインでスティーヴィーそっくりに唸るミキちゃんはもう完全にアイドルの域を超えている。とにかく楽しそうに歌い踊る3人の姿が最高だ。(関係ないけど「その気にさせないで」のバックの演奏は「迷信」に似てるような気が...)
 B面は⑫「春一番」、⑬「夏が来た!」、⑭「ハート泥棒」、⑮「その気にさせないで」と、もう何の説明も必要ないヒット曲のつるべ打ち。まさに旬というか、売れてるアーティストの勢いを感じさせるトラックだ。このライヴのために用意された新曲⑯「ダンシィング・ジャンピング・ラブ」、⑰「めざめ」、⑱「さよならのないカーニバル」の3曲では⑯でフィンガー5の「学園天国」のフレーズを使ってファンと掛け合いをする所が楽しい。
 76年にリリースされたこのアルバムは98年になってやっとCD化されたもののすぐに廃盤となり、アマゾンでは1万円台という驚愕のプレミア価格(゜o゜) たかがCD選書1枚に諭吉さんとは、キャンディーズ人気恐るべしである。運悪く買いそびれた私はオリジナルLPを持っていたこともあってまぁエエわぃと諦めていたが、2008年の「タイムカプセル20枚組CD-BOX」の中の1枚として首尾よくゲット。嬉しいことにこの CD が実に丁寧にリマスタリングされており(←男性ファンのウザいコールもLPほど気にならない...)、私の知る限りでは最高の音質でキャンディーズの歌声が楽しめる。ちょっと値は張るが内容的には一生モノのお宝なので、ファンの方はあるうちに買っときましょう。

P.S. 5月8日午後4時半から NHK-BS で、貴重な映像満載の特番「我が愛しのキャンディーズ」が再放送されるそうです。コレは絶対に見逃せませんね!!!

Yozorano-hoshi


キャンディーズ  プラウドメアリー


キャンディーズ・恋のあやつり人形


キャンディーズ / 日劇 朝日のあたる家(何かが違うシリーズ)


キャンディーズ 愛するデューク

コメント (6)

キャンディーズよ永遠に...

2011-04-22 | 昭和歌謡
 今朝起きて何気なくTVをつけたらいきなり目に飛び込んできたのが元キャンディーズのスーちゃんが亡くなったというニュース... 一瞬私は我が目を疑った。享年55歳という余りにも早すぎる死なのだが、この20年間ずっと癌と闘いながら女優業を続けていたとは知らなんだ...(゜o゜) 前にこのブログでも書いたが、私は「年下の男の子」から「微笑み返し」までリアルタイムで彼女達の歌をラジオで聴き、テレビで見てきたバリバリのキャンディーズ世代なだけに、彼女の突然の死のショックは言葉にできないくらい大きい。もちろん再結成などありえないことは分かっていたが、それでも3人が元気に生きていてさえくれればファンとしては十分だったのに...(T_T) 今は何だか自分の大切な思い出の一部が消えてしまったかのような、言いようのない喪失感を感じている。
 一般的にはあまり知られていないかもしれないが、キャンディーズはデビューから4thシングル「なみだの季節」まではスーちゃんがセンターだった。それが5thシングル「年下の男の子」のリリースに際して “年上のお姉さん” 的なキャラのランちゃんがセンターに抜擢され、その戦略が見事に当たって大ヒットになったという。下に貼り付けた YouTube の映像ではデビュー曲「あなたに夢中」と3rd シングル「危ない土曜日」でセンターを務めるスーちゃんの初々しい姿を楽しむことが出来る。特に「危ない土曜日」は何でコレが売れんかったんやろ?と不思議に思えるくらいのグルーヴ感溢れるカッコイイ曲で、初期キャンディーズ屈指の名曲名演だ。
 「年下の男の子」以降はそれぞれの曲が色んな思い出と共に蘇ってくる。歌っている姿はもちろんのこと、ドリフターズや伊東四朗と一緒に出ていたコントの楽しさや、ザ・ベストテンで1位を取った時の感激は忘れられない。YouTube の貼り付け動画は、蔵前国技館での10,000人カーニバルの「春一番」(←バリバリにロックしてます!)、懐かしい夜のヒットスタジオでの「やさしい悪魔」(←曲想、衣装、振り付けと、そのすべてが最高!)そして伝説と化した後楽園球場でのファイナル「微笑みがえし」(←スーちゃんの笑顔見てたら涙でてきた...)の3曲を選んでみた。それと、彼女の元気な姿を楽しめる「電線音頭」(←めっちゃ懐かしいでしょ!)も大サービス。とにかくあれから30年以上たった今でも “わが愛しのキャンディーズ” なんである。
 この週末は彼女を偲んでキャンディーズのレコードをじっくり聴きたいと思う。スーちゃん、今まで本当にありがとう。私はあなたたちのファンで本当に幸せでした。どうかゆっくりと休んで下さい。R.I.P.

