shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

夢で逢えたら / DEEN & 原田知世

2012-07-29 | J-Rock/Pop
 今日はちょっと変わった「夢逢え」でいってみよう。みながわ最高顧問に例の “音壁JAPAN” CD を教えていただいて以来、私は YouTube を駆使して未知の音壁ガールズや「夢逢え」カヴァーの探求に勤しんでおり、この1ヶ月だけで色々と収穫があったのだが、そんな中で最近見つけた大のお気に入りがこの DEEN & 原田知世によるお洒落な「夢逢え」だ。
 私は “広く浅く” ではなく “狭く深く” 音楽を聴く人間なので、ある特定の時期の特定ジャンルのアーティストの知識がスッポリ欠落していることが多い。80年代以降の邦楽も B'z やイエロー・モンキーといった一部の例外(←この2組って邦楽というよりも70'sブリティッシュ・ロックを日本語でやってる感じやもんね...)を除けばほとんど知らないに等しい。
 当然この DEEN という歌手も名前すら聞いたこともなかったし、今現在でも彼の曲はコレしか知らない。さっきネットで調べてみたら、B'z、 ZARD、WANDS、TUBE、T-BOLAN といったアーティスト(←横文字ばっか...)と同じビーイング系らしい。バリバリのロックを演ってる B'z を除けば、ビーイング系ってバブリーな金太郎飴的 J-POP というイメージが強く、一言で言うと毒にも薬にもならないといった類の音楽だ。
 薬師丸ひろ子や渡辺典子と共に“角川三人娘”と言われた原田知世はリアルタイムで「時をかける少女」や「私をスキーに連れてって」といった映画に出ているのを見たことがあるし歌も聞いたことがあるはずなのだが、その演技も歌も全く記憶に残っていない。三人娘の薬師丸ひろ子と比べれば分かりやすいと思うが、スターとしての華が無いというか、影が薄いというか、要するに地味なのだ。だから私にとっては “特に好きでも嫌いでもない、名前だけは知ってる人” という存在だった。
 だから YouTube で「夢逢え」を検索していて “DEEN & 原田知世” が出てきた時も全く期待せずに “何かよぉわからんけど、まぁ一応聴いとくか...” という感じで視聴し始めたのだが、いざ聴き始めるとこれがもうめちゃくちゃ良くてビックリ(゜o゜)  原田知世のアクの弱い(?)薄口ヴォーカルが良い方向に作用して、リラクセイション溢れる癒し系ヴァージョンに仕上がっているのだ。肩の力の抜けた好演というのはまさにこういうのを言うのだろう。私はすぐにアマゾンで中古のマキシ・シングルをオーダー、この辺の盤は送料込みでも500円でお釣りがくるのが嬉しい(^.^)
 この二人のコラボは、DEENが様々なアーティストをゲストに迎えて日本の名曲を歌ったカヴァー・アルバム「和音」の中で「夢逢え」を “featuring 原田知世” という形でカヴァーしたもので、この曲を男女でデュエットするというスタイルが実にユニークだし、取って付けたようなイントロもどことなく沖縄っぽくて面白い。そして何よりもバックのフルートやストリングスの音色と二人の浮遊感溢れるヴォーカルとの絡み具合いが絶妙なのだ。尚、この曲のシングル用のミックスを行ったのは大瀧詠一御用達のエンジニアで87年のシリア・ポール「夢逢え」初CD化の時にリミックスを担当した吉田保である。
 ただ、唯一気に入らないのがサビメロのバックで何度も何度も繰り返し “ドドド~ン!” と響き渡るティンパニの使い方で、いくら何でもこれはやりすぎ(>_<) 過ぎたるは及ばざるが如しとはよく言ったもので、こんなに多用してはせっかくのリラックス・ムードが台無しだ。そもそもティンパニなどという非日常的な楽器はここぞ!という所でスパイス的に使ってこそ活きてくるのではないか? ビートルズの「エヴリ・リトル・シング」しかり、ザ・ピーナッツの「恋のフーガ」しかりである。ここだけはアレンジをミスったと思う。
 マキシ・シングルには他にもカラオケ用に男声だけを抜いた④“for female” や逆に女声だけを抜いた⑤“for male” 、そして二人でデュエットすることを想定したインスト・ヴァージョンの⑥“for lovers”(←何とまぁ粋なネーミング!)など、多種多様なヴァージョンが収められているが、カラオケをやらない私には無意味なトラック。私が気に入っているのは③“Afternoon Cafe Style” というヴァージョンで、ギターとパーカッションを中心に展開されるお洒落なボッサ・アレンジのサウンドが耳に心地良い(^o^)丿 ブリリアントな午後にマッタリ気分で聴きたい逸品だ。
DEEN & 原田知世 / 夢で逢えたら

DEEN + 原田知世 -夢で逢えたら -Afternoon Cafe Style
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夢で逢えたら / 石川ひとみ

2012-07-26 | J-Rock/Pop
 前回の森丘祥子に続いて今日も「夢逢え」特集だ。この曲は元々大瀧詠一がアン・ルイスのために書いたものだが、当時の彼女はロック路線だったのでボツとなり、それが吉田美奈子のところに廻ってきてアルバム「FLAPPER」(1976年)に入れたのがオリジナル。そして翌77年に大瀧氏自らがプロデュースしてナイアガラ・レーベルからリリースしたのが大本命のシリア・ポール盤というワケだ。この曲は特に大ヒットしたわけでもないのにそのメロディーの親しみやすさからか根強い人気を誇っており、数えきれないぐらい多くの歌手にカヴァーされているが、歌詞の内容から考えるといくらヒットしたとはいえラッツ&スター鈴木雅之みたいなむさ苦しいオッサンの声は私的には絶対にNGだし、たとえ女性シンガーでも歌やアレンジがイマイチだったりと名曲に頼った安易なカヴァーが多く、あまり触手が動かない。ということで今日は数少ない手持ちの「夢逢え」盤の中から女性シンガーによる王道カヴァー3組をご紹介:

