shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

モノラル「White Album」のA面 1G盤ゲット\(^o^)/

2022-04-29 | The Beatles
 マザー/スタンパー 1G盤の音の凄さは今更言うまでもないが、2ヶ月前にB-SELSで購入したラウドカットの1G盤2枚を聴いてからは “UKオリジナルの1G盤こそが究極” との思いをより強くし、“有象無象のレコード1,000枚よりも1枚の1G盤” という信念の下に鵜の目鷹の目でネットを検索(→昨日のヤフーニュースで$1が130円台に突入したと知った時はさすがにガックリきたが...)する毎日だ。
 ビートルズの1G盤で特に入手が難しいのがいわゆる “後期” のアルバムで、中でも「White Album」「Abbey Road」「Let It Be」の3枚は最難関と言えるのではないか。試しに過去18年間のeBayの落札記録を調べてみたところ、「Abbey Road」と「Let It Be」の1G盤はどちらもたったの2枚しか出品されておらず、それも片面のみというのだから巡り合える確率としてはもう宝くじに当たるレベルの低さだ。
 一方、「White Album」モノラル盤の1Gというのはこれまで何回か見かけたことはあるが、そのほとんどはSide‐4のみで、どういうワケかSide‐1~3の1Gというのは激レアなのだ。私はラッキーなことに2年ほど前にディスク2の両面1G盤を手に入れることが出来たので、それ以来Side‐1と2の1G盤が喉から手が出るほど欲しかった。
 そしてついに先月、Side‐1の1G盤がeBayに出品された。それもBuy It Now、つまり早い者勝ちである。表示価格は€225、つまり31,000円という破格値で念願の1G盤が買えてしまうのだ。何でこんなに安いんや?と思いながら商品説明を読むと “4面とも盤の見た目はキレイやけど実際の音は少しチリパチの入るVG+レベル。普通のリスナーなら問題ないが、音にうるさいオーディオファイルの人達にはオススメしない。価格相応の音。” とのこと。
 写真で見る限り盤の状態は良さそうやし、3万円少々の出費で最低でもVG+ か上手くいけばそれ以上のホワイト1G(←なんかソフトバンクのスマホみたいやな...)盤を買えるのなら安いものである。センター・レーベルは “An EMI Recording” 表記があるが(→因みに手持ちの1Gはなぜかすべて “An EMI Recording” だ...)、重要なのは盤そのものであってレーベルではない。
 私は速攻で購入ボタンをクリック、3週間ほどでオランダから届いた盤(→ロシアの戦闘機に撃ち落とされへんかと気が気じゃなかった...)を念入りに3回(笑)超音波クリーニングして実際にかけてみたところ、VG+どころかExレベルの良い音で鳴ってくれて大喜びした。唯一「Revolution 9」のイントロ部分で大きめのプツプツ音が数回入るが、幸いなことにこの曲はいつも飛ばすので何の問題もない。それどころか絶対に聴かない「Revolution 9」のキズのおかげで安い値段設定になったのだからこんなありがたいことはない(^.^)
 で、肝心の音の印象だが、Side‐1の1Gの音は手持ちのSide3/4の1G盤と同傾向で、これまで聴いてきたどの盤とも違う、実に深みのある良い音なのだ。これはぜひともSさんにも聴いていただこうと思い、早速B-SELSに持って行った。

