shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

奈良にビートルズ・レコード専門店「B-SELS」オープン!

2018-09-30 | The Beatles
 私はコテコテのミーハーなので普段着はビートルズのTシャツだし、時計もカバンもキーホルダーもすべてビートルズ・グッズで固めている。その一番のメリットは何も言わなくても “こいつビートルズ好きやねんな...” と周りが分かってくれることで、おかげで “今日テレビでビートルズやるらしいで。” とか “ユニクロにビートルズのシャツ売ってたで。” とか “雑誌にポール・マッカートニーの記事載ってたからよかったらあげるわ。” とかいうようにビートルズ関連の色んな情報がどんどん集まってくるのだ。
 つい先日も知り合いが “shiotchさん、近鉄奈良駅の向かいに何かビートルズのお店できたみたいやで。” と教えてくれた。“奈良にビートルズのお店??? ホンマかいな...” と半信半疑ながらも一応「奈良 ビートルズ」でググってみたところ、「奈良にもアビイ・ロードがあった... 鹿のビートルズ」という横断歩道を渡る鹿の写真の記事がほとんどだったが(笑)、そんな中に一つだけ鹿が出てこない「B-SELS」というのがあり、 “当店は近鉄奈良駅前にあるビートルズ専門の中古レコード店です” と書いてある。“うわぁ、ホンマにあるやん!” とコーフンしながらお店のHP を開くと、白を基調とした明るい店内に整然とビートルズのレコードが飾られている写真が目に飛び込んできた。その下には “ビートルズ好きの店主がせっせと集めたレコードばかりです... ビートルズ好きの方ならどなたでも気軽にお越しいただければうれしいです。” とある。店主が書かれている「日記」を読むと、行間からビートルズへの愛がビンビン伝わってきて思わず頬が緩んでしまう。これで “行ってみたいな...” と思わなければビートルズ・ファンではない。ということで早速3連休の日曜日に行ってみることにした。
 場所は近鉄奈良駅ビルから大通りを挟んで真向いの雑居ビルの3Fだ。入り口にはユニオンジャックをバックに4人の「ヘルプ!」シルエットをあしらったオシャレな看板があり、階段を上がっていくとその途中にも立て看板があって、“ビートルズ 好♡きナラ B-SELS ビートルズ シカありません” と書いてある。う~ん、やっぱりシカが出てきたか...(笑) しゃあない、奈良で有名なものといえばシカと大仏ぐらいシカないもんな。まぁこればっかりはシカたがない。
 3Fまで上がってお店のドアを開けるとそこはもう別世界で、HPの写真通りのビートルズ天国。「エニー・タイム・アット・オール」が流れる店内を見回すと何から何までビートルズ一色だ(^o^)丿 まず入ってすぐ左側の棚にはフィギュアやらキーホルダーやらの小物が置いてあり、右側にはシングル盤のエサ箱がある。早速覗いてみると、国内盤、UK盤、ソロ作品と、えぇ~こんなんまであるの??? と感心するぐらい品揃えが充実していてビックリ。もちろん国内盤がメインではあるが、UK盤もほぼコンプリートに揃っており、「ラヴ・ミー・ドゥ」のUK赤パーロフォン盤やUKオリジナルEPの中で最難関と言われる「ノーウェア・マン」といった垂涎盤がさりげなく前面に飾ってある。とにかく私の知る限り、ソロも含めたビートルズ関連のシングル盤の在庫に関しては日本でも屈指のお店ではないかと思うぐらい凄い。もし4年前にオープンされていたらUKシングル盤全部ここで買えたのになぁ...


 シングルの次はアルバムだ。入って正面の壁には上下2段ずつ左から右奥へ向かって「プリーズ・プリーズ・ミー」から「レット・イット・ビー」までのアルバムが作品順に飾られており、大雑把に言うと上段がUK盤で下段がUS盤、その下のエサ箱が国内盤や各国盤(←数は少ないが、フランス、ドイツ、イタリア、オーストラリアといったメジャーなところから、メキシコやベネズエラといったマイナーなものまで色々...)という感じで実に見やすく整理されている。
 更に感心したのは盤質表記の丁寧さで、マトリクス枝番など実に細かい点まで補足説明が書いてあるので買う方としても安心できるし、お店のプレイヤーで試聴もさせてもらえるという至れり尽くせりのシステムだ。お値段の方だが、アホみたいなボッタクリ価格のヤフオクで買うのがバカバカしく思えるほどの良心的な価格設定で、ビートルズのアナログレコード入門には最適のお店と言っていいだろう。