①石川ひとみ
 シリア・ポール、森丘祥子と並ぶこの曲のキュート・ヴォーカル系3大フェイヴァリットが石川ひとみたん。2006年にリリースされた「みんなの一五一会 ~Radio Days」収録のスタジオ録音ヴァージョンも良いのだが、私が愛聴しているのは1982年に彼女が早稲田の学園祭で行ったコンサートを収録した「キャンパス・ライブ」に入っているライヴ・ヴァージョンの方で、オーディエンスの手拍子と一体となった彼女の天使のような透き通った歌声がたまらんたまらん(≧▽≦)  一緒に貼り付けたTV出演時の映像は2006年のものだが、もうめちゃくちゃ可愛いっ!!! 47才にしてこの萌えっぷりはひとみたんならではだ(^o^)丿
石川ひとみ 夢で逢えたら(1982)

♪夢で逢えたら♪(2006)


②アン・ルイス
 1982年にリリースされたアン姐さんのオールディーズ・カヴァー・アルバム「チークⅡ」に収録された「夢逢え」は何と英語で歌われている。元々彼女のために書かれた曲だけあって、しっとりした質感のヴォーカルとのマッチングが絶妙。60'sポップスの名曲たちの中にあっても全く遜色ないオーラを放っており、日本が世界に誇れるポップスのスタンダード・ナンバーと言っても過言ではないと思う。
アン・ルイス 夢で逢えたら(Dreams)


③岩崎宏美
 岩崎宏美って高校生の時にリアルタイムで聴いていたはずなのにあんまり記憶にない。面白いことに、それから30年以上経って昭和歌謡にどっぷりハマり、筒美京平先生経由で彼女に辿り着いてその魅力を再発見したのだが(←遅い!)、めっちゃ歌上手いやん! 1980年リリースの邦楽カヴァー集「すみれ色の涙から」に収録されたこの曲でもその圧倒的な歌唱力でスケールの大きな歌唱を聴かせてくれる。それにしても70年代昭和歌謡の歌手ってホンマにレベルが高いなぁ...(^.^) 尚、彼女は2008年リリースの「Dear Friends Ⅳ」でも妹・良美とのデュオでこの曲を取り上げており、28年の時を経ても微塵の衰えも感じさせない伸びやかな歌声を披露している。
夢で逢えたら 岩崎宏美(1980)

夢で逢えたら 岩崎宏美・良美(2008)


【おまけ】近鉄にもこんな駅メロあったらエエのにな...
京急 駅メロディ 京急蒲田駅 1・2番線「夢で逢えたら」
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夢で逢えたら / 森丘祥子

2012-07-23 | J-Rock/Pop
 今日は久々に音壁関連ネタのアルバムでいこう。祭りのきっかけとなった名曲「夢で逢えたら」の大本命といえるシリア・ポール盤がリリースされたのは1977年だが、私がこの曲を知ったのはそのずっと後の90年代に入ってからのことで、森丘祥子によるカヴァー・ヴァージョンが CMソングとしてテレビから流れてきたのを聴いてそのキャッチーなメロディーと彼女のキュートな歌声に KO されてしまったのだ。あの頃はまだ音楽もCMも魅力的なものが多くてホンマにエエ時代やったなぁ... (≧▽≦)
KIRIN white wine DANCE 新発売 15" 1991


 この森丘祥子という人は80年代におニャン子クラブに入る前の工藤静香らと共にセブンティーン・クラブという女性3人組ユニットを組んで本名の柴田くに子名義で活動しており、90年代に入ってから森丘祥子に改名してソロ・デビュー。この「夢で逢えたら」を含む同名のセカンド・アルバムは “おかえりなさい、あの頃の POPS たち” というコンセプトに基づいて70年代 J-POP の名曲をカヴァーしたもので、大貫妙子、アン・ルイス、石川セリ、EPO といった女性シンガーの曲からシーナ&ロケッツや YMO に至るまで、当時を知る者にとってはたまらない選曲だ。元アイドルだけあってルックスも抜群やし、艶やかで透明感溢れる歌声も私の大好きな癒し系でたまりませんわ(^.^)
 ということで早速 CD を買ってきたのだが、いざ聴いてみると自分が期待していたサウンドとはかなり違う。一言で言うと過剰にエコーのかかった軽佻浮薄な打ち込み系デジタルサウンドが彼女の歌声以上に目立っており、サバービアだか何だか知らないが、せっかくの美メロ美声が台無し。これではまるでハエや蚊である。うるさいったらないのだ(>_<)
 プロデュースはピチカート・ファイヴの小西康陽。その筋ではかなりの数の信者がいる著名な DJ 兼プロデューサーだが、私に言わせれば過大評価も甚だしい。ハッキリ言って私はこの人の単調で押しつけがましい音作りが大の苦手。例えるならソースを多用して素材本来の持ち味を殺してしまう三流フレンチ・シェフみたいなもんで、プロデューサーが歌手より出しゃばってどないすんねん!と思ってしまう。ちょうどジャズの CD を買ってライナーノーツが岩波洋三だったら損した気分になるように(笑)、J-POP の CD を買ってプロデュースが小西康陽だったらガッカリというぐらいこの人の作る音は好きになれない。
 そういうわけで森丘祥子の作品というよりも小西康陽の作品という印象の強いこの CD は普通なら即刻中古盤屋へ売り飛ばすところだが、それでも手元に置いているのはやはり彼女の艶やかな歌声と「夢逢え」という名曲の魅力によるところが大きい。ただし、さすがに全編通して聴く気にはなれず、比較的小西色の薄い②「突然の贈り物」、④「ムーンライト・サーファー」、⑥「ユー・メイ・ドリーム」、⑩「トゥインクル・クリスマス」といったトラックをつまみ聴きしている。YMO の「ライディーン」に歌詞を付けた珍品⑦はサウンド・プロダクションはイマイチだが、彼女のヴォーカル・パートは絶品だ。もしもこのアルバムを大瀧詠一や山下達郎のような人がプロデュースしていたら J-POP 女性ヴォーカルの大名盤になっていたのではないかと思ってしまうが、いずれにせよ、こんなに素敵な女性シンガーがその後フェイドアウトしてしまったのは本当に残念なことだ。
森丘祥子 / Rydeen (1991)


