shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Highway X / B'z

2022-08-13 | B'z
 このお盆はコロナがヤバいのでステイホームを決め込むつもりだったが、そんな中で唯一のお出かけ予定が B'zの LIVE-GYM 2022 –Highway X- ツアーのライブビューイングだった。火曜日にアマゾンから新作が届いてテンション爆上がりで明日のライブをそれこそ指折り数えて楽しみにしていたのだが、昨夜遅くに公式サイトから公演延期の発表があって大ショック(>_<)  それも稲葉さんがコロナ陽性の疑いというのだからこれはえらいこっちゃである。
 B'zの看板ヴォーカリストとして日本中をツアーしながらマスクなしで歌い続け、しかもステージを所狭しと走り回ってアスリート顔負けの全力パフォーマンスを見せてくれる稲葉さんの呼吸量はハンパないだろうからコロナに羅患する確率はどうしても高くなってしまうのだろう。それにしてもツアー・ファイナル2公演を残しての離脱は、人一倍プロ意識が高くてストイックに体調管理されているご本人が一番ショックだったろうし、確か喘息をお持ちだったと思うので、そういう意味でもファンとしては非常に心配である。日本の至宝と言うべきヴォーカリストなのだから、ここはじっくりと療養して是非また元気な姿を我々ファンに見せてほしいと思う。とりあえずこのお盆休みは手持ちのブルーレイでも観ながら渇きを癒すとしよう。
【B’z】B’z LIVE-GYM -At Your Home- DIGEST


 ということで、当初はライブビューイングの感想をブログに書こうと思っていたのだが、急遽予定を変更して新作「Highway X」のレビューをすることにした。前作「NEW LOVE」から3年ぶり、コロナ禍の真っただ中にリリースされた INABA/SALASの「Maximum Huavo」からも2年以上の月日が経っており、満を持してのリリースという感じだ。アルバム全体を通してまず気が付いたのは、コロナ禍の影響が歌詞に色濃く反映されていることで、聴く人を勇気づけるような内容の歌が多いように思う。そういう意味では世相を反映したというか、一昨年の「5 ERAS」、そして昨年の「UNITE」と、ライヴでその真骨頂を見せるB'zがコロナ禍をファンとともに乗り越えてきた足跡が刻まれた内容と言える。
 サウンド面ではサポメンを一新してグルーヴィーな色合いを強めており、アレンジ面でも随所に工夫や遊び心が見られるが、太~い根っこの部分は不動不変のクラシック・ロックで、ゼップやパープル、AC/DCといった王道ハードロックのフォーマットから外れることなく安心安定のB'zワールドを展開しているのが何よりも嬉しい。
 まずはアルバム冒頭を飾る①「SLEEPLESS」、これがもうめちゃくちゃカッコ良い(^o^)丿 無音状態からいきなり空気を切り裂くように鳴り響くエッジの効いたギターはゼップの「Kashmir」を想い起こさせるし、そこからオリビアの「Jolene」のギターをヘヴィーにしたような高速リフ攻撃で一気にたたみかけるスリリングな展開がたまらんたまらん(≧▽≦) 稲葉さんが得意とする言葉の速射砲もバックのサウンドと一体化して、まさにこれぞB'z!という感じ。トドメは松本さんの歌心溢れるギター・ソロでB'zらしさの刻印を押すという、1曲目からこちらの期待の遥か上を行くスーパー・ウルトラ・キラー・チューンが炸裂だ。
B'z / SLEEPLESS


 このアルバムの中でも①と並ぶ超愛聴曲が⑩「UNITE」だ。この曲は去年ミスチルやグレイとの夢の共演を果たしたライヴの時に初めて披露されたものだが、更にアレンジを煮詰めて今回のアルバム用に仕上げられている。パープルの「Black Night」を裏返しにしたようなリフは思わず一緒に口ずさめる親しみやすさで、今後のライヴでもめちゃくちゃ盛り上がること間違いなしの神曲だ。B'zの凄いところはゼップやパープルといった70'sハードロックのエッセンスを換骨奪胎して自家薬籠中のものとし、そこに昭和の邦楽っぽい味付けをしてザ・ワン・アンド・オンリーなB'zのロックに昇華させていることで、私にとって今現在の音楽界でこれほどキャッチーで心にビンビン響くロックを聴かせてくれるアーティストは世界中どこを探してもB'zをおいて他にはいないのだ。
B’z “UNITE” TEASER


 昭和の邦楽、つまり私の世代の日本人が聴いて育った昭和歌謡的なDNAを色濃く感じさせてくれるのが③「COMEBACK -愛しき破片-」だ。彼らのアルバムの中でも一二を争うくらい愛聴している名盤「MAGIC」の流れをくむ名曲で、特にジュリーの「勝手にしやがれ」を想わせる稲葉さんの “アァ~♪” は “あの時代” に育った者にとっては涙ちょちょぎれること必至のフレーズだろう。それにしても今のこの時代にこんな濃い曲をサラッと作っちゃうなんて、松本さんってホンマに昭和歌謡が好きなんやなぁ...
B'z / COMEBACK -愛しき破片-


 ノリがハンパない⑧「リヴ」も大好きなトラックだ。レニー・クラビッツへのリスペクトを前面に押し出したギター・リフが強烈なインパクトを残しながら爆裂しまくるわ、稲葉さんの絶好調ヴォーカルが縦横無尽に駆け回るわ、バンドが一体となって生み出すグルーヴが凄まじい勢いで迫ってくるわで、聴いてて思わず身体が揺れてしまうこと間違いなしのロック魂溢れるナンバーだ。
B'z / リヴ


 2年前の「SHOWCASE 2020 -5 ERAS-」で初お披露目された④「YES YES YES」はどこかはっちゃけた雰囲気を持った、B'zにしか作れないようなファンキーな曲。何度も繰り返し聴くうちにすっかりハマってしまう中毒性を持ったナンバーで、“市中引き回し”“はりつけ獄門” といった時代劇フレーズが飛び出す歌詞が実にユニークだ。サビの “ママの言葉思い出そう~♪” というフレーズを聞いて思わずスプリームスの「You Can't Hurry Love」を思い出してしまうのは私だけかな?
B'z 【YES YES YES】


 ②「Hard Rain Love」は昔のB'zを想い起こさせるようなポップなナンバーで、21世紀版「お出かけしましょ」という感じ。いつも思うことだがB'zってホンマにホーン・セクションの使い方が上手いなぁ。アルバムタイトル曲⑤「Highway X」はAC/DCの「Hells Bells」への松本さん流オマージュだろう。後半「Real Thing Shakes」がチラチラ見え隠れするのにはクッソワロタ(^.^) ラストの⑪「You Are My Best」は「Ocean」や「永遠の翼」路線のスロー・ナンバー。良く言えば安心安定の、悪く言えばワンパターンな展開なのだが、いかにもB'zらしいバラッドという意味ではアルバムのクロージング曲として相応しい1曲だと思う。
 とまぁこのように今回もまた期待を裏切らない素晴らしい出来のアルバムを届けてくれたB'z。「LOVE PHANTOM」で衝撃を受けて以来かれこれ30年近く彼らの音楽を聴いてきたが、これだけクオリティーの高い作品を出し続けるってホンマにすごいことだと思うし、この分だとまだまだ楽しませてくれそうだ。彼らに終わりはないんじゃないかな。
 尚、付属しているDVDには今回のツアー前半のステージからこの新作中6曲のステージ・パフォーマンスを収録したもので、サポメンのプレイも含めてどの曲も抜群にカッコ良くて大満足(^o^)丿 多分今回延期になった横浜公演を映像化してブルーレイ発売する予定だったのではと思うが、とにかくどの公演のものでもいいので今回のツアーのフル・ショウ版を映像化してほしいと思わせるほどクオリティーの高いパフォーマンスだ。
【LIVE-GYM】B'z LIVE-GYM 2022 - Highway X - New Touring Members【サポートメンバー】


 それともう一つ、今回はタイアップ・ヴァージョンやライヴ音源を収録したカセットテープが付属しているのだが、正直言って “何でカセットなん?” と思わざるを得ない。私は隣室で埃をかぶっていたナカミチのカセットデッキを引っ張り出してきてCDレコーダーに繋ぎ CD-Rに焼いて事なきを得たが、最初からCDにしといてくれたらこんな手間をかけずにすんだのにと思う。この “カセットテープ” というチョイスは大いなる謎なのだが、世間の動きに疎いというか全く興味が無いので今の流行りがよくわからない。ひょっとして令和のこの時代に再ブレイクでもしてるのかな???

B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-Day 1-5 Complete Box

2021-09-04 | B'z
 私が聴く音楽はその9割以上がビートルズを中心とする洋楽なのだが、日本人アーティストで新譜が出たら必ず買うのがB'zである。私は洋邦問わず1990年代以降の音楽は生理的に受け付けないので今の音楽シーンとは完全に絶縁状態。そんな中にあって唯一例外的に聴くのが彼らであり、私がこよなく愛する古き良きクラシック・ロックの伝統に則った “歌謡ロック” を聴かせてくれる貴重な存在なのだ。
 彼らの真骨頂はハードロック・バンドの王道と言えるライヴにあると思うのだが、このコロナ禍でツアーが行えなくなったこともあって、去年の11月に東京の Zepp Haneda で5週にわたって行われた無観客配信ライヴを敢行。その時の模様を完全収録したのがこの「B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-Day 1-5 Blu-ray Complete Box」だ。
 これまで何度か書いてきたように私は音楽であれ映像であれ “配信” という形態が嫌いで “どうせ半年もしたらブルーレイで出るやろ...” と余裕をかましていたのだが、ちょっと油断していた隙に予約受付が始まってしまい、気が付いた時には時すでに遅しで完全受注生産限定のボックス・セットが予約完売してしまっていたという大失態...(+_+) 藁にもすがる思いでアマゾンを見ると、転売ヤーどもが定価の3~4割増しで出品しておりブチギレ。3万円もするボックス・セットが即完売だなんてどうもおかしいと思っていたが、どうやらこいつらが買い占めていたようだ。このクサレ外道どもが!!! さすがに4万円も払う気にはなれないので私は泣く泣くこのボックス・セットを一旦諦めた。
 しかし待てば海路の日和ありとはよくぞ言ったもので、8月半ばにたまたまアマゾンで過去の閲覧商品を調べていた時にこの商品の値段が定価と同じになっているのを見つけてビックリ。どうやら強気な価格設定が仇になって値崩れを起こしたようで、慌てたアホバカ転売屋どもが必至で売り抜けを図っているところに偶然出くわしたのだ。う~ん、ラッキー! というわけでわたしはこのボックス・セットをほぼ定価で買うことが出来でまずはメデタシメデタシだった。
 ブツは先週の土曜に届いたのだが、宅急便のおっちゃんから箱を受け取ると異様に重くてビックリ。梱包を解いて中身を取り出すと、あの「Wing Over America」のスーパーデラックスエディションに負けないスーパーヘビー級で、予想以上のデカさにもビックリ。まるで分厚い卒業アルバムみたいな(笑)超堅牢なつくりのボックスセットになっている。ただ、見ようとするたびにいちいちこの巨大なディスクケースを開けるのは面倒くさいので、ディスクをすべて取り出して薄型のプラケースに移し替えた。これはボックスセットすべてに言えることだが、デカけりゃいいってものでもない... もうちょっと日常使いの利便性を考えてもらいたいものだ。
【開封動画】B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-のCOMPLETE BOXが規格外の大きさでマジでビビりました!!