 私:今日はこれ、どうですか?
 Sさん:おぉ、「ホワイト」のプロモで... 1Gじゃないですか! これはレアですね。さっそく聴きましょう。
 私:(A①「Back In The U.S.S.R.」を聴き終えて)どうですか?
 Sさん:きますねぇ、ヘヘヘ...(と満面の笑みでサムズアップ)
 私:このA②「Dear Prudence」、今まで聴いてきたどの盤よりも押し出し感が強くてビックリもんですわ。
 Sさん:これ聴いたらプルーデンスも思わず出てきそうな、そんな音ですね。
 私:上手いこと言わはりますね(笑)
 Sさん:A③「Glass Onion」のポールのベースの音、最高です!
 私:でしょ? 僕もビックリしました。それと、リンゴのドラムの音が鮮烈でめっちゃ気持ちエエです。
 Sさん:A④「Ob-La-Di, Ob-La-Da」もベースがうねってますね。こうやって聴くと、Side‐1の曲ってどれも1Gの音に合ってますね。
 私:そうそう、私もそう思います。1Gは低音の迫力が段違いです。
 Sさん:A⑤「Wild Honey Pie」のリンゴのバスドラ凄いですねー(゜o゜) こんなバスドラの音入ってたんかっていうぐらいビックリしました。
 私:これ聴いたら「White Album」がますます好きになっちゃいますよ。
 Sさん:そういう意味ではこのA⑥「The Continuing Story Of Bungalow Bill」が想像以上に良かったです。
 私:わかります、その気持ち。今まで聴いてきたのと印象が違いますもん。
 Sさん:そうそう、聞こえ方が違いますよね。このA⑦「While My Guitar Gently Weeps」なんてまさにそう。クラプトンのギターがめっちゃよぉ聞こえます。他の盤やったらギターの音が潰れがちなのに...
 私:このギターはシビレますね(≧▽≦)  それとこのA⑧「Happiness Is A Warm Gun」、めちゃくちゃ凄くないですか?
 Sさん: そうそう、特にギターとベースとヴォーカルのユニゾンのところ、いやぁカッコイイ!!!
 私:この1G盤で聴いて、いままで “普通に好き” やったこの曲が “めちゃくちゃ好き” になりましたわ。
 Sさん:良い音で聴くと新たな発見がありますね。
 私:特にこの「White Album」ってそういう発見がいっぱいありそうな、まさに “宝の山” ですよ。
 Sさん:ホワイトのモノラルっていうだけでも貴重なのに、ましてや1Gなんてその中でも最高峰ですからね。
 私:ご満足いただけてよかったです。これで残すはSide‐2だけになりました。モノラル・ホワイトの全面1G達成が夢なんですよ。何ていうか、スロットマシーンで1Gを4つ並べるような感覚です。ジャックポット出ぇへんかなぁ...
 Sさん:アハハハハ...

 とまぁこのように1GのA面をちょうど聴き終わって二人で余韻に浸っていた時に一人の紳士が入ってこられた。その方はB-SELSの日記に何度も登場されている常連のKMさんで、Sさんがお互いを紹介して下さった。色々お話ししてみると、ビートルズを聴き始めたきっかけが2人とも赤盤だったりとか、リアルタイムで80's洋楽にハマりまくった思い出だとか、共感ポイントがいっぱいあってとても楽しいひと時を過ごさせていただいた。Sさんも日記に書かれていたが、「Revolution」「Paperback Writer」「She Loves You」「A Hard Day's Night」「Ticket To Ride」と、KMさんが最近B-SELSで買われたUKシングルのタイトルを見ただけでKMさんの “ビートルズ愛” と筋金入りの “ロック魂” がわかろうというものだ。結局ビートルズ談義がめちゃくちゃ盛り上がり、KMさんと二人でB-SELSを出たた時は夜の9時を回っていた。