 タイトル曲「夢で逢えたら」はアルバムの最初①と最後⑪に入っており、①は打ち込み系サウンドをバックに彼女の語りのパートが淡々と流れるというワケの分からんリミックス・ヴァージョン。まともなシングル・ヴァージョンは⑪の方で、女性らしい優しさに溢れた彼女の伸びやかな歌声は私をひきつけてやまない。シリア・ポールといい、この森丘祥子嬢といい、「夢逢え」にはキュートな女性ヴォーカルが一番合うようで、オーヴァープロデュースのマイナス分を差し引いても、数多いこの曲のカヴァーの中で三指に入る愛聴ヴァージョンになっている。
森丘祥子 夢で逢えたら


 尚、このアルバムですっかり彼女の歌声に魅せられた私はファースト・アルバムの「Pink & Blue」も購入したのだが、そっちの方は小西某が関わっていないこともあって彼女の魅力を巧く引き出す絶妙な音作りがなされており、セカンド・アルバムよりも遥かに聴きやすい。中でもユーミンのカヴァー「冷たい雨」が絶品で、“ドン ドドン♪” と鳴り響くイントロは「ビー・マイ・ベイビー」そのまんまやし、お約束のカスタネット連打もあるしで、スペクター・サウンドへの傾倒を強く感じさせており、恐らくそれがセカンド・アルバムへの伏線になっていると思われるが、決定的な違いはそういったアレンジが決して彼女の歌の邪魔をせずにむしろその魅力を巧く引き立てているところ。興味のある方は上の音源と聴き比べてみて下さいな。
Shoko Morioka
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Reimaginator / Rock Sugar

2012-07-19 | Cover Songs
 この1ヶ月ほど YouTube で見つけた色んな面白マッシュアップ作品を紹介してきたが、私はこの手のネタが昔から人一倍大好きで、当ブログでもオリジナル音源を使用した純正マッシュアップだけでなく、ビータリカやメタル・エルヴィス、演歌メタルといった “マッシュアップ・カヴァー” 作品を率先して紹介してきたものだ。そこでついでと言っては何だが、折角の機会なのでマッシュアップ祭りのスピンオフ的な1枚として、ロック・シュガーというバンドの「リイマジネイター」(←中々意味深なタイトルやね...)を取り上げようと思う。
 2010年にリリースされたこのアルバムは一言で言ってしまえばメタル・エルヴィスや演歌メタルの “80's洋楽版”。全13曲すべて有名なヘビメタ・スタンダード曲と80年代のトップ40ヒットを融合させてあるのだから、私のような “メタル好きの80's洋楽ファン” にとってはどの曲を聴いてもニヤリとさせられる仕掛けが満載の、実に楽しい1枚なのだ。逆に80's にもメタルにも全く興味が無いという人にとっては一体何が面白いのかさっぱりワカランということになるのだが...(>_<)
 たとえば①の「ドント・ストップ・ザ・ビリーヴィン」、イントロで炸裂するゴリゴリのギター・リフはまごうことなきメタリカの「エンター・サンドマン」なのだが、それに続いて聞こえてくるヴォーカルはジェイムズ・ヘッドフィールドの低音ダミ声ではなくスティーヴ・ペリーそっくりの高音シャウト...(゜o゜) ヴォーカル・パートに入る前に確信犯的に “Oh yeah!” とジェイムズばりの雄叫びを上げるところが笑えるし、ジャーニーから再びメタリカへと移行するところなんかも実に自然な感じになっており、“おぉそうきたか...” と思わず唸ってしまうような遊び心溢れるアレンジが80's 好きには楽しくってしようがない。⑫でもジャーニーの曲を取り上げているところを見るとヴォーカルのジェス・ハーネルはスティーヴ・ペリー・ネタが得意なのだろう。
ROCK SUGAR-Don't Stop The Sandman