 外箱に関してはこのように?マークを付けざるを得ないが、中身の方は文句の付けようのない素晴らしさ。彼らの代表曲を5つの時代(ERA)に分けた年代順のセットリストで5週連続して行われたスタジオ・ライヴなのだが、とにかく熱いのだ!!! 無観客ということでオーディエンスとのコール・アンド・レスポンス抜きの曲間MCには手探り状態のところもあるが、稲葉さんのヴォーカルは久々のライヴということでキレッキレだし、松ちゃんのギターも安定感抜群で、これを数万人収容の大会場で見たかったなぁ... という思いを強く抱かせる素晴らしいステージだ。
 ただ、特典ディスクに関してはこちらの期待が大きかったせいもあるかもしれないが正直言ってイマイチという感じ。メンバーのPCR検査の様子だとかソーシャルディスタンスがどうとか、何かコロナ関連の映像が随所に挿入されているが、ハッキリ言ってファンとしてはどうでもいいことで、あのNHK特番「B'zメガヒットの秘密」やWOWOW特番「Only Two」のようにもっと音楽にフォーカスした濃い内容にしてほしかった。だから余程のコアなファン以外は特典ディスクなんか気にせずに単品で揃えた方が安上がりで良いと思う。
 とまぁこのように少々の不満はあるものの、これら5枚のディスクに封じ込められた彼らの熱いライヴ・ステージを目にすればそういった類の苦言は瞬時にして木端微塵に砕け散る。ファン歴26年の私なんかもう久々に彼らの元気な姿を見れただけでも感無量で、30年以上にわたってよくもまぁこれだけクオリティーの高い曲を次から次へと作り続けてきたものだなぁと感心してしまった。このコロナ禍が収束したら、ぜひとも実際のライヴ会場で何万人のオーディエンスと共にこれらの名曲の数々を浴びるように聴いてみたいと思う。
B’z “5 ERAS” Day1-5 DIGEST

INABA / SALAS特集

2020-05-07 | B'z
 稲葉さんは B'z 本体での活動に加えてソロ・アルバムも何枚か出しているが、更にもう一つ、ギタリストのスティーヴィー・サラスと INABA/SALAS というユニットを組んでアルバムを2枚出している。メジャーなグループのメンバーのソロ活動というのはどちらかと言うとヤル気が空回りして期待ハズレな結果に終わることも少なくないが、このイナサラに関しては良い意味で期待を裏切ってくれるというか、B'z では絶対にやらないようなことに敢えて挑戦し、こちらの予想を遥かに超えたカッコ良い音楽を作り上げているのだ。ちょうどこの4月に彼らの 2ndアルバム「Maximum Huavo」が出たところなので、この機会に3年前に出た 1stアルバム「Chubby Groove」と一緒に取り上げるとしよう。
 まずは 1stアルバム「Chubby Groove」だが、モノクロでブタさんのドアップにピンク色のタイトル文字と、CDジャケットの第1印象は “何じゃいコレは???” という感じだったが、いざ中身を聴いてみると、ファンキーなビートに乗って稲葉節が炸裂! “B'zとも稲ソロとも全然違うけどめっちゃカッコエエやん(^.^)” とすっかり気に入ってしまった。
 中でも一番のお気に入りが④「Aishi-Aisare」で、元々はサラスが Natalie Janz という女性歌手に提供した「The DJ's Burning」という曲を稲葉さんが気に入り、それに日本語詞を付けてカヴァーしたものなのだが、これがもう実にカッコイイ曲に仕上がっているのだ。原曲のノリの良さに加えて稲葉さんの書いた日本語詞のライミングが絶妙で、“ものなどなっあっあい♪ ‐ オーラッアッアイ♪”や“ごめんなさっあっあい♪ ‐ 取戻したっあっあい♪” のラインが稲葉さんのネチコいヴォーカルによって強烈に脳内リフレインを誘発するという実に中毒性の高いナンバーだ。
INABA / SALAS “AISHI-AISARE”

INABA / SALAS “AISHI-AISARE” . ORIGINAL USA VERSION by NATALIE JANZ / SALAS " The DJ´s Burning"


 ノリノリの②「Overdrive」も聴いててウキウキワクワクさせてくれる曲で、上記の「Aishi-Aisare」と甲乙付け難い素晴らしさ。イントロの爽やかなギターのリフから一気に引き込まれ、思わず身体が揺れてしまう強烈無比なグルーヴでグイグイ引っ張って行かれる快感を何と表現しよう? まるで稲葉さんの新たな魅力をサラスが引き出しているかのような感じなのだ。B'z の松本さんとはまた違ったリズム感で繰り出されるギターのサウンドをバックに力強い歌声を聞かせる稲葉さんがめっちゃクールでカッコイイヽ(^o^)丿
INABA / SALAS “OVERDRIVE”


 続いてはこの4月に出たばかりの 2ndアルバム「Maximum Huavo」だ。ブタの次はニワトリかよ!と思わず突っ込みを入れたくなるジャケット(←次は牛か?)は鮮やかな黄色が印象的で、タイトルにある “Huavo” はスペイン語の“卵”をスラングにした造語らしいが、“ファボ” と “チャボ” を引っ掛けてるのかもしれない(←考えすぎか...)。
 このアルバムで一番好きなのは前作の「Aishi-Aisare」を正常深化させたような⑥「Demolition Girl」で(←そういえばスタローンの映画に「Demolition Man」っていうのがあったが、girl だから「女版壊し屋」みたいな感じか...)、グイグイくるシンセのビートがえもいわれぬグルーヴを生み出し、80年代の洋楽ヒット曲を想わせるキャッチーなメロディーを気持ちよさそうに歌う稲葉さんのヴォーカルと見事にマッチしている。黄色いグラサンやら絵文字スタンプやらで軽~いノリを前面に押し出したミュージック・ビデオも楽しさ満載で、洋邦問わずこんな感じのポップな曲って最近なかったなー、と懐かしい気分にさせてくれるキラー・チューンだ。敢えて難を言えば間奏部分の稲葉さんの語りが声を加工しすぎて何を言ってるのか分からないのが玉にキズか。
INABA / SALAS “Demolition Girl”


 稲葉さんは例の “B'z HOME Session” を YouTube チャンネルにアップする前にこのアルバムの⑦「Irodori」という曲をサラスとリモート・セッションした動画をイナサラ・チャンネルに上げているのだが、注目すべきは歌詞の一部を “大事な家さえもなくしてしまう” から “自分の家だけが唯一の居場所” へと変更しているところ。外出自粛でストレスが溜まっているであろうファンに寄り添おうとする姿勢はさすが超一流のアーティスト。この曲はコロナ以前に書かれたものだが、“当然なはずの自由を根底から脅かされ...” とか “それでも闘う人々にゃ敵わぬ...” とか、現在の世界の状況をピタリと描写したような歌詞には驚かされる。今のご時世、“ああどんな辛い試練でもこの人生の彩...♪” という詞を聴いて元気をもらった人も多いだろう。この曲に限らず、稲葉さんの書く歌詞は基本的なところで私達を励ましてくれる。イナサラであれ、B'zであれ、稲ソロであれ、この人の歌を聴いているとファンで本当に良かったなぁと思えるのだ。
INABA / SALAS “IRODORI” session

B'z Live-Gym特集 ②「Live in なんば 2006 & Showcase 2007 -19- at Zepp Tokyo」

2020-05-05 | B'z
 B'zのライヴはアリーナやドーム、スタジアムといった大会場で行うアルバム・ツアーやプレジャー・ツアーと、ライヴハウスやホールのような小さな会場で行う Showcase に大別される。ド派手な仕掛けを駆使してエンターテインメントを徹底的に極めた前者を“初心者でも楽しめるお祭り” とすれば、特に演出も無しにガンガン演奏し歌いまくる後者は “ある意味密教的な雰囲気の中で行われるコアなファン向けのギグ” と言っていいかもしれない。どちらにもそれぞれの良さがあるのだが、そのアーティストの本質に触れたいのなら、距離が近くて生のド迫力を体感できる後者に限るだろう。
 そしてそんな彼らの貴重な小会場ギグの模様を収録した映像作品が2006年に大阪のなんばHatchで行われた「Live in なんば 2006」と2007年に Zepp Tokyo で行われた「Showcase 2007 -19- at Zepp Tokyo」の2枚で、「なんば」の方は単独のDVD作品として、「Zepp Tokyo」の方はベスト盤CD「B'z The Best ULTRA Treasure」のボーナスDVDとして既に持っていたのだが、2010年になってこの2枚をカップリングしてBlu-ray化した「Live in なんば 2006 & Showcase 2007 at Zepp Tokyo」がリリースされ、高画質でこのスーパー・ギグを楽しみたいと思った私は迷わずこれを購入。今ではB'zの映像作品で一二を争う超お気に入りだ。ということでB'zのBlu-ray特集第2弾は「Live in なんば 2006 & Showcase 2007 at Zepp Tokyo」でいこう。
 まずはディスク1の「Live in なんば 2006」だが、このギグに応募して見事にハズレた私にとっては観るたびに自分のくじ運の無さを嘆きたくなるほど凄いパフォーマンスの連続で、大会場では味わえない臨場感たっぷりのステージ映像がDVDよりも遥かにクリアーなBlu-rayのスーパーウルトラ高画質で観れるのだ。
 前半の見どころはいきなりオーディエンス総立ちで始まる「ALL-OUT ATTACK」から会場全体が揺れるほど大盛り上がりの「juice」、躍動感5割増しの隠れ名曲「ピエロ」、泥臭いブルース・フィーリングがたまらない「ネテモサメテモ」、そして稲葉さんのエモーショナルなヴォーカルに心揺さぶられる「ゆるぎないものひとつ」と続くあたりだろう。更に稲葉さんが和製ブライアン・ジョンソンと化す「Real Thing Shakes」、初期のモトリー・クルーを彷彿とさせるアグレッシヴな「DEVIL」もハードロック好きにはたまらない。
 後半は更に凄まじい展開で、ヘヴィーな「MONSTER」から一気に加速してB'zのアッパー・チューンの中でも屈指の大名曲「衝動」~「愛のバクダン」へと続く流れなんかもう鳥肌モノ。オーディエンスも手を伸ばせば届きそうな距離で渾身のステージを繰り広げる稲葉さんに大コーフンで、しかもこれに続くのが「LOVE PHANTOM」なのだからたまらない(≧▽≦) ゼップで言えば「Communication Breakdown」「Immigrant Song」「Rock And Roll」を立て続けにやるようなものだ(笑) 
 稲葉さん喉大丈夫かなぁと思わず心配になってくるが、これに続くのがこれまたヴァン・ヘイレンちっくなハードロック「ギリギリchop」... ホンマに凄いセトリである。そういえば「Monster's Garage」のボーナスDVD「OFF LIMITS」の冒頭で松本さんが “MONSTER⇒衝動⇒愛のバクダンはいいと思うんだよね。LOVE PHANTOMもまぁ良さそうだし。で、ギリチョやってSPLASH!やって終わる?” と言うと稲葉さんが “死ぬよ、俺。いいけど... やっても... 死亡(*_*)” と苦笑いしていたのをよく覚えているが、まさかそれを本当にやるとは思わなんだ。松本さんはドSで稲葉さんはドMなのか?(笑)
アンコールは稲葉さんの鬼気迫るヴォーカルが凄まじい「SPLASH!」、そしてこの神ライヴを締めくくるのにこれ以上ない名曲「RUN」で大団円を迎える。とにかく私のように “ロックなB'z” が大好きな人には最高の1枚だろう。
【B’z】B'z LIVE in なんば