ライトセイバー買った\(^o^)/

2022-04-27 | Star Wars
 先々週の金曜のこと、朝出社していつものようにパソコンの電源ボタンを押したのだが全く反応が無い。何度押してもウンともスンともいわないのだ。自分のパソコンでブルー・スクリーンが出てビビったことは何度かあるが、何の前触れもなく起動すらしなくなってしまうなんて初めての経験だ。慌てて仲良しの同僚に泣きつくと “わりとよくあるんですよ、急に壊れるの。ウチの会社から支給されてるパソコンって安物ですからね。運が悪かったとしか言いようがないです...” と言って慰められた。しゃーないので早速担当部署に連絡したところ、“すぐに代替品を手配しますがデータの復旧は諦めて下さい” とのこと。ガーン...(゜o゜) これまで長~い時間をかけて作成した資料やデータがすべて消えてしまった。まさか会社のパソコンが壊れるなんて夢にも思わなかったのでバックアップを取っていなかったのだ。
 さすがの私もショックが大きすぎてせっかくの週末も凹みまくっていたのだが、いくら悩んでみても消えたデータは復活しない。済んでしまったことはしゃあない... こういう時は何かデカい買い物でもして気分をアゲるのが一番だ... と考えた私は円安で最近ご無沙汰していたeBayを久々に覗いてみたのだが(←£が151円から166円に爆下げしてて呆れた... なんやこれ...)、欲しい1Gスタンパー盤がそうそう都合よく出品されているはずもない。
 あ~、なんかムシャクシャしてきた.. こーなったらもう後には引けない。レコードがアカンのやったらそれ以外で... と考えて真っ先に思いついたのがライトセイバーである(笑) ちょうどその前日にたまたま同僚のKちゃんと “スター・ウォーズ・ファンやったら一家に一本ライトセイバー欲しいよな...” と盛り上がったばかりだったので多分そのせいだろう。良識ある一般ピープルからしたら “大の大人がアホちゃうか...” と思われそうだが、スター・ウォーズ・マニアにとって、ライトセイバー(←もちろん安物のおもちゃではなく精巧なレプリカのヤツ)は垂涎の逸品なのだ。商品化されているセイバーにはピンからキリまで色々あるが、どうせ買うなら映画そっくりに光るもの、それもパッと全体が光るのではなく根元から先端へ光がシューッと伸びていくように光る「FXライトセイバー」が欲しい。
 カスタム・メイド・モデルを除くと、現在入手可能なライトセイバーのレプリカ・モデルは、2007年までルーカス・フィルムと製造契約をしていたマスター・レプリカ社の製品と、それ以降に製造契約したハズブロ社の製品が存在するが、YouTubeにいくつも出ている比較動画を見れば、発光の仕方といい、効果音のリアリティといい、マスター・レプリカ社の製品の方が圧倒的に完成度が高いし、何よりもまず大嫌いなディズニーが関わっているという時点でハズブロ製はお断りだ。早速ネット検索してみたところ、メルカリで10,000円ポッキリのMR製ダース・ベイダー・モデル(赤)を発見。写真で見る限りLEDの発光ムラもなく非常にキレイだったので、私は即買いを決めた。
 土曜に購入したセイバーが月曜に届く手はずになっていたこともあって、週明けはめちゃくちゃハイテンションで出勤。周りから “パソコン壊れてあんだけ落ち込んでたのに一体何があったん...?” と訝しがられたのだが、一番仲の良い同僚2人に “実はライトセイバー買ってん!” と言うと腹を抱えて大笑いされた。2人とも “それだけで立ち直ってしまうところが凄いわ...” と感心し(or呆れ?)ていたが、自分としては今回の衝動買いで脳に元気を与えて短時間でショックを乗り越えれたと超ポジティヴに捉えている。正直言って消えたデータのことなどもう1ミリも気にしていない。いや、それどころか、パソコンが壊れてくれたおかげで念願のライトセイバーを買うきっかけになったとむしろ感謝したいくらいだ。
ライトセイバー を比較 ダース・ベイダー マスターレプリカ と ハズブロー


 帰宅後、時間指定通りにブツが届いた。ウキウキワクワクしながら自室に持って入り梱包を解く。おぉ、ブレード部分も金属部分もピッカピカではないか! 色々調べたところによると、このモデルは持ち手のグリップ部分が経年劣化してベタついていることが多いらしいが、私が手に入れたのは商品説明通りの美品である。早速単3電池を3つ入れてドキドキしながら発光スイッチを入れると、映画とまったく同じ “ピシュウ!” という効果音と共に赤い光が先端まで伸びていき、逆にオフにすると “シュッ!” という音を立てて光の刃がヒルト(柄)に収まるのが超カッコイイ(≧▽≦)  しかもセイバーを振ると内蔵された振動センサーが反応して “ブゥ~ン” という音まで鳴るのだ。YouTube動画で見るのと実際に自分が体験するのとはエライ違いで、おぉ、これは凄い凄い!と大コーフン(^o^)丿 気分はすっかりシスの暗黒卿だ。結局その日は真夜中の2時すぎまで部屋の電気を消してセイバーを振り回して遊んでしまった。110cmとデカすぎて置き場所に困るのが唯一の難点だが、まぁこればっかりはどうしようもないので今はレコード棚に立てかけて置いている。
 そんなこんなで仕事のデータ消失のショックは雲散霧消してお釣りがくるほどのルンルン気分なのだが、実はひとつ悩んでいることがある... そう、あんまり嬉しすぎて別モデルのセイバーも欲しくなってしまったのだ。何の実用性も無いブツに大枚を叩くなんて、いやはやまったくホンマに恥ずかしい限りだが、欲しいもんはしゃあない。ベイダーの赤いセイバーの次はオビワンの青にしようか、ルークの緑にしようか、ただ今思案中だ。
All Lightsaber Duels in Star Wars (Live Action)