 他のトラックも大体こんな感じなのだが、曲のタイトルを見ただけで80's洋楽ファンなら元ネタが何なのか大体分かる仕掛けになっているのが楽しい(^o^)丿
①Don't Stop The Sandman
 【Metallica「Enter Sadman」+Journey「Don't Stop Believin'」】
②We Will Kickstart Your Rhapsody
 【Queen「Bohemian Rhapsody」+Queen「We Will Rock You」+Motley Crue「Kickstart My Heart」】
③Crazy Girl
 【Ozzy Osbourne「Crazy Train」+Rick Springfield「Jessie's Girl」】
④Voices In The Jungle
 【Guns 'n' Roses「Welcome To The Jungle」+Til Tuesday「Voices Carry」】
⑤Here Comes The Fool You Wanted
 【Bon Jovi「Wanted Dead Or Alive」+Cinderella「Nobody's Fool」+Eurythmics「Here Comes The Rain Again」】
⑥Shook Me Like A Prayer
 【AC/DC「You Shook Me All Night Long」+Madonna「Like A Prayer」】
⑦Straight To Rock City
 【Kiss「Detroit Rock City」+Paula Abdul「Straight Up」】
⑧Prayin' For A Sweet Weekend
 【Bon Jovi「Livin' On A Prayer」+Loverboy「Working For The Weekend」+Guns 'n' Roses「Sweet Child O' Mine」】
⑨Heaven And Heaven
 【Bryan Adams「Heaven」+Warrant「Heaven」】
⑩Breakin' The Love
 【Judas Priest「Breakin' The Law」+10CC「I'm Not In Love」】
⑪I Love Sugar On Me
 【Def Leppard「Pour Some Sugar On Me」+Joan Jett & The Blackhearts「I Love Rock 'n' Roll」】
⑫Round And Separated
 【Ratt「Round And Round」+Journey「Separate Ways」】
⑬Dreaming Of A Whole Lotta Breakfast
 【Aerosmith「Dream On」+Supertramp「Breakfast In America」+Led Zeppelin「Whole Lotta Love」+Led Zeppelin「Stairway To Heaven」】

 これを見れば分かるように、マドンナ、ポーラ・アブドゥル、ユーリズミックス、ティル・チューズデイ(←懐かしい!!!)から何とスーパートランプに至るまで、メタルだけに限定しない幅広い選曲も実にユニークで、そういったポップ・ソングが絶妙なアレンジと極上のサウンド・プロダクションによってバリバリのロックに生まれ変わっているところがこのアルバムの大きな魅力になっている。
Rock Sugar - Straight to Rock City

Rock Sugar - Shook Me Like A Prayer


 このようにどの曲もツッコミどころ満載で大いに楽しめるのだが、個人的に特にツボだったのが③で、ランディー・ローズの名リフに続いて「ジェシーズ・ガール」が飛び出してくるところがたまらない(≧▽≦) そしてアルバム中で一番気に入っているのが⑩。パワフルなジューダス・プリーストとメロディアスな10CCを融合することによって両者の長所が巧く引き出され、その相乗効果で実にカッコ良いキラー・チューンに仕上がっているのだ。このトラックは正直言って聴く前にはあんまり期待してなかっただけにその衝撃性も大きかった。
Crazy Girl - Rock Sugar

Rock Sugar - Breakin' The Love


 他にもクイーンの万華鏡のようなコーラス・ワークを見事に再現した②とか、入魂のハードロック絵巻⑬とか、単なる “ネタ・バンドによるお遊び的アルバム” というレベルを遥かに超越した完成度の高さを誇るこのCD、残念ながら版権の問題で現在は廃盤になっており、米アマゾンやイーベイではプレミアが付いて $60以上で取り引きされているようだが、YouTube にほぼ全曲がアップされているので、興味のある方は消される前にチェックしてみて下さいな(^.^)
Rock Sugar - We Will Kickstart Your Rhapsody

Rock Sugar - Dreaming of a Whole Lotta Breakfast

傑作マッシュアップ特集10 ~もっとビートルズ!~

2012-07-15 | Mashup
 何やかんやであっという間に10回目を迎えたマッシュアップ祭りもいよいよ最終回。今日はソロ作品も含めたビートルズ・ネタ怒涛の大放出です(^.^)

①「Imagine」+「Jump」(Van Halen)
 数多いビートルズ・マッシュアップの中でも珍品中の珍品がコレ。いつもは野放図に暴れ回っている感の強いデイヴ・リー・ロスが “借りてきた猫状態” で神妙に聞こえるところが面白い。「イマジン」のピアノがいつにも増してスピリチュアルに響く。
Imagine a jump (Lennon - Van Halen)


②「Fool On The Hill」+「Dear Prudence」+「Crazy Little Thing Called Love」(Queen)
 イントロでジョンの “ディア プルーデンス~♪” という歌声にブライアン・メイのクリスプなギターがかぶさり、そこへ高速化されたポールの「フール・オン・ザ・ヒル」がスルスルと滑り込んでくる瞬間がたまらんたまらん(≧▽≦) その後の一気に畳み掛けるような展開も圧巻だ。
Queen/The Beatles (mashup) - Crazy Little Fool


③「Isn't It A Pity」+「I Want You Back」(Jackson 5)
 ジョージのソロ作品なら「マイ・スウィート・ロード」か「セット・オン・ユー」あたりを引っ張り出してきそうなものだが、あえて「イズント・イット・ア・ピティ」というマイナーな曲に目を付けた渋~い選曲といい、ジョージとマイコーの二人に “I want you back!” と呼びかけているかのような粋な構成といい、ウォール・オブ・サウンドを踏襲した過剰なまでのエコー処理といい、まさに haunting という形容詞がピッタリの名作だ。二人も草葉の陰で(そしてスペクターは塀の中で...)喜んでいるに違いない。
I want you back - Isn't it a pity