 ディスク2の「Showcase 2007 -19- at Zepp Tokyo」も基本的にはなんばのライヴと同じ趣向で日本最強のハードロック・ユニットとしてのB'zを存分に楽しめる作品になっているが、こちらの方がマニアックな選曲で、大会場のプレジャー・ツアーでは滅多に取り上げないようなコアなセトリがファンとしては嬉しい。
 このBlu-rayは画質だけでなく音も抜群に良いので、ヴォリュームを上げるとリビングに居ながらライヴハウスの最前列のコーフンを味わえて大満足。ドームやスタジアムでの LIVE-GYM しか知らない人が見たらぶっ飛びそうな、ロック魂溢れるライヴがこの Showcase なのだ。
 私的な見どころは、冒頭の「SUPER LOVE SONG」から「FRICTION」というB'z流ガレージ・ロック2連発、「愛バク」⇒「ウルソ」というアッパー・チューンから意表を突く「ロンリー・スターズ」への流れ、斬新なアレンジにゾクゾクさせられる「コマチ・エンジェル」、ゴリゴリのギターが炸裂する「F・E・A・R」と、挙げていけばキリが無いが、どの曲であれZepp Tokyoでの躍動感溢れるステージがド迫力で楽しめるのだから言うことナシだ。
 超名曲なのにライヴでは滅多に取り上げられない「ARIGATO」がアンコールで聴けるのも◎。この曲って過小評価されているように思うのだが、“静”と“動”のコントラストといい、後半部の一気に畳み掛けるような展開といい、私に言わせればB'z版「天国への階段」と言っても過言ではないスケールの大きさを感じさせるナンバーだ。このZepp Tokyoのライヴでも圧倒的なグルーヴを感じさせる歌と演奏で、満足感がハンパない(^.^)  そしてラストは超懐かしい「おでかけしましょ」... 新型コロナで外出自粛中の身には実に皮肉なタイトルの曲だが(笑)、一日も早くパンデミックが収束してこの曲をライヴで聴けるようになりますようにと願ってしまう今日この頃だ。
【B’z】B'z SHOWCASE 2007 -19- at Zepp Tokyo

B'z Live-Gym特集①「Live Dinosaur」

2020-05-03 | B'z
 新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が続く中、B'zが “B'z LIVE-GYM - At Your Home-”と題してこれまでにDVDやBlu-rayでリリースしてきたライヴ映像全23作品をYouTubeチャンネルで無料公開してくれている。5月末までの期間限定ながら、何千円もする映像作品をタダで一般公開するとは何という太っ腹。私は全作品を持ってはいるが、B'zのライヴがYouTubeで手軽に観れてしまうというのは実にありがたくって、寝る前に2~3曲パソコンで観て次の日に改めてブルーレイを大画面で全曲楽しむというパターンにハマっている。
 1ヶ月ほど前にヤフオクでB'zの廃盤アナログLPをゲットしてちょうどB'z熱が再燃していたところへこの“おうちでLIVE-GYM”企画、4月の半ばには稲葉さんのイナサラ・プロジェクト第2弾アルバムがリリースされ、更に先日のYouTube HOME session 公開と、立て続けの燃料投下で私的に大いに盛り上がっているので、このGWはブログで B'z祭りをすることにした。まずは “B'z Live-Gym特集” と題して彼らの映像作品の中でもベストの1枚と信ずる「Live Dinosaur」を取り上げよう。
 この「Live Dinosaur」は2017年にアルバム「Dinosaur」発表後に行われたツアーの1・14さいたまスーパーアリーナ公演の模様を収録したもので、いきなりオープニングで松本さんが十字架をバックに床からせり上がってくるわ、東京タワーみたいな謎の塔(?)から電波を発信する映像をバックにコート姿の稲葉総統(笑)が演説台からそれこそまるで演説をするかのようなパフォーマンスで最新シングル「声明」を歌うわで、観ているこっちはテンション上がりまくりヽ(^o^)丿 B'zライヴのクオリティーの高さは折り紙つきだが、特にこの日の稲葉さんは絶好調で、歌も動きもキレッキレだ。
 私がLIVE-GYMを観る時にいつも楽しみにしているのが稲葉さんのMC “B'zのLIVE-GYMにようこそ!” の演出なのだが、この日はスクリーンに映し出された恐竜ロゴとの掛け合い漫才(?)で笑わせておいて、いつもの “B'zのLIVE-GYMにようこそぉ~!!!” という掛け声から超本気モードの「孤独のランナウェイ」へと一気になだれ込むところがめちゃくちゃカッコイイ(^o^)丿 このスリリングな展開こそがB'zライヴの真骨頂だ。
 私の記憶が確かならばこの曲はLIVE-GYM 2008 Glory Days 以来9年ぶりのセットインということになるが、今回のパフォーマンスはこの曲史上最高の出来ではないか。稲葉さんの放つ圧倒的なオーラは鳥肌モノだし、観る者を魅了するその動きは全盛期のエルヴィスを彷彿とさせると言っても過言ではない。バックの演奏もゴリゴリで、キャッチーでありながらハードに疾走するというロックンロールの理想形になっているところが何よりも凄い。ラストにお二人がステージ中央で“Just a runaway♪” とビシッとキメるところも最高だ。
 この後も絶好調稲葉さんの超絶シャウト波状攻撃に圧倒されっぱなしで、エンディングでのヴォーカルとギターの掛け合いで大盛り上がりする「Fireball」、斬新なアレンジのイントロで意表を突かれる「Motel」、女性ファンが大喜びのポップな「イチブトゼンブ」、高速メタル・アレンジに痺れる「DIVE」、巨大な恐竜のバボットの出現で視覚効果満点な「Dinosaur」、コール&レスポンス大会と化したライヴ初披露曲「フキアレナサイ」、失速寸前の超スローテンポから入って一気に加速するライヴ・アレンジが快感を呼ぶ「Still Alive」、アウトロのジャンプ3連発も含めB'zライヴに欠かせない大名曲「ultra soul」、ライヴでこそ真価を発揮するアッパー・チューン「BANZAI」と、LIVE-GYMの楽しさが満載だ。
 憎きコロナウイルスのせいで今は家のテレビでブルーレイを観て楽しむしかないが、1日も早くまたこんな凄いライヴを生で楽しめる日常が戻ってきてくれることを切に、切に祈りたいと思う。あ~早く次の LIVE-GYM 行きてぇ!!!
【B’z】B’z LIVE-GYM 2017-2018 “LIVE DINOSAUR”

B'z “HOME” session

2020-04-30 | B'z
 おとといの朝のこと、いつものように朝食を終えて台所で洗い物をしているとリビングからB'zの「Home」が聞こえてきた。ビックリして見に行くと、朝のワイドショーで “B'zが自宅から名曲をセッション” と題して、お二人がそれぞれ自宅からリモートセッションしてYouTubeのB'zチャンネルにアップしたB'z屈指の名曲「Home」の動画を取り上げていたのだ。不意を突かれた私がテレビの画面に釘付けになったのは言うまでもない。
 今は全国で緊急事態宣言が出され、娯楽施設はおろか普通のお店も軒並みシャッターを下ろし、街はどこへ行ってもガラガラだ。道を歩いていて人とすれ違う時も2mのsocial distanceを意識して距離を取るようになってしまったし、電車やバスなんて怖くてとてもじゃないが乗る気がしない。というか、他人がみんなコロナ保菌者に見えてしまって反射的に “こっち来んな!” と思ってしまう自分が悲しくなってくる。
 テレビもネットもコロナ関連のネガティヴなニュースばかりだし、F1やプロ野球といった娯楽スポーツ観戦で気分転換することもできない。仕事の方も新しい職場はめちゃくちゃ楽しいのだが先週から慣れない在宅ワークが導入され、仲良しの同僚とアホな話しをしてキャッキャッすることもできなくなり(←何しに行ってるねん!)ストレスが溜まる一方だ。前にも書いたようにeBayの海外セラーたちもコロナでレコードどころじゃなさそうだし、これまで毎週のように通っていたB-SELSにも行けなくなってしまい、ないないづくしで気が滅入っていたのだ。
 そんな時に目にしたB'zのこの動画、ファンとしてはお二人の自宅が見れて興味津々で、後ろに飾ってあるジミヘンの肖像画がめっちゃ渋いし、ギブソンのTシャツを着てギブソンのギターを弾く松本さん(←裸足!)や、圧倒的なオーラを放つ稲葉さんのカッコ良さとか、見どころ満載の2分46秒なのだが、やはり何と言ってもこれからGWに突入しようというまさにこのタイミングで、敢えて「Home」と言う曲を選んでお二人の心意気に感動する。ブツクサ文句を垂れるだけで他人の批判しかできない連中が多い中で、あくまでも音楽を通して人々にメッセージを届けたいというお二人の姿勢がたまらなくカッコ良い。それにしても2日間で200万回視聴って凄いな...
 稲葉さんはこの曲をリリースした当時のインタビューで「自分の中のよりどころ、ゆるぎないもの、それがあれば何が起きても大丈夫」と Home という言葉への思いを語っておられたが、そんな稲葉さんが「Home」を歌い始めると、コロナで疲れ切った心にまるでポッと灯がともったように感じる。心が温かくなる。音楽ってありがたいな... そう思える瞬間だ。この曲の “あいつをいじめたって そんなのまるで 答えにゃならないよ...♪” という歌詞はコロナでギスギスした日本社会への警鐘として心に響く。お二人が伝えたかったのは、みんなが辛いこんな時こそ “深呼吸をひとつして” 冷静になり、自分らしさを見失わずにこのパンデミックを乗り切ろう、というポジティヴなメッセージなのだと思う。
 音楽とは希望である。生きていることの喜びである。そしてB'zのお二人はCD、ライヴ、そして今回のような動画を通してその喜びを私達に与えてくれる。彼らの曲を聴くと “もうちょっと頑張ってみよう...” という気持ちになれる。だから私はB'zが大好きなのだ。彼らのファンであることを心から誇りに思うし、これからもずっと彼らの音楽を聴き続けていきたい。このGWは自宅でゆったり寛ぎながら “自分だけのHome” を見つけるとしよう。
B’z “HOME” session


【5/1追記】昨日、B'zのサポートメンバー達が海外から参加した“バンド・セッション” ヴァージョンが新たにアップされたので貼っときます。バンド・サウンドで聴く「Home」もエエなぁ...(≧▽≦)
B’z “HOME” Band session


