shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Everybody Loves A Lover / Doris Day

2012-04-30 | Jazz Vocal
 悪夢のような4月もやっと今日で終わり。プライベートで色々あってゆったりと音楽に浸れるような状況ではなかったのでこのブログも更新頻度がガクッと落ちてしまったが、“ドリス・デイ祭り” はしぶとく継続中... 今日は50年代後半の作品群だ。まずは例によって、1956年から1960年までの12インチLPのディスコグラフィーから;

☆Doris Day Discography Pt.2: 1956-1960
 56 Day In Hollywood
    Day By Day
 57 Day By Night
    The Pajama Games [Soundtrack]
 58 Hooray For Hollywood
    Doris Day's Greatest Hits
 59 Cuttin' Capers
 60 What Every Girl Should Know
    Show Time
    Listen To Day

 この時期の彼女はまさに “アメリカの国民的歌手&女優” として大活躍しており数々の名唱を残しているが、そんな中からお気に入りの5曲をピックアップしてみた。

①Everybody Loves A Lover
 1958年にシングルとしてリリースされて全米で大ヒットしたこの曲はオリジナル・アルバムには未収録。同年にリリースされた「グレイテスト・ヒッツ」の1曲目を飾っていたことでもわかるように、歯切れの良いヴォーカルで弾むようにスイングするドリス・デイの魅力をギュッと濃縮還元したようなナンバーだ。特に1分45秒から始まる “一人追っかけ二重唱” のパートはタマランなぁ... (≧▽≦)
Doris Day-Everybody Loves A Lover + Lyrics


②The Gypsy In My Soul
 ポール・ウエストンによる編曲&指揮で1956年にリリースされたアルバム「デイ・バイ・デイ」はスロー・テンポのアレンジが主流の落ち着いたスタンダード集だが、そんな中でミディアムで軽やかにスイングする彼女の歌声が楽しめるのがこの「ジプシー・イン・マイ・ソウル」。間奏のブラス・アンサンブルとそれに続くテッド・ナッシュのソロもゴキゲンだ。
Doris Day ~~~~~ The Gypsy In My Soul


③Wrap Your Troubles In Dreams
 1957年にリリースされたアルバム「デイ・バイ・ナイト」はそのタイトルからも分かるように上記の「デイ・バイ・デイ」の姉妹編的な位置付けで、編曲&指揮も同じポール・ウエストン。こちらはタイトルの “ナイト” に引っ掛けたのか、 “夜” “夢” “月” “星” をテーマにしたバラッドを中心に選曲されている。この「苦しみを夢に隠して」(←邦題です)は私の大好きな曲で、ミディアム・スローで歌詞の一語一語にニュアンスを込めて歌い込むドリス・デイのヴォーカルが説得力抜群だ。
Doris Day sings Wrap Your Troubles In Dreams


④The Way You Look Tonight
 歌手としても女優としても脂が乗り切っていた1958年にリリースされた2枚組アルバム「フーレイ・フォー・ハリウッド」の中で私の一押しがこの「ザ・ウェイ・ユー・ルック・トゥナイト」だ。編曲・指揮は以前「ザ・グローリー・オブ・ラヴ」関連で取り上げたフランク・デ・ヴォール(←映画「招かれざる客」の音楽を担当した人)で、良くも悪くもハリウッドらしい装飾過多のアレンジだが、ドリス・デイの歌声はそれを補って余りある素晴らしさだ。
Doris Day - The way you look tonight


⑤When You're Smiling
 1960年にリリースされたアルバム「ホワット・エヴリ・ガール・シュッド・ノウ」は知っている曲も少なくウィズ・ストリングス系のバラッド曲中心ということもあってターンテーブルに乗る機会はほとんど無いが、その中で唯一例外的に愛聴しているのがこの「君微笑めば」だ。 “笑う門には福来たる” という内容の歌詞はドリス・デイが歌うのにピッタリで、彼女のハートウォーミングな歌声にはいつ聴いても励まされる。 shoppgirl姐さんがご自身のブログで “ドリス・デイで「ケ・セラ・セラ」の次に好きな曲” と書いておられるのを見て、“さすがは姐さん、エエ趣味してはるわ(^.^)” と嬉しく思ったものだ。
Doris Day - When You're Smiling
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If I Were A Bell / Doris Day