【おまけ】ライトセイバー1本でいかにテンションが上がるかがわかるのがこの動画。バンクーバー交響楽団の指揮者さん、演奏の途中(1:40あたり)で何かゴソゴソしだしたと思ったらいきなり赤のライトセイバーを取り出してノリノリで指揮。すっかり暗黒面に墜ちたのか、後半は指揮そっちのけでセイバーを振り回し、最後は相手を突き刺すようなポーズでキメるという、シスの暗黒卿もビックリのパフォーマンスで大喝采を浴びているのだ。やっぱりスター・ウォーズの世界は楽しいなぁ...(^.^)
'The Imperial March' by Vancouver Symphony Orchestra

各国盤頂上決戦⑨「Led Zeppelin Ⅳ」パート2

2022-04-21 | Led Zeppelin

 「Zep Ⅳ」は半年ほど前に “各国盤頂上決戦②” でインド盤、ウルグアイ盤2種、トルコ盤の4枚を聴き比べたのだが、その後ペルー盤とイスラエル盤2種を手に入れたので、続編として「Zep Ⅳ」各国盤聴き比べの“パート2”をやってみた。

①ペルー盤(2401012-1L 9 / ATLANTC 2401012-2L 10)
 このアルバムはジャケットにタイトル名もグループ名も無いので世間では「Untitled」とか「Four Symbols」とか呼ばれているが(←私はシンプルに「Ⅳ」が一番わかりやすくていいと思う...)、ペルー盤にはジャケット下部にデカデカと「THE NEW LED ZEPPELIN ALBUM」という文字が躍っており、数ある「Ⅳ」の各国盤の中でもひときわ異彩を放っている。
 ペルーのゼップと言えば「Ⅱ」、「Ⅲ」と凄まじい爆裂サウンドが売りだったのでこの「Ⅳ」も大いに期待して針を落としたのだが、出てきた音はめっちゃショボいサウンドで、期待が大きかった分、思いっ切り肩透かしを食ったような物足りなさを感じてしまう。一番不満な点は高音の伸びがイマイチなところで、低音域もモコモコしており、この独自カッティングは大失敗だったと言わざるを得ない。音の鮮度が低いというか、何だか “盤起こし” したみたいな眠たい音になってしまっているのだ。ウルグアイ盤といい、このペルー盤といい、南米の「Zep Ⅳ」はことごとくハズレなのは何故なんだろう?

②イスラエル盤 1stプレス(ST-A-712285-F PORKY AT/GP PR / ST-A-712286-F PECKO DUCK AT/GP PR)
 イスラエル盤のゼップは「Ⅰ」から「Ⅲ」までの初期3枚は “GAL-RON LTD., LICENSEE” 表記の盤が1stプレスで、この「Ⅳ」から“MFG. BY ATLANTIC RECORDING CORP., MADE IN ISRAEL” 表記に切り替わると前回書いたが、その根拠となるレコードがこれ。レーベル下部のリムが黒く塗りつぶされているのが一際目を引くが、そこに光を当ててよくよく見ると“GAL-RON LTD., LICENSEE”と読めるのだ。つまり「Ⅳ」の発売直前に権利関係が GAL-RON LTD. から CBS に移り、既に出荷待ちの状態にあった最初期盤のセンター・レーベルを慌てて塗りつぶしたと考えるのが妥当だろう。
 このイスラエル盤はPORKY / PECKO DUCK のUS初版マザーが使われており、これぞハードロック!!!と言いたくなるような鮮烈な音が楽しめる。UK初版の深みのある音とは違うが、何よりもまずゼップに切れ味の鋭さを求める人にはこのUSマザーの音が合うだろう。当然US盤よりも圧倒的にプレス枚数は少ないはずなので、中途半端なUS初版に大枚を叩くぐらいなら盤質の良いイスラエル盤を買う方が絶対にお得。それにしてもホンマにキレッキレな音しとるなぁ...