STAY HOME。B’z “HOME” session オンラインライブ!一発撮りでこれは凄すぎ。【リアクション動画】〔#220〕

EPIC DAY / B'z (Pt. 2)

2015-03-11 | B'z
 私がこのアルバムの中で最高に気に入っているのがアルバム・タイトル曲の⑥「EPIC DAY」だ。初めて聴いた時は “これ、パープルの「バーン」やん!!!” と思わずイスから転げ落ちそうになったが、もうそんなことなどどーでもよくなってしまうぐらいカッコ良い疾走系ハードロックに仕上がっているのだから嬉しくってたまらない(≧▽≦)  タマホームCMでもお馴染みの古典的リフをベースにして煌めくような必殺フレーズを次から次へと紡ぎ出していくリッチー松本(笑)のラウドなギターが圧巻だ。
 見方を変えれば “パクリ論争” に燃料を投下する1曲とも言えるが、これって自分達のルーツであるハードロックへの愛情と敬意に満ちた松本さんならではの遊び心そのものではないか! 私には、そういった批判がくることを計算ずくで、敢えてそれと分かる形で “ディープ・パープル好きです大会” をやっているとしか思えない。
 そもそも B'z というのはゼップやパープルに代表される古き良きブリティッシュ・ハードロックのサウンドを21世紀の現在においてもしっかりと継承し、それを日本人ならではの感性で再構築して完璧なテクニックで再現してくれる邦楽史上最強のロック・ユニットであり、彼らの魅力はその一点に尽きると私は考えているので、この曲を聴いた時はもう飛び上がりたいぐらいコーフンした。
 ハッキリ言って今のパープルがどんなに頑張ってもこれだけのオリジナル・パープル像は再現できないだろう。 “パープルそっくり、いや、パープルそのまんまやないか!” という批判に対して “それがどーしたソー・ホワット???” と胸を張れるだけの完成度がここにある。聴く者のアドレナリンをドバーッと噴出させること間違いなしの血湧き肉躍るイントロ、ジョン・ロードが憑依したかのような増田さんのキーボード・ソロ、リッチー特有のゴツゴツ感を見事に再現した松本さんのアグレッシヴなギター・ソロ、そしてそんな二人のバトルにドカドカと乱入してきてそのままバトルロイヤル状態へとなだれ込むシェーンのツーバス・ドラムと、まさに “深紫より出でて...” を地で行く出藍の誉れ高き70'sブリティッシュ・ハードロックが楽しめるのだから痛快そのもの(^o^)丿  私的には文字通り10年に一度出会えるかどうかのエピックなキラー・チューンだ。松本さん、リッチーの次はマイケル・シェンカーなんかどうでしょうか(笑)
エピックデイ

木村拓哉 タマホーム CM 「日本の家は高いの?」篇


 上記3曲がこのアルバムの私的トップ3だが、B'zバラッドのお約束といえる雄大なスケールで迫る③「Exit To The Sun」、アルバム「RUN」の頃を想わせるファンキーさが懐かしい④「NO EXCUSE」、たたみかけるような後半部の盛り上がりが気持ち良い⑧「Black Coffee」、“コレデイイノダ~♪” という奇天烈なリフレイン(笑)が耳に残るスルメ・チューン⑩「Man Of The Match」など、他の曲も聴き応え十分だ。
 付属DVDは2012年の大阪城ホールでのライヴを収録したもので、約2時間にわたって全20曲が完全収録されているのが嬉しい。初のライヴ映像化となる③「ゴー・フォー・イット・ベイビー」で仁王立ちする稲葉さんは全盛期のロバート・プラントを彷彿とさせる凄まじいオーラを放っているし、最後に待っていたサプライズといえる「HEAT」のビデオ・シューティングでの異様な盛り上がりも必見。①「愛バク」、③「ウルソ」、⑬「ダンガン」、⑭「ジュース」、⑰「ホーム」の英語詞ヴァージョンが聴けるのもこの時期のライヴならではだし、⑥「Easy Come, Easy Go」、⑦「Motel」、⑧「もう一度キスしたかった」、⑨「愛しい人よGood Night」、⑩「ZERO」、⑪「ミエナイチカラ」、⑫「ねがい」と懐かしいナンバーが続く中盤のセトリにも涙ちょちょぎれる。B'zってホンマにエエ曲書くよなぁ... と改めて実感させてくれるこんなに素晴らしいライヴDVDが特典盤やなんて、ホンマにエエんかいな。そりゃーライヴグッズやアナログレコードも欲しいけれど、どれか一つを選べと言われれば絶対にこのライヴDVD付きに限ると思う。ただし初回限定特典なので、ファンの人は手に入るうちに買っときましょうね。
B'z / DIGEST「B'z LIVE-GYM 2012 -Into Free- EXTRA」

EPIC DAY / B'z (Pt. 1)

2015-03-09 | B'z
 アマゾンで予約しておいた B'z のニュー・アルバム「EPIC DAY」が届いた。前作の「C'mon」がどこか重苦しい雰囲気でハードロック色が希薄だったこともあって3年8か月ぶりとなるこの新作には期待半分不安半分というのが正直なところだったが、いざ実際にアルバムを聴いてみると私の予想を遥かに上回る素晴らしさで、“やっぱり B'z はエエなぁ...(^o^)丿” と大コーフン。最近ガール・グループばかり聴いてユルユルな精神状態だった私にガツン!と一発食らわせる王道ロックのアメアラレ攻撃に完全KOされてしまった。
 この「EPIC DAY」は (1)CDのみの通常盤、(2)ライヴ DVDが付いたロングボックス仕様盤、(3)トートバッグやマフラータオルといったライヴグッズが付いたスペシャルボックス仕様盤、そして(4)アナログレコードという4種形態での発売だが、私は迷わず(2)ライヴDVD付きロングボックス仕様盤をチョイス。無意味なロングボックスは資源の無駄遣い以外の何物でもないアホバカ企画だが、新作とライヴDVDがセットで5,261円だなんて超お買い得だ。
 アルバム収録曲は全10曲でトータル43分23秒、しかもCDの曲名表記が SIDE-A と SIDE-Bに分けられており、明らかにアナログLPを意識した作りになっている。私的には1枚のアルバム作品で60分も70分も入っているのは集中力が続かず好きではないので、これぐらいの長さがちょうどいい。
 まずアルバム1曲目を飾る①「Las Vegas」だが、“空のF1” と呼ばれるレッドブル・エアレースのテーマ曲になっており、松本さんのラウドなギターとゴージャスなホーン・セクションが生み出す圧倒的なグルーヴが快感そのもの(^o^)丿 サビの “ラスベガ~ス♪” が脳内リフレインを起こすこと必至のキャッチーなナンバーで、もう1曲目からいきなりテンション上がりまくりである。名盤「LOOSE」のサウンドを更にパワー・アップさせたようなダイナミックなビッグ・ロックがたまらんたまらん(≧▽≦) やっぱりB'zはこうでなくっちゃ!
B'z / Las Vegas


 アルバムからの先行シングルとなった②「有頂天」を初めて聴いたのは昨年暮れに放送されたミュージック・ステーションで、どういうわけかステージの音響がおかしかったせいもあっていまいちインパクトが弱かったのだが、年明けに届いたCDシングルを聴いてビックリ...(゜o゜) どっしりと腰の据わったリズムに乗ってエッジの効いた松本さんのギターが炸裂するめちゃくちゃカッコ良い曲ではないか! こんなゴリゴリしたロックを聴くのはホンマに久しぶりだ。稲葉さんのヴォーカルは絶好調と言ってよく、その変幻自在な歌声に耳が吸い寄せられる。間奏中に挿入される “ハイ ハイ ハ~イ ハァ~イ♪” もめっちゃクール。隠し味的に使われているストリングスの絶妙なアレンジにも唸ってしまう。聴けば聴くほどクセになる麻薬的な魅力を内包した1曲だ。下に貼り付けたのは日テレの LIVE MONSTER に出演した時の映像だが、何回観てもホンマにカッコエエわ(≧▽≦)  (つづく)
B'z 有頂天 LiveMonster

B'z The Best XXV 1999-2012 (Pt. 2)

2013-07-07 | B'z
 2枚のベスト盤発売に合わせて始めたB'z祭りもいよいよ最終回。今日は「B'z The Best XXV」黒盤のパート2で2006年以降の彼らの軌跡を振り返ります。

①衝動
 この「衝動」はシンプル&ストレートなノリを持った疾走感溢れるロックンロール・ナンバーで、前年末にベスト盤「Pleasure Ⅱ」でそれまでの活動を総括してまだ間もない2006年1月にこの曲がシングルとして出た時は、休むことなく前進を続ける彼らの創作意欲の高さと自分達の原点であるロックンロールに拘り続ける姿勢に感動したものだ。この曲はノリノリな曲調と同様に歌詞の方も “誰もが無限の可能性を抱きしめて生まれてきたんでしょう? ねえ♪” や “希望とは目の前にある道~♪” など前向きなフレーズが満載で、車の中で聴きながらアクセルベタ踏みでカッ飛ばすとストレスも一気に解消できるという効能(?)もある。ミュージック・ビデオは稲さんが “しょーどう!!!” と渾身のシャウトをキメている後ろで書道の大家っぽい人がモップみたいなデカい筆を振り回すというユニークなもので、 “衝動” と “書道” とを引っ掛けたダジャレの成否は別として(笑)、エンディングで見れる “衝動” の2文字の力強さがこの曲の持つエネルギー感と見事にマッチしている。尚、アルバム「MONSTER」収録の “MONSTER MIX” はギター・ソロやラストのシャウト部分が差し替えられており、より躍動感に溢れたハイ・テンションなヴァージョンになっている。
B'z / 衝動


②SPLASH!
 最近の B'z の曲は基本的に “ストレートに押しまくるロックンロール” と “熱く歌い上げるバラッド” の2タイプに分類されるが、この「SPLASH!」はそのどちらにも属さないダンサブルなミディアム・テンポのナンバーで、聴けば聴くほど “カッティングの魔術師” 松ちゃんの硬質なギター・サウンドが耳について離れなくなるスルメ・チューンだ。ジュリーの「酒場でダバダ」を想わせる “歌謡ロック” そのもののイントロ、違和感なしにBメロから転調する見事な構成、畳み掛けるような稲さんの言葉の速射砲が楽しめるサビ(←ちょっと「DEEP KISS」に似てる?)、彼らお得意のツイン・ヴォーカルっぽいコーラスと、実に細かい部分まで丁寧に作り込まれた作品で、まさに “熟練の職人の仕事” と言っていい出来ばえだ。稲さん曰く “人間の生存本能を描いた詞” という歌詞は、 “交わり合う性と生♪” “愛のタネでいのちの花咲かせて~♪” “ムキ身のままでまっすぐDive~♪” “あなたの中でビュンビュンほとばしる~♪” など、あの「juice」をも凌駕するキワドイ表現連発のエロエロ路線なのだが、性についてこれほどストレートに歌いながら下世話ないやらしさを微塵も感じさせないのは稲さんのヴォーカリストとしての資質のなせる業なのだろう。
B'z