2012-04-23 | Jazz Vocal
 少し間が空いてしまったが、今日からまた “ドリス・デイ祭り” 再開である。まずは前回やった1950年代前半の続編からいこう。まだ本格的なLP時代に入っていなかったこともあって、この時期にリリースされた彼女の50枚近いシングル盤音源の多くがLP未収録の憂き目にあっており、CD時代に入ってようやく色んなベスト盤に少しずつ入るようになったのだが、そんな “オリジナル・アルバム未収録のシングル盤音源” の中で私が特に気に入っているのが以下の5曲。③は10インチ盤「ララバイ・オブ・ブロードウェイ」に、④⑤は12インチ盤「グレイテスト・ヒッツ」にそれぞれ収録されていたが、①②はあまり知られていないレアな音源だ。

①If I Were A Bell
 ポールもリスペクトする大作曲家、フランク・レッサーの名曲「イフ・アイ・ワー・ア・ベル」は私の大好きな曲で、この “ドリス・デイ祭り” を通じて初めて彼女が歌うヴァージョンの存在を知った。早速 YouTube で試聴してみると、ビッグバンドを従えてダイナミックにスイングするパワフルな歌唱が圧巻で、アルバム未収録ということで埋もれさせてしまうには惜しい名演だ。
 ただ、YouTube にアップされてるのは間違いなくドリス・デイの歌声なのだが、「Girl Next Door」「Absolutely Essential」「Bewitched」といったベスト盤CD に入っている音源はその声や歌い方から判断してどうしても彼女のものとは思えない。真相を確かめるために eBay でオリジナルのシングル盤を獲ってみたら、やっぱり YouTube のが本物だった。尚、アマゾンの MP3 ダウンロード版では2種類ともアップされているが、2:45ヴァージョンが偽物で 2:58ヴァージョンの方が本物だ。興味のある方は一度聴き比べてみて下さいな。
Doris Day - If I Were A Bell


②From This Moment On
 この「フロム・ジス・モーメント・オン」も我が愛聴曲で、①と同じく “祭り” の最中に YouTube でドリス・デイを集中的にチェックしていてたまたま見つけたのだが、一瞬クリス・コナーかと思わせるくらいハスキーな歌声がすっかり気に入って、この曲が入っているドリス・デイ盤CDを調べ上げてUKアマゾンで即ゲット。廃盤を £1.35(180円!)で買えてラッキーラララである。「センチメンタル・ジャーニー」のノスタルジックな歌声とは別人のようなジャジーなヴォーカルは一聴の価値アリだ。
Doris Day - From This Moment On


③Just One Of Those Things
 10インチ盤「ララバイ・オブ・ブロードウェイ」収録の全8曲中で他を引き離して圧倒的に素晴らしいトラックがこの「ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングズ」だ。前回取り上げた「ララバイ・オブ・ブロードウェイ」の時にも書いたが、 “アップテンポで軽やかにスイングするドリス・デイ” の魅力は筆舌に尽くし難い。後半部で炸裂するバディ・コールの疾走感溢れるピアノ・ソロもめっちゃスインギーで名演度アップに大きく貢献している。やっぱりジャズはインストもヴォーカルもスイングしなけりゃ意味ないですね(^o^)丿
Doris Day - Just One of Those Things


④Shanghai
 美空ひばり、ペギー・リーと並ぶこの曲の三大名唱と私が信じて疑わないのがドリス・デイのこのヴァージョン。弾むようにスイングする彼女の歌声が耳に心地良い。ただ、ここに貼り付けた YouTube の音源もそうだが、まるで風呂場で歌っているかのように過剰なエコーがかけられた不自然なミックスのものが結構出回っているので要注意だ。
Doris Day ~~ Shanghai