キャンディーズ あなたに夢中


危ない土曜日 キャンディーズ


キャンディーズ 春一番


キャンディーズ やさしい悪魔


わが愛しのキャンディーズ (16) 微笑がえし (後楽園)


【おまけ】スーちゃんめっちゃ可愛いっ!!!
電線マン電線音頭
コメント (4)

Sheer Heart Attack / Queen

2011-04-19 | Queen
 悪夢のような4月もアッと言う間に半分が過ぎた。クソしょーもない会議やら何やらで目が回る様な忙しさの中、クイーンのCD BOX が届くのを心の支えに何とか堪え忍んできたのだが、発売日を過ぎても何の音沙汰もなく不審に思っていたところ、先日アマゾンからメールが届いた。「ご注文いただいた以下の商品の入荷遅延により、お届け予定日を変更させていただきました。」やと? 指折り数えて楽しみにしていた “お届け予定日” が4/13~15から5/1~5/8へと、約3週間も先延ばしにされてしまったのだ。しかも追い打ちをかけるように「商品は引き続き入荷できるよう手配しますが、万が一仕入先から入荷の見込みがないことが判明した場合、またはご注文数が入荷数を上回った場合、やむを得ずご注文をキャンセルさせていただくこともありますので、ご了承ください。」って... 一体何のための予約やねん!!! どっかのおせち通販やあるまいし...(>_<) UKアマゾンではちゃんと売っとるで!
 いきなり冒頭から怒りの展開になってしまったが、気を取り直して今日は大大大好きな「シアー・ハート・アタック」でいこう。私は洋楽を聴き始めてすぐにクイーンにハマり、「オペラ座の夜」を皮切りに彼らの初期5枚のアルバムを買ってきて「ミュージック・ライフ」誌を肴に聴きまくったものだが、そんな中でも最もターンテーブルに乗る回数が多かったのが何を隠そうこのアルバムだった。生硬な「クイーンⅠ」、緊張感漲る「クイーンII」、そして一糸乱れぬ完璧さを誇る「オペラ座の夜」に比べ、まるで「ホワイト・アルバム」のようにヴァラエティに富んだ作品が並んでいて肩肘張らずに聴けるところが嬉しかったし、アルバム全体を通してブライアンのハードなギターやクイーン印の美しいコーラス・ハーモニーが満喫できる “メロディアスなブリティッシュ・ハードロック路線” の曲が多いのが何よりも私の嗜好にピッタリ合っていた。
 個々の曲について言うと、A面の1曲目(←どーしてもLP世代なモンで...)に置かれた①「ブライトン・ロック」がめちゃくちゃカッコイイ(^o^)丿 声色を使い分けて一人二役を楽々とこなしてしまうフレディーのヴォーカル(←裏声から地声への変わり目が好き!)も凄いが、何と言ってもブライアンの変幻自在のギター・ソロが圧巻の一言!イントロで遊園地風のSEに被さるようにブライアンのギターがギャッギャッギャッギャッ♪と滑り込んでくるところなんかもうゾクゾクするし、お約束のギター・オーケストレイション(一人二重奏)はもちろんのこと、津軽三味線風のプレイからバリバリのハードロック・フレーズまで、愛用のギター “レッド・スペシャル” の魅力が全開だ。これだけ長いソロを縦横無尽に弾きまくりながら全く飽きさせないギタリストが他に何人いるだろうか? まさにブライアン・メイの天才ここに極まれり、と言いたくなるような1曲だ。
 このアルバムの中でダントツに有名というか、「ボヘミ」や「伝チャン」と並ぶクイーンの代表曲と言っても過言ではないのが②「キラー・クイーン」だ。ブリティッシュな薫り横溢の、まさにクイーンにしか作れないようなポップ・ナンバーで、イントロの指パッチンも、軽快に弾むようなピアノも、歌心溢れるブライアンのギターも(←あの独特のアタック音はピックではなくコインを使って弾いているせいらしい...)、クイーンならではのゴージャスなコーラス・ハーモニーのこれでもか攻撃も、“キラー クイィィーン 頑張~れ タブチ~♪” のラインが脳内リフレイン確実なサビのメロディーも、そのすべてが完璧に統合され、クイーンと言うバンドの魅力を3分という長さにグッと凝縮したかのような屈指のキラー・チューン(←別にシャレちゃいますよ...)に仕上がっている。
 あまり有名ではないけれどクイーンらしさが思う存分に楽しめるという、いわゆるひとつの “隠れ名曲” が④「フリック・オブ・ザ・リスト」だ。ややヘヴィーな感じで始まり何度か転調を繰り返しながらテンポ・アップしていくドラマチックな構成が印象的な曲で、何と言っても万華鏡の如きコーラス・ハーモニーのフル・コースが味わえるところが最高だ。ここで声を大にして言いたい... このコーラスを聴かずして何のクイーン・ファンか! この美麗コーラスの魅力にハマるともう立派なクイーン中毒者の完成だ...(^.^)
 ⑥「ナウ・アイム・ヒア」はストーンズを想わせるストレートなロックンロール(←ギターのリフなんか結構キース・リチャーズっぽいように思う...)で、ロックなクイーンが大好きな私のようなファンにとってはたまらない1曲だ。尚、この曲はこのままでもカッコ良いロック・チューンなのだが、ライヴでは更にテンポを上げてノリノリの疾走系ロックンロールに仕上げており、私としてはそっちの方が更に好き。デフ・レパード feat.ブライアン・メイによるカヴァー・ヴァージョンも超オススメですぜ。
 B面はド派手なA面に比べるとやや地味な印象を受けるが、よくよく聴くと味わい深い佳曲が多い。そんな中で私が大好きなのが⑧「ストーン・コールド・クレイジー」で、そのアグレッシヴなリフ攻撃に思わず “Hell yeah!!!” と叫びたくなる(←分かる人には分かるネタ...)衝動に駆られてしまう。メタリカによるカヴァー・ヴァージョンも必聴だ。
 このへヴィーな⑧に続くのが、1分余りの短い曲ながら心を洗われるようなしっとりとしたメロディーが心に沁みてきて敬虔な気持ちにさせられる⑨「ディア・フレンズ」で、こんなヤクザな私でも思わずひざまずいて頭を垂れたくなるような名曲だ。更にジョン・ディーコン作の軽快な⑩「ミスファイア」(←ジョンのアコギとブライアンのレッド・スペシャルの音色の絡みが絶妙!)、古き良き時代を忍ばせるボードヴィル調の⑪「ブリング・バック・ザット・リロイ・ブラウン」(←ブライアンのウクレレバンジョーがめっちゃエエ味出してます...それとウォルター・ペイジみたいなジョンのウッド・ベース・プレイは貴重やね)と、彼らの懐の深さ、音楽性の幅広さを示す曲がズラリと並んでいる。
 クイーンが最もクイーンらしかった時期に作られたこの「シアー・ハート・アタック」は何でもアリのおもちゃ箱をひっくり返したような楽しさ溢れる快作であり、私がクイーンに生涯の音楽を感じた決定的な1枚なのだ。