③BURN –フメツノフェイス–
 この「BURN –フメツノフェイス–」は今から5年前、つまりB'z 20周年にあたる2008年に唯一リリースされた記念すべきシングルなのだが、当時TV出演etcによるプロモーション活動が一切無かったことや、世間の注目が「ウルプレ」や「ウルトレ」といったベスト・アルバムの方に向いていたこともあって、話題性の面でやや盛り上がりに欠けた不憫なナンバーなんである。しかし私はこの曲が大好きで、 “世間は何でこの曲の良さがわからんのやろ?” と納得がいかなかった。確かに曲名はディープ・パープルだし、イントロのリフはサイモン&ガーファンクルの「A Hazy Shade Of Winter」そのまんま、Aメロはピンク・レディーの「サウスポー」を想わせるが、洋邦問わずにそういった過去の名曲たちのオイシイ部分を巧く消化して B'z ならではの歌謡ロックへと昇華させているところが私的にツボなのだ。私の記憶が正しければ「FIREBALL」以来の化粧品タイアップ曲(←これも曲名がディープ・パープルなのは単なる偶然なのか???)だったと思うが、今回も歌詞の中に商品キャッチコピーである “フ~メ~ツ~ノ~ フェイス!” を巧く織り込むあたり、さすがという他ない。特殊な視覚効果満載のミュージック・ビデオもちょっと目がチカチカするけど文句なしのカッコ良さだ。
B'z / BURN -フメツノフェイス-


④イチブトゼンブ
 「イチブトゼンブ / DIVE」は「ミエナイチカラ / MOVE」以来13年ぶりとなる両A面シングルで(←カタカナと4文字英語というカップリングは単なる偶然か...)、世間的にはドラマタイアップの「イチブトゼンブ」の方が大ヒットしていたが、私は最初のうちはイージーリスニングみたいな歌メロのこの曲よりもイケイケ・オラオラ調のロックンロール「DIVE」の方が好きだった。しかしこの曲のライヴ・ヴァージョンを見てすっかり気に入り、何度も何度も聴くうちにすっかりハマってしまって今では大の愛聴曲... その真価が分かるまで時間を要したニクイ1曲なのだ。曲としては「ミエナイチカラ」を想わせるミディアム・テンポの爽やか系ポップスで、松ちゃんのトレモロ攻撃や稲さんの一人追っかけコーラスも抜群の効果を上げているが、何と言ってもこの曲の素晴らしさはその歌詞だ。特に愛する人との関係においてついつい陥りやすい落とし穴を簡潔明瞭に指摘した “愛しぬけるポイントがひとつありゃいいのに~♪” のラインにはマジで瞠目させられた。稲さんってホンマにエエ詞を書くよなぁ... (≧▽≦)
イチブトゼンブ LIVE


⑤MY LONELY TOWN
 この曲が収められた「MAGIC」は数多いB'zのアルバム中でも三指に入る愛聴盤なのだが、その理由は一にも二にも “歌謡ロック” としての完成度の高さにある。日本人としてのアイデンティティーに裏打ちされた哀愁のメロディーとB'z流ロックが高い次元で見事に融合しているのだ。そんな名盤「MAGIC」の中で圧倒的な存在感を誇っているのがこの「MY LONELY TOWN」で、ミスチルの「ニシエヒガシエ」みたいなイントロに続いてパワフルなブルース・ロックが炸裂、畳み掛けるように展開するサビの部分ではストリングスが実に効果的に使われており、珠玉のメロディーをより引き立たせているところが素晴らしい。人と人との心の繋がりを歌った歌詞も心に響く。松ちゃんもアルバムのメイキングDVDの中で “久々の会心の一発” と語っていたくらいの名曲名演だ。軍艦島で撮影されたミュージック・ビデオもインパクト抜群で、曲想とピッタリ合った映像が楽しめる逸品に仕上がっている。
B'z / MY LONELY TOWN


【おまけ】先日YouTubeで放送されたB'z特番が公式にアップされたので貼っときます。あの伊藤政則氏がインタビュアーを務めているだけあって彼らの音楽的ルーツを掘り下げるなど他の番組とは一味も二味も違う興味深い内容です。
B'z 25th Anniversary YouTube Special Program

B'z The Best XXV 1999-2012 (Pt. 1)

2013-07-01 | B'z
 今日は「B'z The Best XXV」黒盤のパート1。1999年から2004年までの、何か吹っ切れたかのようにケレン味のないハードロックを演っていた頃の B'z です。

①juice
 この「juice」はB'z のシングル曲でも一二を争うヘヴィーなリフが支配するアグレッシヴなタテノリ・ハードロックで、随所で爆裂するドラムのオカズも実に効果的... ハイ・テンションで突っ走る驚愕のドライヴ感は理屈抜きのカッコ良さだ。聴く者のアドレナリンを大爆発させる野性のエナジー全開のこの曲はライブでめっちゃ盛り上がる定番曲で、この問答無用のゴリゴリ感がたまらない(≧▽≦)  歌詞の方も稲さんお得意の “エロ隠喩路線” の王道を行く傑作で、下品さを微塵も感じさせずにこれほどクールなセックス描写をできるのは凄いとしか言いようがない。ミュージック・ビデオは札幌で行われたゲリラライブを撮影したもので、周りをビルに囲まれた狭~い駐車場みたいな所に作られたステージで炸裂する B'zロックが痛快そのものだ。ナマB'zを一目見ようと制服姿で駆け出すOL達やビルの窓から覗いてる人達の姿もいっぱい映っていて、ビートルズのルーフトップ・コンサートやU2の「Where The Streets Have No Name」と並ぶ私的3大ファイバリット・ゲリラライブ・ビデオになっている。
B'z / juice


②ultra soul
 B'zのルーツがレッド・ゼッペリンやエアロスミスを始めとする70'sハードロックであることは論を待たないが、もう一つ忘れてならないのが彼らが聴いて育った昭和歌謡の存在である。それは様々なシンガーをフィーチャーして往年の歌謡曲をカヴァーした松ちゃんのソロ・アルバム「The Hit Parade」の中で「勝手にしやがれ」「異邦人」「涙の太陽」「イミテイション・ゴールド」といった日本人好みのマイナー・メロディーを持った昭和歌謡を代表する名曲の数々を取り上げていることからも明らかだ。そんな彼らが上記の「juice」で開陳した洋楽ハードロック的成分を封印し、日本人にしか出来ない “歌謡ロック” の究極の作品として作り上げたのがこの「ultra soul」だ。日本人の心の琴線をビンビン刺激するキャッチーなサビメロといい(←ラッツ&スターの「め組のひと」を想わせるサビのラスト “ウルトラソゥ、ハイ!!!♪” がたまらん...)、初期を彷彿とさせる打ち込みサウンドを巧く使った抜群のアレンジ・センスといい、ハードロック趣味に走った後の反動・埋め合わせ(?)として出された “一般ピープル向けの” B'zシングルとして非の打ち所のない逸品に仕上がっている。
B'z / ultra soul


③熱き鼓動の果て
 この曲を聴くといつも2002 ワールドカップ FIFA オフィシャル・コンサートでの彼らの雄姿が目に浮かぶ。イントロ無しでいきなりサビの歌い出しから入る前半のアコースティック・セットの爽快感と、松ちゃんがアコギからエレキに持ち替えてバンドが一体となって燃え上がる後半の疾走感のコントラスト(←ゆったりした “選手入場” から一転して “試合開始”、というイメージか...)が絶妙だ。特にヴォーカルに寄り添うようなコーラス・ハーモニーのアレンジが私的にはめっちゃツボで、稲さんの “ベイベ~♪” や “ハリケィン♪” といった一人追っかけコーラスの響きもたまらない。歌詞の方も稲葉ワールド全開と言っていいカッコ良さで、 “圧倒的孤独を味わい尽くし~♪” という浮世離れしたフレーズも凄いが、何と言っても私が好きなのは“土砂降りの雨だって 君となら喜んで濡れよう~♪” のラインで、“稲さんってホンマにエエ詞を書くよなぁ... (≧▽≦)” と感心したものだ。呪文のように繰り返される “モウスグデ アナタニアエル...♪” からスパッと切り落としたかのように唐突に終わるエンディングも秀逸で、有象無象の使い捨てJ-ポップスがバッコする日本のヒット・チャートには勿体ない名曲名演だと思う。
B'z FIFA 2002 熱き鼓動の果て


④IT'S SHOWTIME!!
 これはB'z 15周年記念で盛り上がっていた2003年にリリースされたシングルで、あれから10年も経ったのかと思うと時の流れの速さに驚かされる。曲調は疾走感溢れるB'z流ハードロックで、“獣たちも色めく 歓声(おたけび)はアリーナ揺らす~♪” や “チケットを握り ゲートをくぐれ~♪” のようにこれから始まるライブへの期待感をストレートに表した歌詞と相まって、これでもかとばかりに聴き手の高揚感を煽りまくるライブ定番曲になっている。 “灼熱への招待... ここじゃすべてがLive...” とたたみかけ、 “天井知らずの It's showtime!!” と韻を踏みながらストンと落とす稲さんの作詞センスに脱帽だ。縦横無尽に弾きまくる松ちゃんのギターもハンパない。シングル・ヴァージョンはシャリシャリした打ち込みドラム・サウンドでせっつくような感じを巧く出しているが、アルバム「BIG MACHINE」収録のヴァージョンはシェーン・ガラースの生ドラムをフィーチャーしておりライヴ感が格段にアップしている。尚、ミュージック・ビデオはロスのオルフェウム・シアターで撮影されたもので、スピード感溢れるカメラワークが音楽と見事にマッチしており、B'zのロック・ユニットとしての魅力を存分に引き出している。
B'z / IT'S SHOWTIME!!