⑤A Guy Is A Guy
 私がこの曲を知ったのは江利チエミのヴァージョンで、ずっとそれが自分の中のベンチマークだったのだが、このドリス・デイ・ヴァージョンはチエミと双璧を成す素晴らしさである。そういえば車の中でこの曲が鳴った時、横に乗ってたウチの母親が “エエ声やな...” と即座に反応したのにはビックリした。さすがはウチのおかん、エエ耳しとるわ(笑)
Doris Day: A Guy is a Guy


何もなかったように / 荒井由実

2012-04-19 | J-Rock/Pop
 先週13日の金曜日、目に入れても痛くないくらい可愛がっていた愛犬のルミ(マルチーズ)が亡くなった。彼女は15才で人間の年齢に換算すれば90才だから長生きした方なのだが、もう完全に家族の一員として一緒に生活してきただけに何だか心の中にポッカリ穴が開いたような感じがする。今日はそんなルミへの追悼の意味も込めて、ユーミンの「何もなかったように」にしよう。
 ユーミン4枚目の、そして “荒井由実” としての最後のアルバム「14番目の月」に収録されていたこの曲は、当時彼女が飼っていたシェパードが死んで、その供養のために彼女が作ったもので前々から好きな曲だったが、いざ自分が愛犬に死なれてみると、その歌詞の一言一言が痛いくらいに胸に沁みてきて、それまでとは全く違った特別な意味を持った曲として心に響く。
 特に “人は失くしたものを 胸に美しく刻めるから いつもいつも 何もなかったように 明日をむかえる” のラインなんか、さすがはユーミン!と唸ってしまう見事な歌詞だし、 “本当の光に満ちてた頃がいつかを知るのは 過ぎ去ったあと” なんてフレーズを淡々と歌ってのけるユーミンのクールネスがこの曲の魅力を更に高めているように思う。
 彼女はよく “歌は下手” だとか “歌唱力は素人並み” だとか言われるが、歌詞に込められたメッセージを表現するには、あのつかみどころのない彷徨ヴォーカル(?)が一番合っているような気がする。自分の音楽をトータルで捉えてその中で自分を活かすスタイルを熟知しているというあたりは、ジャズで言えばさしずめセロニアス・モンクのピアノみたいなモンか?
 基本的にユーミンは全部好きだが、バブルの象徴的存在として時代を牽引していった80年代のミリオンセラー・アルバムが今聴くとやや古さを感じさせるのに対し、荒井由実時代の素朴な作品の方は風化せずにいつまでも瑞々しい響きを保っているように聞こえるところが面白い。
 今夜はユーミンを聴きながら、可愛かったルミの思い出を胸に美しく刻んでおくとしよう。

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Young Man With A Horn / Doris Day

2012-04-12 | Jazz Vocal
 転勤のドタバタや新しい職場の雰囲気が自分に合わないこともあって、気持ちの落ち込みに比例してブログの更新ペースも落ち気味だが、やっとのことで “ドリス・デイ祭り” 第2回である。まず手始めに1949年から1955年までの10インチLPと12インチLPのディスコグラフィーを作ってみた。

☆Doris Day Discography Pt.1: 1949-1955
 【10インチLP 】
  1949 You're My Thrill
  1950 Young Man With A Horn
      Tea For Two
  1951 Lullaby Of Broadway
      On Moonlight Bay
      I'll See You In My Dreams
  1953 By The Light Of The Silvery Moon
      Calamity Jane
  1954 Young At Heart

 【12インチLP】
  1954 Young Man With A Horn (同名10インチ盤に4曲追加したもの)
  1955 Day Dreams (10インチ盤「You're My Thrill」に4曲追加したもの)
      Love Me Or Leave Me