 残念ながら私の探しているノルウェー盤やインド盤は置いてなかったので(←そんなもん置いてる店なんか普通ないわな...)、挨拶代わりにビートルズのストラップを購入し、気さくな店主の方と小一時間ほどビートルズ談義に花を咲かせた。オープンして3ヶ月とのことなので、“脱サラしてビートルズ専門のアナログレコード専門店(←つまりCDは無し)を奈良で始めるって正直勇気いったと思うんですが...” と聞くと、“ビートルズに特化してるからかえってやりやすいですし、奈良ということで外国人のお客さんもよく来られます。日本盤シングルはピクチャー・スリーヴが付いているので外国の方に人気なんですよ。” とのこと。そういえば私が店に入った時もカナダ人男性が日本盤シングルを買っていたっけ。
 “今置いてる商品でイチオシの盤はどれですか?” と聞くと迷わずポールの「バック・シート・オブ・マイ・カー」UK7インチシングルを手に取られて “これ、とっても音が良いんです。私、「ラム」大好きなんですよ。” とのこと。おぉ、この方もラムちゃんマニアだったか。我が同志だ(笑) 更に“非売品” の棚に飾ってあった新聞の切り抜きを見せて下さり、“3年前、関空へポールを出迎えに行った時の写真なんですが、ポールの後ろに私が写ってるんですよ!”と仰る。“うわぁ、宝モンですやん!” というと “この新聞、記念に10部ほど買いました!” と実に嬉しそうだ(^.^) 
 その横に飾ってあったのがその時のポール武道館公演のチケットで、“ステージ斜め後ろ側のA席でしたけど前から4列目だったので、「ブラックバード」でポールが足でトントンとリズムを取る音が生々しく聞こえましたし、「レット・イット・ビー」でピアノを弾く姿が正面から見れてとっても感動しました。” と満面の笑みを浮かべて熱く語って下さった。


 “今回の来日公演も行かれるんですか?” と尋ねると“はい、名古屋公演に行きます。お店でも今、「ポール来日フェアー」ということでポールの12インチ特集やってるんですよ。” と壁に飾ってあるレコードを指差される。実はたまたまその前日に私も自分の部屋に飾ってあるレコードをすべてポールに模様替えしたばかりだったのでそのことを言うと大笑い。やっぱりみんな考えることは同じですな。
 ということで本当はもっともっと喋りたかったのだが、さすがに1時間以上長居してお仕事の邪魔になるといけないので、“ビートルズ・ファンの私にとってこの空間はパラダイスです。これからも応援しますので頑張って下さい!” と言うと “気楽に立ち寄って下さいね。” と仰って下さった。
 関西のビートルズ・ファンのみなさん、こんな素敵なお店ですので是非一度行ってみてはいかがでしょう? きっと楽しいひと時が過ごせると思いますよ(^o^)丿


【2019.7.18追記】B-SELSのお客さんがお店の様子を撮った動画をYouTubeにアップされたので貼っておきます。この快適空間、ビートルマニアにとってはまさに“聖地” ですな(^.^)
奈良のビートルズ専門店 『 B-SELS (ビーセルズ) 』行くシカない!