④「Tomorrow Never Knows」+「You Only Live Twice」(Nancy Sinatra)
 ビートルズ・ナンバーの中でも “サイケデリック・サウンドの極北” といえる「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」を、あろうことかナンシー・シナトラの「ユー・オンリー・リヴ・トゥワイス」と合わせてしまうチカラワザにはもう平伏すしかない。ジェームズ・ボンドもビックリの摩訶不思議なサウンドだ。
You only live tomorrow


⑤「Hey Jude」+「I'll Be There」(Jackson 5)
 マッシュアップは異なった曲のメロディーやリズムを巧く組み合わせるだけでも大変なのに、それに加えて歌詞の面でも整合性を持たせるとなるとこれはもう至難の業だ。この作品はその難題を見事にクリアし、「ヘイ・ジュード」と「アイル・ビー・ゼア」というポップス界を代表する “励まし系ソング” を合体させるというアイデアを絶妙な編集テクニックで見事に結実させている。特にポールとマイコーの歌声が交差する瞬間は鳥肌モノだ。
MashUp Germany - Hey Jude, Ill Be There [Mash Mob]


⑥「All My Loving」+「Take On Me」(A-ha)
 かの有名な「テイク・オン・ミー」のイントロに続いて “クロージュラァ~イズ♪” とポールが歌い出すところでまずイスから転げ落ちる。このおバカさ加減を広~い心で楽めるようになれば立派なマッシュアップ中毒(?)だ。堅いことを言わずに、いかにも80'sなシンセのリフや打ち込みのリズムと初期ビートルズ・サウンドの邂逅を楽しみましょ。
Take All My Loving - A-Ha vs The Beatles mashup


⑦「Yesterday Revisited」
 特集の最後はビートルズを代表するバラッドの名作「イエスタデイ」からポールのヴォーカルだけを抽出し、アップテンポな伴奏と快活なハンドクラッピングを加えてジャジーに仕上げた職人さんのオリジナル作品でシメるとしよう。「イエスタデイ・リヴィジッティド」というタイトルも秀逸だ。ノリノリでスイングするポールの「イエスタデイ」が聴けるなんて、ホンマにマッシュアップの面白さは尽きませんな(^o^)丿
Yesterday (Paul McCartney) jazzy style
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傑作マッシュアップ特集9 ~ビートルズ七変化~

2012-07-11 | Mashup
 マッシュアップ祭りのシメはやっぱりビートルズ! “ビートルズに始まり、ビートルズに終わる” のがこのブログのポリシーだ。ということで今回はプログレ、ハードロック、フォークロックからブラコン、ラップ、グランジ、テケテケに至るまで、様々なジャンルの音楽とのマッシュアップを通してビートルズ・ミュージックの懐の深さをじっくりと味わって下さいな。もちろん “心の広~いビートルズ・ファン限定” というのは言うまでもありません(笑)

①「A Day In The Life」+「Wish You Were Here」(Pink Floyd)
 マッシュアップ作品は笑わせてくれてナンボと思っていたが、コレを聴いてそんな考えは木端微塵に吹っ飛んだ。ゆったりしたテンポで歌いかけるジョンのヴォーカルが完全にピンク・フロイドの世界と一体化しており、単なる名曲マッシュアップから一大叙情派プログレ絵巻へと昇華されているのが凄い。 “あなたがここにいてほしい”... すべてのビートルズ・ファンのジョンへの想いが集約されたこのフレーズとジョンの歌声が交差する瞬間が最大の聴き所だと思う。
Wish You Were Here/ A day in the life - Pink Floyd & feat John Lennon


②「Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band」+「Highway Star」(Deep Purple)
 前回のビートルズ特集で「サージェント・ペパーズ」とガンズの「パラダイス・シティ」とのマッシュアップを取り上げたが、今回はディープ・パープルの名曲「ハイウェイ・スター」でコレがまたピッタリとハマっているのだからたまらない。どうやら「ペパーズ」はハードロックとの相性が抜群のようだ。欲を言えばリッチーのソロとポールのシャウトが絡み合うフル・ヴァージョンが聴きたいな...
SGT PEPPER'S HIGHWAY STAR


③「Nowhere Man」+「Turn Turn Turn」(The Byrds)
 ジョージ・ハリスンの影響を強く受けたロジャー・マッギンの12弦ギター・サウンドをバックにジョンが歌う「ノーウェア・マン」... 実に粋なマッシュアップではないか! それにしてもビートルズとバーズってめっちゃ合いますな。この職人さんのセンスと技術があれば「ミスター・タンブリンマン」や「マイ・バック・ペイジズ」、「エイト・マイルズ・ハイ」あたりと「ラバーソウル」や「リヴォルヴァー」収録曲との組み合わせでまだまだ面白い作品が作れそうだ。
The Byrds vs. The Beatles- Nowhere To Turn


④「Day Tripper」+「The Way You Make Me Feel」(Michael Jackson)
 最初聴いた時は “何じゃいコレは?” と思ったが、何度も聴いているうちにこの微妙なズレ具合が快感に変わってきて(笑)、今では結構気に入って聴いている。クセのある味付けが病み付きになる料理みたいなモンか...(^.^)  ただ、尻切れトンボみたいなエンディングが玉にキズで、せっかくこんなにユニークなコンセプトの作品なんやから、もっと丁寧に仕上げればよかったのにと思ってしまう。
The BEATLES Michael Jackson mix-up mash-up