 この時期のドリス・デイはどちらかというと私が苦手とするミュージカル仕立てのアレンジの作品が少なくないので愛聴盤は自ずと限られてくるのだが、そんな中で私が断トツに気に入っているのがハリー・ジェイムズのトランペットをフィーチャーしたスインギーな「ヤング・マン・ウィズ・ア・ホーン」。このアルバムは10インチ盤(黄色いジャケのヤツ)と12インチ盤の2種類あるが、全ドリス・デイ作品中1,2を争うキラー・チューン⑫「ララバイ・オブ・ブロードウェイ」他4曲が追加収録された12インチ盤の方がオススメだ(←まぁCDでは関係ないですけど...)。
 自分にとって“普通の曲”を“愛聴曲”に変えてしまうような強烈なインパクトを持った歌・演奏こそが真の名唱・名演だと私は思うのだが、それまで全くのノーマークだった「ララバイ・オブ・ブロードウェイ」という曲の素晴らしさを私に教えてくれたのがドリス・デイの⑫で、ウキウキワクワクするような曲想、絶妙なオブリガートでヴォーカルを引き立てるハリー・ジェイムズの職人技、そして弾むようにスイングするドリス・デイの歌声と、ありとあらゆる要素が私のスイート・スポットを直撃! とにかく “アップテンポで軽やかにスイングするドリス・デイ” を楽しむならこの曲に限るだろう。私はサビの “Milkman’s on his way♪”(牛乳配達の男がもう来てるよ)と “Let's call it a day♪”(これで今日は終わりにしよう)の部分が大好きで、その流れるようなメロディーに作者ハリー・ウォーレンの天才を見る思いがする。
 因みに「ララバイ・オブ・ブロードウェイ」というそのものズバリのタイトルが付けられた10インチ盤に収められているのはフランク・コムストック・オーケストラとノーマン・ルボフ合唱団をバックにした別ヴァージョンで、そっちの方はアレンジとかコーラス処理とかがミュージカルっぽくてあまり好きではない。やっぱりドリス・デイの「ララバイ・オブ・ブロードウェイ」はハリー・ジェイムズ・ヴァージョンに尽きると思う。
 10インチ盤、12インチ盤共にアルバム「ヤング・マン・ウィズ・ア・ホーン」の1曲目を飾っているのが①「アイ・メイ・ビー・ロング」で、イントロのほんの数小節のトランペットの輝かしい音色を聴いただけでこれから素晴らしい音楽が始まる雰囲気が醸し出される。そして実際、ハリー・ジェイムズのトランペットに先導されたドリス・デイのヴォーカルは水を得た魚のようにスイングし、快調そのもの。特に間奏が終わった直後の “I may be wrong but I think you're wonderful~♪”(1:48~)のヴォーカル・フレージングなんかもうたまりませんわ(≧▽≦)
 この2曲以外では、③「ザ・ヴェリー・ソート・オブ・ユー」、⑦「トゥー・マーベラス・フォー・ワーズ」、⑨「アイ・オンリー・ハヴ・アイズ・フォー・ユー」、⑪「ウィズ・ア・ソング・イン・マイ・ハート」といったスロー・バラッドがの雰囲気抜群でエエ感じ。尚、②「ザ・マン・アイ・ラヴ」、⑤「メランコリー・ラプソディ」、⑧「ゲット・ハッピー」、⑩「ライムハウス・ブルース」の4曲はドリス・デイのヴォーカルが入っていないハリー・ジェイムズ楽団単独の演奏によるインスト・ナンバーなので要注意だ。

DORIS DAY - LULLABY OF BROADWAY


Doris Day :::: I May Be Wrong. ( But I Think You're Wonderful )
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GO FOR IT, BABY -キオクの山脈- / B'z