⑤ARIGATO
 この曲を初めて聴いたのは確かテレ朝のタイアップか何かで、番組中に例の “ありがとぉ~ ありがとぉ~♪” とそれに続く“キュルルキュルルキュルルキュルル~♪” というギター・ソロのパートが断片的に流れてきて “何じゃこれは...???” と思ったのだが、その後フル・コーラスを聴いてみて第一印象とは全然違うのにビックリ(・o・) めちゃくちゃ壮大で力強いバラッドではないか! 松ちゃんの哀愁舞い散るギターの音色には涙ちょちょぎれるし、完全にコントロールされた稲さんのグルーヴィーなヴォーカルも圧巻だ。しかし何よりも凄いのはその曲構成で、前半の “静” から後半の “動” へとテンポ・チェンジしてエンディングまで一気呵成に突っ走るドラマチックな展開はまさに鳥肌モノ(≧▽≦)  レッド・ゼッペリンの名曲「天国への階段」にも通じるカッコ良さである。B'zのシングル曲の中では一般受けしない部類に入ると思うが、本物のロックを聴き込んできた人ならこの曲の完成度の高さに驚倒するだろう。個人的にはB'z名曲名演トップ3に入れたい超愛聴曲だ。ただ、曲のタイトルは、取って付けた様な「ARIGATO」よりも当初に予定されていた「そこに誰もいなくても」の方が良かったかな...
B'z / ARIGATO

B'z The Best XXV 1988-1998 (Pt. 2)

2013-06-25 | B'z
 今日は「B'z The Best XXV」白盤の続編で、1995年から1998年までの、私がリアルタイムで B'z を聴き始めた頃の思い出に残る5曲です。

①LOVE PHANTOM
 B'z のベスト盤は名曲名演の宝庫だが、そんな中で私が彼らの最高傑作と信じて疑わないのがこの「LOVE PHANTOM」だ。荘厳なストリングスが奏でるイントロから一転してデジタル・ビートに乗って疾走感溢れる B'z流ハード・ポップ・ロックが炸裂、稲さんの語りや元Mi-Keの宇徳敬子による囁きヴォーカル“そして私はつぶされる...♪” を織り込みながらありとあらゆるポップ・エッセンスを詰め込んでハイ・テンションを保ちつつ一気呵成に駆け抜ける様は圧巻の一言に尽きる。彼らの曲の人気投票で常にトップ3に入るこの曲は、私的にはB'z史上、いや、邦楽史上屈指の大名曲なのだ。それと、忘れてならないのがこの曲のミュージック・ビデオで、ヴァンパイアに扮した稲さんが曲のクライマックスでステージ・セットの一番上からダイヴするという設定のパフォーマンス(←松ちゃんがギターの先端からレーザー光線を出して数十メートル上にいる稲さんを照らすところもいい...)は何度見てもスリリング(≧▽≦) 特に「渚園ライヴ」DVDで「ラブファン」~「ZERO」へと続く流れは鳥肌モノのカッコ良さだ。尚、松ちゃんはフル・オーケストラとコラボした2004年リリースのソロ・アルバム「House Of Strings」でもこの曲を取り上げており、B'z とは又違ったアレンジ・解釈でオーケストラのド迫力サウンドをバックに弾きまくるギターが堪能できる素晴らしい作品になっている。
【MAD】LOVE PHANTOM / B'z

Tak Matsumoto with Orchestra - LOVE PHANTOM


②FIREBALL
 シングル「LOVE PHANTOM」と同曲を含むトリプル・ミリオン・セラー・アルバム「LOOSE」で行きつくところまで行ってしまった感のあるB'z が、自らの出自であるハードロック色を前面に打ち出して新たな可能性を切り開いた記念すべきシングルがこの「FIREBALL」だ。前年にゼップのサウンド・エンジニアとして有名なアンディ・ジョーンズをプロデューサーに迎え、大胆不敵なハイトーン・ヴォーカルとAC/DCばりの徹底したリフ攻撃に痺れる全英詞(!)シングル「Real Thing Shakes」をヒット・チャート1位に送り込んだのも前人未到の偉業だが、その約1年後にリリースされたこの「FIREBALL」では “No Synthesizer & Computer Used” というクレジットが示す通りの “完全生音” バンド・サウンド(←ドロドロ感に満ちたうねるようなグルーヴが圧巻!)で日本語詞のハードロックを演っているのだから、彼らがアーティストとしての次のステージへと進んだマイルストーン的な作品と言えるだろう。この曲には資生堂化粧品のタイアップが付いており、歌詞の “魂に火をつけろ~♪” の前に “メェーィク” という稲さんの掛け声を入れて “メイク魂に火をつけろ” という化粧品キャッチ・コピーに仕立て上げた点は実に秀逸(^o^)丿 ラストの “飛んでゆける 空を燃やしながら~♪” での高音シャウトは稲さんにしか出来ない離れ業だ。ミュージック・ビデオも80'sメタル色全開のカッコ良さで(←何てったってヘビメタ・バンドのビデオには “炎” が付き物!)、この手の硬派なロックが大好きな洋楽ファンに超オススメだ。
資生堂ピエヌ CM 1997

B'z / FIREBALL


③Calling
 B'z の曲には2つの異なる楽曲を組み合わせたような “接合型ソング” が結構多く、中には無理やりくっ付けたようなものも無いではないが、この「Calling」はそういった “接合型ソング” の中でも屈指の大傑作。異なるメロディーを持った2つのパートが絶妙にお互いを引き立てあっているという稀有なナンバーだ。私にとって本格的なB'zとの出会いがこの曲であり、彼らに他のJ-POPアーティストには無い “洋楽ロックの薫り” を感じ、それ以来16年間の付き合いのきっかけとなった思い出の1曲なのだ。'97 FIREBALLツアーのアンコールで初披露されたこの曲の原型は中間部のメロウな胸熱バラッド部分のみだったが(←「Hidden Pleasure」DVDに収録)、シングル化するにあたってその前後にAC/DCの「The Furor」みたいなリフと稲さんの “こぉ~の声が聞こえ~るかい♪” の掛け合いが高揚感を生み出すエレクトリック・パート(←隠し味的に使われているアコギが効果抜群!)を付け加えて完成したというキラー・チューンだ。クイーンの「We Will Rock You」にも比肩しうる圧倒的なグルーヴ感に酔いしれていると一転して静謐なピアノの響きが印象的なバラッドへ、そして徐々に盛り上がって行ってクライマックスを迎え、再びイントロのヘヴィーなリフへと戻っていく... このスムーズな転調の妙こそがこの曲の最大の聴き所だろう。歌詞は単なるラヴ・ソングではなくもっと深い人間同士の絆を歌ったもので、聞くところによると稲さんが松ちゃんに宛てたメッセージだという。そう思って聴くと、歌に呼応するかのように挿入されるギターのフレーズが松ちゃんから稲さんへの返答のように思えてくる。
B'z / Calling


④Liar! Liar!
 1997年はまさに私にとってのB'z元年で、「FIREBALL」のCMで知らぬ間に脳内にB'z回路が形成され、「Calling」で彼らのファンになり、そしてこの「Liar! Liar!」で一生彼らについていこうと決めたのだった。つまり私にとっての “運命の1曲” になるのだが、何とあのマーティ・フリードマンもこの曲でB'zにハマったらしく、メガデスのメンバーとして来日してた時にたまたま街でこの曲を耳にして大感激し、すぐにCD屋に走ったという。 “ボクがJ-POPファンになって日本に住み着いたのはこの曲がきっかけ” と公言してはばからないマーティの気持ち、めっちゃわかるなぁ...(^.^)  私にとって、そしてマーティにとって、それほどこの曲は衝撃的だったのだ。これまで “ハードネスとポップさの絶妙なバランス” を追求してきた彼らが “原点回帰” と位置付けたこの曲は、打ち込みデジタル・サウンドが炸裂するイントロから一気にラウド&キャッチーなハードロック・サウンドへなだれ込み、爆発的なエネルギーの奔流を感じさせながら息をもつかせぬ展開でメロディアスに突っ走るという、まさにB'zロックの王道を行くナンバーで、糸を引くような稲さんの粘っこい唱法とハジケまくりの歌詞が見事にマッチしているのが凄い。ニュー・オーリンズで撮影されたミュージック・ビデオはスピード感あふれる映像編集でめっちゃカッコ良いのだが、ワニが出る(!)沼地で松ちゃんがギター・ソロを弾くシーンがあって、この前のYouTube番組のインタビューで “アレは本当に怖かった...” と当時を回想していたのには笑ってしまった。ビデオ撮影も命がけやなぁ...(>_<)
B'z / Liar! Liar!


⑤HOME
 B'zのバラッドには心に響くキラー・チューンが多いが、そんな中でも別格中の別格と言っていいぐらい好きなのがこの「HOME」だ。出だしのアコーディオンの音色からして何かこう心にポッと温かい火がともる様な感じがするし、アーシーな雰囲気漂うアコギが実に良い味を出している。 “鏡をのぞけば~♪” の所で間髪を入れずに “テクマクマヤコォ~ン♪” という稲さんの追っかけコーラスを挿入する遊び心も◎。香港で撮影されたミュージック・ビデオもアジアン・テイスト溢れる仕上がりで、それぞれのシーンが曲とめっちゃ合ってて何度見ても飽きない。とにかく、将棋相手に盤をひっくり返されて一目散に逃げる松ちゃんの迫真の演技(笑)や曲に合わせてミディアム・スロー・テンポで中華鍋を振る稲さんの手さばきなど、見どころ満載なのだ。しかし何と言ってもこの曲が素晴らしいのはその歌詞で、共感できるポイントが一杯あって “ホンマにエエこと言うなぁ... (≧▽≦)” と感心してしまう。そういえば当時付き合ってた彼女とつまらんことでケンカしてお互い意地を張って口もきかなかった時期に、それまで軽く聞き流していた歌詞の “君を傷つけていっぱい泣かせて... 僕はもう眠れなくて... 後悔してるのにまた繰り返す... どうしようもなくダメなんだ~♪” の部分を聴いて自分の心の中を見透かされたような気持ちになり、サビの “言葉ひとつ足りないぐらいで 笑顔ひとつ忘れただけで ほんの少しのすれ違いだけで 全部あきらめてしまうのか 愛されるばかりが能じゃないだろう~♪” で大いに反省して(笑)すぐに彼女に謝りの電話を入れたのを覚えている。この曲に限らず、例えば「ラブファン」の “少しのズレも許せない セコイ人間になってたよ~♪” を聴いて “もっと心の広い人間にならなアカンなぁ...” と思ったりとか、これまで稲さんの書く歌詞のおかげで自分を省みれたことが何度もあった。そういう意味でもB'zは私にとって特別な存在だったし、これからもずっとそうあり続けるだろう。
B'z / HOME

【おまけ】MAD職人さん、GJ!!!
B'z キリンビ-ルCM

B'z The Best XXV 1988-1998 (Pt. 1)

2013-06-20 | B'z
 今日から数回にわたり「B'z The Best XXV」(←白盤、黒盤って言うのかな?)の中から個人的に気に入っている曲を時系列に沿ってピックアップしていこうと思う。まず第1回の今日は、デビューから1994年頃までの、まだ本格的なハードロック路線にシフトする前の作品から...