Queen - Brighton rock


Queen - Flick Of The Wrist (Single Version)


Queen - Bring Back That Leroy Brown


Queen - Now I'm Here


Queen - Killer Queen
コメント (2)

タイヤ交換した(^o^)丿

2011-04-14 | その他
 去年の今頃はちょうど遠隔地への転勤でわたわたしていたが、やっとのことで遠距離通勤にも慣れてきてやりたい放題の音楽放蕩生活に入りかけた矢先、この4月からいきなり全然知らないセクションのチーフを任されてしまった。何という横暴な人事... まさに Oh My God, Jesus Christ Superstar (>_<)である。そのせいで仕事量が一気に増え、この2週間は “It's been a hard day's night, and I've been working like a dog♪” というヤァ!ヤァ!ヤァ!な毎日でゆっくり音楽に浸る暇がない(T_T) レコードを買うために働いていると言っても過言ではない私としては本末転倒というか非常に不本意なことだが、仕事から帰ってきたらもうクタクタで、“I should be sleeping like a log (-_-)zzz” 状態だ。早よゴールデン・ウイークにならんかな... 仕事の事なんか忘れて朝から晩まで浴びるほどロック聴きたいな... (≧▽≦)

 今日は久々に車ネタでいこう。去年の夏に買った愛車 135i が早くも車検を迎えるのでディーラーに見積もりを出してもらったところ、我が目を疑うような数字が返ってきた。常日頃のアグレッシヴなドライヴィングがたたってタイヤは4本ともほぼスリック状態と化しており、タイヤを換えないと車検は通りませんとのこと。で、タイヤ4本込みで車検費用が何と421,853円! はぁ??? よんじゅうにまんえん、ってか? 善良な一市民をつかまえて何をボッタクッてんねん! ホンマにもう、あり得へんわ...
 BMW車はパンクしても時速80km 以下でなら平気で走れるという特殊な “ラン・フラット・タイヤ” が標準装備になっているのだが、これが4本で252,252円というアホバカ・プライスなのが大問題。私はこれまで28年間車に乗ってきたがパンクしたのは3年前のわずか1回のみ。ということは、確率的に言えばあと25年間はパンクしないことになる(のかな???) ディーラーは “足回りのセッティングとか、ラン・フラット・タイヤに合わせてあるので普通のラジアルに換えるとバランスが崩れかねません” とあくまでも高価なタイヤを売りつけようとする。ネットで色々調べて普通のラジアル・タイヤでも全く支障が無い(どころかメリットの方が大きい...)ことを知っていた私は “タイヤは他所で換えます!” とキッパリ断り、職場近くのタイヤ館に車を持ち込んだ。
 私の 135i はフロントが 215/40 R18、リアが 245/35 R18 という特殊なサイズ設定になっておりラン・フラット以外ではその両方を満たす製品が無いとのことだったので、色々調べてもらった結果、フロントを playz、リアを potenza S001 という組み合わせでいくことにした。リアの方がソフトなコンパウンドなので私のドライヴィング・スタイルに合っているとのこと。結局タイヤ4本が工賃込みで165,000円也。ディーラーでラン・フラットに換えるよりも9万円近く安い。9万円あったら LP 何十枚買えることか...
 実際にラン・フラットからノーマル・ラジアルに履き替えた感想としては、
①乗り心地が格段に良くなった。路面からの突き上げが激減したせいか、体の疲労度が全然違う。毎日の通勤が快適ラクチン・クルージングになった(^.^)
②車の挙動がシャープになった。例えるなら鉛の靴から軽いランニング・シューズに履き替えたような感じとでも言えばいいのか、人車一体オン・ザ・レール感覚で狙ったラインを意のままにトレースしてくれるのが嬉しい。気分はもう、レッドブルで鈴鹿のS字を軽快に駆け抜けるセバスチャン・ベッテルだ(^o^)丿
③燃費が良くなった。バネ下重量が大きくダウンしたおかげで、ストップ&ゴーの繰り返しが多い街中走行が中心の私には効果テキメン!前はリッター7.0前後だったのが今は悪くても8.0、上手くすれば8.3ぐらいまで伸びる。まぁコレでも今時のエコ・カーに比べたら論外ですけど...
 このようにタイヤを交換して以降、私は実に快適なドライヴィングを楽しんでいる。タイヤ館たわらもとのフロント・マネージャー松塚さんの適切なアドバイスに感謝感謝だ。私の場合はメーカーお仕着せのラン・フラット・タイヤをやめて大正解だった(^o^)丿 やっぱり車はタイヤで決まる部分が大きいですね。

Roadfly.com - BMW 1 Series 135i Coupe Car Review on Track
コメント (2)

Imagine / John Lennon

2011-04-07 | John Lennon
 悪夢のような大震災からもうすぐ1ヶ月が経とうとしている。東北地方では不安と不自由に苛まれながら避難所で生活されている方々が数多くおられるし、福島~関東地方の水や食べ物への放射能汚染はますます酷くなる一方で、事態が好転する兆しは見えない。私は西日本に住んでいるので被曝の心配はないように思えるが、放射性物質の大気中への拡散etcを考えると正直不安になってくるし、何よりも同じ日本の地で苦しんでいる人達が無数にいると思うととてもじゃないが心中穏やかではいられない。
日本で公表されない気象庁の放射性物質拡散予測 2011.04.04