⑤「Paperback Writer」+「Wild Thing」(Tone Loc)
 私はラップというジャンルに興味はないが、トーン・ロックだけはなぜか好きで、1989年にこの「ワイルド・シング」が全米2位になった時もめっちゃ気に入って聴きまくったものだった。そんな「ワイルド・シング」のビートで強化されたこの「ペイパーバック・ライター」、キラー・リフとパワフルなビート、そしてヘヴィーなリズムによって換骨奪胎された重心の低いサウンドが実に面白い。
Beatles - Paper Back writer vs Tone loc - Wild Thing Mashup


⑥「Eleanor Rigby」+「Smells Like Teen Spirit」(Nirvana)
 私は “80's最高! 90's最低!” という信念を持った頑固一徹なポップス・ファンで、90年代を歪めた諸悪の根源はニルヴァーナだと思っているグランジ・ロック大嫌い人間なのだが、このマッシュアップはカート・コバーンのヴォーカルだけを抽出して「エリナー・リグビー」の切っ先鋭い辛口ストリングスで浄化することによって聴くに値する作品へと生まれ変わっている。ビートルズは偉大なり(≧▽≦)
Smells Like Eleanor Rigby (Beatles ? Nirvana)


⑦「Taxman」+「The Original 1966 Batman Theme」+「Wipeout」(Safaris)
 「バットマンのテーマ」には様々なスタイルの演奏による色んなヴァージョンが存在するが、私が一番好きなのは “シンプル・イズ・ベスト” を地で行くようなこの1966年のTVオリジナル・ヴァージョン。そんなエレキ・インスト・サウンドとアグレッシヴなギターが聴き物の「タックスマン」とを組み合わせるという斬新なアイデア、「バットマン」に「タックスマン」を引っ掛けたコトバの遊び心、そして「ワイプアウト」をつなぎに使うという柔軟な発想と、職人さんのセンスの良さが際立つ傑作だ。
"Jaws of the Joker" - Batman vs. Taxman

傑作マッシュアップ特集8 ~マイケル五番勝負!~

2012-07-08 | Mashup
 私がここのところハマっているマッシュアップの元ネタとしては、クイーンの「ウィー・ウィル・ロック・ユー」、レイ・パーカーJrの「ゴーストバスターズ」、AC/DC の「バック・イン・ブラック」、吉幾三の「おら東京さ行ぐだ」(笑)なんかが人気素材だが、アーティストでは何と言ってもマイケル・ジャクソンとビートルズが群を抜いている。
 ということで “マッシュアップ祭り” のトリはこの2大アーティストでいきたいと思うのだが、まずはマイケル・ジャクソンから。「ビリー・ジーン」と「ビート・イット」はこれまで何度か取り上げているので、今日はその2曲以外を使った名作の数々を一気聴き... 題して “マイケル5番勝負” です(^.^)

①「Scream」+「Enter Sandman」(Metallica)
 数あるマイコー絡みのマッシュアップの中でも一番気に入っているのがコレ。メタリカの「エンター・サンドマン」のキラー・リフに乗ってマイコーの力強いヴォーカルが炸裂する瞬間なんかもうゾクゾクさせられるし、小気味よいテンポで切り替わる映像編集もめっちゃ面白くって一瞬たりとも画面から目が離せない。Wax Audio の「Full Metal Jackson」(←このタイトル最高!)でも感じたことだが、マイコーの歌声ってヘビメタとめっちゃ合うんよね。
Michael Jackson vs Metallica - Sandman's Scream (Electrosound Mashup Mix)


②「Bad」+「Get It On」(T.Rex)
 マイケル・T・レクソン??? の「バッド・イット・オン」て... ナメとんのか!(笑) これを YouTube で初めて見た時はその音と映像のマッチングに大笑いしてしまった(^o^)丿 いやぁ~マッシュアップってホンマにオモロイですな。グラム・ロックのネチこいビートに乗って NY 地下鉄駅構内で歌い踊るマイコーの雄姿をお楽しみ下さいませ。
Michael T Rexon - bad it on (A Disfunction Mashup)


③「Black Or White」+「Little Sister」(Elvis Presley)
 「リトル・シスター」というエルヴィスの隠れ名曲に目を付け、それを「ブラック・オア・ホワイト」と組み合わせたこの作品、マイコーとエルヴィスが競演しているかのようなビデオ編集が秀逸で、時代を象徴するスーパースター2人の放つオーラに圧倒される。 “キング・オブ・ポップ” と “キング・オブ・ロックンロール” による “キング対決” は必見だ。
Elvis & Michael Jackson - Little sister - Black or white


④「Dirty Diana」+「Roxanne」(The Police)
 「ダーティー・ダイアナ」と「ロクサーヌ」を組み合わせたこのマッシュアップは中々凝った作りになっていて、両者のファンとしてはニヤリとさせられる。スティングのバックでバリバリ弾きまくるスティーヴ・スティーヴンスも面白いが、何と言っても2分48秒あたりからの、マイコーの歌声のバックでアンディ・サマーズの硬質でエッジの鋭いコード・カッティングが炸裂するところが鳥肌モノだ(^o^)丿
Dirty Roxanne - The Police vs Michael Jackson (mashup by MadMixMustang)