Egypt Station / Paul McCartney

2018-09-23 | Paul McCartney
 “ポール・マッカートニー祭り” 第2弾は前作「NEW」から5年ぶりの新作「エジプト・ステーション」だ。このアルバムは国内盤・輸入盤のCD・LP併せて数種類のフォーマットで発売されたが、私は迷うことなく輸入盤LPをチョイス。180g重量盤LP ということで一番私の好みの音が聴けそうだと考えたからだ。EU盤にするかUSキャピトル盤にするか迷ったが、一日も早く聴きたかったので今回はUS盤を買うことにした。
 このアルバムに入っている新曲を初めて耳にしたのは6月末のことで、リード・シングルである「アイ・ドント・ノウ」がYouTubeにアップされたのを聴いたのだが、第1印象は “ポールらしいメロディーの佳曲やけどイマイチ強烈なインパクトに欠けるなぁ... ポールも76やし、今さら「ジェット」とか「ロック・ショウ」みたいなキャッチーでアッパーなロック曲なんか書かへんわなぁ...” というものだった。しかしこの「アイ・ドント・ノウ」という曲、何度も何度も繰り返し聴くうちにジーンと心に沁みわたってきて、気がつけばすっかり病み付きになっていた。
 レコードが届いて針を落とし、アルバムの実質的なA面1曲目にあたるこの曲の哀愁舞い散るイントロが流れてくると、何ともいえない感傷的な気分になる。YouTubeをパソコンで聴いていた時は分からなかったのだが、まともなスピーカーである程度の音量で聴くと、ピアノの音がとにかく深いのだ。そしてそんなピアノの背後でひっそりと曲の根底を支えるベースのラインが思いっきりポールしてるのがたまらんたまらん(≧▽≦)  ポール・ファンならこれだけで涙腺決壊間違いなしだ。ポールのヴォーカルは100%の安らぎを感じさせると同時にまるで羊羹に混入された微量の塩のような緊張感を含んでおり、その絶妙なバランス感覚に唸ってしまう。いやぁ、コレはたまりませんな。何かこう、胸の中に暖かい灯がポッとともり、しみじみと人生の幸せを感じさせるような、そんな感じのスーパー・ウルトラ・スルメチューンだ。
Paul McCartney - I Don’t Know (Lyric Video)


 そんな「アイ・ドント・ノウ」と両A面シングル(←コレってもう死語やろ...)扱いの「カム・オン・トゥ・ミー」は名曲「フレイミング・パイ」を彷彿とさせるキャッチーなミディアム・ロック・チューンで、“ドゥドゥドゥ ドゥドゥッドゥ~♪” と思わず一緒に口ずさみたくなる親しみやすいメロディーが最高だ。先週取り上げたグランド・セントラル・ステーションでのライヴでもこの曲を演っていたが、オーディエンスがノリノリで曲に合わせて手拍子をしていたのが強く印象に残っている。私的には2000年以降のポールの曲では間違いなく五指に入るフェイヴァリット・チューンだ。
Paul McCartney - Come On To Me (Live from the Tonight Show with Jimmy Fallon)


 レコードB面では1曲目の「フー・ケアズ」がめちゃくちゃ気に入っている。ライヴでポールが言っていたようにこれはイジメについて歌った曲で、イジメられている人達に対して “Who cares about you?” と問いかけ、“I do!” と力強く歌うポールが超カッコイイ!!! まぁお孫さんがいるポールにとってこの“イジメ”という問題は見過ごすことのできない切実な問題なのだろう。行間から子供想いのポールお爺ちゃん(笑)の優しさが滲み出てくる力強いナンバーだ。隠し味的に使われている B-52's風の安っぽいキーボードが絶妙なアクセントになっている。
Paul McCartney - Who Cares


 C面では2曲目に置かれた「バック・イン・ブラジル」がインパクト絶大。ブラジルに住む1人の夢見る少女の日常を歌ったポールお得意のストーリー仕立てのナンバーなのだが、曲中のサビの部分でポールが唐突に“イチバーン! イチバーン!” と日本語を連呼するという、ハルク・ホーガンもビックリの展開に大爆笑(^.^)  正直言って初めて聴いた時はこの部分だけ何か取って付けたような違和感を感じたが、今ではこの“イチバーン! イチバーン!... イチババッバッバッババーン!” が炸裂するのを今か今かと待っている自分がいる。困ったものだ。
Paul McCartney - Back In Brazil


 C面では4曲目の「シーザー・ロック」も大好きだ。このアルバムは好きな曲が一杯詰まっていてファンとしては嬉しい悲鳴なのだが、現時点ではこの「シーザー・ロック」が一番のお気に入り。私がこのアルバム全体を聴き終えてイの一番に感じたのはビートルズというよりもウイングスのポール、そう、肩で風切ってブイブイいわしていた70年代ポールらしい作風が随所に見られることで、この曲なんかその最たるものではないか。だいたい “Caesar Rock” って何のこっちゃねん?変わったタイトルやなぁ... と思って聴き始めたら何のことはない “She's a rock” に引っ掛けた言葉遊びである。こういうおバカっぽいノリの軽さはまさに絶好調ポールの証し(でしょ?)。特に後半部でポールが “She's a, she's a, she's a, she's a...” と畳み掛け、Woo-hoo-hoo とマイケル・ジャクソンばりに雄叫びをあげるところなんかもう鳥肌モノで、ポール・マッカートニー完全復活!!! と ! を3つ付けたくなるほどのカッコ良さだ。ポールが叩いていると思しきイントロのバラけたドラムもエエ味出しとります... (^.^)
Caesar Rock - Paul McCartney