 英語の諺に A friend in need is a friend indeed.(まさかの友は真の友)というのがある。本当に困った時にこそ自分にとって大切な人が分かるという意味だが、今の日本が置かれた状況がまさにそれだろう。この大震災の惨状を見て、世界中で “日本を助けよう!” という声が湧き起っているのには本当に有り難い思いで一杯だ。自然災害の前には国家・信条・宗教の違いなど関係なしに、同じ人間として苦しんでいる人を思いやる... まさに40年前にジョン・レノンが歌った「イマジン」の世界である。
 特に嬉しかったのが先日たまたま YouTube で見つけた F1ドライバー達から被災した日本へ向けてのビデオ・メッセージで、片言の日本語での単語リレーなのだが、彼らの気持ちが十分に伝わってきて(特にトゥルーリのジェスチャー付き “ガンバロウ!” に感動!!!)大の F1 ファンの私は思わず目頭が熱くなった。
  みんなで 力を あわせて
  みんなで 勇気を 持って
  みんなで 希望を 持って
  みんなで 前を 向いて
  みんなで 助け あって
  一緒に 頑張ろう!
  東北 一緒に 頑張ろう!
  日本 みんなで 一緒に 頑張ろう!
そしてこのビデオ・メッセージのバックに流れていたのがジョンの「イマジン」なのだ。マシンやヘルメットに書かれた “ガンバレ!日本” “Don’t give up, Tohoku!” の映像と共に優しげに語りかけるジョンの歌声が平時の何十倍もの説得力を持って心に響いた。
FORMULA1 We Pray For JAPAN 「がんばろう、日本」


 もう1本、YouTube で見つけてグッときたのが、ニューヨーカーたちが被災国日本への募金を呼び掛けるという、実にイマジンでウィー・アー・ザ・ワールドな内容の “Rise Again, Japan!” という動画。被災国の人間として、 “日本、俺たちがついてるぞ!” “全世界だぞっ!” という言葉に、 “ライジング・サン!” の連呼にどれほど勇気づけられたことだろう... Thank you, New York!!! 彼らの思いに応えるためにも、我々日本人はもう一度力を合わせて立ち上がらなければならない。
Rise Again, Japan! 日本語字幕付き
コメント (10)