2012-04-07 | B'z
 やっとのことで1週間が終わった。新しい職場の水がイマイチ自分に合わないこともあって、めちゃくちゃストレスの溜まる毎日だったのだが、こんな時は元気になれる曲を聴いて気持ちを切り替えるに限る... ロックだ... ノリノリのロックしかない。
 とまぁこのように酸欠状態の金魚みたいに口をパクパクさせてロックのプリミティヴな衝動を求めていた矢先、先月アマゾンで予約しておいた B'z のニュー・シングル「GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-」が届いた。何というグッド・タイミング、まさに干天の慈雨、ネコにカツオ節、shiotch7 に B'z である。この曲のサビは先行オンエアされているペプシの CM で聴いてすでに脳内リフレイン状態だったが、これでフル・ヴァージョンをアルテック・ヴァレンシアの大音量で思う存分楽しめるのだ。私にとってこれ以上の活力剤はない(^.^)
 ペプシのCMでオンエアされていた 1st beat の「GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-」は「SPLASH!」を想わせるようなミディアム・テンポの骨太ロックで、ジョーン・ジェットの「アイ・ラヴ・ロックンロール」のように高揚感を煽るようなリフを巧く使ったカッコ良いナンバーだ。王道中の王道をいく松ちゃんのエッジの効いたギター・リフといい、稲さんの一人追っかけコーラスといい、この曲には B'z サウンドの魅力がこれでもかとばかりに詰め込まれており、隠し味的に使われているシンセも効果抜群、途中のブリッジ部分で松ちゃんのヴォーカルが聴けるというのも楽しい。
 この曲は歌詞も最高だ。 “あの日に帰りたいと望んでも There is no turning back♪” ときて “Go for it, baby コエテユケ 幸福の瞬間を じっと見つめたら 捨てちまいなよ あの日の僕はもういないんだから~♪” とキメる歌詞は、不本意な転勤で前の職場を懐かしんで凹みまくっていた私にめっちゃ元気をくれたし、ラストの “本当の最高はこれから始まる~♪” というフレーズも「The Best Is Yet To Come」みたいな感じで聴く者にポジティヴなエネルギーを与えてくれる。この曲は “楽しかった過去にいつまでも囚われるな、記憶の山脈を乗り越えて、前を向いて進んでいこうぜ!” という力強い応援歌なのだ。
 更に特筆すべきはこの曲の PV のカッコ良さで、ハッキリ言ってもう鳥肌モノ! 監督はフランス人らしいが、何度見ても曲想とバッチリ合った斬新な映像処理に目を奪われ、画面に釘付けになってしまう。それにしても2012年の今、楽曲としての高いクオリティーを維持しながらこれほどロックのプリミティヴなパワーを体現しているバンドが他にあるだろうか? ホンマに B'z ってカッコエエなぁ(≧▽≦)
 2nd beat の「仄かなる火」は「永遠の翼」タイプの典型的な B'z バラッド。ヘヴィーなロックのカップリング曲として2曲目にバラッドを持って来るというのは彼らのいつものパターンで、どうしても ド派手な 1st beat の箸休め的な存在になってしまう危険性を秘めているが、この曲は何度も繰り返し聞くうちにハマってしまう中毒性を秘めたスルメ・チューンで、松ちゃんのよく歌うギター・ソロがごっつうエエ感じ。「アローン」のセルフ・パロディーみたいな後半部の “Waiting for the sunshine~♪” の懐かしさ溢れるメロディー展開もたまらんわ(^o^)丿
 3rd beat の「流星マスク」、まるで昭和のヒーロー・アニメか何かと間違えそうなタイトルだが、歌詞の一節 “流れる星を追いかける マスクの男~♪” (←ココの一気にたたみ掛けるようなメロディー展開が好き!)からテキトーにでっち上げたような安直さに笑ってしまう。曲調はアップテンポで底抜けに明るいポップ・ロックで、「GREEN」(2002年)や「ザ・サークル」(2005年)あたりに入っていても違和感がなさそうな、ちょっと懐かしい B'z サウンドが楽しめるところが嬉しい。後半部で激しく自己主張する松ちゃんのラウドなギターがこの曲をピリリと引き締めているところもニクイですな。
 付属 DVD には「GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-」の PV とライヴ3曲の計4曲分の映像が収録されている。PEPSI NEX presents B'z 1 DAY LIVE at SHIBUYA-AX のライヴ映像では「さよなら傷だらけの日々よ」、「イチブトゼンブ」、「Liar! Liar!」の3曲が見れるが、特に「さよなら...」がバリバリのハードロックにアレンジされていることにビックリ(゜o゜)  松ちゃんのギターもめっちゃアグレッシヴやし、稲さんも完全に戦闘モード... 不覚ながらこんなにライヴ映えする曲やとは正直思わなんだ。やっぱり B'z はどこまでも奥が深いわ。

B'z / GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-


B'z / pepsi NEX TVCM Tshirts Live篇(30sec)