 D面では「ディスパイト・リピーティッド・ウォーニングス」が出色の出来。これは気候変動について歌った歌で、“再三の警告にもかかわらず、世界を間違った方向に導こうとする狂った船長” に例えてトランプ大統領を痛烈にディスった歌詞が聴き物だ。曲の構成は途中で何度も曲調が変わるというポールお得意のパターンで、70年代中期のウイングスっぽい展開がめちゃくちゃ嬉しい(^.^)  ポールも昔に帰ったように活き活きとした歌声を聞かせてくれている。中学生の頃、まだ音楽を聴き始めたばかりの私を一発で虜にしたポール・マッカートニー&ウイングスの懐かしい薫り... 私見だが、やっぱりポールは(らしさと言う点で)70年代が最高だと思う。
Paul McCartney - Despite Repeated Warnings


 このアルバムを手に入れてかれこれ2週間、家の中でも車の中でも(そして職場でも隠れて...笑)このアルバムばかり繰り返し聴いているが全く飽きが来ない。ポールのアルバムで、曲単位でつまみ聴きするのではなくアルバム丸ごと愛聴盤というのは「タッグ・オブ・ウォー」以来やなぁ... と感慨に耽っていたら、何とこのアルバムがポールにとって「タッグ・オブ・ウォー」以来36年ぶりの全米№1になったというニュースが飛び込んできた。まさにイチバーン!である。私的には今のヒットチャートには何の関心もないが、やはり “本物の音楽” は有象無象の一過性流行りモノとは次元が違う、格が違うということだろう。不毛なコンテンポラリー・ミュージック・シーンの中で燦然と輝く金字塔的作品がこの「エジプト・ステーション」なのだ。それにしても76才で全米アルバム・チャート初登場1位ってホンマに凄いわ。

【おまけ】ジュークボックスと化す生ポール(←15:40あたりから)に狂喜乱舞する人達... こんなパブがあったら(←VIPビール1杯10万円やったりして...笑)毎日通うやろなぁ。
Paul McCartney Carpool Karaoke

Paul McCartney Live from NYC

2018-09-16 | Paul McCartney
 先週の日曜日、久々の休日ということで昼過ぎに起きて “やっぱりよぉ寝たら身体が軽いのぉ...(^.^)” と上機嫌で何の気なしに YouTubeを開いたところ、何と Live中継でポールの「Live from NYC」をやっていた。“うわー、こんなんやってたんや...エライコッチャ!” ということでそれまでのユルユル気分は吹っ飛び、私はパソコン画面に釘付けに。私が見始めたのはちょうどライヴ終盤の「ヘルター・スケルター」からで “最初から見たかったなぁ...” と後悔したが、ラストの「アビーロード・メドレー」が終わってしばらくすると、再びポールが現れてオープニング・ナンバーの「ア・ハード・デイズ・ナイト」がスタート(^o^)丿 よくよく見ると画面右上に “recorded earlier today” と出ていたので、生放送ではなく数時間前に行われた生中継のフル・ショウをリピート放送していたということらしい。ということで今度は1時間40分にわたるポールの最新ライヴを最初から最後までガッツリと楽しませてもらった。
 この日はちょうどポールのニュー・アルバム「エジプト・ステーション」の発売日で、プロモーションの一環としてニューヨークのグランド・セントラル・ステーション(←“ステーション”繋がりやね...)に300人ほどのファンを入れて行われたギグの模様をポールのオフィシャル YouTubeチャンネルで世界に向けて生配信していたワケだが(←思い起こせば「アワ・ワールド」の衛星中継から50年... ホンマに凄い時代になったモンやわ...)、ライヴを見ながら “コレ、絶対に西新宿が飛びつくやろなぁ...” と思っていたら案の定2日後(!)のライトハウスの新作告知にライヴ DVD-Rが登場、二層ディスクの通常盤と一層ディスクのギフト盤の2種類リリースだが、“高ビットレートバージョン”という宣伝文句に釣られた私は迷わず前者を選んだ。実際に見てみるとインフォにあるような “超極上高画質” には思えなかったが、それでも YouTube をパソコンの小さな画面で見るよりは遥かにマシ。いずれ dapから出たブルーレイ盤も買うつもりなので、それまでの繋ぎとしてはコレで十分だ。
 ライヴの方は “アウト・ゼア・ツアー”~“ワン・オン・ワン・ツアー” の流れを汲む安心安定のセットリストを基本としながらも、アレンジを変えるなど目新しさを演出しようとする工夫が随所に見られ、来るべき“フレッシュン・アップ・ツアー” への期待がいやが上にも高まってくる。具体的に気がついた点をいくつか挙げると...