⑤「Blood On The Dance Floor」+「Rhythm Nation」(Janet Jackson)
 「リズム・ネイション」をプロデュースしたジミー・ジャム&テリー・ルイスも「ブラッド・オン・ザ・ダンス・フロア」をプロデュースしたテディー・ライリーもミネアポリス・ファンク系のニュー・ジャック・スイングということでこの2曲の相性はバッチリ(o^-')b ラストをジャネットの “That's the end?”– “Edit!” の掛け声から「スクリーム」へと繋ぐところも巧いなぁ... (≧▽≦)
Janet & Michael Jackson - Rhythm Nation Blood On The Dance Floor (Remix)

傑作マッシュアップ特集7 ~初聴きアーティスト編~

2012-07-05 | Mashup
 マッシュアップというのは自分がよく知っている曲同士の意外な組み合わせを楽しむのが基本だと思うが、私は90年代以降の洋楽は全然知らないので半分以上が未知のアーティスト。こんな企画でもなければ一生聴くことはなかったかもしれない人達ばかりだ。ということで今回は “片方は知ってるけど、もう片方は今回の祭りで初めて聴いた曲” という組み合わせの中で特に気に入った5作品をご紹介。

①「Beat It」(Michael Jackson)+「Don't Cha」(Pussycat Dolls)
 “プッシーキャット・ドールズ” って何ちゅー恥ずかしい名前付けてるねん!と言いたくなるグループ名だが、ルイス・ハミルトンのガールフレンドがリード・ヴォーカルをやってるとは知らんかった...(>_<)  この「ドン・チャ」という曲は単品でも悪くはないが、「ビート・イット」と組み合わせることによって曲の魅力が何倍にも増している。ビデオ編集も文句なしの素晴らしさで、まさにマッシュアップ効果てきめんというべき逸品だ。
Pussycat Dolls vs. Michael Jackson - Don`t Cha Wanna Beat It (Aggrol & Flanagan mash-up)


②「Thriller」(Michael Jackson)+「Bootylicious」(Destiny's Child)
 知らないアーティストに関しては一応ネットで調べてから書こうと思いウィキペディアで検索してみると、このデスティニーズ・チャイルドは “世界で最も知られているガールズ・グループ” とのこと。私は全然知らんかったけど...(>_<) ビヨンセがこのグループのメンバーだったというのも初めて知った。勉強になるなぁ...(笑) 私見だが、スティーヴィー・ニックスの「エッジ・オブ・セヴンティーン」をサンプリングした原曲の「ブーティリシャス」よりもこの「スリラー」とのマッシュアップの方が断然合っているように思う。
Michael Jackson Vs Destinys Child - Bootylicious Thriller - Mash-Up


③「Don't Bring Me Down」(ELO)+「Get Over You」(Sophie Ellis-Bextor)
 ELO の「ディスカバリー」は高校時代に聴き狂ったアルバムで、中でも断トツに好きだったのがこの「ドント・ブリング・ミー・ダウン」。そんな超愛聴曲とソフィー・エリス・ベクスター(←なんかポルシェのオープンカーみたいな名前やね...)の「ゲット・オーヴァー・ユー」という曲を絶妙に組み合わせたのがこの作品。8ビートの名手ベヴ・べヴァンが生み出すドラムのグルーヴが最高に気持ち良く、平板だった原曲が見違えるぐらいカッコ良いナンバーに変身している。この職人さん、ホンマにエエ仕事してますなぁ... (≧▽≦)
MASH UP - DON'T BRING ME DOWN THE WALL


④「Rebel Rebel」(David Bowie)+「Pumping On Your Stereo」(Supergrass)
 グラム・ロック時代のデヴィッド・ボウイは退廃的でかったるいサウンドがどうも苦手なのだが、この「レベル・レベル」はストーンズみたいなグルーヴを生み出すギター・リフがカッコ良くてめっちゃ好き(^o^)丿 そんな名リフを巧く使ったこの作品、スーパーグラスというバンドの「パンピング・オン・ユア・ステレオ」という曲がまるで「レベル・レベル」のリフに合うように作られたかのように違和感なく一体化しているところが凄い。この2曲の組み合わせを思いついたのは職人さんの慧眼と言うべきだろう。
The Reborn Identity - Supergrass vs David Bowie - Rebel Stereo (mashup)


⑤「Somebody To Love」(Jefferson Airplane)+「Praise You」(Fatboy Slim)
 ウィキペディアによると、ファットボーイ・スリムというのは “主にテクノ・ハウス方面の第一人者として活躍しているイギリスの DJ ノーマン・クックのアーティスト名” とのことで、原曲は私にはテクノ・ハウス色が強すぎてちょっとついていけないが、グレース・スリック姐さんが歌う「サムバディー・トゥ・ラヴ」と合わせると不思議なくらいしっくりくるのだからマッシュアップは面白い。 “素材に国境なし” と喝破したのは鉄人・道場六三郎だが、まさに “マッシュアップ素材にジャンルの壁なし” と思わせる作品だ。
Jefferson Airplane vs. Fatboy Slim - Somebody To Praise (lobsterdust mashup)

傑作マッシュアップ特集6 ~隠れ名作編~

2012-07-03 | Mashup
 2~3回ぐらいのつもりで始めたこの “マッシュアップ祭り” だが、やればやるほど面白くなってきて、とうとう今日で6回目。まぁ楽しかったらそれでエエやんと考えているのでいつものように気のすむまでやったろうと思っている(笑) ということでまだまだ続くこの特集、今日はあまり目立たないけど結構エエ線いってる “隠れ名作編” だ。