③イスラエル盤 2ndプレス(ST-A-712285-F PORKY AT/GP PR I2 / ST-A-712286-F PECKO DUCK AT/GP I2 PR)
 この2ndプレス盤も上記の1stプレス盤と同じUSマザーで、違いと言えばレーベル・デザイン(赤色もちょっとオレンジっぽい...)とデッドワックス部分の“I2”刻印(←最初はISRAELのISだと勘違いしていたがよくよく見ると Sが左右逆向きだった...)ぐらいしかない。肝心の音の方は1stプレス盤の尖がった部分が少し緩和されて聴きやすくなっている印象だがその違いはごく僅か。敢えて例えるなら「Wings Wild Life」UKマト9とマト11ぐらいの差しかなく、2ndプレスでもバリバリのハードロック・サウンドが楽しめることに変わりはない。②の塗りつぶし盤(?)はごく少数しか出回ってないようなので、イスラエル盤の「Ⅳ」はこのレーベル・デザインでコーティング・ジャケットのもの(←非コーティング・ジャケの盤はレイター・プレスなので要注意)を買えば間違いないだろう。

各国盤頂上決戦⑧「Led Zeppelin Ⅲ」

2022-04-16 | Led Zeppelin

①ウルグアイ盤(2401002 A / MH 2401002 B)
 私が持っているゼップのウルグアイ盤の中で一番よく聴くのがこの「Ⅲ」だ。前回取り上げた「Ⅱ」も良かったが、この「Ⅲ」はそれ以上に吹っ切れた “ハードロック全振り” の音作りが気持ち良く、特にA面との相性は抜群だと思う。ユニークなアートワークのジャケットも面白い。
 聴感上の特徴としては中高域のエネルギー感がとにかく強烈で、A①「Immigrant Song」ではプラントの金属的なヴォーカルがよりパワーアップしており、ペイジのギターもキレッキレ。日本では入場曲としても有名になったブルーザー・ブロディが降臨したかのようなそのアグレッシヴなサウンドは一聴の価値アリだ。A②「Friends」の不協和音的なアコギの響きも妖しさ満点で、聴き込んでいくうちにいつしか病みつきになってしまう不思議な魅力に溢れている。

②イスラエル盤(ST-A-702005-D I2 / ST-A-702006-E A-13470-A (2) two Mastercraft PR ‐So Mote Be it‐ AT I2)
 イスラエル盤のゼップは「Ⅰ」から「Ⅲ」までの初期3枚は“MANUFACTURED IN ISRAEL BY GAL-RON LTD., LICENSEE”表記の盤が1stプレスで、盤もそこそこ分厚い。デッドワックスを確認すると、例のクロウリーの言葉が刻まれているのはB面だけで、A面には例の “Do What Thou Wilt”が刻まれていない。
 一聴してわかるのはイスラエルの「Ⅲ」は元気印の「Ⅰ」ではなくスッキリまとまった「Ⅱ」と同傾向の音作りだということで、音が飛び出してくるというよりはスピーカーの向こうにカッチリと音像を結ぶような感じ。A①「Immigrant Song」なんかその典型で、ボンゾのドラミングが寸止め状態でイマイチ爆発しないのが物足りない。チェーンを忘れてきてばつが悪そうにウロウロしているブロディ(笑)という感じだ。A②「Friends」からA③「Celebration Day」といったネチコい(?)ナンバーも整然とした感じだし、A④「Since I've Been Loving You」も私的にはもっとドロドロしてもらいたいのだが、このあたりは好みが分かれるところかもしれない。