①ALONE
 基本的にハードロック・ユニットであるB'zの一番の魅力はアップテンポの疾走系ナンバーだが、その一方でバラッドの名曲も少なくない。特に初期B'z屈指の名曲として忘れ難いのがこの「ALONE」だ。モトリー・クルーの「タイム・フォー・チェンジ」に似ているという声もあるが、私に言わせれば両者は似て非なるものであり、この「ALONE」の方が遥かに洗練されていると思う。出藍の誉れとはこういうのを言うのだ。名フレーズ連発の歌詞といい、涙ちょちょぎれるピアノやギターの響きといい、絶妙なタイミングで入ってくるバック・コーラスといい、これでもかとばかりに日本人の心の琴線を刺激しまくる “泣き” の要素が満載で、B'z ファンだけでなく一般の音楽ファンにまでも広くアピールするようなキラー・チューンに仕上がっている。個人的にはラストのコーラス・パートをアタマに持ってきたアルバム「In The Life」のヴァージョンがオススメだ。下に貼り付けた「BUZZ!!」のライヴビデオからの映像で、稲さんが弾くグランドピアノの上に立ってギターを弾いてる松ちゃん(←しかもくわえタバコときたもんだ!)がめちゃくちゃカッコイイ(^o^)丿 尚、エンディングの“Naked eyes in the sky♪” のパートが“出来な~い、い~んですか~い♪” に聞こえてしまうのは私だけかな?
B'z B'z ALONE Definitive ReleaseFF96F6F7


②BLOWIN'
 弾むようなリズムと親しみやすいメロディーで初期B'zの魅力爆発!と言える1曲が、宮沢りえのポテチCMでもおなじみの「BLOWIN'」だ。グランド・ファンク・レイルロードの「ウィアー・アン・アメリカン・バンド」を想わせるドラムスのイントロに続いてシンセが奏でるウキウキするようなサビメロが絶品で、まさにキタ━━━(゜∀゜)━━━!!! という感じ。時代を感じさせるデジタル・ビートと松ちゃんのよく歌うギターが絶妙にブレンドされたB'z ワールド全開のキラー・チューンだ。このメロディーを聴いて “風がブローウィンしてるみたいな” イメージを抱いたという稲さんの歌詞も絶好調で、 “風を受けて立ち上がろうとする君は美しい~♪” のラインなんかもう最高だ。スタジオ録音盤のスパッと断ち切ったように唐突に終わるエンディングもいいが、この曲のライヴ・アレンジはその上を行く秀逸さで、後半部の掛け合いの後、稲さんの “せーの!” に続いて“Blowin' in the wind!!!” とオーディエンスの大合唱で終わるところがめちゃくちゃカッコイイのだ(^o^)丿 
B'z BLOWIN' LIVE-GYM Pleasure 2008 GLORYDAYS

カルビー ポテトチップス (1992) CM


③ZERO
 今から4年ほど前のことになるが、B'zの新曲リリースのインターバルが1年以上開いた時期があって(←ちょうど「BURN -フメツノフェイス-」と「イチブトゼンブ」の間)、早よ新曲出ぇへんかなーと悶々としていた時に、キリンビールのCMソングとしてテレビからこの曲が流れてきて大喜びしたものだ。何を隠そう、初期B'zの名曲満載のDisc-1の中でも私が一番好きなのがこの「ZERO」なんである。イーグルスの「ヴィクティム・オブ・ラヴ」を高速回転させ、ハードに強化した骨太サウンドで完全武装、更に間奏部分にラップまで入れてみました、という感じのカッコ良いナンバーで、エンディングで電動ドリルを使うアイデア(←エディー・ヴァン・ヘイレン直系か...)も面白い効果を上げている。尚、この曲はライヴの超定番曲なのだが、前奏のファンキーなキーボードをバックにB'zのお二人がクルクル回るところ(1分42秒あたり)が好きで好きでたまらない。今年夏のエアロソニックのステージででスティーヴン・タイラーと一緒にクルクル回ってくれへんかなぁ...(笑)
B'z ZERO LIVE-GYM Pleasure 2008 GLORYDAYS


④愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない
 B'z のファンは曲名を略して言う傾向があって、「バッド・コミュニケイション→バッコミ」「愛のバクダン→愛バク」「レディ・ナビゲイション→レディナビ」「ウルトラ・ソウル→ウルソー」「ギリギリ・チョップ→ギリチョ」などが有名だが、そんな略語癖の恩恵を最も感じるのがこの「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」...略して「愛まま」だ。この曲はB'z史上最も長い曲名を持つだけでなく最も売れたシングルで、あの大名曲「LOVE PHANTOM」よりも売れたというのだからビックリなのだが、ロック色が強かった前シングル「ZERO」からの揺り戻し(?)で再びポップ路線に回帰したのが世間にウケたのかもしれない。ただしポップといっても上昇下降を繰り返しながら縦横無尽に駆け巡る松ちゃんのギターは健在で、当時の彼らが目指していた “ハードとポップの融合” が新たなるステージに突入したことを感じさせるサウンドになっている。
B'z 愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない (Live)


⑤MOTEL
 1991年リリースの「レディナビ」以降ミリオン・セラーを連発して向かうところ敵なし状態の彼らだったが、1994年頃になると稲さんが脱アイドルを目指して髪を伸ばし始め、サウンド面でも行き過ぎたポップ化への反動なのか重くて暗い感じの曲が目立つようになる。この時期を世間では “B'zの暗黒時代” と呼んでいるのだが、そんな “暗黒時代” が行きつくところまで行った94年末にリリースされたのがこの「MOTEL」だ。この曲はそれまでの「愛まま」や「裸足の女神」といった煌びやかな “大衆ポップ路線” シングルとは激しく一線を画すセピア色イメージのブルージーなアコースティック・ナンバーで、初めて聴いた時はめっちゃ地味な曲やなぁと思ったが、二度三度と聴くうちにメロディーが頭から離れなくなって、気がついてみるとすっかりこの曲にハマっていたという、絵に描いたようなスルメ・チューンなんである。それにしても何という硬派な曲想のシングルだろう! 日本人でこれほど本格的なアメリカン・ロック・テイストを持ったサウンドを作れるアーティストを私は他に知らない。特に “Ooh-ooh it's a cruel world... Can't you see... ♪” で始まるラストの英詞パートがたまらんたまらん(≧▽≦) こんな通好みの渋~い曲が130万枚以上も売れたことが、当時のB'zの圧倒的なアーティスト・パワーを逆説的に証明している。
B'z MOTEL

B'z The Best XXV

2013-06-16 | B'z
 ポールの70'sシングル盤特集も一段落し、次は何にしようかなーなどと考えていたところへいきなりアマゾンから荷物が届いた。3月末に予約しておいた B'zのコンプリート・ベスト盤「B'z The Best XXV 1988-1998」と「B'z The Best XXV 1999-2012」だ。4月以降、新しく来た所長(←死ぬほど嫌ってた前所長がマシに思えるくらいの鬼畜野郎だ!)の肝いりで始まったクソしょーもないアホバカ・プロジェクトに忙殺されててすっかり時間の感覚を失くしていたが、大好きなB'zのCD発売日を忘れるくらい余裕のない毎日を送るなんて私としたことが本末転倒もいいところ... 特にこの1ヶ月ほどは毎日が “ムカ着火ファイアー” 状態だ。年度末には絶対に転勤希望を出すぞ|`Д´|ノ 
 とまぁそういう悲惨な状況なのでポールのネタはまだ「ロック・ショウ」も「オーヴァー・アメリカ・DXエディション」も残っているが、ハイレゾ・ダウンロードもまだやれてないし(←解凍プロセスがややこしいので時間のある時にしか出来ない...)CDやDVDを含めたすべての音源を十分に聴き込めてるワケではないのでそれらは7月のお楽しみに取っておくとして、6月後半はデビュー25周年で盛り上がってるB'zでいこうと思う。
 B'z は1998年にリリースした「プレジャー」と「トレジャー」がバカ売れしたのに事務所が味をしめたのか、その後「プレジャーⅡ」、「ウルトラ・プレジャー」、「ウルトラ・トレジャー」、「ザ・ミクスチャー」、「ラヴ&B'z」などベスト盤を乱発する傾向にあったので、この25周年記念ベスト盤の記事を初めて目にした時は正直「またか...」と思ったが、今回のは版権の問題をクリアしたのか初期の盤も含めた全シングル52曲を年代順に完全収録しており、それに加えて新曲も4曲収録、しかも全56曲中54曲分のミュージック・ビデオを完全収録(!)した特典DVDが付いているのだからこれこそまさに究極の “コンプリート・ベスト” である。
 私は膨大なヴォリュームを誇るこの特典DVDを目当てに買ったのだが、ハッキリ言ってこのDVDだけでも値段以上の価値があったと断言できる。映像で見るB'z 25年間の歴史は圧巻の一言だ。更に凄いことに、おまけ程度に思っていた本体CDの音を聴いてビックリ(゜o゜)  一体どんなリマスターを施したのかは知らないが、これまでのどの盤と比べても一聴して分かるほど音質が向上しているのだ。ただ単に音圧を上げただけという手抜きリマスターではなく、音の粒立ちがとても良くなりリアルな質感が楽しめるサウンドに仕上がっているのが嬉しい。これなら手持ちのベスト盤と収録曲が被っていても全然OKだ。これで3,000円しないのだからコスパは抜群に高い。
 それにしてもB'zのお二人は本当に凄い。25周年と一口に言うけれど、それだけの長期間にわたって第一線で活躍し、クオリティーの高い楽曲を生み出し続けているのはもう奇跡的という他ない。上記のDVDに収録されたミュージック・ビデオに出てくる昔のお二人の服装は時代を感じさせるものが多く(←特に90年代前半のバブル期!)、ファッションというものは時代と共に古びていくものだなぁと実感したが、その一方で彼らの音楽が色褪せることなく不変の輝きを放っていることに驚かされた。素晴らしい音楽は時に試練に耐えて愛され続けるのだ。
 私は1997年夏の「Calling」でB'zに目覚めた “遅れてきたファン” なのだが、それ以降16年間のシングル・アルバムはすべてリアルタイムで体験し、それぞれの曲に思い出が一杯詰まっている。彼らの曲を聴くとその頃の自分を思い出し、当時にタイムスリップしたような不思議な感覚が味わえるのだ。日本のアーティストでこんな思いをさせてくれるのは彼らだけである。そういう意味でも私にとってのB'zは特別な存在だ。
B'z 25th Anniversary DIGEST 1988-2013


 それにしてもおとといのミュージック・ステーションは凄かった(^o^)丿 B'zが4曲歌うと聞いて前日から楽しみにしていたのだが、そんな期待を裏切らない充実したパフォーマンスにテレビの前で大コーフン(≧▽≦)  まずは番組オープニングから新曲の「Q&A」がキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!! いきなりテンションMAX状態だ。この曲はイントロからパワー全開で突っ走る痛快無比な疾走系ロックンロールで、王道ロックだけが持つ理屈抜きのカッコ良さに痺れてしまう。血湧き肉躍るとはこういうのを言うのだろう。稲さんのヴォーカルが生み出すうねるようなグルーヴはまるでワインディングを駆け抜けていくスポーツカーのような爽快さだし、縦横無尽に弾きまくる松ちゃんのエッジの効いたギターはいつ聴いても最高だ。要所要所でここぞとばかりに飛来するブラスも効果的で、“クエーッション!アーンサー!” というバック・コーラスもテンション・アップに一役買っている。聴けば聴くほどクセになる心憎いアレンジだ。
B'z「Q&A」MUSIC STATION


 “B'z の好きな曲BEST 10” は、90年代のポップ色の強いナンバーやバラッドが上位を占めるというほぼ予想通りの結果で(←「LADY NAVIGATION」はちょっと意外... 私は「Blowin'」が入ると思ってた...)、後半ではそこから選ばれた3曲を演ってくれたのだが、TVでは18年ぶりとなる「LOVE PHANTOM」(←イントロのツイン・リード・アレンジが新鮮!)、TV初披露の「裸足の女神」(←稲さんが松ちゃんにドリルを渡す時の表情がいい!)、リクエスト第1位の「ultra soul」(←エンディングで “ウルトラソウル、ハイ!” の3連発やってほしかったなー)という怒涛の神曲ラッシュに日頃のストレスも吹っ飛んだ。何かめっちゃ元気出たぞー\(^o^)/ やっぱりB'zは最高やわ。
B'z「LOVE PHANTOM - 裸足の女神 - ultra soul」MUSIC STATION


 Mステでは演らなかった残り3曲の新曲の中では「HEAT」が出色の出来。ちょうど「裸足の女神」を裏返しにした様なキャッチーなメロディーを持ったポップ・チューンで、名曲「恋心」の流れを汲む “昔ながらのB'z” 的な癒し系ナンバーだ。ガンガンとハードに迫るイケイケ・ロックだけでなく、このようにミディアム・テンポで親しみやすい爽やかなポップ・チューンをさりげなく作れる懐の深さがB'zの凄さだと思う。
B'z / HEAT


【特報】今夜9時からYouTubeでB'zの特番が(←MCはあの伊藤政則氏)、そして真夜中には読売テレビで(←関西在住でラッキー)「B'z Live-GYM Pleasure 2013 SP」が放送されます。いやぁ~、盛り上がってまいりました(^o^)丿 ファンの方は要チェックです!