① 4曲目「レッティング・ゴー」の間奏でオーディエンスの中から生のホーン・セクションが現れるという斬新なアイデアが◎。ステージと観客の距離が近いスペシャル・ギグならではのイカした演出だ。
② 7曲目「マイ・ヴァレンタイン」は何と拡声器(!)を使って歌っている。私としてはこういうラヴ・ソングはあれこれ策を弄さずにシンプルに歌った方が良いと思うのだが、みなさんはどう思いますか?
③ 9曲目「フロム・ミー・トゥ・ユー」という意表を突いた選曲にはビックリ。コレはフレッシュン・アップ・ツアーの目玉の一つになりますな。オーディエンスもノリノリでめっちゃ楽しそうだ。
④ 12曲目「ブラックバード」は何とステージを降りてオーディエンスの中で歌うという神演出!!! かぶりつきの至近距離で“歌う生ポール” を観れるなんて、この日のオーディエンスがホンマに羨ましいわ。
⑤ 14曲目「フー・ケアズ」は“いじめ”についての曲ということで、“いじめられた経験のある” 女性2人をステージに上げ、いじめられた理由といじめた相手の名前を聞き、みんなでブーイング(笑) 特に2人目の女性は “ビートルズファンだという理由でバカにされた” とのことで、会場から一際大きなブーイングが起こっていた。彼女をいじめたベンとかいうクソ野郎は世界中のビートルズ・ファンを敵に回したな。
⑥ 21曲目「レット・イット・ビー」はポールが手回しオルゴールでそのメロディーを流してから始まるという粋な演出! オーディエンスは一斉にキャンドルを灯し、ヴィンテージ感溢れる駅構内のデザインと相まって実に良い雰囲気を醸し出す... もう最高です!!!

 とまぁこのように見どころ満載のライヴだったのだが、私が一番コーフンしたのはやはり「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」~「バック・イン・ザ・USSR」~「オブラディ・オブラダ」~「バースデー」~「レディ・マドンナ」とアッパーな曲が連続する中盤セクションだ。アップテンポでノリノリのロックンロールをガンガン歌い演奏する76才ポールのカッコ良さ... やっぱり私にとってこの人は神ですわ(≧▽≦)
Paul McCartney: Live from NYC


【追記】その後、ブルーレイの映像目当てで dap(digital archive promotion)レーベルから出た2CD+DVD+BD-Rセットを買ったのだが、2CDの音が酷くてガッカリ。配信時の高周波ノイズが耳障りで、何が “音質もアップグレードしたリマスター音源” やねん!とCDをブチ割りたくなった。こんな糞レーベルのブートは二度と買わんぞ٩(◦`꒳´◦)۶

サディスティック・ミカ・バンド 1st アルバム +「サイクリング・ブギ」7"

2018-09-09 | J-Rock/Pop
 今朝ネットを見ようとパソコンをつけてみてビックリ... ウチのブラウザは Google Chrome を使っているのだが、何故かタブが丸みを帯びたダサいデザインに変わってしまっており、しかも今まで難なく見れていた Flash Playerを使うサイトを開く度に Chrome に「許可」の確認を取らなければならないというアホバカ仕様に勝手に変更されていたのだ。慌ててネットで調べてみると、Chromeはユーザーの意思に関係なく強制的に最新ヴァージョンにアップデートされるようになっているとのことで(←何様のつもりじゃ!)、昨日が “10周年の大幅リニューアル” の日だったらしいのだ。何が “劇的に使いやすい新デザイン” やねん???  めっちゃ使いにくいんじゃ、ボケ!!! ブチ切れた私はブラウザを他のものに変更することも考えたが、今更新しいシステムに慣れるのも面倒くさいので、とりあえず新しい Chromeを即アンインストールして古いヴァージョンを再インストール。更に管理ツールをいじって Chromeのアップデートを無効にしてようやく一件落着... と思ったのも束の間、再起動してみると何故か最新ヴァージョンに戻ってしまっている。あー、めっちゃムカつく! こーなったら意地でも元通りにしてやろうと色々ネット検索してついに解決法を見つけた。自分用の備忘録として書き記しておくと、
 ①URLに chrome://flags/#top-chrome-md と入力。
 ②UI Layout for the browser's top chrome を Default から Normal に変更。
 ③Enable Ephemeral Flash Permissions をDefault から Disabled に変更。
 ④ブラウザ右下部の RELAUNCH NOW という青いボタンをクリックして完了。
これでどうにか無事元に戻り今のところ問題なく使えているが、おかげで半日無駄にしてしまった。レコードを買うためとはいえ、パソコン使うのってホンマにストレス溜まるわ...(>_<)  そもそもITエンジニアという人種は何故上手くいっているものをいじってあれこれ変えようとするのかねぇ...