①「Gimme Gimme Gimme」(ABBA)+「Gimme All Your Lovin'」(ZZ Top)
 アバの「ギミー・ギミー・ギミー」をタイトルに引っ掛けて何と ZZトップの「ギミー・オール・ユア・ラヴィン」と合成してしまったのがコレ。そんなん合うワケないやんと思って聴くとめちゃくちゃ合っててビックリ(゜o゜)  マドンナの「ハング・アップ」といい、ヴァン・ヘイレンとの「スーパー・ジャンパー」といい、アバってサンプリング・ネタとしても秀逸なのだろう。カヴァー・アートもケッサクだ。
ABBA vs ZZ TOP- GIMME GIMME GIMME [ALL YOUR LOVIN ]-Mustang mash up-video edit


②「Children Of The Revolution」(T.Rex)+「We Will Rock You」(Queen)
 またまた出ましたクイーンの「ウィー・ウィル・ロック・ユー」。「ゴーストバスターズ」や「ビリー・ジーン」と並んで人気マッシュアップ・ネタのトップ3という感じなのだが、T.レックスとの相性も抜群で、まるで両バンドが共演しているかのような自然な仕上がりだ。
Queen vs T. Rex - We Will Rock The Revolution (Mash-up by PiotreQ)


③「Relax」(Frankie Goes To Hollywood)+「Overkill」(Motorhead)
 1984年にイギリスで大ヒットしたフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドのデビュー・シングル「リラックス」は何かナヨナヨしていて(←ホモやからしゃあないけど...)イマイチ好きになれなかったが、硬派ロッカーの代表格であるモーターヘッドのアグレッシヴなサウンドと組み合わせることによって大きくパワーアップ! こんなカッコ良いフランキー初めて聴いたわ(≧▽≦)
Frankie Goes To Hollywood vs Motorhead :: mashup by MadMixMustang


④「Fever」(Peggy Lee)+「Passenger」(Iggy Pop)
 ついにペギー・リーまで駆り出されたか... という感じなのだが、合うはずのないイギー・ポップとめっちゃ合ってるのが凄い...これを思いついた人、マジで天才やね。
Peggy Lee Vs Iggy Pop - Passenger Fever.


⑤「With Or Without You」(U2)+「Under Pressure」(Queen & David Bowie)
 とてもマッシュアップとは思えない驚異の一体感... これはもう職人さんのセンスと技術に脱帽するしかない大傑作だ。
MASHUP - U2 vs Queen

傑作マッシュアップ特集5 ~Wax Audio編~

2012-07-01 | Mashup
 YouTube 上では様々なマッシュアップ職人たちが腕を競っているが、そんな中で一番気に入ったのがオーストラリアの Wax Audio というグループによるもので、選曲の妙といい、その完成度の高さといい、文句なしに素晴らしい。ということで、今日は「Wax Audio編」をどーぞ(^.^)

①「Thunderstruck」(AC/DC)+「Ghostbusters」(Ray Parker Jr.)
 ハードロックのリフはほとんどすべて AC/DC に集約されると言っても過言ではないが、彼らのリフの汎用性はジャンルの枠を飛び越えてこんな曲にもバッチリ合ってしまう。まぁ「ゴーストバスターズ」自体、元ネタがヒューイ・ルイスの「アイ・ウォント・ア・ニュー・ドラッグ」やから同じロック系ということで合うのも当然か...
Thunder Busters (AC/DC vs Ghostbusters Mashup) by Wax Audio


②「Careless Whisper」(George Michael)+「Rebel Yell」(Billy Idol)
 80'sポップスを代表するバラッド「ケアレス・ウィスパー」を高速化して何とビリー・アイドルの「レベル・イエル」と合わせてしまうなんてもう面白すぎ! コレがまたコワイぐらいにぴったりハマってノリノリのロックンロールに変身しているのだから痛快そのものだ。マッシュアップは楽しーなったら楽しーな(^o^)丿
Careless Rebel (George Michael + Billy Idol Mashup by Wax Audio)


③「Panama」(Van Halen)+「Beat It」(Michael Jackson)
 この作品は何といっても映像が面白い。マイコーとエディーがクルクル回るわ、ジャクソンズのダラス公演にエディーが飛び入りした時のお宝映像が見れるわ、全編を通してマイコーのダンスとデイヴの大暴れが見れるわで、とにかく目が離せない。マイコーとヴァン・ヘイレンという “絵になる” アーティストの共演は見所が満載だ。
Panama Beat (Van Halen + Michael Jackson Mashup by Wax Audio)


④「Stayin' Alive」(Bee Gees)+「Another Brick In The Wall」(Pink Floyd)
 軽薄短小ディスコのビージーズと重厚長大プログレのピンク・フロイドって、ほとんどあり得へん組み合わせ... ホンマにもう何が何だかわかんなくなってきたが、めちゃくちゃ合ってて超オモロイんですわ(^o^)
Stayin' Alive In The Wall #Pink Floyd vs Bee Gees Mashup# by Wax Audio


⑤「Superstition」(Stevie Wonder)+「Sad But True」(Metallica)
 あの「迷信」がタメの効いた重量感溢れるドラムスを得てグルーヴィーなヘビメタ・ナンバーへと変身! モーグ・シンセサイザーの代わりにゴリゴリのギターが炸裂するのも面白い。スティーヴィーの “Sad is my song♪” というフレーズに呼応するかのようにジェームズの “Sad but true♪” という雄叫びを挿入するあたりも巧いなぁ...
Sad But Superstitious (Stevie Wonder vs Metallica Mashup by Wax Audio)