Queen II

2011-04-02 | Queen
 今年、クイーンのバンド結成40周年を記念して巨匠ボブ・ラドウィックの手によるリマスターCDが順次リリースされるという話は何度かこのブログでもご紹介した。まず手始めに初期5タイトルがこの3月16日に発売されるということで、1月に先行発売された「グレイテスト・ヒッツ」の音の凄さに圧倒された私はもちろん全部買うつもりで手ぐすね引いて楽しみにしていたのだが、例の大地震で CD のことなど頭から完全にスッ飛んでしまい、気が付けば発売日をとうに過ぎていた。おぉコレはアカンわと思ってアマゾンを見ると何と “1~2か月以内に発送” という信じられない事態に...(゜o゜) 日本におけるクイーン人気の根強さを読み誤った私が甘かった。
 私が狙っていたのは通常盤ではなくボーナス・ディスク付きのリミティッド・エディションの方なのだが、これが何と1枚2,800円と言うニンピニン価格(>_<) しかしよくよく考えてみるとビートルズ・リマスターの時と同じで、別に解説も対訳も要らないのにわざわざバカ高い国内盤を買って大嫌いな JASRAC にお布施する義理はさらさら無い。色々調べてみると日本盤のみ SHM-CD という高音質仕様らしいのだが、これまで xrcd やら Gold CD やらで “究極の高音質” という謳い文句に騙されてきた身としてはどうしても眉に唾をつけて見てしまう。
 「グレイテスト・ヒッツ」のあの音の素晴らしさはリマスター効果のなせる業であって SHM 云々はあまり関係ないのではないかと考えた私は日英米のアマゾンで輸入盤をチェックしてみることにした。すると、4月の初めに5枚まとめてボックス・セットとしてリリースされることが判明、ビートルズの時と同じように整理してみるとかなり値段に開きがあることがわかった。
 ・日本盤バラで5枚:2,800×5=14,000円 アマゾンでは “在庫有り” に戻ってた
 ・日本のアマゾンでUK輸入盤 BOX SET:8,193円(送料無料) 4/12発売
 ・Amazon US でBOX SET: $74.03 (送料込みで約6,050円) 5/17発売
 ・Amazon UK でBOX SET:£57.69 (送料込みで約7,850円) 4/4発売
UK盤なら1枚当たり1,570~1,640円、US盤なら何と1,210円で日本盤の半額以下という超お買い得価格だ。SHM-CD がナンボのモンかは知らないが、これではどう考えても日本盤をバラで買うメリットなど無いに等しい。残る問題は UK にするか US にするかだが、US盤は届くのに5月末まで待たなくてはならないので、結局日本アマゾンの “輸入盤2枚買ったら10%オフ” キャンペーンを利用して(←確かビートルズの時は HMV の25%オフ・キャンペーンやった...)7,374円で UK盤ボックスを予約した。届くのが今からめっちゃ楽しみだ(^.^)
 クイーンの初期5枚のアルバムはどれも学生時代に聴きまくったのでそれぞれ思い入れもひとしおなのだが、ことジャケットに関して言えば「クイーンⅡ」がダントツにカッコイイ。初期5枚だけでなく全クイーン作品の中で見ても一番ではないか。このジャケット・イメージは映画「上海特急」のマレーネ・ディートリッヒのモノクロ写真にインスピレーションを得て作られたということで、「ボヘミアン・ラプソディ」のプロモ・ビデオで重要な役割を果たしていたし、「ワン・ヴィジョン」でも効果的に使われていた。ヴィジュアルにも拘るクイーンの面目躍如たる名ジャケットだと思う。