 ということで思わず怒りの展開になってしまったが、気を取り直して音楽の話に行こう。今回も前回に引き続いてミカ・バンドだ。彼らの3枚のオリジナル・アルバムの中で一番ターンテーブルに乗る回数が多いのはセルフ・タイトルの 1st アルバム「サディスティック・ミカ・バンド」。世間の評価は 2ndアルバムの「黒船」の方が圧倒的に高いし、キラー・チューン「タイムマシンにおねがい」もそちらに入っているのだが、A面の和製プログレ風組曲っぽい作りがどうも苦手で(←「タイムマシン...」だけがめっちゃ浮いてるように思える...)、凄い作品だとは思うけれどもアルバム1枚を通して聴くことは滅多になく、いつも「タイムマシン」「颱風歌」「どんたく」「塀までひとっとび」の4曲だけをつまみ聴きしている。もちろん歌物が激減しフュージョンに色目を使った中途半端な 3rdアルバム「Hot! Menu」なんぞ全くの論外だ。私が好きなミカ・バンドの音楽性はあくまでも “歌心とユーモア溢れるキラキラしたポップ・ロック” であり、それを見事なまでに体現したのがこのデビュー・アルバムなのだ。
 このレコード、まずは A面のアタマでガツン!とやられる。ステイタス・クオーも顔負けのハードなつんのめり系ブギー・ロック A①「ダンス・ハ・スンダ」と極太ドラム・ブレイクに圧倒される A②「快傑シルヴァー・チャイルド」の連続コンボだ。特に②はサンプリング・ネタとして引っ張りだこの名演で、ユキヒロ入魂の超絶ドラミングといい、クリームばりにガンガン弾きまくる高中のギターといい、実にカッコ良い演奏だ。妖しげに響き渡るミカの笑い声も絶妙なスパイスになっている。尚、これ以外の曲も T.レックスの上位互換(笑)みたいな A③「宇宙時計」や、トノバンならではの叙情的な世界が愉しめるソフト&メロウな A④「シトロン・ガール」、そしてグルーヴィーなスロー・ブギ A⑤「影絵小屋」と、駄曲が1曲も無いのが素晴らしい。
 B面もメルヘンチックな B①「空の果てに腰かけて」、リゾート・ムード横溢の B②「銀河列車」、リラクセイション溢れるユキヒロのヴォーカルがエエ味出してるジャマイカン・テイストの B④「恋のミルキーウェイ」、そしてキッチュでポップなミカバンド・ミュージックの王道を行く B⑤「ピクニック・ブギ」など名曲名演のオンパレードなのだが、私の一番のお気に入りは B③「アリエヌ共和国」。ストーンズの「ブラウン・シュガー」の三軒隣りに住んでいるようなカッコイイ曲で、最も輝いていた頃のストーンズのグルーヴをしっかりと吸収・消化し、トノバン流に再構築して創り上げた至高の名曲名演だ。「タイムマシンにおねがい」でも作詞家としての非凡な才を如何なく発揮した松山猛が書いた “ジルバを踊る星屑と 目くばせ三日月薄化粧~♪” のラインがたまらなく好きだ。
 加藤和彦と言えば1968年にフォークルの「帰ってきたヨッパライ」でミリオン・セラーをカッ飛ばし、その後も絵に描いたような名曲「あの素晴らしい愛をもう一度」をヒットさせるなど、どちらかと言うとロックとは畑違いのイメージがあっただけに、初めてこのアルバムを聴いた時は(←もちろん後追いですが...)ホンマにビックリした。今改めて振り返ってみると、高中正義、高橋幸宏、小原礼といった強力なメンツを揃えて1973年という邦楽ロックの黎明期にこんな凄いアルバムを作ってしまうところに加藤和彦というアーティストの天才を見る思いがする。グラム・ロックが席巻していた当時のブリティッシュ・ロック・シーンに対するトノバンの憧憬が最良の形で結実したスーパーウルトラ大名盤であり、ミカ・バンドでどれか1枚と言うなら間違いなくこの 1stアルバムだ。
Sadistic Mika Band - Sadistic Mika Band (Full album)