GO FOR IT, BABY -キオクの山脈- / B'z

2012-04-07 | B'z
 やっとのことで1週間が終わった。新しい職場の水がイマイチ自分に合わないこともあって、めちゃくちゃストレスの溜まる毎日だったのだが、こんな時は元気になれる曲を聴いて気持ちを切り替えるに限る... ロックだ... ノリノリのロックしかない。
 とまぁこのように酸欠状態の金魚みたいに口をパクパクさせてロックのプリミティヴな衝動を求めていた矢先、先月アマゾンで予約しておいた B'z のニュー・シングル「GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-」が届いた。何というグッド・タイミング、まさに干天の慈雨、ネコにカツオ節、shiotch7 に B'z である。この曲のサビは先行オンエアされているペプシの CM で聴いてすでに脳内リフレイン状態だったが、これでフル・ヴァージョンをアルテック・ヴァレンシアの大音量で思う存分楽しめるのだ。私にとってこれ以上の活力剤はない(^.^)
 ペプシのCMでオンエアされていた 1st beat の「GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-」は「SPLASH!」を想わせるようなミディアム・テンポの骨太ロックで、ジョーン・ジェットの「アイ・ラヴ・ロックンロール」のように高揚感を煽るようなリフを巧く使ったカッコ良いナンバーだ。王道中の王道をいく松ちゃんのエッジの効いたギター・リフといい、稲さんの一人追っかけコーラスといい、この曲には B'z サウンドの魅力がこれでもかとばかりに詰め込まれており、隠し味的に使われているシンセも効果抜群、途中のブリッジ部分で松ちゃんのヴォーカルが聴けるというのも楽しい。
 この曲は歌詞も最高だ。 “あの日に帰りたいと望んでも There is no turning back♪” ときて “Go for it, baby コエテユケ 幸福の瞬間を じっと見つめたら 捨てちまいなよ あの日の僕はもういないんだから~♪” とキメる歌詞は、不本意な転勤で前の職場を懐かしんで凹みまくっていた私にめっちゃ元気をくれたし、ラストの “本当の最高はこれから始まる~♪” というフレーズも「The Best Is Yet To Come」みたいな感じで聴く者にポジティヴなエネルギーを与えてくれる。この曲は “楽しかった過去にいつまでも囚われるな、記憶の山脈を乗り越えて、前を向いて進んでいこうぜ!” という力強い応援歌なのだ。
 更に特筆すべきはこの曲の PV のカッコ良さで、ハッキリ言ってもう鳥肌モノ! 監督はフランス人らしいが、何度見ても曲想とバッチリ合った斬新な映像処理に目を奪われ、画面に釘付けになってしまう。それにしても2012年の今、楽曲としての高いクオリティーを維持しながらこれほどロックのプリミティヴなパワーを体現しているバンドが他にあるだろうか? ホンマに B'z ってカッコエエなぁ(≧▽≦)
 2nd beat の「仄かなる火」は「永遠の翼」タイプの典型的な B'z バラッド。ヘヴィーなロックのカップリング曲として2曲目にバラッドを持って来るというのは彼らのいつものパターンで、どうしても ド派手な 1st beat の箸休め的な存在になってしまう危険性を秘めているが、この曲は何度も繰り返し聞くうちにハマってしまう中毒性を秘めたスルメ・チューンで、松ちゃんのよく歌うギター・ソロがごっつうエエ感じ。「アローン」のセルフ・パロディーみたいな後半部の “Waiting for the sunshine~♪” の懐かしさ溢れるメロディー展開もたまらんわ(^o^)丿
 3rd beat の「流星マスク」、まるで昭和のヒーロー・アニメか何かと間違えそうなタイトルだが、歌詞の一節 “流れる星を追いかける マスクの男~♪” (←ココの一気にたたみ掛けるようなメロディー展開が好き!)からテキトーにでっち上げたような安直さに笑ってしまう。曲調はアップテンポで底抜けに明るいポップ・ロックで、「GREEN」(2002年)や「ザ・サークル」(2005年)あたりに入っていても違和感がなさそうな、ちょっと懐かしい B'z サウンドが楽しめるところが嬉しい。後半部で激しく自己主張する松ちゃんのラウドなギターがこの曲をピリリと引き締めているところもニクイですな。
 付属 DVD には「GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-」の PV とライヴ3曲の計4曲分の映像が収録されている。PEPSI NEX presents B'z 1 DAY LIVE at SHIBUYA-AX のライヴ映像では「さよなら傷だらけの日々よ」、「イチブトゼンブ」、「Liar! Liar!」の3曲が見れるが、特に「さよなら...」がバリバリのハードロックにアレンジされていることにビックリ(゜o゜)  松ちゃんのギターもめっちゃアグレッシヴやし、稲さんも完全に戦闘モード... 不覚ながらこんなにライヴ映えする曲やとは正直思わなんだ。やっぱり B'z はどこまでも奥が深いわ。

B'z / GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-


B'z / pepsi NEX TVCM Tshirts Live篇(30sec)

ULTRA Treasure / B'z

2010-08-13 | B'z
 「B'z VIVE-GYM 2010 Ain't No Magic」DVD から何となく始めた “真夏のB'z祭り” もいよいよ最終回、今日は2008年にデビュー20周年記念としてリリースされた2枚のベスト盤のうち、ファン投票で選ばれた上位30曲に新曲を加えた “裏ベスト” 的存在の「ULTRA Treasure」の方を取り上げたい。
 このアルバムは本体の2枚組 CD に前年のライヴハウス・ツアーの模様を丸ごと収録した DVD が付いた “2CD+DVD” 版と、DVD の代わりに新曲「いつかまたここで」入りの1トラック・ボーナス CD が付いた “3CD” 版という2種類の変則フォーマットでリリースされた。この “DVD と新曲の両方が欲しければ2セット買え” と言わんばかりのファンをナメきったリリース方法には呆れてモノも言えないが、アホバカ・レコード会社の露骨な商業主義に付き合う義理はさらさら無いので、私は DVD 付きの方を購入し、新曲はレンタルで済ませることにした。そもそも CD 1枚に1曲だけやなんて資源の無駄遣いも甚だしいし、こんな姑息なことやっとったら反感買うだけやと思うねんけどねぇ...(>_<)
 ファン投票(←因みに私が投票したのは「ROCK man」「ピエロ」「夢見が丘」)による選曲に関しては、これまでのベスト盤と被っている曲も少なからず入っており、正直言って中途半端な感じは否めない。確かに「Home」が英語詞ヴァージョンやったのはめっちゃ嬉しいし、「BLOWIN'」の新録ヴァージョンもライヴ感溢れる仕上がりで中々カッコ良い。NHK 特番で稲さんが歌詞を何度も推敲しながら完成させるプロセスが見れた新曲「グローリー・デイズ」もかなりの名曲だ。しかし収録曲の大半は既に持っている音源なのでどうしても有り難味が薄いのだ。20周年記念を謳うのなら、バリバリのロック・アレンジで過去の名曲に新たな生命を吹き込んだ名盤「ザ・ミクスチャー」のように、いっそのこと全曲を新感覚で再レコーディングしてくれたら最高やったのに、などとついつい贅沢なことを考えてしまう。
 何だかネガティヴなことばかり書き連ねてしまったが、2枚の CD はオマケみたいなもので、私にとっての「ULTRA Treasure」は特典 DVD こそがメイン・アイテム。ここに収められたライヴはスタジアム級の大会場で行われる通常の LIVE-GYM とは違い、ライヴハウスのような小さな会場で行われる SHOWCASE と呼ばれるもので、ステージとの距離が近いこともあってオーディエンスのノリもハンパではない。彼らのライヴ DVD は「イン・なんば」を除いては大会場のものばかりなので、SHOWCASE の映像が見れるだけでも大変貴重なのに、 Zepp Tokyo で行われたシークレット・ライヴを19曲丸ごと収録というのはものすごい大盤振る舞いというか、この DVD 単体で3,300円でも安いくらいの超お買い得盤なのだ(^o^)丿
 この時のライヴ映像はシングル「SUPER LOVE SONG」の初回盤特典 DVD に1曲だけ収録されていたが、今回のはそれよりも遥かに高画質。カメラアングルも過去のライヴ DVD の中でもトップクラスと言えるもので、松ちゃんの指の動きなんかもよくわかるし、ライヴの熱気や会場の一体感がビンビン伝わってきて大コーフンしてしまう。LIVE-GYM のようなギミックは一切ナシで、ロックバンドの原点とも言うべきプリミティヴなパワー全開のライヴ・パフォーマンスが堪能できるのも嬉しい。
 セット・リストには③「HOT FASHION -流行過多-」、⑥「ロンリー・スターズ」、⑪「春」、⑰「Out Of Control」、⑲「おでかけしましょ」のようにライヴであまり演らないレア曲が一杯入っていて、ここら辺にも LIVE-GYM との違いが出ているし、アンコールで我が愛聴曲⑱「ARIGATO」を演ってくれたのが何よりも嬉しい。この曲、テレ朝とのタイアップでよく流れてはいたけれど番組での使われ方がヘンだったので世間の評価はイマイチかもしれないが、私的にはゼッペリンの「天国への階段」にも通じるドラマチックな展開を持った屈指の名曲だ。松ちゃんの弾くイントロを聴いて “おぉ~” というどよめきが湧き起こるところも面白い。
 それ以外でも、②「FRICTION」、⑬「F・E・A・R」、⑮「BANZAI」、⑯「ALL-OUT ATTACK」のような疾走系ロックンロールは圧巻の一言に尽きるし、⑦「泣いて泣いて泣きやんだら」や⑫「ながい愛」のようなヘヴィーなバラッドも説得力抜群だ。面白かったのはフュージョンっぽいギター・アレンジが斬新な⑨「太陽のKomachi Angel」と、「juice」のイントロに騙された(笑)⑭「アラクレ」で、“進化し続ける B'z ” が楽しめる。ライヴこそが B'z の原点であり、その熱いステージを体験して初めて B'z の真の凄さが分かる... そのことをこの DVD は如実に語っている。やっぱり B'z はエエなぁ(^o^)丿

B'z - ROCK man 【B'z the Best "ULTRA Treasure"】


B'z ビーズ - Fear (Showcase Zepp Tokyo 2007)


ARIGATO (限界高画質)
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