The Complete Doris Day with Les Brown

2012-04-02 | Jazz Vocal
 “ポールが取り上げたスタンダード・ナンバー” の特集中に当ブログ最高顧問の(←キダ・タローかよ!)みながわさんがドリス・デイに興味を持たれた。私は彼女の大ファンでレコードやCDもかなり持っており、これまでは何も考えずに気の向くままに聴いてきたのだが、せっかくなのでこの機会に時系列に沿って彼女の作品を整理してみようと思う。
 彼女のキャリアのスタートはレス・ブラウン楽団のバンド・シンガーであり、1940年から1946年の間にコロムビアの傍系レーベルであるオーケー(Okeh)に42曲吹き込んでいる。今日はその中から私的お気に入りトップ3をご紹介;

①Sentimental Journey
 ドリス・デイといえば何はさておき「センチメンタル・ジャーニー」である。1944年にリリースされたこのオリジナル・ヴァージョンは、たまたま第二次大戦の終戦と時期的に重なったこともあって、恋しい故郷を目指すというその歌詞の内容が遠い戦地へ赴任している兵士たちの望郷の念と見事にリンクして大ヒット、今では押しも押されぬポップ・スタンダード・ナンバーだ。
 レス・ブラウン楽団の古式ゆかしい演奏の向こうから“ゴォ~ナ テイクァ♪” と彼女のハスキーな歌声がスーッと立ち昇ってくる瞬間の言葉に出来ない心地良さ(^o^)丿 これはもう女性ヴォーカル・ファンにとっては悦楽の世界である。seven と heaven で韻を踏むサビの部分なんかもうたまらんたまらん! 列車の揺れを表現したかのようなバックのゆったりしたリズムがこれまた耳に心地良いし、管楽器を甘く泳がせるレス・ブラウン楽団のサウンドもノスタルジックな雰囲気を高め、彼女の持ち味を極限まで引き出している。
Doris Day - Sentimental Journey [1944]


 因みに彼女は1964年にこの曲をセルフ・カヴァー(→65年リリースのアルバム「センチメンタル・ジャーニー」に収録)している。ノスタルジー度ではオリジナルに軍配が上がるが、私的にはジャジーで粋なアレンジと彼女の円熟した歌声がたまらないこちらの再録ヴァージョンの方を愛聴している。皆さんはどっちがお好みですか?
Sentimental Journey 訳詞付- Doris Day [1964]


②I Got The Sun In The Morning
 アーヴィング・バーリンが「アニーよ銃を取れ」のために書いたこの曲は、日本では「朝に太陽、夜は月」という竹を割ったような潔い直訳邦題を付けられているが、思わず口ずさんでしまいそうなキャッチーなメロディーに心が躍るナンバーだ。レス・ブラウン楽団も弾むような演奏に乗ってのびのびと歌うドリス・デイのヴォーカルが実に自然で気持ち良い。
I Got The Sun In The Morning [1946]


 彼女はこの曲も1960年にアルバム「ショウタイム」用に再録音しているが、私はシンプルなアレンジでストレートに歌うオリジナル・ヴァージョンの瑞々しい歌声には遠く及ばないと思っている。先の「センチメンタル・ジャーニー」と同様に、オリジナルとセルフ・カヴァーの聴き比べで音楽的嗜好が分かれるところも一興だ。
Doris Day - I Got The Sun In The Morning [1960]


③Aren't You Glad You're You
 ハスキーでありながら高音部が伸びていた40年代ドリス・デイの歌声は、花に例えると “開きかけの蕾” といった感じで、愛くるしさの中にほのかな色香が薫っているところがたまらなくキュート。そんな彼女のヴォーカルがほのぼのとした曲想とバッチリ合った隠れ名唱がこの曲で、ザクザクと刻むリズムといい、転がるようなピアノの間奏といい、レス・ブラウン楽団の演奏も聴き応え十分だ。ドリス・デイに限らず、この時代の音楽には何か聴き手をホッとさせるサムシングがあるように思う。
Doris Day - Aren't You Glad You're You
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