 尚、このアルバムの初回盤のみ見開き仕様になっており、「サイクリング・ブギ / レコーディング・データ」というボーナス・シングル(BRT-1001)が付いていて、ネット上では結構な高値で取り引きされているようだ。A面の「サイクリング・ブギ」は先行リリースされた同名シングルとは別ヴァージョンで、より深いエコーがかけられ、ベースの音がかなり大きくミックスされている。“コケッコ ケコ ケコ ケコ ケコ~♪” で終わるエンディングでトノバンが悪戯っぽく “ケコ!” と呟くところも楽しい(^.^)  B面の「レコーディング・データ」というのは「快傑シルヴァー・チャイルド」をバックに当時の人気ラジオDJの高崎一郎氏がメンバー紹介、亀淵昭信氏がアルバム紹介をするというもの。特に “最近たいへん流行っておりますシンセサイザー...” や “ビートルズも使ったといわれるメロトロン...” のくだりが時代を感じさせて面白い(^.^)  そもそもサディスティック・ミカ・バンドというバンド名からして当時ブイブイいわしていたジョンのプラスティック・オノ・バンドをもじって付けたというのだから、ビートルズの影響力ってホンマに凄いですな...(^.^)
Sadistic Mika Band 1st Bonus 7inch


【おまけ】
「サイクリング・ブギ / オーロラ・ガール」(DTP-2681)
 デビュー・アルバムの前年にリリースされたミカ・バンド初のシングル盤がコレ。メンバーは加藤和彦、ミカ、そしてつのだひろ(ドラムス)の3人だけで、高中、高橋、小原はまだ参加していない。A面の「サイクリング・ブギ」はシンプルなスリー・コードを上手く使ったノリノリの疾走系チューンで、軽妙洒脱なコーラス・ハーモニーも含め、加藤和彦のアレンジ・センスがキラリと光っている。つのだひろが書いた “マンボ・ズボンに白いマフラー~♪”や“ポニーテールに粋なサンダル~♪”、“今日も峠の小径~♪”に“明日は銀座の街角~♪”と、60年代昭和歌謡の必殺フレーズが次々と飛び出す歌詞も曲のドライヴ感に拍車をかけており、この曲の名演度アップに大きく貢献している。尚、イントロでミカが“レッツゴー、ドーナッツ!”と叫んでいるのはこのレコードが記念すべき第1弾となった加藤和彦の個人レーベルである“ドーナッツ・レコード”のことだ。
 B面の「オーロラ・ガール」は、もろにT.レックスのイミテーションをしてみました... という感じの遊び心溢れるナンバーで(←ミディアム・テンポにこのコーラス・ワーク... 本家 T.レックスよりも T.レックスっぽいやん...笑)、「テレグラム・サム」に「ニューヨーク・シティ」をたっぷり振りかけてレンジでチンしたら出来上がり(?)みたいな笑撃のケッ作。オリジナル・アルバム未収録で、このシングル盤とベスト盤 CDでしか聴けない貴重な音源だ。
Sadistic Mika Band - Aurora Girl 1972

タイムマシンにおねがい / サディスティック・ミカ・バンド

2018-09-01 | J-Rock/Pop
 私は日々音楽漬けの生活を送っているせいか、何の前触れもなく突然頭の中で音楽が鳴り出すことがよくある。その大半は印象的なギター・リフのイントロを持った曲で、ある時は「レイラ」だったり、ある時は「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」だったり、またある時は「20thセンチュリー・ボーイ」だったりと洋楽が圧倒的に多いのだが、邦楽ではサディスティック・ミカ・バンドの「タイムマシンにおねがい」が定番中の定番だ。つい先日も仕事の真っ最中にこの曲が頭の中で何度も何度もヘビロテしてしまい(←全然仕事に集中してへんな... 笑)そそくさと家に帰って久々にミカ・バンドを大音響で聴いたのだが、やっぱりエエですなぁ... (≧▽≦)  というワケで、今日は「タイムマシンにおねがい」特集です。