 このアルバムを初めて聴いたのは中学生の時だったが、最初はとっつきにくいというか正直言ってワケが分からなかった。シングル向きのキャッチーな曲が⑪「セヴン・シーズ・オブ・ライ」だけだったということもあり、その真価が分からずに「シアー・ハート・アタック」や「オペラ座の夜」ばかり聴いていた。曲単位ではなくアルバム1枚丸ごと聴いてナンボという作りになっているのでロックを聴き始めたばかりの私には敷居が高すぎたのだと思う。
 アルバム構成としてはアナログ LP のA面がブライアンの曲を中心とした “サイド・ホワイト” 、B面が全てフレディーの曲で統一された “サイド・ブラック” という風に片面ずつでコンセプトが明確に分けられているのが大きな特徴で、特に “サイド・ブラック” の完成度の高さは “クイーン版アビー・ロードのB面” という感じさえする。
 中でも圧倒的に凄いのが⑥「オウガ・バトル」で、その目まぐるしい曲展開はハードロックをベースにしながらもプログレッシヴな側面をも持ち合わせており、ヘヴィーなリフや万華鏡のようなコーラス・ワークの多用など、クイーンというバンドの魅力をこの1曲に凝縮したかのようなサウンド・プロダクションは何度聴いてもゾクゾクさせられる。アァァァァ~♪という絶叫に続くテープの逆再生から始まる冒頭部分もめっちゃスリリング。2分00秒から炸裂する有名な空耳 “横目がスケベくさい~♪” もお忘れなく(^o^)丿
 「ボヘミアン・ラプソディ」の伏線と言ってもいいようなファンタジックな⑦「フェアリー・フェラーズ・マスター・ストローク」から美しい⑧「ネヴァーモア」へと繋がるアビー・ロードな流れ、クイーン流プログレと言ってもいい複雑な曲構成にただただ唖然とするしかない⑨「マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン」の息をもつかせぬ展開、宴会の最後に出されるお茶漬けのようなサッパリ感が絶妙な⑩「ファニー・ハウ・ラヴ・イズ」でメドレーをシメるニクイ曲配置と、まさに片面で1つの組曲といった案配だ。B面ラストに置かれたキャッチーな⑪「セヴン・シーズ・オブ・ライ」はキラキラ輝くようなピアノのイントロと変幻自在に歌いまくるギターが最高で、私的にはEL&P「展覧会の絵」の「ナットロッカー」みたいなノリで難しいことを考えずにその流れるようなメロディーを楽しんでいる。
 “サイド・ホワイト” は “サイド・ブラック” に比べるとやや重いというか地味な感じの曲が多いので、初心者の頃の私のようにA面から聴き始めて挫折する人もいるかもしれない。そんな中で私が好きなのは②「ファーザー・トゥ・サン」で、ルネッサンス(←「プロローグ」や「燃ゆる灰」で有名なブリティッシュ・プログレ・バンドのことです、念のため)みたいな牧歌的な雰囲気から中間部で一気にゼッペリン風ハードロックへとなだれ込み、荘厳なエンディングを迎えるというドラマチックな展開がカッコイイ(^.^) もろブリティッシュ・トラッド・フォークな④「サム・デイ・ワン・デイ」におけるアコギとブライアンの浮遊感溢れるヴォーカルの組み合わせもエエ味を出していて結構気に入っている。
 ガンズのアクセル・ローズが “棺桶に入れる1枚” に選んだというこの「クイーンⅡ」は彼らが2作目にして早くもその唯一無比なオリジナリティを確立したアルバムであり、 “ブリティッシュ・ロック・バンド” 然としたクイーンが大好きな人間には堪えられない初期の大傑作だ。

Queen Seven Seas of Rhye


Queen- Ogre Battle


Queen - Father To Son