③ペルー盤(ATCO 7201-1L DP.V62- 124 / ATCO 7201-2L 123)
 初期ゼップのペルー盤は聴いてて気持ちがいい。細かいことを気にせずに、とにかくデカい音で聴く者を圧倒してしまおうという音作りのポリシーが実に潔い。さすがに前回の「Ⅱ」ほどエグくはないが、この「Ⅲ」もかなりガンガンくる音作りで、私としては大好きなサウンドだ。
 A①「Immigrant Song」なんかまさに雄叫びを挙げながらチェーンを振り回して暴れ回るブロディのイメージそのもののサウンドで、ハチャメチャに荒れ狂っている感じがとても良い。A④「Since I've Been Loving You」のめっちゃ太いベースにもビックリで、ペイジのラウドなギターやボンゾの爆裂ドラムとの相乗効果で強烈なインパクトを残す。A⑤「Out On The Tiles」のプラントのヴォーカルなんかもう凶器そのものだ。

各国盤頂上決戦⑦「Led Zeppelin Ⅱ」

2022-04-09 | Led Zeppelin

①ウルグアイ盤(MH 14108 1 18 / MH 14108 2 18)
 以前に「Zep Ⅳ」の各国盤聴き比べをやった時に書いたが、ウルグアイのゼップには2度裏切られているので、この「Zep Ⅱ」も最初は購入を迷った。色々考えた結果、“今度こそ大丈夫だろう...” という淡い期待と、ジャケットに “Gold award record” プリントのない2ndプレスで$40というギリギリギャンブルできる絶妙な価格設定に釣られて購入を決意。その結果は大正解で、ウルグアイ盤「Ⅳ」の埃っぽい音とはまったく違うクリアーで野太いサウンドが楽しめて大喜び。ボンゾとジョンジーのリズム隊も元気一杯だし、ペイジのギターもソリッドでシャープ。もちろんプラントも縦横無尽に暴れ回っている。ウルグアイ盤ゼップ名誉挽回の1枚だ。

②イスラエル盤(STH-691671-N LW AT I2 W / ST-A-691672-Q AT LW W I2)
 このイスラエル盤の音を一言で言い表せば“ゴツゴツした岩のような音”。ベースの下の方まで音がしっかり出ており、地響きを立ててスピーカーが鳴っているような感じなので、ジョンジーが大活躍するA③「Lemon Song」やB⑤「Bring It On Home」のような曲との相性は抜群だ。音自体も実にクリアーでシンバルの音なんかいかにも“金属”という感じでシャーンと伸びるのだが、好事魔多しというべきか、残念なことにスピーカーから音が飛び出してくるというよりはむしろスピーカーの少し奥の方に音像が立ち上ってそこで4人が演奏しているような、ちょっと距離感を感じる音作りなのだ。爆音大好き人間の私にとって何よりも残念なのはボンゾのドラムが少々引っ込み気味なことで、これではゼップを聴いたという実感が湧かない。私にとってゼップを聴くということは極論すればボンゾの爆裂ドラムを聴くということなのだ。

③ペルー盤(SD-8236-1L STEREO / SD-8236-2L STEREO)
 ウルグアイ、イスラエルと聴いてきて続きにこのペルー盤をかけるとその凄まじいまでの音圧差に驚かされる。次元が違うというべきか、ヴォーカルも含めてすべての楽器が津波のようにドドーッと押し寄せてくる快感を何と表現しよう?「Zep Ⅱ」のラウドカットをまさかペルー盤で聴けるとは夢にも思わなんだ(^o^)丿 これがプロモ盤最初期プレスの実力なのか、それともすべてのペルー盤「Zep Ⅱ」に共通する特性なのかはわからないが、この音は強烈そのもの。実はA①「Whole Lotta Love」に1ヶ所プレスミスとおぼしき箇所があって一瞬音が飛ぶのでB-SELSのSさんに診てもらいに持って行ったのだが、その時この音を聴いたSさんは “もの凄い音してますね。これはビックリしました。” と目を真ん丸にして驚いておられた。とにかくこれはヤバい。ヤバすぎる音だ。