①福井ミカ・オリジナル Ver. (with オリジナル・ミカ・バンド) [1974]
 彼らの代表作であると同時に邦楽ロックの最高峰と言っても過言ではないこのオリジナル・シングル盤(DTP-20053)も今となっては入手困難らしく、ヤフオクでは3,000~4,000円ぐらいの高値で取り引きされているようだが、CDで聴き慣れたこの曲をシングル盤の45回転で聴くとその桁違いの爆音に圧倒されること間違いなし! いきなり炸裂するイントロのリフ攻撃だけで軽く3メートルはぶっ飛ぶはずだ。ミカのヴォーカルのド迫力もハンパない。今回の特集でかれんやカエラといった他のヴォーカリストを聴いた後に初代のミカを聴くと、やっぱり本家本元には敵わんなぁと痛感させられる。素人感覚丸出しの彼女のヴォーカルが無ければ初期ミカ・バンドのポップでキッチュなサウンドは成り立たないのではないかとさえ思えてくる、究極のヘタウマ・ヴォーカルだ。
サディスティック・ミカ・バンド/タイムマシンにおねがい(1974年)


②桐島かれん Ver.(with 第2期ミカ・バンド) [1989年]
 歴代のミカ・バンド女性ヴォーカリストの中で、上手いヘタは抜きにして最もこのバンドのサウンドに合っているのは初代のミカだと思うが、ヴィジュアル的に言うと2代目の桐島かれんが断トツにいい。“華がある” とでもいえばいいのか、彼女の細やかな動作の一つ一つが妖艶な魅力を振りまいて観る者を魅了するし、ミカ・バンドならではの無国籍サウンドもこの時代のバブリーな感覚に絶妙にマッチしている。目で見て楽しめるゴージャスなミカ・バンドならこの第2期だ。
タイムマシンにおねがい - SADISTIC MICA BAND LIVE IN TOKYO 1989


③福井ミカ Ver.(with ユーミン, 高中正義, 高橋幸宏) [1996年]
 1996年に中野サンプラザで行われた「荒井由実復活コンサート」にミカがゲスト出演した時の映像がこれ。頭おかしいとしか思えないほどスイッチングを多用したカメラワークには吐き気がするが、貫録十分のミカのヴォーカルにユーミンがハモるところなんかもう鳥肌モノ。絵に描いたようなヘタウマ・ヴォーカルの二人が生み出すケミストリーにゾクゾクさせられること間違いなし! “ずっとミカに憧れていた” というユーミンはもうノリノリで、実に楽しそうに “憧れの人” ミカとの共演を楽しんでいる。高中“さかなクン”正義(笑)のギターもキレッキレだ。
タイムマシンにお願い


④福井ミカ Ver.(with 高中正義, Char, 村上ポンタ秀一, 吉田建, そうる透) [1997年]
 これは1997年に日本武道館で行われた高中正義の「虹伝説Ⅱライヴ」にミカがゲストとして参加した時の映像で、長年のイギリス生活で見た目はすっかり和製アン・ウィルソン(笑)と化してしまったが、そのパンチのあるヴォーカルはまだまだ健在で、怖いもの知らずの無勝手流唱法で圧倒的な存在感を示している。ゲスト参加した Char の遊び心溢れるプレイも必見で、茶目っ気たっぷりに “鉄腕アトム” のフレーズを挟むなど、このスーパーセッションを心から楽しんでいるようだ。
タイムマシンにおねがい


⑤木村カエラ Ver.(with 第3期ミカ・バンド) [2007年]
 私はJ-Popには全く興味がないので、この木村カエラというシンガーのことはミカ・バンドの3代目ヴォーカリストを務めたということ以外何も知らなかった。だから聴く前は大して期待していなかったのだが、実際に聴いてみてビックリ(゜o゜)  ミカやかれんほどの強烈な個性には欠けるものの、歌の上手さでは彼女が一番で、コンテンポラリーなJ-Popシンガーとは思えないような堂々たるパフォーマンスでミカバンドのヴォーカルという大役を立派にこなしていることに大いに感銘を受けた。いやホンマ、この娘すごいわ... 彼女を選んだトノバンの眼力に敬服!
タイムマシンにおねがい - SADISTIC MICA BAND