各国盤頂上決戦⑥「Led Zeppelin Ⅰ」

2022-04-03 | Led Zeppelin
 私がビートルズ以外で各国盤まで手を出そうと思えるアーティストはほんのわずかだが、そんな中で “ベスト・オブ・ザ・レスト” 的存在がレッド・ゼッペリンだ。もちろんビートルズの「アナログ・ミステリー・ツアー」のようなガイド本もなければゼップの各国盤を取り上げたサイトも見当たらないので結構大変なのだが、そんな “道なき道” を彷徨いながら試行錯誤を重ねてレコードを買っていった記録として読んでもらえたらありがたい。まずは彼らのデビュー・アルバムから。

①ウルグアイ盤(MH 14015 1 1S / MH 14015 2 1S)
 ウルグアイの「Zep I」はめちゃくちゃレアらしく、滅多に市場に出てこない。私は以前このブログに書いたウルグアイのお友達セラーにお願いして探してもらい、盤質VGのブツをやっとのことで手に入れたのだが、届いた盤はセラーの言うように見た目はイマイチ。丁寧にクリーニングすると結構キレイになって、針を落とすと時々チリパチいうものの、何とかVG++ぐらいの音で鳴ってくれた。
 音の方は可もなく不可もなくと言う感じの中庸サウンドで、UK盤やUS盤を凌ぐような突出した要素はどこにも見られない。まぁ比較対象が “ターコイズ・UK” や “ジョージ・ピロス・US” では相手が悪すぎるが、それにしても、これ!という飛び抜けたところが無いというのが正直なところ。要するにこのレコードはレアだからと言って血眼になって探しまくるような盤では決してないということだ。ウルグアイのゼップは当たり外れが激しいので熱心なマニア以外はパスしていいと思う。

②イスラエル盤(ST-A-681461-B LW I2 / ST-A-681462-B LW I2)
 イスラエル盤のレッド・ゼッペリンはどのタイトルも数種類出ていて非常にややこしい。最初はどれが1stプレスなのか、そしてどのプレスが一番音が良いのか、何のデータも無いのでサッパリわからなかったが、ちょうど仕事がヒマだったこともあって、Discogsのデータ(←時々間違ってる場合があるので完全には信用してないけど...)をベースにeBayやその他のレコード販売サイトを徹底的に調べ上げて補正し、自分なりの“レッド・ゼッペリン・イスラエル盤プレス一覧表” を作って、それに基づいてレコードを買っていった。
 私が調べたところでは「Led ZeppelinⅠ」のイスラエル盤は3種類出ており、リアルタイムでリリースされた1stプレスが上記の写真のもの。赤緑レーベル下部のリムに“MANUFACTURED IN ISRAEL BY GAL-RON LTD., LICENSEE” と書いてあり、ジャケットの表はコーティング処理が施してあるのが大きな特徴だ。因みに70年代に入ってから出た2ndプレスはレーベル下部のリムの表記が“MFG. BY ATLANTIC RECORDING CORP., MADE IN ISRAEL” となっており、更に後に出た3rdプレス(多分1980年前後?)はレーベル面右側に BAN40031とあり、リムにはWマークが付いている。
 出回っているのは2ndプレス盤が一番多いが、私は GAL-RON LTD., LICENSEE 表記の1stプレス盤が欲しかったので入手にひと苦労。結局ジョン・レノンのイスラエル盤を大量に買ったセラーがたまたまこの稀少な「Zep I」も出していたので一緒に購入。盤質表記はVGだったので少し心配だったが、届いた盤をしっかりとクリーニングしたらEXレベルの盤に変身した。こういうパターンは結構多いので、レコード・クリーニングってホンマに大事ですな。
 音を聴いた第一印象としては、とにかく音場が雄大で音が立体的にフワーッと広がるので聴いてて実に気持ちがいい。デカい壁のように目の前に(←結構近い!)屹立する音像はクリアーでシャープ。ジミーのアグレッシヴなギターが乱舞し、ボンゾ入魂の一打一打がビシバシ決まるのが超気持ちイイのだ。ビートルズで言うと、出来の良いインド・プレスみたいな感じ... と言えばわかりやすいかも。UKともUSとも違う、独自の音で楽しむ「Zep I」もオツなモノだ。